1. サイトTOP>
  2. 『ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~』楽曲を手掛けたプロキオン・スタジオの黒田氏とマリアム氏にインタビュー

『ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~』楽曲を手掛けたプロキオン・スタジオの黒田氏とマリアム氏にインタビュー

2019-03-28 12:00 投稿

『ワングラ』の楽曲・サウンドはどのように作られたのか?

WG0828_01

セガゲームスとf4 samuraiが2019年4月1日にリリース予定のスマホ向け新作RPG『ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~』(以下『ワングラ』)。本作に楽曲・サウンドを提供しているのは、数々の著名タイトルに参加して来たプロキオン・スタジオ。本記事では、そのプロキオン・スタジオの黒田淳也氏、マリアム・アボンナサー氏にインタビュー。スタジオについて、本作の楽曲について聞いた。

 TAK_7279

▲プロキオン・スタジオの黒田淳也氏(サウンド・デザイナー、写真左)とアボンナサー・マリアム氏(作曲、編曲、オーケストレーション、写真右)

個性を大事にするプロキオンスタジオ

――まず最初に、お二人の担当、仕事内容を簡単に教えていただけますでしょうか。

マリアム 私はおもに作曲、アレンジ、オーケストレーションを担当しています。

黒田 僕はSE(サウンド・エフェクト)、組み込み調整、音声編集など、楽曲以外のゲームサウンド全般を担当しています。

――マリアムさんは海外のご出身とのことですが、日本語が流暢で驚きました。

マリアム はい、イギリス出身です。日本語は、日本とイギリスを頻繁に行き来していたので(笑)。いまはもう4年ほど日本で暮らしています。

黒田 へぇ~、そうなんだ。

――黒田さんはご存じなかったんですか(笑)

黒田 「日本語上手だなあ」と思っていました(笑)

――ゲーム音楽の仕事をやりたくて日本にいらっしゃったんですか?

マリアム ゲームに限らず、とにかく音楽の仕事に携わりたかったですね。そんなときに、たまたま光田さん(康典氏。プロキオンスタジオ代表)とお会いする機会があって。当時は学生で、ロンドンでコンサート会場のアルバイトをしていたのですが、そこでいろいろと相談の乗っていただいていたコーディネーターの方が光田さんと知り合いだったんです。その方に紹介して頂いて、そこからですね。

 TAK_7106

――なるほど、そんな縁があって日本に来られたんですね。数々のゲーム音楽を手掛けてきたプロキオンスタジオですが、スタジオのポリシーや決め事みたいなものは何かあるのですか?

黒田 そうですね……そういったものがないのがポリシーというか(笑)。明確に共有されているものは基本的にないですね。ひとつあるとすれば、作曲家が多いのでそれぞれの個性を大事にするということでしょうか。ひとりひとりが作曲家として認知してもらえるように、この人はこういう曲を作るというイメージを持っていただけるように、というところは目指しているものですね。

――会社ではあるけれど、それぞれが一本立ちしているのが理想であると。

黒田 はい。なので、それぞれの仕事に対して会社から「こういうイメージで曲を作ってくれ」ということは基本的にないです。おかげさまでスタジオのイメージがだいぶ定着していて、そこからかけ離れたご依頼をいただくことが少ないということもありますが。

――とはいえ、突拍子もない依頼が来ることは?

マリアム ありますね(笑)。ただそういうときは、自分たちよりもっと適任の人がいればご紹介させていただいたり、ということが多いですね。

黒田 うちのスタジオではなく「この作曲家さんにお願いしたほうがいいものになるよね」ということはしばしばあります。これも個性を尊重するということのひとつでしょうか。

――なるほど。では仕事の際、作曲するときに気を付けていること、心がけていることなどはありますか?

マリアム やはりゲームであればその世界観を大事にすることですね。シナリオやグラフィック、開発の方の要望、これに自分の表現したいことをどう入れていくか、ということは心がけています。

黒田 僕の場合は作曲家とは違って、たとえばバトルエフェクトを作るときはバトルチーム、UI周りはUIチーム、そのチームの一員になったつもりで音を充てていきます。加えて全体の雰囲気と統一感でしょうか。今回の『ワンダーグラビティ』であれば、ゲームの雰囲気に合わせてポップで明るく、少し外連味がある感じで揃えるといったようなことですね。ここはゲームによって大きく変わってくる部分です。

 TAK_7178

――ゲームに入っているSE、楽曲はかなりの数だと思うのですが、今回の『ワンダークラビティ』だとそれぞれどのくらいの数になるのですか?

マリアム 楽曲は29曲ですね。サービスが続いていくと増えていく可能性ももちろんあります。
黒田 SEは今回は200くらいですね。だいたい楽曲の10倍~20倍の数になるのが普通です。家庭用ゲームのRPGだと千や万の桁になることもありますね。

――やはりスゴイ数なんですね。昔は容量の関係でBGMが削られがちというお話を聞いたことがあります。

黒田 いまは家庭用ゲームは平気ですね。逆にスマートフォンゲームは容量、サイズを気にすることはあります。
マリアム もう少し短くしてほしいとか、そういうことはありますね。ダウンロード時間が長くなってしまったりするのは、プレイ体験としてやはりよくないですから。

――スマートフォンの音質は家庭用ゲームと比べてどうなのでしょうか?

