【超熱血パズドラ部】第1492回:ブライダルガチャの結果は
2024-07-16 11:25
2023-02-17 19:00 投稿
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パズル&ドラゴンズ
本日2023年2月17日に発売となった、『パズドラ』10周年を祝して作られたイラスト集、『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』。
その発売を目前に控えたある昼下がり、この書籍の制作に関わった大塚角満の事務所に、パズドラのプロデューサーである山本大介さん、パズドラチームでイラストレーターとの橋渡し役を務めているCさんが集結した。ここで何をするのかと言えば……!!
ひと足早く届いた『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』を見ながら、その見どころと制作裏話を語り尽くす座談会!!!
なのであります。
どのような想いで10周年イラスト集を作ったのか、そしてパズドラを彩ってきたあまたのイラストの裏にあるエピソードをたっぷりと語ってもらったぞ。
これを読めば……『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』を手に取ってみたくなるに違いない!!
(文・構成:大塚角満)
大塚角満(おおつか・かどまん)…… 元ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画部編集長。在職中よりサラリーマン作家として活動し、著書多数。『パズドラ』はサービスインした直後よりプレイし、当サイトの連載“熱血パズドラ部”は連載10年以上、1300回の更新を誇る。数少ない“パズドラ公認プレイヤー”のひとりということを、ささやかな自慢にしている。 |
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角満 このイラスト集……『パズドラ』10周年の集大成を謳っているだけあって、ボリュームと所有感がスゴいんですよね。ですので、制作に協力した我々3名で、とくに見てほしいページやポイント、また『パズドラ』のイラストにまつわる裏話なんかを話せれば……と思っております! どうぞよろしくお願いいたします!
山本 よろしくお願いします!
C よろしくお願いします!
角満 『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』の発売前にこの座談会をやろうと決めた最初のポイントが、制作のさなかに3人で集まってミーティングをしていたとき、“メノア”のイラストを見て、「……あれ? メノアって、八重歯が生えているんですね!」って僕が言ったこと(笑)。
C ゲームの画面上だとどうしても細かな部分は潰れてしまって、見えないんですよね……。
山本 そうそう。『パズドラ』のイラストって近年はとくにそうなんですけど、イラストレーターさんががんばってくれていてメチャクチャ描き込まれているじゃないですか? でも、メノアの八重歯もそうですけど、ゲーム画面だとそこまで確認することができないんです。ですので今回のイラスト集のように、大きな判型の本にしてキチンとユーザーにお見せしたいな……と考えていました。
C 印刷物として出力して初めて、グラデーションも陰影も正しい色で見てもらえるんですよね。
山本 たとえば“ブラックバード”。ようやく、この黒い機体の美しさをしっかりとお見せできます。
角満 確かに! 黒基調のイラストって、画面だと細かいところがまったく見えないですもんね!
C 原色で黒はキレイに出ないらしいので、ブラックバードは紙に印刷されて初めて、その本領を発揮してくれた感じがします。
(パラパラとアンケート上位モンスターのページを眺めながら)
山本 この“ルシャナ”もスゴいんです。デフォルメされた明王たちまでしっかりと描き込まれていて。これ1体ずつでお金が取れるくらい……!
角満 ほかのゲームだったら、これがメインキャラとしてボス戦とかで登場しますよ。
山本 ……ミニキャラシリーズのガチャに、この明王を追加してもいいかもしれないですねえ(笑)。
角満 おもしろいなそれ(笑)。では、バラバラになってしまっていいので、それぞれオススメしたいページを紹介していきましょうか。
C 私は……いろいろあって困っているんですけど、『パズドラ』の歴史を感じてもらいたいので、進化形態を1ページに圧縮して掲載した後半部を見てほしいなと。
山本 あー! 時の流れを感じさせる構成にしたページね。たとえばオーディンのページがありますけど、
山本 最初は4頭身で始まったものが、端末の大型化と容量の増加などを受けて8頭身へ……という流れが1ページでわかるようになっているんですよね!
