ARをもっと直感的に!! 4社が取り組むVPS技術とNianticの取り組み

2022-06-30 17:47 投稿

Lightship Summit Tokyo 2022体験リポート

2022年6月28日に発表された『NBA All-World』が話題にもなっているNianticの開発者向けカンファレンス“Lightship Summit Tokyo 2022”が6月24日に開催。

そこでデベロッパー4社のARコンテンツが披露された。

本記事では、現在位置とデバイスを向けている方向を測定するVPS(Lightship Visual Positioning System)を使った各デベロッパーの作品を実際にプレイしたフリーライター・深津庵の目線で手応えをリポートしていく。

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■Lightship Summit Tokyo 2022関連記事

集英社XR:人気IPを活かしたAR体験

最初に披露された集英社XRのコンテンツはキーオブジェクトをスキャンするとAR空間上に大人気マンガ『ONE PIECE』のチョッパーが登場。

カメラを向けて追いかけていくとサウザンドサニー号が現れるといったシンプルなもの。

どの角度からVPSポイントにカメラを向けてもキャラクターの登場する位置は同じ。

将来、作品を象徴するものをキーオブジェクトを会場に設置し、複数人が集まって記念撮影をするといった体験できそうだ。

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▲キーオブジェクトにカメラを向けるとチョッパー登場。ユーザーはその場に留まり、歩いて行く対象をカメラで追っていく。

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▲チョッパーが向かった先でサウザンドサニー号が出現。それを撮影できるというARの基本的な体験ができたという印象だ。

Designium:邪悪なものを追い払え

つぎに披露されたのはスマホを懐中電灯に見立ててVPSポイントに設定されたキーオブジェクトに隠されている呪文を探し出すというもの。

邪悪なものに取り憑かれたキーオブジェクト、ARを介さなければ発見できない呪文を集めて払うといったストーリー性もあり、子どもたちも夢中になれそうな内容だった。

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▲キーオブジェクトに隠された呪文は全部で6つ。対象によっては近づかないと発見できないものもあり、実際にやってみると難易度がけっこう高い。

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▲当日は立ち入り禁止のラインよりも奥に手を伸ばさないと認識しない呪文もいくつかあった。観光地やイベントで実際に活用するなら距離の設定がとても重要になりそうだ。

Rhizomatiks:音楽に触れ共有する体験

ユーザーとの距離に応じて奏でる音楽が変化していく“Music Object”に触れ、操作もできるのがRhizomatiksの“Sequenscape”というコンテンツだ。

Music Objectが鳴らす音をユーザーが設定でき、それを周囲のユーザーに聞かせるといったこともできる。

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▲中に浮かぶ不思議な物体がMusic Object。それぞれが異なる音を奏でセッションをしているようでおもしろい。

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▲今回操作できた音のバリエーションは5種類。時間の都合で細かくイジることができなかったけど音楽は聞き専という人にはちょっとハードルが高め。ぜひ1度、Rhizomatiksのみなさんに実演してもらいたい。

SONY:音を頼りに対象を探すARの世界

最後に披露されたのは音の鳴る方向をフルワイヤレスイヤホン“Link Buds”で探り、近づきポイントを獲得していくといったコンテンツだ。

制限時間内に音を奏でる妖精を探してタップもしくは自身が接触。その数に応じてランキングを競うといったもので、ゲーム中はスマホの画面をいっさい見ずにプレイできる。

他人の目を気にせず楽しめるのはとてもうれしいポイントだろう。

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▲これが音を奏でる妖精たち。タップせずにそのまま体当たりしてもポイントを獲得できるのはいい。

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▲“Link Buds”を活用したAR体験はNianticが開発運営する『Ingress』で提供される予定だ。先日、それに先駆けたアップデートも行われたので、興味のある人はぜひチェックしてもらいたい。

今回体験したコンテンツの中でとくに印象深かったのは音を奏でる妖精を探しポイントを競うSONYと、キーオブジェクトに隠された呪文を探すDesigniumのコンテンツだ。

個々のコンテツとしてはもちろん、“あのタイトルに実装されたらこんなことが”と、位置情報ゲームプレイヤー目線で見ても新しい体験を想像を掻き立てるだけの魅力を感じられたぞ。

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▲さまざまな企業、開発者たちがLightshipを通じてどんなコンテンツを生み出していくのか。今後の展開にも注目していきたい。

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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