【いまさら聞けないあのゲーム#12】地味だけど、それがいい!3DダンジョンRPGの『Wandroid#7』

2021-01-07 17:00 投稿

*いしのなかにいる*はあまりにも有名

“いまさら聞けないあのゲーム”、第12回!

今回は家庭用ゲーム黎明期から現在にいたるまで長く愛されているジャンル、3DダンジョンRPGのゲームをご紹介!

本稿でピックアップした『Wandroid#7』は3DダンジョンRPGの始祖にして金字塔である『ウィザードリィ』風であることを謳っており、その宣伝文句に恥じぬ“らしさ”を味わわせてくれます。

そんな『Wandroid#7』の紹介、の前に3DダンジョンRPGというジャンルを紹介していきましょう!

3DダンジョンRPGとは

3DダンジョンRPG、海外ではダンジョンクローラーなどとも呼ばれるジャンルで、マス目状に区切られたダンジョンを1人称視点で探索し、そのなかで装備品を整えてダンジョンの奥に潜むボスを倒すタイプのゲームです。

本ジャンルと言えば欠かせないタイトルが、先ほども名前を挙げた『ウィザードリィ』シリーズ。

罠や呪文でテレポートした際に運が悪いと移動不能な壁のなかに飛んでしまい、そのまま問答無用で全滅という衝撃的な事故の際に表示される“*いしのなかにいる*”のフレーズはあまりにも有名でしょう!

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▲イメージ画像。多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた8文字である。

国産のタイトルで言えば『真・女神転生』の初期2作品や、『ぷよぷよ』シリーズのスピンオフ元である『魔導物語』などがあり、比較的最近のもので言えば『世界樹の迷宮』シリーズも本ジャンルに分類されます。

近年の作品ではオートマッピング機能が付いていることも多いのですが、昔のタイトルはハード性能的な関係もあり、プレイヤーが方眼紙などに手描きでマッピングをすることでもおなじみのジャンルでした。

『世界樹の迷宮』シリーズはニンテンドーDSの2画面構成を上手く活かし、下画面にタッチペンでマッピングをしていくことでも話題を呼んだため、印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

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▲いまならエクセルでマッピングをする人もいそうな……?

これは作品にもよりますが、3DダンジョンRPGと言えば多くのタイトルでおなじみなのが、キャラクタークリエイトです。

戦士や盗賊、魔法使いなどの職業だけでなく、人間、エルフ、ドワーフといった種族、STRやINYなどのパラメーター、性別に性格の善悪、そしてもちろん名前など、さまざまな要素を自由に設定してパーティーメンバーとなるキャラクターを作っていきます。

『ウィザードリィ』シリーズではキャラクターを作成する際にパラメーターに割り振れるボーナスポイントがランダムで変化するため、いかに大きなボーナスを引けるか、というのが攻略難度に大きく関わっていました。

高いボーナスポイントを得たキャラクターでパーティーを構成するために、膨大な時間をかけた人も少なくない、はず……!

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▲今回取り上げる『Wandroid#7』でもキャラクター作成時のボーナスポイントはランダムで変化します。

グラフィックや演出の派手さを楽しむというよりは、パーティーメンバーや手持ちアイテムなどのリソースをいかにやりくりして攻略を進めるか、というコマンドRPGの戦闘、探索部分をじっくりと楽しむジャンル。

3DダンジョンRPGをざっくりと説明すれば、そんなジャンルかもしれません。

かつて本ジャンルで遊んだ人はもちろん、シンプルなゲーム性で遊びたいけど簡単すぎるのは嫌、という人にもオススメです。

近年の作品では遊びやすさもかなり追及されていますが、ジャンル全体のイメージとして歯応えのある難度になっている傾向があるので、シビアなプレイを楽しみたい、というチャレンジャー気質な方にもうってつけでしょう!

『Wndoroid#7』

元祖3DダンジョンRPGの『ウィザードリィ』シリーズ、その『ウィザードリィ』風を謳ったスマホ向けタイトルが、この『Wandroid#7』。心なしかタイトルも英語表記の『Wizardry』に似ているような……?

ワイヤーフレームで構成された画面はまさに黎明期の雰囲気を漂わせており、パーティーメンバーはおろかダンジョン内に登場する敵やNPCのグラフィックもない、という線と文字だけの世界はまさにストイックです。

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▲アプリを立ち上げると、これまた好きな人にはたまらないタイトル画面からシンプルな画面がこんにちは。

プロローグ的なものは一切なく、ゲームをスタートしたら即冒険のスタート。

最初はパーティーメンバーがひとりもいないので、訓練場でキャラクターの作成を行っていきます。

ここで先ほども触れた、パラメーターのボーナスポイントの厳選とも言える作業に入るのもよし、種族や職業を指定してサクっとキャラを作れる自動作成を行うのもよしです。

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▲種族は8種類と豊富。ドワーフ、ノーム、ホビットなどおなじみの種族が並びます。ちなみにラツキンはネズミ人間といったイメージの種族です(グラフィック表示はありませんが)。

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▲ボーナスポイントの振り幅は広く、ひと桁のときもありますが、粘ればけっこうな数値が出ることも。割り振ったパラメーターによって選択できる職業が決まります。

地味にありがたいのが、ボーナスポイントを厳選するのにキャラの作成を最初からやり直す必要がなく、キャンセルボタンひとつでボーナスポイントの引き直しができるところです。

なかなかいい数字が出ず、ボタンを連打してやっと大きな数字が出た! と思った瞬間にうっかりキャンセルボタンを押してしまう……。

そんな懐かしいうっかりを味わえるのも、ある意味本作の醍醐味かもしれません。うれしいかどうかはさておき……!

