『シノアリス』サービス終了を記念したPOP UP SHOPが新宿マルイ アネックスで開催。“SQUARE ENIX e-STORE”にてグッズの受注販売受付も開始
2024-03-01 18:36
2018-02-22 11:00 投稿
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SINoALICE(シノアリス)
ヨコオタロウ氏が原作・クリエイティブディレクターを務めるスマホ向けダークファンタジーRPG『SINoALICE(シノアリス)』。2017年12月に追加された“衝動篇”、“憎悪篇”に続く新たなモノガタリ“現実篇”では、これまでのソーシャルゲームでは見たことがないような男女間のドロドロとした闇の深いストーリーが話題となっている。
今回は、そんな本作のシナリオを生み出している原作のヨコオタロウ氏、ポケラボのプランナー・松尾綾樹氏、シナリオライターの赤羽良保氏ら3人のキーマンにインタビューを敢行。
コンシューマーゲームで数々のヒットを飛ばしてきたヨコオ氏の方法論は、アプリゲームの世界ではどのような形で反映されているのか? 作中に登場する膨大な数のストーリーを作る上での分業体制や、イベントシナリオを作る上の苦労など、ここでしか聞けない貴重なお話をたっぷりとお届けする。
▼『シノアリス』のイラストにフォーカスしたインタビューはこちら
――今回は『シノアリス』のシナリオづくりの実情についてお伺いしていきます。まず、シナリオチームはどのような規模でしょうか。
ヨコオタロウ(以下、ヨコオ) 赤羽さんのサポートや僕のサポートの人はいるのですが、シナリオチームとしては基本的に3人です。
――皆さんはふだんから実際に会って作業をされているのでしょうか。
松尾綾樹(以下、 松尾) 僕とヨコオさんは月3回程度会っていて、赤羽さんはその会議に来れるときだけ来ていただく感じです。月1回程度でしょうか。
――『シノアリス』ほどテキスト量があるゲームで、基本3人で執筆されている、というのはかなり少ないように思えます。
松尾 多分ありえないぐらい少ないと思います(笑)。GREEの別のタイトルですと10人程度の規模でやっていたりするので、倍は欲しいですね。
――実際の役割分担はどのようになっていますか。
ヨコオ 『シノアリス』のシナリオテキストはコラボイベントやジョブストーリー、ウェポンストーリーなどいくつかあるのですが、メインストーリーは僕が1キャラ分だけ書いています。ほかのキャラクターは大まかな構成だけ書いて、残りのテキストをすべて赤羽さんにお願いしている形です。
松尾 基本的にはヨコオさんがプロットを作り、赤羽さんがそれをもとにシナリオを書き、僕が演出等の調整を行い、最後にもう1度ヨコオさんに確認していただく、という流れですね。
ヨコオ イベントは松尾さんがプロットを書いてくださって、赤羽さんにシナリオを発注するという形になっています。ただ『NieR:Automata』コラボやもうすぐ始まる『ドラッグ オン ドラグーン3』とのコラボに関しては、僕がシナリオまで作っています。
――ヨコオさんの過去作とのコラボについてはヨコオさんがイベントシナリオを執筆されているのですね。メインストーリー、コラボシナリオ以外のテキストはどのような分担でしょうか。
ヨコオ ジョブストーリーというキャラクターごとのストーリーは、僕がサンプルとして1キャラ分を作り、そのルールに従って赤羽さんにたくさん作ってもらっている形ですね。ウェポンストーリーや細かいイベントについては、全部松尾さんが作っています。
――ヨコオさんは『シノアリス』でスマホ向けタイトルに初挑戦されたとのことですが、コンシューマーゲームとくらべて、実際のプロットづくりやシナリオチェックで違う点はありましたか。
ヨコオ ゲームをやっていただいた方にはわかると思うのですが、『シノアリス』はシナリオ自体があまりなく、好きなときにボタンひとつで飛ばせるというのが世界観やUIのコアにもなっています。僕自身がソーシャルゲームのシナリオをぜんぜん読まないので、それなら雰囲気重視で文章を飾り程度にしておいて、深掘りしたい人は後で見られる構造にしよう、と。そういう意味では、おふたりは期待に答えてくださっていて、とてもよかったなと思っています。
――メインストーリーを執筆されている赤羽さんにお伺いします。ストーリーを考える際に、意識していることはありますか。たとえばヨコオさんの世界観を意識してオチを暗いものにしたり、というようなことはあるのでしょうか。
