『Ingress』国立競技場で緊急バトル!! 軽い気持ちで呼び掛けたら想定外の結果になったBB戦リポート
2024-07-16 21:25
2018-07-04 12:45 投稿
この記事に関連するゲーム ゲーム詳細
Ingress Prime(イングレス プライム)
世界的大ヒットを記録しいまなお注目を集める『ポケモンGO』のベースであるAR(拡張現実)を利用した位置情報ゲーム『Ingress』。
全世界を舞台にレジスタンス(青)とエンライテンド(緑)ふたつの陣営が戦う大規模イベントの一環として2018年6月23日、真夜中の富士急ハイランドを貸し切り、各陣営から選ばれた総勢30名のエージェントがゲームの枠を越えた試練に挑む“Agent Olympiad 2018”が開催された。
本記事ではその中継スタジオとエージェントが駆け回ったフィールド、ふたつの舞台裏をフリーライターの深津庵がリポート。
基本的なルールとラウンド1&2をまとめた前編から続き、ここからは『Ingress』を開発するナイアンティックのスタッフが真夜中の富士急ハイランドを逃げ回った怒涛の後半戦、ラウンド3&4の様子をお届けするぞ!!
▼前編・番外編はこちら
“Agent Olympiad 2018”の見どころ
●ラウンド3:リンクフレンジーに紛れてあの男が逃走
●ラウンド4:社長も走る!! 激闘のシャードシュート
●歓喜に湧いた結果発表!! そして戦いは札幌へ
2018年6月23日の20時から始まった全4ラウンドの戦いもついに後半戦。22時40分からは指定のポータルに向かってリンクを結んだ本数で点を競う“リンクフレンジー”が実施された。
40分のあいだに4回の計測時間があり、その瞬間に何本のリンクが生きているかがスコアを左右する重要なポイント。限りあるアイテムを使って行われる攻防は序盤からは想像もつかない壮絶なものとなった。
今回のイベントは指定されたスキャナ(スマートフォン)で行われ、攻防に必要なアイテムにも限られている。
現場でポータルからアイテムを補充することはできても消費量をカバーするのは困難、完全に需要と供給のバランスが崩壊しているように感じた。
実際、これまでのラウンドで敵陣営のひとりを指名して所持しているアイテムを半減させる特殊ルール(APバトル)を2度獲得していたレジスタンスは安定。それを執行されてしまったエンライテンドは、戦況を見る限りそれが影響して反撃できずにいるようだった。
このラウンド3で印象的だったのは、パーク内に潜伏するナイアンティックの須賀健人氏を探し出し、背中に付けているフラッグを奪って点数を稼ぐ“スパイゲーム”だ。
須賀氏は15キロ(大量の砂が入った)リックを持ってスタジオに現れ、ラウンド4でスパイゲームに参加する代表取締役社長の村井説人氏に「こんな重たいものを社長に持たせられない」と、ふたり分の砂を背負っていることを明かした。
そんな須賀氏はアクションカメラを片手に単独でパーク内に潜入するも、エージェント(以下、AG)たちは“リンクフレンジー”に夢中。姿が見える位置まで近づいても気づいてもらえず、ニコ生の中継も最初はよかったが徐々に気まずい空気が漂い出す。
そのころ、“あちらのお客様システム”で足つぼマッサーシを指名されたAGたちの悶絶する光景がワイプで抜かれるも、彼らの絶叫はオフマイクだったためまったく届かず。視聴者からも「そっちのほうが気になる」といったコメントが相次いだ。
そんな様子を見ていた筆者は現場に向かい、彼らがあまりの痛さに「産まれるぅ」と絶叫していたことを知る。
そんなハードな足つぼマッサーシも終わり彼らも戦いに加勢。その数分後、あまりにも見つけてもらえず須賀氏はみずから中継カメラの前に現れ速攻でエンライテンドのAGたちにみつかり、怒涛の勢いでフラッグを奪われてしまった。
このスパイゲームは昨年行われた同イベントでも話題となり、速攻で捕まってしまった前回の教訓から須賀氏は6キロの減量に成功。
しかし、筋トレがメインで有酸素運動を怠ったため持久力がつかず、発見されてからは驚きの速さですべてのフラッグを奪われる残念な結果になった。
最終ラウンドで投入された“シャードシュート”は、パーク内のポータル直上に出現する13個の“シャード”をポータル間を結ぶリンクを通じて移動させ、その距離に応じて発生する点数を競う特殊な戦いだ。
これと同時に行われた“スパイゲーム”では村井氏がパーク内に潜伏。ラウンド3の須賀氏同様のルールでAGたちから逃げ回ることとなった。
今回は本気だと語る村井氏が「隠れて走って逃げ切る」と宣言した直後、ラウンド3でアクションカメラが大破してしまったことを告げられ、中継カメラが追いかけるというハンディキャップを課せられ言葉を失ってしまう。
そんな悪条件の中、宣言通り村井氏はパークの片隅に潜伏、闇に潜むように高所から周囲を見渡す姿は完全に本気モード。さらに同行していたスタッフと百花繚乱さんを巻き、中継は消えた村井氏を捜索するおもしろい展開になっていく。