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▲めちゃくちゃキャンセルしまくった結果、確認できた最高値は49。ひと桁ボーナスでスタートするのとはまさに段違いの能力!

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▲49もあれば職業もより取り見取りです。なお、パラメーターは初期値+10までしか上げられないので、極端にバランスを壊すようなキャラにはなりません。

キャラクターを作成し、ギルガメッシュの酒場でパーティーメンバーを選択したらいよいよダンジョンの探索です。ボルタック商店で装備を整えてから行くのもいいでしょう。

余談ですが、施設の名称はそのまんま『ウィザードリィ』シリーズに登場するものになっており、そういった意味でもシリーズのファンにはたまらないかも?

それはさておき、ダンジョンに入ると、ワイヤーフレームで壁と通路が表現されたシンプルな画面が出迎えてくれます。

この中を前進、後退、右回転、左回転の移動で探索していくのです。

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▲シンプルさを突き詰めたダンジョン画面。個人的には『ポートピア連続殺人事件』を思い出します(あっちはアドベンチャーゲームですが)。

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▲入り口のように見える場所の前でオーケーボタンを押すと、その奥に進みます。前進だと壁にぶつかったのと同じ扱いになる不便さがまた懐かしい……!

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▲特定の場所に移動するとNPCとの会話などが発生。テキストの雰囲気もクラシックなRPGやTRPGっぽさを感じさせるものになっています。

敵との戦闘はランダムエンカウントで発生し、戦う、身を守る、呪文、アイテムといったコマンドを駆使して戦うことになります。

6人パーティーの上にいる3人は前衛、下3人は後衛となっており、後衛は戦うコマンドで攻撃することはできず、攻撃する場合は呪文などを使うことになります。

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▲先ほども触れた通り、敵は名前と数が表示されるのみというストイックぶり。うっかり戦士を後衛に配置していますが、見なかったことにしておいてください。

『ウィザードリィ』風を謳うだけあって、かなりストイックな本作。

オートマッピング機能も搭載されていますが、こちらは呪文やスクロールを使って閲覧する仕様になっており、適当に攻略しようという生ぬるい発想を切り捨てる潔さです。

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▲こちらがオートマッピングで作成されるマップ(現在地は★で表示)。一度閉じた後にもう一度閲覧するには、当然のごとく再び呪文などを使う必要があります。

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▲座標位置のみを表示する呪文も存在。自作マッピングとこの機能で探索を進めるのもまた一興でしょう。

本作に課金要素はなく、広告表示があるのみです。

広告が表示されるタイミングはいくつかありますが、ユニークなのは敵が落とす宝箱に仕掛けられているのひとつとしても広告が用意されているところ。

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▲広告を罠と言い張るスタイル、嫌いじゃない……!

課金なしのタイトルでも、広告の表示頻度が高いとうっとうしく感じてしまうものですが、広告が罠という見せかただとちょっと笑ってしまい、じゃあ解除せずに開けてもいいか、などと思わせるのはナイスな設計です。

とは言え、宝箱を調べたときに表示される罠が本当に仕掛けられている罠かどうかは不確定なので、過度の油断は禁物ですが……!

このように本作はストイックかつクラシックな3DダンジョンRPGとなっており、本ジャンルが好きな人も納得の仕上がりとなっています。

それぞれ500種類以上登場するモンスターやアイテムは、発見したものが記録されていくので、この記録を埋めていく、という楽しみかたもできることでしょう。

オーケーボタンがちょいちょい2重に反応してしまうのが玉にキズですが、じっくり遊べるタイトルをご所望の方は試しに本作をプレイされてみてはいかがでしょうか!

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今週の気になるアレ

そんなこんなで、今回は3DダンジョンRPGでした!

さすがに方眼紙マッピングは経験していないのですが、黙々とダンジョンに潜るのはいかにもゲーム、という感じで個人的に好きなジャンルなんですよね~。

黎明期に比べると新しく作られる数は減っているジャンルではありますが、昨年11月に発売した『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』も3DダンジョンRPG!

まぁ、発売日に限定版を買っておきながら未開封なんですけどね!! 『メガテンIII』終わってないんや……!

本作はまだ触っていないので、前作の『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』で説明しますと、本作は人形から作るキャラクターでカヴンと呼ばれる部隊を複数構成し、最大40体ものキャラクターでダンジョンを探索していく作品です。

『魔界戦記ディスガイア』シリーズでキャラメイクに定評のある日本一ソフトウェアだけあって、作成できるキャラも魅力的な外見が揃っており、カラーリングや性格、ボイスなども設定できるため、ストーリーには絡まない人形たちにも愛着が湧くわ湧くわ……!

通路の壁を破壊して道を開くダンジョン探索、カヴンの前衛、後衛を分けることでさまざまな戦闘に対応する編成システムなど、探索も戦闘も本作ならではの要素が詰まっており、いや~おもしろい!(語彙不足)

まだ触ったことがない、という人はまずはお安くゲットできる『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』から遊んでみるのもいいかもですね!

現在プレイ中の『メガテンIII』もレベル60近くまで進んだので、もうじきクリアー!(と思いたい)

そうしたら『ガレリア』を……、と思うんですが積みゲーが7本ぐらいあって迷う迷う! でもやっぱり『ガレリア』かなー!!

ではでは今回はこのへんで! 次回まで、おさらばッ!

【“いまさら聞けないあのゲーム”まとめはこちら】

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

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