角満 この書籍の前半部は、先ほど言ったきめ細かいイラストをバーンと大きく掲載して見てもらう……というコンセプトですけど、後半は打って変わって、イラストの変遷が見られる造りになっています。
C ふだんは絶対に見ることができない、ラフイラストも要所要所で掲載されているのがいいですよね。まさに、書籍ならではって感じがして。
山本 そういったコンセプトも、なんだかんだで……2年くらいかけて築いていったんですよね(苦笑)。
角満 そうですそうです。難産でしたねぇ。
C そうしているあいだにも、どんどん新しいイラストが追加されていって……(笑)。
角満 「どこで区切ればいいの!?」なんて、ミーティングのたびに話していた記憶がありますもん。
山本 贅沢だなぁ~……と思ったのが、ページごとにレイアウトを変えていること。
角満 あ、そうですね。こういった本を作るときって作業工数を考えて、最初にパキっとした固定デザインを作ってしまって、そこに“イラストをハメていく”手法が定番なんです。でも今回はイラストが主役なので、効率は度外視して“デザインをハメていく”という流れを採用しました。イラストごとにレイアウトを作る必要があったので、まあたいへんでしたけど(苦笑)。
山本 そうしてもらってよかったですよ。というのも、これも10年の歴史があるからこそなんですけど、年代によってキャラの頭身がまったく違うので、固定のレイアウトだと収まらなかったと思うんです。縦横の比率、そして密度まで、全部違いますから。
C 昔の画角は正方形に近いんですよね。いまは、画面をいっぱいに使おうすると横長になってしまいますけど。
角満 どっちが描きやすいんですかね?
C 画面が横長かつ頭身が上がっているので、どちらにしてもたいへんだと思います……! たとえば足を曲げないと顔が小さくなってしまうので、素立ちの姿勢はほぼほぼ不可能という……。
山本 そういう意味で、ここ数年の最大の悩みは“ポーズをどうするか”だと思います。昔は、キャラのアイデアを考えてそのままキャンバスに落とし込むだけで成立したと思うんです。でも最近は、まずポーズを考えないとアイデアがあっても収まりません。
C この、初期の“イシス”みたいな素立ちは、いまでは無理だと思います。
山本 進化を重ねるごとに、より豪華にしなければいけない、強そうに見えないといけない……という想いがあるので、エフェクトを盛れば盛るほど横長の画面をいっぱいに使って、隙間を埋め込む感じの造りになるんだと思います。
C だからこそ、背景に小さいキャラがいたり、よく見ると文字が書かれていたりするわけですけど、それをこのイラスト集だと余すところなく見ることができます。手に取った方も「こんなふうになっていたんだ!」と、いろいろな発見があるんじゃないかなと。
(パラパラと見て)
山本 四神のページもいいですねー。
角満 ……これ、背景ってイチョウの葉っぱだったんですね。ぜんぜん意識したことがなかったですけど。
山本 あー、ハクですね! 確かに、このサイズ感で見ないとなかなか認識しないですもん。
角満 じっくりと、絵画として見られるのがイラスト集のいいところだよなー。
山本 そう、“絵画”で思い出したんですけど……。
角満 “幻画師”ですか? 載ってますよ!
山本 その中に“アトリ”っているじゃないですか?
角満 はいはい。僕がずっとガチャで引けなくて悶絶しているキャラ。
山本 それはどうでもいいんですが(笑)、アトリのページをよく見てほしいんですけど、背景にたくさんの花が描かれているんです。
角満 あ、そうですね!
山本 これってコンセプトは“アトリが水彩画で描いている”というものなので、じつはアトリ本体のイラストとタッチを微妙に変えられているんです。
角満 え……? (アトリのイラストを凝視して) ……!!! ホントだ!!! 背景の花は水彩画っぽいタッチになってる!!
C ゲーム画面だと、絶対にわからないですよね。
角満 そうか! スケッチブックに描かれている花と同じ雰囲気なのか。
C そうですそうです。そこから実体化して背景に散らばっている……という感じで。すごい描き込みですよね。
山本 それと、幻画師の前に精霊シリーズが載っていますけど、ここだけお花畑……というか、植物図鑑みたいになっているのもメリハリが効いていて好きです(笑)。
角満 そういう意味では、4分の1ページサイズでシーズンキャラをずらずらと並べた見開きがあるんですけど、すごく華やかで好きなんです。
C あー! 水着キャラがたくさん並んでいるページがありますね。“フェス限”のコーナーにあります。
山本 それ、水着キャラが好きなだけなんじゃないですか?
