Apple Arcadeで遊べる国産タイトル3選!『TIME LOCKER+』、『PPKP+』、『ソリティ馬 Ride On!』

2023-05-22 12:00 投稿

カジュアルに遊べる国産タイトルも見逃すな!

Appleが提供するゲームサブスクリプションサービスのApple Arcade。

初月は無料、以降は月600円(税込)でゲームが課金や広告抜きに遊び放題になる本サービスにて、2023年5月4日に一挙19本のタイトルが追加された。

先日の一挙追加でも、ともに日本人の個人製作タイトルである『TIME LOCKER+』、『PPKP+』が登場するなど、Apple Arcadeでは国産タイトルも多く並んでいる。

今回は、上記2タイトルに『ソリティ馬 Ride On!』(以下、『ソリティ馬』)を加えた3タイトルをまとめて紹介しつつ、各タイトルのクリエイターに行ったショートインタビューの回答も掲載していく。

『TIME LOCKER+』

『TIME LOCKER+』は、自機が移動しているあいだだけ時間が進むシューティングゲームだ。

いわゆる縦スクロールシューティングとなっているが、敵や敵の弾は自機が移動しているときにしか動かないため、どのように動くかをじっくり考えながらプレイできるのが特徴となっている。

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▲シンプルなポリゴンを塗分けたようなビジュアルも特徴的。

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▲じっくり考えられるとは言え、時間経過によって画面下部からステージが消えていくので、ずっと立ち止まっていられるわけではない。

射撃は自動で行われるため、操作は画面をなぞって自機を動かすだけと非常にシンプル。

画面のどこをタップしても操作できることや、指を動かす速さによってゲームスピードも調整できるなど、タップ操作ならではの操作性を活用している作品と言えるだろう。

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▲緑色の敵は倒すとコインを、青色の敵は倒すと追加武装を落とす。赤い敵は自機を目指して動いてくるなど、色により敵の特徴も変化する。

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▲プレイを重ねることでスタート地点に強化要素が解放されていく。プレイで集めたコインを使うことで、自機の種類や初期武装などを変更できる。

本作は元々配信されていた広告ありの無料版でも強制的に表示される広告がなく、課金要素もそこまで大きなものではなかった。

それらの要素を撤廃するだけでは足りないと感じた開発者のOtsuka氏は、Apple Arcadeへの移植にあたりステージ全体の再調整を行ったという。

従来は直線的に上昇していた難度が曲線的な変化を見せるようになり、初心者は遊びやすく、遊び慣れたプレイヤーには後半の手応えを感じられるようになっているとのことだ。

無料版に比べて敵やボスの種類も増えているほか、自機の扱う武器などにも調整が入っているので、過去にプレイしたという人もこの機会にプレイしてみよう。

Otsuka氏へのインタビュー

以下は、本作をひとりで制作したOtsuka氏(文中、Otsuka)へのショートインタビューで得られた回答だ。

――本作を開発するうえで何か苦労したことはありましたか?

Otsuka 苦労というのはとくにありませんでした。ただ、最初は仮想パッドで操作する形式も試してはいたんですよ。でもそれだとおもしろくなくて。指の動きに合わせて自機が動く、というのは常識的に考えるとあり得ないんですけど、やってみたらハマったんですね。

ふつうは指をスライドして戻す瞬間にインターバルがあって、そのあいだは自機を動かせないからやられちゃうんですよね。でも今回はインターバル中に自機が止まったら敵が止まるので、そこがiPhoneで遊ぶゲームとしては上手くハマってくれました。

――ポリゴンをむき出しにしたグラフィックも印象的ですが、こちらはどういった部分から着想されたのでしょうか。

Otsuka 3Dは以前勤めていた会社にいたころに独学で勉強したもので、開発当時はまだ習得したてだったんですん。だから、テクスチャの使いかたがわからなかったんですよ(笑)。

意図してシンプルにしたのではなくて、そのときにできる限界で作った結果があのグラフィックだった、という感じですね。テクスチャでの差別化ができないので、敵の色で判別できるようにしています。

――ちなみに、敵は動物だったり機械だったりとバリエーションが豊富ですが、こちらはどのように選ばれたのですか?

