『サクラ革命』フィナーレを迎えて【プレイ日記第51回】
2021-06-30 18:00
2020-12-06 16:30 投稿
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サクラ革命 華咲く乙女たち
『サクラ革命 ~華咲く乙女たち~』は、セガが手掛ける人気シリーズ『サクラ大戦』の最新ゲームとして2020年12月15日にサービスを開始するスマートフォン用ゲーム。
プレイヤーは帝国華撃団の司令となって、全国各地にいる乙女たちと日本奪還を目指すストーリーが描かれる。
ファミ通Appでは、リリースに先駆けて開催されたメディア向け先行プレイ体験会にお邪魔し、ひと足早く本作をプレイできた。本記事では、体験会で確認できたシステムの解説に加え、ゲームの遊び心地をバッチリと紹介していく。
体験会では、開発の中心人物である3名が登壇するトークイベントも開催。それぞれが本作の魅力となる要素を解説してくれた。
写真右から、
木原 卓氏(セガ/プロデューサー)
岡村 光氏(ディライトワークス/プロデューサー)
池 大輔氏(ディライトワークス/開発ディレクター)
最初のテーマは、“プロジェクトの始まり”。
木原氏は「4~5年前にセガのゲームタイトルから新作のスマートフォンゲームを作ろうという動きがあり、その一環として『サクラ大戦』の名前も挙がったが、みずからもプレイしてきた『サクラ大戦』をどういうタイトルとして立ち上げるかを考えられる確信が持てるまでは賛成をしなかった」と、当初はプロジェクトの立ち上げに難色を示していたことを語った。
続けて「家庭用新作(後の『新サクラ大戦』)の制作が決まっていたこともあり、『サクラ大戦』シリーズの魅力を伝えることを主眼に置いたゲームを別途企画しており、開発パートナー候補の1社としてディライトワークスさんともお話したが、条件が合わず一度お断りをした。だが、ディライトワークスさんから改めて熱量の高い新企画の提案を受けたので、ディライトワークスさんと開発を進めることにした」とコメント。ディライトワークスの熱いアイデアが採用され、「日本、奪還。」をテーマにした作品になったことを語った。
続いてのテーマは、“『サクラ大戦』らしさ”。
池氏は、「『サクラ大戦』は、豪華エンターテインメントで、カッコいいロボットやかわいい女の子が登場するなど、いろいろな魅力のあるシリーズ、そのなかで、スマートフォンで新しいゲームを作るにあたり、僕らが伸ばしていくべきは何かを開発チームで相談した。“『サクラ大戦』らしさ”はいろいろあるが、僕らは“乙女たちがいまを生きることに対して、一生懸命がんばって魂をぶつけていく”ところを柱にしようと決めた」と、本作に込めた想いを語った。
さらに木原氏は、ゲームで使用される楽曲に関するエピソードを語る。「楽曲についてはセガが主導となって作っているが、ゲームに合うものになるようにディライトワークス側と綿密な相談を重ねて進めている」とコメントした。
なお、おもな歌唱楽曲は作詞を畑 亜貴氏、作曲を田中公平氏が担当。田中公平氏は第一作の『サクラ大戦』からシリーズ楽曲を担当しており、この点も“『サクラ大戦』らしさ”となっていることは間違いないだろう。
“全国の乙女たち”というテーマでは、帝国華撃団に所属する乙女たちのエピソードを展開。
メインキャラクターとして登場する咲良しのたち“帝国華撃団”と、そのライバルである“大帝國華撃団B.L.A.C.K.”の対立が、本作の特徴のひとつだと話す。
木原氏は、「帝国華撃団はこれから育っていく乙女たち、大帝國華撃団B.L.A.C.K.は完全にできあがっているエリート集団として対比して描かれており、このふたつの華撃団は物語においても非常に重要で、本作でユニークなポイント」とふたつの華撃団の重要性を語った。
続けて池氏は、「大帝國華撃団B.L.A.C.K.はライバルと言いつつも、しのたちにとってははるか高みにいる存在。ファンのなかには「帝国華撃団はアイドルじゃないよ」と思う人もいるかもしれないが、彼女たちを乗り越えたくなる魅力を感じてくれたらうれしい」と大帝國華撃団B.L.A.C.K.に対する想いを語った。
また、メインキャラクターである咲良しのについては、木原氏は「当初は、変化球なデザインにしてきたなと思った」とコメント。それに対して池氏は「我々は変化球のつもりはなくて、成長していくと帝国華撃団の中心になれる人物だが、いまは芽吹く前の状態。それがわかるようなデザインにした」と、キャラクターデザインについて語った。
最後のテーマは“コマンドラインバトル”。
岡村氏は、「『サクラ大戦』といえばシミュレーションRPGだが、本作はコマンド入力形式のRPGとなっている。シミュレーションRPGの魅力をスマートフォンで味わうにはどうしたらいいのかを考えてバトルシステムを作った」とコメント。
池氏は「スマートフォンなので、ぱっと見て操作がわかるようにすることが必要。また、バトルの醍醐味として“シミュレーションRPGを楽しんだ気持ちにさせてくれる”システムにしたいよねと開発チームで話していた」と当時を振り返った。
