和風要素が盛り込まれたのは『陰陽師』の影響!? 次世代バトルロイヤル『サイバーハンター』の開発秘話や今後の展開を訊く

2019-06-19 22:00 投稿

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サイバーハンター

実装予定の新モードの詳細が明らかに!

NetEaseより、好評配信中の新作スマホアプリ『サイバーハンター』。

本作はサバイバル、銃撃、探索、スキルに加え、パルクールなど立体的な動きを取り入れた次世代サンドボックス対戦モバイルゲームで、サウンドは『ドラッグオンドラグーン3』や『ニーア:オートマタ』の音楽を手がけた岡部啓一氏と『鉄拳』シリーズや『Fate EXTELLA LINK』などを手がけた高田龍一氏が担当。目でも耳でも楽しめるバトルロイヤル作品に仕上がっている。

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配信後、瞬く間にダウンロードランキング1位の座を手にするほどの人気を見せている本作。

今回のインタビューでは、『サイバーハンター』のプロデューサーのジョ・ホウウ氏に本作を開発した経緯や今後のアップデート情報について詳しく伺ってきた。

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サイバーパンク要素でほかのバトルロイヤルと差別化

——ジョさんは『サイバーハンター』にどのように関わっているのでしょうか?

ジョ・ホウウ(以下、ジョ) 『サイバーハンター』のプロデューサーを担当しているジョです。2006年の新卒からずっとNetEaseに所属してます。いくつかのタイトルの企画プランナー、プロデューサーを担当した後、2017年から『サイバーハンター』の開発をはじめました。

——『サイバーハンター』の開発のきっかけなどはありますか?

ジョ 開発当初はバトルロイヤルというジャンルはそこまで人気ではなかった時期で、当時は“リアル”さを売りにしたバトルロイヤル作品が多い状況でした。「なにかもっと新鮮な要素を取り入れることはできないか」と考えた結果、サイバーパンク要素にたどり着き開発を進めました。しかし、時間が経つにつれてバトルロイヤルというジャンルが予想以上にブレイクしていき、自分にかかってくるプレッシャーが大きくなってくるのをすごく感じていましたね。

——バトルロイヤルになにかを掛け合わせる思想が原点だったのですね。

ジョ 企画当初はバトルロイヤルの近未来風、サイバーパンクっぽく制作したいと思っていました。ただ実際にはこのタイトルだけではなく『サイバーハンター』を原典にしたIPをさまざまなジャンルで展開していければなと考えています。

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——それは今後スマホゲーム以外にもコンソールやアーケードなどでも展開していく予定ということでしょうか?

ジョ 現段階では『サイバーハンター』のIPをすべてお見せすることは難しいです。まずは既存タイトルのクオリティーを上げて、プレイヤーの皆さんに認められてから総合的なIP化を始める予定です。

——まだ、見せられていない部分とはどういった部分でしょうか?

ジョ 本作にはマックスとゼロという2人の主人公がすでにおりますが、3人目のメインキャラクターを現在開発中で今後実装する予定です。また、現状メインとなるのはバトルロイヤルのみなので、PvP(少数対少数)などの遊びかたの開拓も行っていきたいと考えています。

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和風要素が盛り込まれていたのは本格幻想RPG『陰陽師』の影響だった!?

——『サイバーハンター』が日本でリリースされて3週間ほど経ちましたが、反響はいかがでしょうか?

ジョ 企画当初はここまで成功するとは思わなかったですね。私自身、日本系のゲームを制作した経験がないですし、二次元やバトルロイヤルというジャンルの制作経験がまったくなかったので、最初は日本を意識して制作しているわけではありませんでした。ただ、チームメンバーには日本の影響を大きく受けている開発者が多く、制作する段階で日本(和風)要素がだんだんと盛り込まれていったことを覚えています。

——そもそも開発メンバーに日本のことが好きな方がいらっしゃったんですね。日本を意識するきっかけはあったのでしょうか?

ジョ 弊社の体制の都合なのですが、弊社内部には企画プランナーとプログラマーが所属するスタジオとは別に、アートチームが存在します。『サイバーハンター』を担当しているアートチームは以前、『陰陽師』を担当している人が多かったため、その流れで和風の影響を大きく受けた見たいですね(笑)

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——『陰陽師』……!確かに日本向けのRPGですね。

ジョ その影響を受けてだんだんと本作は日本向けになった感じです。ただ、初期段階では日本専門でゲームをやる考えはなかったのですが、開発が進むに連れて、日本の近未来や日本向けのSFなどを参考に制作していきました。

——確かに、どこか親近感を感じる風貌ですよね。

ジョ また、本作は東洋風のキャラクターと西洋風のキャラクターがうまい具合にバランスをとって制作しています。3人目のキャラクターは西洋風の女性にする予定です。これにあわせて4人目のキャラクターは男性の東洋人キャラクターになる予定です。

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▲初期のキャラクター“ゼロ”もどことなく日本っぽさを感じる。

クライミングや滑空などのアクションの誕生秘話が明らかに!!

——『サイバーハンター』はほかのバトルロイヤルにはない立体的な動き“クライミング”や“滑空”が特徴的だと思うのですが、開発段階でこれらの特殊な動きは組み込む予定だったのでしょうか?