Otsuka グラフィックに関しては、自分が好きなものを集めています。2Dのシューティングゲームって、伝統的に飛行機などの機械が出てくるじゃないですか。そういうミリタリーなものも好きなんですけど、動物も好きなんですよね。フニャフニャ動く動物を作りたかったんです。

最近になって、どうして自機の熊は何も持っていないのにお腹から弾を出しているんだろうか、とか冷静に考えると意味がわからないなと思っています(笑)。

『PPKP+』

『PPKP+』は、ふたつのボタンを使って敵と戦いながら街を復興させていくゲーム。

一見すると連打ゲーにも見えるシンプルさだが、敵によって有効な攻撃が違ったりタイミングよく防御することでカウンターが撃てたり、触ってみるとプレイヤーの工夫も大事になっていることがわかる。

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▲懐かしさを感じさせるドット絵がビシバシとバトルをくり広げる。

自キャラと敵の攻撃は交互に行われ、自キャラは画面中央にある緑色のゲージのぶんだけ攻撃を出すことができる。

オレンジを押せばキック、青を押せばパンチが出るほか、ゲームを進めれば特定のコマンドで技も出せるようになる。

敵によって有効な攻撃も変わってくるため、相手に合わせた戦いかたも重要だ。

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▲特定のアイテムをゲットすれば戦闘中に敵の弱点を確認できるようになる。

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▲コマンドによる技だけでなく、各ボタンの攻撃を当てると増加するゲージを使って技を出すことも可能。技の習得はたいへんだが、行動ターンを消費しないため非常に強力だ。

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▲敵が攻撃する前に出る光の色に合わせたボタンを押すことでダメージをより小さくすることができ、攻撃を食らう直前にボタンを押せばカウンターでダメージを与えることも可能。

メインは敵とのバトルだが、各種施設の復興や強化アイテムの購入など、拠点となる街でできることも多い。

スクラップ工場ではボタン連打で車を破壊して復興用のアイテムを集め、施設の復興を進めることで各種強化要素の解放と成長を行い、敵を倒して集めたコインでアイテムの購入を行っていく。

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▲某格闘ゲームを思わせる車を破壊するミニゲームも。じつは最初にドット絵の練習として車を描き始めたのが本作の始まりだったと製作者の嶋田氏は語っている。

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▲HP回復と経験値獲得ができる飲食店や技を習得できる道場など、複数の施設を活用してキャラクターを強化していく。

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▲バトルに必要なスタミナを即時回復したり、施設で特別なアイテムを購入するのに必要なダイヤはミニゲームで稼いでいく。ダイヤは無料版では課金アイテムとなっていた要素だ。

本作もApple Arcadeへの移植にあたり、単純に広告などを削除するだけではなく、ボタンの色や敵が出す攻撃の予兆などを見やすくし、敵を撃破した際の爆発を新たに描き下ろすなど、演出面での強化が加えられている。

シンプルながらに自分の上達やキャラクターの成長が楽しめる作品となっているので、ビジュアルやゲーム性に興味を持ったらプレイしてみよう。

嶋田氏へのインタビュー

以下は、本作をひとりで制作した嶋田氏(文中、嶋田)へのショートインタビューで得られた回答だ。

――本作はApple Arcadeの作品としては珍しく、バトルに出る際にガソリン(スタミナ)が必要となっていますが、これはなぜでしょうか?

嶋田 ガソリンについては、いまも外そうか悩んでいる部分であり、今後反応を見て変更する可能性はあります。時間制ではなくした場合、ガソリンを取得するためのちょっとした操作を入れてもいいかも、と考えています。

元々はいわゆる課金要素のひとつとして時間制にしていたのですが、ゲーム自体がシンプルなので、連続で遊びすぎるとすぐに飽きが来てしまうというのもありました。ちょっと遊んだら休憩して、その時間で飢餓感を演出する、といったイメージですね。

――ゲーム内では文字を使った説明がなく、ドット絵だけですべてが表現されているのも特徴的ですが、こちらは言語に囚われずにゲームを遊べるように、という意図もあったのでしょうか?

嶋田 それもありますね。あとは単純に、英語が苦手というのもあります。昔、Apple Storeでの説明文を何とか翻訳して書いたんですけど、外国人の方から「お前のゲームはおもしろいけど、説明文があまりにもヒドいからこういう風に書け」とメッセージをいただいたくらいです(笑)。

でも文字を使っていない理由はそれだけではないんですよ。ファミリーコンピュータなどの中古ソフトを買ったときって、説明書がなくて手探りで遊びながらルールを覚えることもあったじゃないですか。その感覚が個人的に好きだったので、ちょっと不親切なのはわかりつつも、敢えていまのようなかたちにしています。