マリアム やはり原曲と比べると印象が変わりますね。とくにスマートフォンだとベースの音が軽くなる傾向があります。ですので、サントラを聴くとけっこう違うことはよくあると思います。

――おふたりにとって、ゲームにおける音楽、SEとはどんなものだとお考えですか?

マリアム 私はゲームだから、とはあまり考えたことはないですね(笑)。ゲームというよりはそのシーンに合っているもの、盛り上げるものという意識で作っています。映像、舞台などでも同じですが、ゲームに限らず演出のひとつという考え方ですね。
黒田 楽曲はプレイヤーの気持ちに起伏を与えるものですが、SEはゲームを構成するパーツそのものなんですね。決定ボタンを押したらそれが音でもわかる、敵にダメージを与えたらそれがわかる。一番大事なのはプレイヤーがそのときに何をしたかが、音でフィードバックされるということです。とくにスマートフォンは家庭用ゲーム機と違ってボタンがなくなってしまったので、手ごたえがないので音で補完することは大事になっていると思います。

――どちらもゲームにはなくてはならないものですよね。

黒田 スマートフォンゲームは電車の中などでプレイされている方も多いと思いますが、音ゲーを音楽を聴かないでプレイしてたりするのを見ると、驚きと同時に少し寂しいですね(笑)
マリアム イヤホンを使って、ぜひ音楽と一緒に楽しんでほしいと思いますね(笑)

『ワンダークラビティ』のBGM

――では、話題を『ワンダークラビティ』に移します。いろいろな要素があると思いますが、意識した部分はありますか?

マリアム 空と重力という作品のテーマは意識して製作しました。ただ、空を飛ぶのと重力・無重力の違いは少し難しかったですね。風に乗って空を飛ぶのと、重力を操って飛ぶというのはやはりイメージが違ってくるので。
黒田 SEは作品全体の色味の明るさから、あまりデジタル感を強くしないようには意識しましたね。なので、シンセサイザーで作るのではなく、生楽器の音を使っているところも多いです。わりと可愛い系の音になっていると思いますよ。

――RPGのSEで作るのが大変なものってどんなものがありますか?

黒田 僕はシステム音と……あとは足音ですね(笑)

 TAK_7128

――足音ですか!

黒田 そうなんです。見た目ももちろんですがキャラクターの身長や体重、年齢や性別、履いているものなども考えて合ったものにしないと、ものすごく違和感があるんです。足音のライブラリもあるのですが、あるプロジェクトでうまく合うものがなくて自分で収録したことがあるんです。そうしたら監督から「このキャラクターは15歳くらいの少年なんだけど、40歳くらいのおじさんの足音に聞こえる」と言われてしまいました(笑)。そのくらい足音ってキャラクターにとって大事なんです。

――なるほど。マリアムさんはどうですか? よく通常戦闘のBGMが何回も聴くものなので難しいという話は聞きますが。

マリアム 理由は違いますが、私も通常戦闘は苦手なほうですね。ボス戦の楽曲を作るのは好きなんですが、通常戦闘はテンションが難しいです。盛り上がるところではあるけど、ボス戦よりは盛り上がらないというか(笑)。ボス戦にはストーリー性や物語の背景が入ってくるのも好きな理由なんですが、通常戦闘ではなかなかそういうものもなくて。

――BGMがループすることも考慮しないといけませんよね。

マリアム そうですね、自然とループするように構成しないといけないですし、ちゃんと作らないと安っぽくなってしまいます。何回も聴くのでうるさくなり過ぎないようにとか、いろいろ難しいです(笑)。

 TAK_7116

――『ワンダークラビティ』で作られた楽曲、SEで聴きどころをひとつ挙げるとしたらどこでしょうか?

マリアム 苦手と言いましたが(笑)、通常戦闘のサビの部分でしょうか。先に広がる感じがうまく表現できたかなと。一番頑張ったところだと思います。
黒田 SEは挙げるのは難しいですね(笑)。全体としてはいろいろ鳴らしていますけど、サラっと耳に入っていただければそれが一番かなと思います。SEって聴いてないようで耳に残るというか、雰囲気でいいなと思っていただけたら嬉しいですね。

――では最後にひとこと、読者とファンの皆様にメッセージをお願いします。

マリアム ストーリーもグラフィックも素晴らしいゲームですし、楽曲も頑張りました。配信されたらぜひプレイしてもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。
黒田 SEも含めてポップで可愛らしい作品に仕上がっていると思いますので、ぜひ遊んでみてください。マリアムの楽曲も必聴です(笑)

TAK_7144

ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG
メーカーセガゲームス/f4samurai
公式サイトhttp://wonder-gravity.sega.jp/
配信日配信中
コピーライト

この記事のタグ

関連記事

この記事に関連した記事一覧

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