赤羽良保(以下、赤羽) 私は以前からヨコオ作品がすごく好きだったので、いただいたプロットの行間を読み、何を意図しているかをギリギリまで読み込んでいます。ヨコオさんの作品は、芯にはすごく優しさがあるんだけど、そのまわりを狂気のゼリーが包んでいるという感じですよね(笑)。それを見て、自分が書いているのはチキンレースで言えばまだまだ半分も来ていなかったんだな、と思いながら「ここまでやっていいんだ!」と参考にさせてもらっています。
ヨコオ 僕はグロくしてなんて一度も言ったことないですよ。赤羽さんがひとりで勝手にチキンレースをやってるだけです(笑)。
――シナリオを書く際、長く続けていくために心がけていることはありますか。
赤羽 私はシナリオを書くときに、海外ドラマを参考にしています。海外ドラマは1話1話が全力投球で、でも絶対に無理やりシーズン2とか生まれるじゃないですか。あの無理やり続ける感はすごいですよね。どれだけ書いても続くものは続くんだ、と割り切って作っています。
――ほかにお話を書くうえで参考にしているもの、影響を受けたものはありますか。
赤羽 『シノアリス』ではポエムがあるので、真っ先に銀色夏生さんや金子みすずさんの詩集を本棚から探しました。
――シナリオライターとして参加されたタイトルは『シノアリス』以外にもありますか。
赤羽 スクウェア・エニックスさんで『拡散性ミリオンアーサー』や『ミリオンアーサー アルカナブラッド』のお手伝いをしていたり、ちょこちょことアプリ系のお仕事を任せていただいています。アプリとコンシューマー、半々ぐらいで継続していますね。
――赤羽さんから見て、ヨコオさんはどのような方ですか。
赤羽 ゲームショウで配られていた『ドラッグ オン ドラグーン』のパンフレットを見たときに、「なんかすごいのが出てきてしまったな」という印象を受け、これはぜひ購入してプレイしなければ、と思いました。それが第一印象です。『NieR RepliCant』などもプレイしたのですが、シナリオやシステムの作りかたが独特で、トリッキーな印象がありましたね。でも実際にお会いしてみたらすごく気配りをされる非常にやさしい方で、「印象と違う!」と思ってしまいました(笑)
松尾 ヨコオさん、意外とやさしいですよね(笑)
――ウェポンストーリーは松尾さんが担当されているとのですが、実際に担当されている作業はどのようになっているのでしょうか。
ヨコオ 『NieR:Automata』とか、僕が関わった作品の武器に関しては僕が書いていますが、それ以外は松尾さんがほとんど書いてくれています。じつは最初に僕が“ウェポンストーリーの書きかた”というマニュアルを書いて、それを松尾さんに渡してあります。
――現在は300以上の武器があるとのことですが、これだけの数になると、物語のバリエーションを作るのもたいへんな作業ではないでしょうか。
松尾 ウェポンスト-リーの形式自体がすごく自由なんです。それにヨコオさんからいただいたマニュアルにも“みんな見たことのないストーリーを読みたがっている”とありましたので、結局はここがキモなんだな、と思いながらやっています。
――ウェポンストーリーを書いていく中で、松尾さんご自身が手ごたえを感じたものはありますか。
松尾 初心者ログインボーナスで手に入る槍があって、そのウェポンストーリーは少し頑張ったので印象に残っています。開発時は企画作業が中心だったので、シナリオを書く時間が休日しかなかったんです。そして1週間に20個作成しないといけないスケジュールだったので、大体のものはひとつ30分くらいで作っていました。でもこの槍だけは「みんなが使うことになるからがんばろう」と思って、数時間かけて作りました。ウェポンストーリーはだいたい最後は死んじゃって終わるのですが、これはちょっと変わった感じで書いています。
――ひとつ30分というのはすごいですね。
松尾 最初の1行目を書くのにいちばんカロリーを使うのですが、書き始めたらあとは流れに身を任せる感じです。大体はそんな感じで作っているのですが、一部のものは「つぎはこんな感じの話を書こう」とオチまで含めた流れをあらかじめ考えておいて、足りない部分を盛っていくようにしています。長いときは2時間くらいかかったりもしますね。
――ネタ探しはどのように行っていますか。
松尾 アニメや映画などをいろいろ見ています。最近『キノの旅』というアニメを見たのですが、話がウェポンストーリーっぽくて、これはもっと早く出会いたかったな、と思いました(笑)