角満 違いますよ!! えー……188、189ページの見開きなので、皆さんぜひ見てください。
山本 ここ……“水着ヨグ”がいるんですけど、なんとも言えないいい味を出しているんですよねえ(笑)。これ、はじめしゃちょーがヨグが大好きで、「シーズンキャラにも入れてくださいよ!」なんて言ってたのを聞いて描いてもらった記憶があります。
C 描かれた緑川美帆さんは、えらく困惑されたみたいですけど(笑)。
山本 水着に限らず、シーズンイラストはどれも密度がスゴいんです。背景がもりもりですから。
角満 これは、季節というテーマがあるから、イラストレーターさんも描きやすいんですかね?
山本 シーズンイラストが始まったのって、夏休みイベントが最初なんです。それまではイベントがあっても、あくまでも進化形態のひとつとして描いてもらっていたんですけど、せっかくなので別キャラとして、ファンタジーと離れたところで楽しんで描いてもらったんです。でもそのうち楽しみすぎて、「メインキャラのまわりに、仲のいいイラストレーターさんが担当したキャラも描いちゃおう」って、誰かがやり始めたんですよ。そこからはもう……競い合いです(笑)。
角満 あははは! おもしろいなあ。でも確かに、パズドラ学園もそうですけど、いろんなキャラがゲスト出演しているんですよね。学園アテナの後ろにヘラやイシスがいたり。
山本 あー! そうですね!
角満 これぞ“イラストレーターコラボ”(笑)。
山本 仕事上ではライバルですけど、お互いをリスペクトし合っていて、いい関係ですよね。
角満 学園アテナのイラスト、好きなんだよなー。これまた非常に細かく描き込まれていて、紙で見ると楽しいんですよ。黒板に文字が書かれていたり、たまドラのモチーフが使われていたり。
山本 この学園アテナのときに、担当の安達洋介さんが、「アテナにメガネを付けてみました!」とメガネのアテナのイラストを上げてきたんです。「もしもアテナの雰囲気に合わないようなら、メガネは外して実装してください」って言って、メガネは取り外しができるように別のレイヤーに描かれていたんですよね。でもどっちもステキだったので、進化差分で両方実装してしまいました(笑)。
角満 へーーー!! そんな裏話があったんですね!
山本 そうやって、イラストレーターさんからもらったアイデアをもとに新しい進化が生まれることがあるんです。
角満 なるほどー!! ではCさん、ほかにオススメのページがあったらぜひ!
C 私は……このあたり!
山本 あー! ボスラッシュのところね!
C どれもめちゃくちゃ細かく描き込まれているので、これをこんなに大きな判型で見られるのは最高だと思います。ゲーム画面だとグリグリと動きまくっているので、こうやって止まった状態で見られると色使いとかも確認できますし。
山本 じつは……隠しキャラがいるじゃないですか? ゴルケイオスとかリュウウンサイとか。このイラストを担当した石岡鉄はガンホーのデザイナーなんです。
角満 あ!! そうなんですか! 知らなかったー!
山本 ニンテンドー3DSで『パズドラZ』が発売されたとき、登場モンスターを見たユーザーのあいだで、「誰が描いたイラストだろう?」とちょっと話題になりました。石岡の名前もスタッフロールに載っていたんですけど、ユーザーにしてみたら謎ですよね。今回のイラスト集で初めて担当イラストとともに石岡の名前も載るので、ついに世に出るんだなぁ……と感慨深いです。
C “アルヴァニス”も石岡さんですけど、背景にある油絵もしっかりとそういうタッチになっていて、めちゃくちゃこだわって描かれています。
角満 僕、“ニルオーカム”のイラストが好きなんですよー! ミステリアスで、キレイで。
C ニルオーカム、いいですよねー!
