『ピクミン ブルーム』で表現したNianticが考える“日常に寄り添う新たな体験”を開発陣が語る

2021-10-27 09:10 投稿

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ピクミン ブルーム

毎日に少しの幸せでやさしい心を

Nianticと任天堂による共同開発で注目を集めていた位置情報ゲームの最新作『ピクミン ブルーム』が、本日2021年10月27日にオーストラリアとシンガポールで配信を開始。これから数日のあいだに世界各地の国と地域で順次配信が開始される予定だ。

コアなファンを持つ『Ingress』やおなじみの『ポケモンGO』、『ハリー・ポッター:魔法同盟』とは何が違うのか。

そのコンセプトと開発の経緯が一部メディアを集めた説明会で明かされた。

本記事ではジョン・ハンケCEO、Niantic:Tokyo Studio代表・野村達雄氏、エンジニアリングディレクター・淺川浩紀氏、プロダクトマーケティングディレクター・須賀健人氏、4人の登壇者たちが語ってくれた想いをお届けしていく。

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歩くことの価値を再確認できるチャレンジ

ジョン氏は最初に、『ピクミン ブルーム』は歩くことをもっと楽しくするために開発されたものだと説明。

外の世界を冒険して新しい発見をすること、人々とのつながりを広げていくことがNianticの掲げてきたテーマであり、本作もまたそれを体現したものだと明かした。

コロナ禍のいま、歩くことの価値を再認識する瞬間がとても多かったこと振り返り、自由に出歩くのが難しい状況の中、近所を歩くことで世界の美しさを再確認することもできたとジョン氏。

そうした想い、コンセプトとサービスを実現させるためのIPが“ピクミン”であり、通勤や散歩などすべての“歩く”をもう少しだけ楽しんでもらうきっかけを与えてくれるのが『ピクミン ブルーム』なのだ。

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本作はまず、ピクミンを手に入れるところから冒険は始まる。

そのためには歩いて苗を発見して、背負っているプランターバックにセット。プレイヤー自身が歩くことでピクミンが成長していく。

それをプランターから引っこ抜くのもプレイヤーの役割。その瞬間の手応えはどこか懐かしく、ピクミンと触れ合っていることを感じる最初のステップだ。

とくに、“デコピクミン”という存在はおもしろい。

これはカフェに行けばコーヒーカップをかぶったピクミンが、薬局に行くと歯ブラシを背負ったピクミンがいたりといった具合に、いろいろなスポットを探索してみたくなる要素。日々の生活に寄り添った体験になりそうだ。

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さらに、“エキス”を与えることでピクミンの頭に咲く花を収穫。それを使って街を歩けば世界に色とりどりな花を咲かせることができる。

その状態で街に点在する巨大な花の芽(ポータルやポケストップのようなもの)の周囲を歩けば、芽に成長を促せるのだけでなく、ピクミンの成長を早めるなどいろいろな効果も得られるのも歩くことをテーマにした本作らしい特徴のひとつだと野村氏が解説。

すでにテストビルドに参加している筆者には、こうした要素が『Ingress』で感じている歩きたくなる刺激エリアを囲うアクションの気持ちよさに通じるものがあると感じられた。

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そしてもう1点、『Ingress』や『ポケモンGO』にはなく、好印象だったのが1日歩いた軌跡を日記のように記録する機能だ。

今日の満足度を3段階で評価したり、メッセージや写真を添えてゲーム内のカレンダーに残していく

歩いてきた道すがらに落ちているアイテムの回収をピクミンに指示する“おつかい”シリーズのファンにとってはうれしい演出だ。

なお、ピクミンが拾ってくる“ポストカード”について野村氏は、フレンドに届けて思い出を共有するきっかけであり、AR撮影を含む毎日の通勤や通学、散歩など歩くことが思い出につながるのが『ピクミン ブルーム』なのだと想いを語ってくれた。

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気になるポイントをメディア陣が聞いてみた

ここからは当日行われた質疑応答の中から興味深かったものをピックアップ。今後どんなふうに展開していくのかのヒントを紐解いていこう。

――『ポケモンGO』やほかのNianticアプリとの併用は?

野村 まず、本作は『ポケモンGO』と競い合うものではなく、補完しあうようなものを目指してきました。本作はポケットやカバンに入れて楽しむリアクティブなもの。そのあいだにほかのアプリをプレイしていただけるものになっています。

――課金はどういったものになる?

野村 ピクミンを育てるために使うプランターのスロットなどが挙げられますが、重い課金は含まれておらず、歩くことが前提になっています。

――必ずしもNianticのアプリがうまくいくとは限らない。最近では『カタン』がそうであったように、ARを使ったゲームデザインの難しさをよく知っているNianticが本作を開発するうえで心がけたことは?