『ソリティ馬』

1月20日からApple Arcadeに登場した『ソリティ馬』は、ソリティアと競馬を組み合わせた育成ゲーム。

過去にはニンテンドー3DS用タイトルとしてリリースされ、その後スマホ向け基本無料タイトルとしてサービスを開始したが、そちらは約1年でサービスが終了。しばらくの空白を経てApple Arcade版が登場した。

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ゲームを開始すると育成する馬を選択し、レースに出走しながら馬を育てていくこととなる。

レースはスタートダッシュのソリティアから位置取りの選択、ソリティアによる各種カードの取得、そしてラストの直線での馬操作、といった具合に進行。

ソリティア、コース取り、そしてラストでのスパートを仕掛けるタイミングなど、どの要素も重要になっており、まさにソリティア×競馬なゲームとなっている。

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▲スタート時のソリティアはカードの数が少ないが、“START!”のいずれかの文字をすばやく取らないと出遅れてしまう。

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▲内側外側でスタミナの消費が変わるほか、位置取りに応じてソリティアの難度も変化。また、コース上に落ちているカードを拾うと直後のソリティアでそのカードが取得可能となる。

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▲ソリティアで多くカードを取るほど馬のやる気も上昇。蹄鉄や電球などのマークが付いたカードを取れば育成やレースでのメリットも発生する。

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▲最後の直線では馬を直接操作。ムチによる加速だけでなく、レース中にブーストカードを取得していればほかの馬を押しのけての加速も可能になる。

出走結果に応じてつぎの出場するレースも変化し、勝利を重ねていけば重賞のレースに挑むこともできる。

ただしG1などの大きなレースになれば当然敵も手強くなり、容易に勝利することはできない。

育成が終わると新たな馬の育成がスタートするが、その際に自分が育てた馬たちの子を育てることもでき、その場合は親の能力を一部引き継いでのスタートとなる。

世代を継いで育成を進め、さまざまなレースを制覇していこう。

田谷氏へのインタビュー

以下は、本作のディレクターである田谷氏(文中、田谷)へのショートインタビューで得られた回答だ。

――1月の配信からしばらく時間が経ちましたが、アップデートではどのような調整が加えられたのでしょうか。

田谷 初心者には触りやすく、ニンテンドー3DSなどで遊ばれた経験者も楽しめるように、ということで難度が曲線的に上がるように作っていたのですが、ややむずかしすぎる部分があったようだったので、そのあたりに調整を入れています。具体的には、続けて遊ぶことで強い馬が生まれやすくなっています。

育てた馬同士で子どもを産んで、自分だけの血統を育てていくと強い馬が生まれやすくなっているので、配信直後に触ったけどむずかしくて止めちゃった、という人も再挑戦してみてほしいですね。

――育成を助ける要素などもありますか?

田谷 ある程度最高レベルまで育てやすいようにはしていますが、その一歩手前で止まってしまうこともあると思います。ゲームをプレイすると毎日ログインボーナスがもらえるのですが、そこでもらえるアイテムを使うと、レベルをひとつ上げられるんですよ。あと一歩、というところの後押しでそういったアイテムを活用してもらえれば、より楽しんでいただけるかと思います。

――Apple Arcade版が好評を博しているということで、続編を期待するファンも多いかと思います。そのあたりについてはいかがでしょうか。

田谷 具体的にお伝えできることはないのですが、個人的にもそういった想いはあります。ありがたいことに今回ご好評をいただいていますので、社内でもそういった話は出しやすくなっていて、構想みたいなものは考えているところです。

仮に続編が出せるとしたら、初心者が中級者レベルに到達するまでのサポートを、チュートリアルではなくひとつのゲームモードとして入れてみたいですね。競馬学校モード、みたいな感じというか。

いまはルールを教えていますけど、コツまでは教えていないんですよね。そこも学べてG1での勝利を狙えるところまでサポートするようにして、より多くの方に楽しんでもらえるようにできたら、と思います。

国産タイトルも充実のサービスを見逃すな!

今回紹介した3本をはじめ、Apple Arcadeでは国産タイトルが多数配信されている。

カジュアルに遊べるタイトルだけでなく、『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信氏が手掛けたRPG『FANTASIAN』や2Dアクションの『悪魔城ドラキュラ – Grimoire of Souls』など、ガッツリ遊べる作品も揃っているので、まだApple Arcadeを利用したことがない人もApple Storeでチェックしてみよう。

過去の記事でも各タイトルの紹介を行っているので、これらの記事にも目を通してほしい。



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