山本 この隠しキャラシリーズは、『パズドラ』のモンスターのアニメーションの中でもっとも豪華なんじゃないかと思います。……とはいえ、アニメーターのスキルも日ごとにレベルアップしているので、新規のモンスターが上がってくるたびに「今回のが最高!」、「前回を超えたね!」なんて言っていますが(笑)。
C 社内の人間がイラスト担当だと、すり合わせがしやすいんですよね。「もうちょっとここを豪華にしたいので、何かパーツを」とか言いやすいですし。
山本 これは同じ会社ならではですね。外部の方とそういうやり取りをしてもいいんですけど、ゴールが見えない中で描いてもらうことになってしまうので、ちょっと現実的ではないなぁ……と。いやでも、ボス系のページは僕もオススメです。パズドラは神話や伝承に出てくるキャラをモチーフにすることが多いので、どうしても人型のモンスターが増える傾向にあります。でも、ボス系はそういう縛りもないので、グリグリのクリーチャーがいっぱいいます。
角満 『パズル&ドラゴンズ』の“ドラゴン”を担うモンスターたちですもんね!
山本 そうなんですよ……ッ!! ……いや、よくぞ言ってくれました。その通りです!
角満 いまの、いいですね。記事のキャッチで使おうと思います(笑)。でも、こういう大迫力のドラゴンたちこそ、1ページまるまる使ってドーンと見せたかったんですよね。
山本 そうですそうです。でもこれも、制作の後半に出てきたアイデアでしたよね。
C 後半でかなり仕様をいじりましたもんね。もっともいい見せかたは何か、とディスカッションして。
角満 あの頻繁な打ち合わせは、無駄じゃなかったんだなーーー!!(笑)
角満 こういうイラスト集にまとめたときにうれしいのが、“描かれたイラストレーターさんがわかる”ってこと。たとえばイトウヨウイチさんてかわいい女の子をたくさん描いていますけど、じつはゴリゴリのロボットとかドラゴンも担当されている……ってのが浮き彫りになります。
山本 あ! そうなんですよ! もともとイトウさんて、クリーチャーやモンスターを得意としていた絵描きさんでしたしね。
角満 このイラスト集にも載せましたけど、新しいほうの“ミオン”とかハロウィンの“ネレ”とか、すさまじくかわいいですよ!
山本 ネレで思い出しましたけど、たくさんの進化形態や季節モノまであるキャラについて、どれをいちばん大きく見せるのか最後まで悩みましたよねー。
C ああ、そうでしたね! ふつうは、現時点での最終進化系を大きくするんでしょうけど、この本では絵の描き込み具合や、「ユーザーさんはどっちを大きい絵で見たいんだろう」ってことをギリギリまで考えて、あえて季節モノを多めにピックアップしたんですよね。
山本 季節モノって背景の描き込みがスゴいものが多いので、紙に印刷したときにも“映える”んです。
角満 その流れで言うと、“クリスマスセリカ”ってよく見ると、じつは顔を赤らめてテレた表情をしているんです。イラスト集で見ると、それがよくわかります。
山本 ああ、そうですね!
角満 物語性を感じるんですよね、こういう細かな部分に。
C シーズンイラストは、とくにその傾向が強いですよね。背景に、何か思わせぶりなものが描かれていたり。そういう意味でも、季節モノを多めにチョイスしたのはよかったなと思います。
山本 “学園キオ”とか、キャライラストっていうよりマンガのひとコマですからね(笑)。
角満 これ、描かれたNINNINさんに言ったら、前後のコマを見せてくれそうですよね!(笑)
山本 そうそう、最終ページにイラストレーター名で検索できる索引を付けてもらったので、「誰がこのおもしろいイラストを担当したんだろう?」って気になったら、ぜひ参考にしてください。こういうの、公式でもほとんど発表していないので、答え合わせをするだけでも楽しいと思いますよ。
角満 10年以上もパズドラの記事を書いている僕でも、「あれ? この絵を描いたの誰だろう?」とわからなくなることがありますもん。おふたりには打ち合わせのときに言いましたけど、僕、“ラビリル”を描かれたのが誰だかわからなくて。
C おっしゃってましたね。「senaさんですよ」って言ったら、すごく驚いて(笑)。
角満 「え!? senaさんて、“ノクタリア”とか描かれている人ですよね!?」ってね(笑)。
山本 皆さん、本当に幅広く描けるんですよ……! でも最近は多くのキャラがアニメーションするので、初期のころからは考えられないくらい手間をかけて描いてもらっているんです。昔はアイデアさえあれば1日、2日で納品してもらったこともあったんですけど、いまではとてもとても……。でも、そうやって描いてもらったイラストなのに、画面では潰れてしまうことがほとんどなので申し訳なさでいっぱいなんです。
C でも、だからこそのイラスト集ですね!