野村 生活の一部に溶け込ませることが今回とても難しいチャレンジだったと思います。本作を持っているだけ、あとは気にせず生活をしてもらうくらいがいいバランスだと考えました。1日の最後に、“今日は何歩歩いたかな?”と起動してもらう。“どんなピクミンが育ったかな”とか“なにを拾ってくれたかな”と、それくらいカジュアルに楽しんでもらえるものができたと思っています。

――テストビルドをプレイしたみたが『Ingress』や『ポケモンGO』、『魔法同盟』と比べて刺激が少なかったが今後どうなっていくのか?

野村 刺激の強いゲームというよりは生活の一部になるものにしていくのが我々の想いです。

ジョン 本作はゲームというよりも相棒に近い存在。カフェで休憩をしているとき、気の向いたときにピクミンの様子を覗いてみる。ピクミンが私に多くを求めてこないところもバランスがいいと感じています。いつも側にいて、いつでも会える。そんな存在になっていると思います。

――ポストカード以外でのフレンドとの関わりは?

野村 弊社はリアルでのコミュニケーションを大切にしています。写真の共有について現段階でお話はできませんが、まずはポストカードの交換やいっしょに歩いて花を咲かせるといったものを楽しんでもらいたい。

淺川 この“いっしょに歩く”という要素はフレンドのアバターと並んで歩くものです。いまは、オンラインで遠くの人と簡単に交流できる時代。我々はオフラインで近くの人とコミュニケーションを取るための方法に目を向け、まずは身近な人との共有体験を意識しました。

――昨今、メタバース(より現実世界に近いデジタル空間の構築)がとても注目されていますが、Nianticではどう考えているのでしょうか?

ジョン 我々はその日の気分で切り換える“チャンネル”たと考えています。SFな世界を楽しみたいときは『Ingress』を、ポケモンとふれあいたいときは『ポケモンGO』。平和な世界でのんびり歩きたいときには『ピクミン ブルーム』にチャンネルを合わせる。将来はこうしたチャンネルが何千とあって、ユーザーがその日の気分や趣味に合わせて見たい世界を楽しむ未来を我々は想像しています。

――原生生物は登場する?

野村 本作には“チャレンジ”という要素があり当初は登場しないのですが、たくさんのピクミンを送り込んでキノコなどを倒す遊びは適応しています。

――テスト版ではMiiの種類、カスタマイズに制限がありますが今後増えていくのでしょうか?

野村 ニンテンドーアカウントとリンクさせることで編集が可能になります。

――ユニークなお宝を集めるのもピクミンシリーズの魅力ですが、『ピクミン ブルーム』でもそうした体験はできるのでしょうか?

野村:今後いろいろなアップデートをしていくわけですが、本作は原作の延長線上にあるものではなく、歩くことを楽しんでもらうことにフォーカスを合わせています。原作シリーズと本作をそれぞれ分けてプレイしてもらえるとうれしいですね。

――オリマーなど原作シリーズに登場したキャラクターと本作の関連性は?

野村 現段階では登場しません。原作では宇宙のどこかにある惑星となっていますが、本作は地球でのできごとなんです。

――歩数を計測するだけでなくカロリーなども記録したい

野村 その点については十分可能性はあると思いますが、まずは歩数に着目していただき、昨日よりもう少し歩いてみようと感じてもらえればうれしいですね。

――今作はどこに向けたマーケティングを行っていくのでしょうか?

須賀 従来あるNianticのアプリと互換性をもたせることが大切だと考えています。例えば『ポケモンGO』のトレーナーが本作をインストールしたとき、その両方を楽しんでもらいたい。気がついたときに様子を見てくれれば大丈夫。本作はつねに画面を見ていなくても楽しめること、無理なく継続できるということをアピールしていきたい。本作が存在することでみなさんがやさしく、少しでもしあわせを感じてもらえるアプリだと私は考えています。

いつも側で応援してくれる相棒を手に入れよう

最後に、コロナ禍が少しずつ改善していく中で、本作がもとの生活に戻っていくひとつのきっかけになりうるサービスだと語ったジョン氏。

シリーズ作では某企業の電池など現実世界のものが登場したり、我々の目に見えていないだけで存在する生き物といった設定がある。

“見えているものがすべてではない”

そんなNianticの理念にマッチしていたのがピクミンなのだと感じられた。

まずは万歩計を持ち歩く感覚でピクミンといっしょにご近所の散歩から。

すきま時間でたまに触れ合う新たな世界、気づけばそこら中がきれいな花畑になっている。そんな瞬間をぜひ体験してもらいたい。

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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Copyright (C) 2021 Niantic, Inc., Pikmin and Mii Characters / Artwork / Music Copyright (C) 2021 Nintendo All Rights Reserved.

ピクミン ブルーム

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルその他
メーカー任天堂/ナイアンティック
公式サイトhttps://pikminbloom.com/ja/
配信日配信中
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