続けて岡村氏も、「前後の移動に関するシステムを含めて、バトルはシミュレーションRPGを楽しんだようなエッセンスを感じてもらえると思う。うまく楽しんでいただけるとうれしい」と語った。
最後にリリースへの意気込みとして、3名は以下のようにコメント。
木原氏は「新しい『サクラ大戦』を作るということでディライトワークスさんから熱い提案をいただきながらいっしょに作り上げています。キャラクターへの想い、『サクラ大戦』への想い、開発力を信じて作っています。まもなくサービス開始ということで、皆さんご期待ください」とリリースへの想いをコメントした。
岡村氏は「『サクラ大戦』らしさとはなんだろうと考えながら作ってきたタイトルになります。いろいろな乙女が登場しますので、その中からお気に入りを探してもらえたらと思います」、池氏は「いよいよリリースということで、開発一同緊張しています。松崎さん(本作の脚本を手掛ける松崎史也氏)と作ってきた物語と、セガの皆さんと考えてきたキャラクターを、ひとりでも多くのお客さまが楽しんでもらえるといいなと思っています」と、それぞれの現在の心境を話してくれた。
開発者の貴重なトークセッションのあとは、本作の先行プレイ体験が行えた。ここからは、今回プレイできた、ゲーム第1章までの内容をリポート。ゲームのおもな流れや、搭載されているシステムの数々を紹介する。
本作の舞台は、16年前に謎の厄災が発生し、やっとのことで復興を果たした日本。プレイヤーは、物語冒頭では吉良時実首相が設立した大帝國華劇団B.L.A.C.K.の司令として赴任してきたキャラクターとなっている。
しかし、とある出来事から主人公は吉良政府から離反し、メインキャラクターである咲良しのを中心とした“乙女”たちとともに帝国華撃団を結成し、テーマにもなっている日本奪還という目的のために行動することになる。なぜ政府に反旗を翻すことになるのかは、プレイヤーの目で確かめてほしい。
なお、プレイヤーとなる司令の名前と性別は自由に設定でき、ゲームプレイ中も自由に変更できるようになっている。
本作をプレイしてとくに印象に残ったのが、ドラマチックアドベンチャーパートの存在。キャラクターの立ち絵や3DCGのグラフィック、ムービーシーンなどが贅沢に用意され、まるでアニメのような迫力で、しのたちの物語を観ることができる。
これまでのアプリゲームのなかでも最上位と言っても過言ではないほどの、リッチでボリューミーな内容に見入ってしまうこと間違いなし。音楽やボイスもふんだんに収録されているので、ストーリーをプレイする際にはイヤホンを使用してプレイしないと勿体ないだろう。
ストーリーを読み進める場合は、自宅などしっかりと腰を据えられる場所でのプレイをオススメしたい。
ゲーム本編は、日本各地を巡ってある目的を達成し、日本を奪還するのが目的。スタート地点の序章は、しのの故郷である青ヶ島、第1章は九州地方が舞台となっている。リリース時には2章までが配信され、その後は続々とシナリオが追加されていくとのことだ。
章はいくつかのパートに分けられ、シナリオのみが展開するパート、シナリオ後にバトルに挑むパートなどが登場。クリアーするごとにパートが進み、すべてを読み進めればつぎの章が解放される仕組みになっている。
そのほか、九州の第1話をクリアーすると乙女を育成するために必要な素材が入手できる曜日クエストが解放される。レベルを上げたり、さまざまな能力を強化する場合は、ここのクエストに挑戦することになる。
マップを見ると曜日ごとに異なる属性のクエストが解放される仕組みで、アイテムを消費すればほかの曜日のクエストにも挑めるようだ。
本作のバトルは、ターン&WAVE制のコマンドラインバトルを採用。1パーティは、最大6人の乙女を設定可能。プレイヤーは5人の乙女を手持ちから、残りひとりはフレンドの乙女を援軍として配置できる。戦闘には3人が出撃し、残りの3人は控えとして専用のコマンドで入れ換えることも可能だ。
バトルは、乙女に以下の3つのコマンドで指示を出すことになる。
・連撃:1ライン前進して攻撃する
・奮撃:その場で攻撃し、気力を溜める
・退撃:攻撃後、1ライン下がり防御する
バトルのフィールドには計5本のラインがあり、乙女は射程によって攻撃に影響する3つのタイプのいずれかに必ず属している。
・ダイレクトタイプ:敵に隣接するラインまで移動しないと攻撃できない
・スポットタイプ:遠距離攻撃が可能だが、敵の位置によってはダメージが減衰する
・シュータータイプ:ダメージが減衰することなく遠距離攻撃できるが、ほかのタイプよりも耐久に劣る
これらの特徴を理解し、有利なラインに乙女を移動させて戦うというのが、本作の需要な戦略となっている。これら3タイプの乙女をバランスよくパーティに編成することが重要になりそうだ。
乙女にはHPとATKのほか、技能(戦闘中に使えるスキル)、攻撃の属性(乙女と敵の属性によって相性がある)、必殺攻撃(戦闘中に気力が溜まると使える特別なコマンド)などの能力があり、当然、乙女によって性能が異なっている。必殺攻撃は専用のムービー演出が挿入され、見ごたえバツグン!