山本 そうそう。本当に、念願かなっての刊行になりますね。
角満 では戻りまして……! おふたり、オススメのページがあったら教えてください。
山本 僕は……あ! これ! MPドラゴン(モンスターポイントドラゴン)シリーズ! この見事なまでの描き込みを、大きな紙の上で見てほしいですねー! 細かいところまでこだわっていろんな要素が盛り込まれているのを、ぜひ確認してもらいたいです。
角満 イラストレーターさんが解き放たれて描いている感じがして、いいですね! ……あ、細かなところと言えば、“ソフィ”の手の甲に紋章のようなものが浮かんでいるのを、このイラスト集を見て初めて気づきました。
山本 あー! ここもわからないですよね! “悪魔を召喚して戦うキャラ”という設定だけ伝えて描いてもらっているので、我々も盛り込まれている要素をすべて理解できずにいたりするんですよ。
角満 なるほどなるほど。オーダーは、悪魔を召喚して戦う女性のキャラで、属性は……くらいですか?
山本 そうですね! 属性と……タイプくらいまででしょうか。ソフィに関しては、いろいろな属性に分岐してこれまでに出てきた悪魔……つまりアモンとかベリアルを召喚して戦うってところまで伝えていると思います。この、手の甲にある紋章とかもイラストレーターさんのアイデアで、こういうこだわりがあるからこそ、悪魔が呼び出されていっしょに戦っているんだ……っていう設定にリアリティーが生まれるんだと思います。
角満 ストーリー性が際立ちますもんね。
山本 まさに。そういう部分も、イラスト集だとよく見えると思うので、じっくりと鑑賞してほしいです。
C ソフィに関しては、「学生です」と描かれた鈴木香織さんがおっしゃっていました。
角満 学生!!?
山本 そうなんだ!!
角満 山本さんが驚いてるけど(笑)。
C ソフィと対になるのが天使側の召喚士である“セシリア”なんですが、ソフィが学生であると聞いてこちらも、学生帽のようなものを描いてくれました。
角満 そうなんだ!! なるほどー!! セシリアは、北熊(ほくゆう)さんですね。
C 北熊さんは、安達さんが代表を務めるスタジオのイラストレーターさんです。最初は安達さんのお手伝いをされていたんですけど実力が認められて、このセシリアが北熊さん最初のフェス限になりますね。
山本 しかしパズドラはアニメーションを入れるようになってから、表現力が格段に上がりましたね。それをユーザーもわかってくれていて、最初のアニメーションキャラである“イデアル”がアンケートの1位になりました。
角満 アニメーションが導入されたのって……いつでしたっけ?? 2年くらい前??
山本 何を言ってるんですか大塚さん……!
C すでに……5、6年は経っているかと(笑)。
角満 え!!! そ、そんな前でしたっけ!?
山本 だって大塚さんの好きな“ゼラ”だって、バリバリにアニメーションしているじゃないですか(苦笑)。
角満 た、確かに……!!
C 最初にアニメーションを付けたガチャモンスターがイデアルで、ダンジョンキャラは“リクウ”になります。
山本 当時はそれほど細かく動かせなかったんですけど、アニメーション用のソフトがバージョンアップしたり、ゲームそのものの容量が増えるに従って、少しずつ動きのパターンも派手になっていっているんです。“ビッグバン”なんて、その最たるもので。
C それで言うと、“ラフィーネ”の見開きはオススメですね!
山本 確かに! ラフィーネは変身した後、各属性の魔女の魔法を使っています。それをアニメーションで連続で再生しているんです。
C このイラスト集では、第2段階の変身のときに展開している、レムゥやファスカのエフェクト部分を切り取って、連続絵としてお見せしていますね。
角満 いやでも、容量との戦いでもあるのかあ。
C 使えるパーツの数も制限があるので、その中でできる表現をイラストレーターさん、アニメ制作者のあいだで詰めて行って落としどころを見つけています。
角満 初期のころでは考えられなかった苦労をされているわけか……!