しかし、それに気づいた村井氏は社長としてそれでいいのかと悩み、来た道を戻ってスタッフを探そうするのだがそこでAGにみつかってしまい、須賀氏よりも早くスパイゲームが終了してしまった。
今回のAgent Olympiad 2018は終わってみれば、有益な情報が得られるデッドドロップを多く獲得するだけでなく、全ラウンドのAPバトルを制して敵陣営のAGひとり(計3人)のアイテムを半減させる特殊ルールを独占できたレジスタンスが圧倒的に有利な状況を維持する展開だった。
そうして約7時間に渡って行われた司アキラ所長の実験は大きなトラブルもなく無事終了。筆者はニコ生やPepperに表示されるスコアをラウンド3までチェックしていたが、最後の陣営コールをまえに結果を知ってしまうのは嫌なので情報をシャットダウン。司アキラ所長の口から直接聞こうと待機していた。
さぁ、いつもの如くエンライテンドがコールされ、緑色のライトアップで照らされるのか。
それとも……
やりました、ついにレジスタンスが勝利をつかむ瞬間に立ち会うことができた。
これは『Ingress』を取材し始めた2014年12月のXMアノマリー・ダルサナ東京から数えて約4年のあいだで2度目という貴重な経験だ。
しかし、エンライテンドは過去多くの戦いで圧倒的な力でレジスタンスをねじ伏せてきた実績がある。
今回の勝利はレジスタンスの悲願を叶えたカタチではあるが、2018年7月28日には札幌で大規模イベント“XMアノマリー・カサンドラ プライム 札幌”の開催が決定。Agent Olympiad 2018は前哨戦であり、札幌こそが国内AGにとって本戦だと考えているものも多いはずだ。
なお、韓国や台湾、中国やノルウェー、香港のAGも今回のイベントに参加。日本在住の方が多かったがワールドワイドな交流を、ネットを通じた間接的なものでなく直接楽しめるのも『Ingress』の大きな魅力だ。
そしてもうひとつ、今回のスパイゲームで奮闘した村井氏や須賀氏はもちろん、司アキラ所長の助手としてナイアンティックのスタッフである山崎富美氏がさまざまな場面でイベントを導くなど、多くの開発陣が現地を訪れAGたちの交流を積極的に行っている点も魅力だろう。
今回、前後編に渡ってお届けしたAgent Olympiad 2018は、本来ある『Ingress』の戦いに鬼ごっこや宝探しのようななじみのある遊びを加えた特殊なイベント。真夜中の富士急ハイランドを駆け回るなんてことは、そう簡単にできるものではないとても貴重な経験になった。
スキャナとにらめっこして敵陣営をポータルを奪い合うのもいいが、こうやって全身で拡張現実を世界を体験することで、当たり前のような光景が何倍も印象深く貴重なものになっていく。
『Ingress』や『ポケモンGO』を通じていろいろなスポットに行くことができたと感じる人も多いと思うが、両タイトルが与えてくれたのはあくまでもきっかけ。実際を訪れたのはプレイヤー自身の秘めたる行動力であり、どんな発見をして何を感じるのかは我々次第だと筆者は考えている。
戦うことは苦手だという人にはミッションというチャレンジがあるので、それを通じて世界を全身で感じてほしい。
また、地元の攻防では物足りないという人はぜひ、2018年7月28日に開催されるXMアノマリー・カサンドラ プライム札幌でその腕を敵陣営に見せつけてやろう!!
さて、今回参加したAGたちが専用のバスで富士急ハイランドを去ったのが深夜3時半過ぎのこと。
ナイアンティック&ドワンゴのスタッフや演者さんも4時過ぎには続々と撤収したのだが、現地集合現地解散だった筆者は、自前で予約した朝いちの高速バスが来る7時8分まで約3時間現場に待機することになった。
これ、筆者だけならまだしもじつはこの日、イラストレーターの女性も同行。彼女にとって過酷な1日になったのは言うまでもない。
約7時間のイベント中、スタジオとフィールドを駆け回っていた我々にとっては「これは俺らに課せられたAgent Olympiad 2018なんだ」と言い聞かせることで、なんだか筆者のテンションが上がってくる。
夜が明け、うっすらと富士山が姿を現し、少しでも元気を出してほしくて「見に行こう」と声をかけるも、「もう無理、動けない」と断られ、ひとりで富士山を拝んだのは一生忘れられない思い出だ!!
▼番外編はこちら
対応機種 | iOS/Android |
---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | その他 |
---|---|
メーカー | ナイアンティック |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | (c) 2014 Niantic Inc. |
この記事に関連した記事一覧
この記事と同じカテゴリの最新記事一覧