戦闘中に使える技能は、コマンド選択前のスキル入力フェイズで使用可能だ。味方を強化するものや敵を弱体化させるものなど、さまざまな効果がある。
攻め一辺倒ではなく、つぎのターンのために敵を待ち構えたり、攻撃回避のために1歩引いたりと、戦略次第で戦いの結果に差が出そうなバトルシステムだと感じた。
個人的には単純な打撃が強い乙女でパーティを組みたくなるが、属性の相性によっては威力が下がってしまうし、“ダイレクトタイプ”だけでは後列にいる敵に対して攻撃するのにターンを余計に消費しないといけなくなってしまうだろう。
序盤のバトルは、相性やライン取りを気にせずとも勝利できたが、バトルが成熟してきたころには、味方と敵の属性の相性や、有利に立ち回るためのライン取り、バランスのよい乙女の編成が必須となってくると予想する。
プレイヤーの育成が進むとどんなバトルが展開するようになるのか、いまから楽しみだ。
乙女は、霊子水晶(ゲーム内通貨)を使用して調査(ガチャ)を行うことで仲間にできる。47都道府県をモチーフとしたデザインの乙女が多数登場。レアリティーは★3から5までが確認できた。
なお、リリース時には30から40人の乙女が登場する模様だ。
このほか、ガチャからは乙女の能力を底上げする“霊子護符”も入手できる。
これは乙女ひとりにつきひとつだけ装備できるもので、さまざまなシチュエーションのイラストが描かれているのが特徴。
ゲーム中では見られない乙女たちのさまざまな姿が描かれており、これを集めるのも楽しみのひとつとなりそうだ。
また、乙女たちはそれぞれ“霊子ドレス”と呼ばれる固有の武装を身にまとって戦う。乙女によって個性や能力を反映したデザインになっているので、新しい乙女が仲間になったらまずは霊子ドレスのデザインをチェックしてほしい。
小さい乙女がドデカい霊子ドレスを身にまとっていることもあり、千差万別なデザインを楽しむべし!
霊子ドレスは『サクラ大戦』シリーズではおなじみの“霊子甲冑”がモチーフとなっており、しのが身にまとうものは、もともとピンク色の霊子甲冑だったものが変形してできている。
ストーリー中に挿入されるしのが霊子ドレスを身にまとうシーンは、アニメの変身バンクさながらのアニメーションとなっており、圧巻の出来。本作の見どころのひとつとなっている。
また、各乙女には主人公との仲のよさを示す“信頼度”というパラメータが存在する。ホーム画面には好きな乙女を待機させることができ、タッチするとその乙女と交流を深めることが可能。
信頼度が高まると会話のバリエーションが増えるようなので、お気に入りの乙女がいたら交流をくり返して、全部の会話をチェックしておきたい。
育成については、乙女自身、技能、必殺攻撃の強化に加え、護符の強化を行うことで、さらに乙女を強く育てることができる。
ガチャで重複した乙女は必殺攻撃がレベルアップ。必殺攻撃のレベルが上限に達していると“キセキ”というアイテムに変換され、育成用のアイテムの交換に使用可能だ。
ゲームが進めば素材などのストックも増えるだろうし、新たに仲間にした乙女でもすぐに最前線で戦わせられるはずだ。
同じ乙女が複数回ガチャで出現しないと育成が進まないといったことがないのもうれしいところ。
これまでの『サクラ大戦』シリーズの魅力を継承しつつも、まったく新しいゲームとしてリリースを控える『サクラ革命 ~華咲く乙女たち~』。
これまでは日本を守る存在であった過去シリーズと異なり、日本奪還という使命があるものの、日本の敵として存在してしまう帝国華撃団がいったいどういった活躍を見せるのか、ストーリー展開にも注目したくなるゲームとなっている。
また、47都道府県から参戦する乙女たちのキャラクターデザインも個性的で、いずれもキュートな魅力あふれる女の子ばかり。
どのキャラクターもさまざまな特徴があり、同じような性能の乙女はふたりといない。
また、最大6人まで参加できるバトルのシステム上、編成次第で無限ともいえるパーティが作れそうで、カスタマイズのやり込み甲斐もかなりありそう。
性能や見た目はもちろん、自分の出身地からお気に入りを決めるのも楽しそうだ。
2020年12月15日のリリースまで、もうまもなく。日本奪還がスタートするまで、いましばらく待つべし!
ちなみに、筆者が仲間にしたなかでは、長野県出身の霧ヶ峰あおがお気に入り。
絵を描くのが好きなようで、筆モチーフの武器を持った霊子ドレスを装着する。
小柄な女の子だが、霊子ドレスの大きさのギャップがステキだ。
おっとりとした口調も魅力的!
対応機種 | iOS/Android |
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価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
メーカー | セガ |
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公式サイト | https://sakura-kakumei.sega.jp/ |
配信日 | 配信終了 |
コピーライト | Original Game Ⓒ SEGA / Ⓒ DELiGHTWORKS |
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