山本 それでおもしろかったのは、“アモン”ですね。超転生進化したときに、もともとは動かなかったキャラがアニメーションするようになるわけですけど、イラストを担当された安達さんから、「こんな感じで動かしてください」とリクエストが来たんですよ。でも……容量の問題で入らなくて。とはいえあまりにももったいなかったので、結果として2枚に分けて、超転生キャラとしては初の変身キャラにしてしまいました(笑)。
角満 おもしろーーー!! 対応のしかたも柔軟だなあ。
(パラパラとめくって)
角満 あ!! “アムリ”と“リネア”!! 日野慎之助さんが描かれためちゃくちゃかわいいキャラですけど……!
角満 この子たち、顔にハートマークが付いているんですよねー! ゲーム画面でもよ~~~く凝視するとわかりますけど、紙になっているとさらにクッキリと見えていいんですよねー。
山本 微妙に髪で隠れているんですよね。確かに、これだけ大きく載っているとしっかり確認できますね。でも、こう見ていると改めて、10年の歴史を感じます。イラストレーターさんのタッチにしても、その時代時代によってトレンドが違うのがわかりますもん。参考にしているものとか、イラスト用のソフトを変えたりしただけでも、絵の質がぜんぜん違ってきますから。
C “セイレーン&リリス”とか、パズドラがリリースされた当時の小さいキャラと見比べると、ちょっと感動しちゃいますもんね。
角満 わかるー! セイレーン&リリスは、ポーズもすばらしいしなー。
C 横長の画面にふたり入れなきゃいけない……というところから、安達さんはかなり苦労されていると思いますね。
山本 横長と言えば、“織姫”と“彦星”の見開きも、ぜひ堪能してほしいですね!
C 織姫はsenaさん、彦星はイトウヨウイチさんが描かれたものですけど、先に織姫が仕上がってきたんです。それを見たイトウさんがテイストを合わせて彦星を描いてくれたおかげで、見開きで見るとつながったイラストに見えるという……!
角満 「この2体は、絶対に見開きで掲載したい!」って、こだわって作ったんですよね。
山本 はい! 実現してよかったです。
角満 その流れで、中村エイトさんの“アメノミナカヌシ”と“カミムスビ”の見開きも迫力があって最高です!
C 風間雷太さんの“風神・雷神”もそうですけど、合わせて描かれている絵を見開きで見られるのは、こういったイラスト集ならではですよね。
角満 雷太さんと言えば、“カーリー”が入ったときに、以後のパズドラのイラストが大きく変わったような気がします。
山本 カーリーの究極進化ですね! 風間さんがめちゃくちゃ描き込んだカーリーの究極進化の絵をあげてきたんです。それまでは細部が潰れてしまうのでイラストレーターさんには細かな描き込みは控えてもらっていたんですけど、ちょうどiPhoneが大画面の端末に切り替わる段階でもあったので、もうそのまま実装しちゃおうと。それを見た他のイラストレーターさんも、「ここまで描いていいのか!」、「顔も小さくていけるのか!」となって、以後の流れができていきました。……まあでも、ちょうど端末の端境期だったので、ギリギリセーフってところでしたが(笑)。
角満 あー。そういう意味では、大画面の端末が出てくる前は、運営側からイラストレーターさんにリミッターを掛けていた感じなんですね。
山本 そうですそうです。シンプルな絵にしてもらわないと潰れちゃってもったいないから……という理由で、あえて抑えてもらっていましたね。
角満 なるほどなー!
山本 描き込みと並んで、キャラの頭身が変わるタイミングもあるんです。それはだいたい……日野さんが壊してくるんですが(笑)。
角満 あ、そうなんですか!