ヨコオ 『キノの旅』の原作小説は、じつ『NieR』にとっても元ネタのようなところがあるんです。当時ライトノベルに詳しい人からおもしろそうな作品をいくつか借りて、それで読んだうちのひとつが『キノの旅』でした。ゲームの真ん中にマップがあっていろいろなクエストが発生する形式になじみがよく、あんな感じの不思議な話がいっぱい置けるゲームにしよう、というのが『NieR』の最初の話の骨格でしたね。
――『シノアリス』にも、そのような発想のベースになったような部分はありますか。
ヨコオ 『シノアリス』はいちばん最初に思い描いたのがエンディングなので詳しくお話できないのですが、大して話が出てこなくても成立するぼんやりとした世界観がいいなと思って作っていきました。そういう意味では、普通のシナリオにあるような“ドラマツルギー(※1)”はあまりないですね。盛り上がりポイントを作るというよりは、スルッと読める辞書のような感じになるといいなと思って作ったのが『シノアリス』です。
※1 ドラマツルギーとは、演劇の創作や構成に用いられる技法のこと。
――実際に仕事をするようになって、ヨコオさんの印象はいかがですか。
松尾 すごくユーザーを大切にする人だな、と思いました。ときには、期待をあえて裏切ったりするのですが、それもユーザーのことを考えています。またアイデアマンで発想が早く、企画の話をしているときもポンポンおもしろいアイデアをくれます。企画が始まったとき、見た目について「スタンダードかつ、スタンダードではないものにしてほしい」と話があったのですが、そのときはちょっと困りましたね(笑)
――それはなかなかの難問ですね。
松尾 当初は何を言っているのかと思っていたんですが、サイト上のテキストを書くときに「キャラクターごとにつけた“束縛”などのキャッチコピーを辞書風に書いてほしい」と言われたんです。キャラの情報を伝えるという意味では同じなのですが、そこで見せかたを辞書的にする、というのが“スタンダードかつスタンダードではない”ものなんですよね。『NieR:Automata』でも、ゲームの説明書のところが新聞のようになっていましたが、その辺りもとても勉強になります。
ヨコオ 『NieR:Automata』ではゲームパッケージの中にマニュアルが入らないのが古いゲーマーとしては寂しくて、紙の何かを入れたいと思っていたんです。「チラシなら入れられるよ」と言われたので、「それらをひとつにまとめて畳める新聞のようにするのはどうでしょう」とお願いしました。全部構成を作って内容も自分で書いて作ったのですが、宣伝協力のカテゴリなのでアレに対しては一切お金が出ていないという(笑)。まあ、やれることの中でお客様がうれしいことがあるといいな、というのはいつも思っています。
松尾 あれは今でも読み返すほど好きですね。
――現実編では過激な描写が増えてきました。こうした描写についてはコンシューマーゲームの場合はCEROによるレーティングが入りますが、スマホゲームではそのあたりのチェックはどのように行われているのでしょうか。
松尾 倫理チェックはスクウェア・エニックスさんが担当されています。
ヨコオ おそらくCERO◯◯相当、という基準で見ていただいているのではないでしょうか。ただスマホゲームはCEROを通すわけではないので、なんとなく守ったり守らなかったり、言うことを聞いたり聞かなかったりしながらふわふわとやっています。中にはだいぶ揉めたものなどもあります。
――揉めた例を具体的にお伺いできますか。
ヨコオ グレーテルのシナリオで、兄弟間の近親相姦を思わせる描写が問題になりました。僕の書いたプロットをもとに赤羽さんが書いてくれた文章なのですが、けっこうディテールまで踏み込んで書いてくださっていて、それを「ここを消せばいいのかな」と細かく直していって、実際に◯◯をしているとは取れないと言い張れる、ギリギリのラインを揉めながら探っていきました。
――そういったやり取りは頻繁にあるのでしょうか。
ヨコオ そんなにずっと引きずるようなものはなく、ちょっと直せば終わることが多いですね。この件の場合は兄弟間の恋愛感情がベースにあって、ここを変えると関係性の概念から変えてしまうことになり、全体を直さなければいけなくなる。それではコストがかかりすぎてしまうので、そう見えないよう取り繕って通していく、という作業でした。
――意外な理由でNGになったものはありましたか。
ヨコオ 女性の失禁表現はダメ、というのがありました。なぜダメなのかゆっくり聞きたい気持ちがありますね。「男はいいんだ?」と(笑)。物語でびっくりした女の人がキャッとなって失禁するという、マンガ的描写ってあるじゃないですか。何の気なしにそうなっていることでも、そこに果てしない妄想を描く人がいるからこういう歪んだNG理由ができてしまう、というのがおもしろいなと思いました。