ジョ 順を追って話しますね。開発が10%ほど進んだ最初の段階で私たちのチームはひとつの問題に直面しました。その問題とは「ほかのバトルロイヤルとどうやってゲームシステムで区別をつけるか」という部分です。

——ゲーム性でオリジナリティを出す必要があったわけですね。

ジョ はい。それで、開発チームは2つのポイントを挙げました。1つ目はバトルロイヤルは基本的にマップ上の敵をかわしつつ移動するのでその“移動過程”をどうするか、2つ目はFPSなので“シューティング部分”をどうするか、という点です。

——たしかに、大きく分けるとそのふたつの要素が重要ですね。

ジョ それで先ほど言っていたクライミングやスカイダイビングなどは、“移動過程”の差別化ポイントとして導入しました。ちなみに、当時私がハマっていた日本の超有名なゲーム作品からアイディアをいただいた感じです。

——なるほど。あの動きで生まれる立体的な動きがゲームをより深いものにしていますよね。

ジョ もう1つのシューティング部分についても区別できるよう考えました。基本的にFPSは“自分の銃のエイムがうまければ強い”という基本概念があるんですが、この部分に区別をつけたいと考えて、当時も流行っていたキャラクターごとに持っている銃や特殊能力が異なるゲームを参考しました。

——たしかに、バトルロイヤルでそういった能力をウリしているものはあまり見たことがありません。

ジョ 銃の扱いのうまさよりもそれぞれが立ち回りや役割を意識することで、これまでにない豊富な体験ができると考えたからです。しかしながら、その時はキャラクターごとに戦略が変わることを考えていたんですが、結果的にそのようなゲーム体験にはしませんでした。

——それはなぜでしょうか?

ジョ それはバトルロイヤルの平等性や自由さを根本に取りたいと考えたからです。最初に地面に着地してから周りの武器やスキルを選択して戦うという自由さがバトルロイヤルの重要な要素。キャラクターが最初から役割を決めていると自由さが失われますので、そのルートには行けませんでした。なので、本作は武器やスキルの選択を通して、プレイヤーが自由かつ幅広い戦略で戦えることを売りにしたゲームにしました。

——社内に『荒野行動』というIPがありますが、ノウハウの共有などはあったのでしょうか?

ジョ スタジオの構成上、大きく離れているので開発担当での交流はそこまでなかったんですね。でも、サービスを開始する前に『荒野行動』の担当のコウ氏と1回ミーテングする機会を頂きましていろいろな経験を語ってくださいました。それを『サイバーハンター』の運営に活かすのはもちろん、今後のアップデートでも『荒野行動』とは一味違った良さを持つ展開を行っていきたいと考えています。ふたつのゲームで違う体験、異なる遊びがプレイヤーに提供できるように努めます。

アップデートで大きく変わる!? コスチュームや銃など月ベースで実装

——今後、アップデートで追加されるシステムやesportsの取り組みなどについてお話いただけますか?

ジョ これから数ヶ月のあいだで行うアップデートに関してですが、ますは“スクアッドの新しい戦いかた”を追加する予定です。このスクアッドでは、4~5組くらいのチームを戦わせるんですが、これまでの戦いかたと異なり、スクアッドの中で1人だけ生き残っていれば全員復活できる内容になっています。

——それは大きく戦略も変わってきそうですね。

ジョ いま、お話した内容のほかにも3か月~5か月間にかけてのアップデートで、異なるプレイや戦いかたなどをたくさん追加する予定です。

——お話できる範囲でいくつか具体的な内容を教えていただけないでしょうか?

ジョ 例えば、“聖杯争奪”という新しい対戦を投入したいと考えてします。これはマップ上にランダムで聖杯が生成され、最初に3つの聖杯を手に入れたチームが優勝、というゲームモードです。もし、ゲーム中に自分が所属しているチームが全滅した場合は自分のチームが所有している聖杯を1つ失う変わりに復活することが可能な対戦です。

——聖杯…! これは新たなゲーム体験になりそうですね。

ジョ また、“チーム攻防戦”というものも計画しています。攻勢側は防衛側が守っている旗を取りにしく、防衛側は砦の中で攻勢側から旗を守り抜くという対戦を実装していこうと考えています。

——向こう数ヶ月で大きく変化するんですね…!

ジョ それと3人目のキャラクター。欧米系の女性を意識したキャラクターを追加していきたいと考えてますが、2000以上のモーションを制作する必要があるので、実装までにはかなりの時間がかかる予定です。

——最後に、今後コラボなどを検討している作品などがありましたらお聞かせください。

ジョ コラボについて企画段階の話なのでお話するのは難しいです。ごめんなさい。ただ、まだまだ構想段階ですが、来年くらいに追加したいプレイモードでは、戦場に点在している巨大な“メカ”をプレイヤーが探し、操縦して戦うような対戦モードを追加したいと考えてます。

——たくさんの新情報ありがとうございました。楽しみにしています。

サイバーハンター

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルアクション
メーカーNetEase Games
公式サイトhttp://www.cyberhunter.game/
配信日配信中
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