山本 「5.5頭身か、6頭身以内に収めてください」ってお願いしているところを、微妙に6.5頭身とか7頭身にして攻めてくるんです。
角満 シレっとね(笑)。
山本 気付いたときにはみんな8頭身(笑)。
角満 だって、最初のころの『パズドラ』のイラストって、ビックリマンのシールみたいなテイストでしたもんね。
山本 そうですね。当時はiPhone3Gまでカバーしていたので、あれくらいシンプルじゃないとキレイに表示されなかったんです。
C そのあたりの歴史を、1ページでイラストの変遷が見られる後半ページで確認してほしいですね。“アマテラス”や“アルテミス”のページで。
角満 そうそう、“バステト”とかもね。時代の流れがわかる。
C ,,,,,,長く遊ばれている方こそ楽しめる作りになったんじゃないですかね。懐かしさとともに思い出が蘇るでしょうし。
山本 描かれた本人も、昔の絵といまの絵をいっぺんに見ることってなかなかないと思うんです。ですので発売後に、イラストレーターさんに感想を聞きたいですね。
角満 あー! それもおもしろいですね! ……って、このままいくとすべてのページの解説をすることになってしまいますので、ぼちぼちシメたいなと(笑)。
山本 確かに(笑)。駆け足で、言い残したことを言っていきましょう!
角満 僕が紙でしっかりと見てほしいのは、まず“納涼ミナカ”!!
山本 これはすばらしいイラストですよね……! なんというか、夏の夜の空気感まで再現されていて……!
角満 その流れで、“龍愛少女”の変身前を大きく載せたページにも注目を!!
C これ、あえて変身前を大きくしたんですよね。彼女たちの日常を切り取った絵ですけど、本当に存在するかのような雰囲気をまとっていますもん。
山本 彼女たちの生活感、バックグラウンドが垣間見えるので、じっくりと見てほしいです。
C ロシェの背景の看板とか、よく見ると“2体攻撃”のアイコンなんですよ(笑)。
角満 え……?? ……って、ホントだ!! 2wayになってる!!(驚)
山本 ロシェと言えば……ってことで、イトウさんが遊び心を出して描いてくれたんですねー。
C 背景に、キャラクターの特徴的な要素が散りばめられたりしています。
山本 あと! ソニアのTシャツ! “鰤(ぶり)”って書かれているんですよ!(笑)
角満 これ、気になったわー!
山本 高岡コラボの“鰤”も安達さんが描いているんで、そことのコラボだと思いますが(笑)。めっちゃおもしろいですよね。
C パズドラ好きの皆さんで集まって見て、あれこれと話してもらえたらうれしいです。
山本 もうひとつ、ガチャドラが見開きで載っているページもオススメです!
山本 ほとんど鈴木香織さんに描いてもらっているものですけど、初期のデザインからして秀逸なんです。よく、“完成されたキャラデザインはシルエットだけでもわかるものだ”なんて言われますけど、ガチャドラがまさにそれで。しかも鈴木香織さんは、初期のダンジョン背景とかUIとかもすべて担当されていましたからね。
C 私が付け加えたいのは、NINNINさんが描かれているメカ系のキャラ。NINNINさんは本当にメカに強くて、たとえば“デイトナ”とか、変形したらキチンとその形になるように計算されて描かれているんです。
角満 なんと!!!
山本 超合金を作るわけじゃないから若干ファンタジーが入っている……って言っていましたけど、すぐに「超合金にするならすべて成立するように描き直します」って(笑)。
角満 かっこいいい!!! 限定販売で超合金作ってほしいなあ。
山本 そして最後、“周年イラスト”も一覧で見られるようになっているので、そちらもぜひご堪能ください!
C 全部は載せられなかったですけど、年々皆さんの描き込みが増えていることをご確認いただけるかなと。
山本 これだけ分厚いハードカバーで、オマケの+ポイントも付いてきます。
角満 設定資料集ではなく“絵を見てほしい”という思いで作った1冊なので、ぜひ手に取ってみてください! ありがとうございました!
▼書誌情報
【書 名】パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works
【発売日】2023年2月17日(金)
【仕 様】オールカラー/A4横上製本/240ページ
【定 価】4,950円(本体4,500円+税)
【特 典】モンスターメモリーカード(+2970ポイント、「イベントメダル【虹】」×5)
【備 考】電子書籍版も発売 ※特典のモンスターメモリーカードは電子書籍版には付属しません。
→『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』の購入はこちら
対応機種 | iOS/Android |
---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | RPG/パズル |
---|---|
メーカー | ガンホー・オンライン・エンターテイメント |
公式サイト | https://pad.gungho.jp/ |
公式Twitter | https://twitter.com/pad_sexy |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | (c) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. |
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