――チェックに抵触しそうなラインは経験を重ねる中で見極められるようになるのでしょうか。
ヨコオ そうでもないですね。宗教と児童虐待は必ずダメと言われますが、それ以外は映像のNGが中心で、話でNGが出た部分はあまりなかったです。倫理チェックのNGとしてはコンシューマーとそんなに変わらないな、という印象ですね。まさにスクウェア・エニックスさんがやられているので、同じプロセスを通っているからだと思うのですが。
――過激な内容という意味では、これまでのソーシャルゲームにはなかったタイプの作品ですよね。
松尾 ソーシャルゲームは離脱することを恐れる文化があるので、コンシューマーゲームでたまにある“最初に出会った敵に殺される”というのはソーシャルゲームだとNGという発想なんです。シナリオも自然と当たり障りなく、みんなが楽しそうにしてる話にするというのがだいたいの流れですね。逆にそういったルールを無視したシナリオだから、コンシューマーゲームのファンに響いたのではないでしょうか。また最近は虚淵玄(※2)さんのような暗い話を書く人が流行っている空気もあり、その流れで受け入れられたのかな、とも思っています。
――生み出したキャラクターを大事にされているからこそ、過激な描写に挑戦されているわけですね。
※2 虚淵玄氏は、日本のシナリオライター。代表作は『Fate/Zero』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『PSYCHO-PASS サイコパス』などがある。
――少し話題がそれますが、ジノさんのキャラクターイラストもすごく評判がいいですね。
ヨコオ 最初キャラクターをあまりたくさん作りたくないと僕がお願いしたんですが、その理由は「いろいろなイラストレーターさんにお願いすることでキャラクターのクオリティが下がってしまうのを避けたい」ということでした。それが理由で“武器を売るゲームにする”という話を聞いたときは、「正直これは売れないんじゃない?」と思ったのですが、まあ自分が言い始めたことだし黙っておこうと(笑)。意外とうまくいってよかったです(笑)
松尾 ヨコオさんの要望がある以上、武器を売るしかなかったので、武器を売るにはどうしたらいいかというのはかなり考えました。
ヨコオ うまくいったんだからすごいですよね。そもそも『シノアリス』では「シナリオを出したくない」とか「スキップしたい」とか、「キャラを出したくない」とか、僕が最初に“前提としてこうじゃないとやりません”というお願いをいくつもしていて、それでも構わないという話になったのでスタートしたんです。そのわがままにポケラボさんは付き合わされて、ヒィヒィ言いながらパズルのようにプロジェクトをやってくれました。
松尾 周囲の人達にヨコオさんの要望を納得してもらうのは大変でした。要望のなかには一般的なソシャゲの風習とそぐわないものもあったので、会社の人たちが不安に思うのも当たり前なのですが……。でも納得してもらえないと開発できないので、ときに有耶無耶にしたり、ときに根拠のない自信を見せることで無事リリースする事ができました。
▼ジノさんへのインタビュー記事はこちら
――キャラクターのグッズ展開は考えているのでしょうか。
松尾 スクウェア・エニックス藤本プロデューサー、グッズをお願いします!
ヨコオ 藤本さんが最近Twitterを始めたのですがフォロワーが増えないと嘆いていたので、フォローして「これをグッズにしてほしい!」なんてメッセージを送れば見てもらえるかもしれませんね。
みなさま、ありがとうございます!シノアリスは6月にリリース1周年を迎えます!これを記念してグッズを出させていただきます!そこで【①このアカウントをフォローして】【②ハッシュタグ #シノアリス関連グッズ を付けて】欲しいグッズ名をツイートしてください!企画の参考にさせていただきます!
— 藤本善也_SQEXシノアリスP_Yoshinari Fujimoto (@yoshifuji007) 2018年2月21日
※『シノアリス』のグッズ展開に関するご要望を、アカウントを“フォローして”、ハッシュタグ“#シノアリス関連グッズ”を付けてツイートすると、検討してくれたり、実現してくれたりするかもしれない⁉
――ネットではサントラなどの要望をよく見かけます。またテキストの分量もかなりのものですし、設定資料集などもぜひ見てみたいです。
ヨコオ 設定資料集が出るとしたら、松尾さんと赤羽さんが過労死する未来しか見えないです(笑)。でもイラストもきれいだから画集など、いろいろあるといいですね。そのあたりは『シノアリス』の売上が良ければ、何か出してくれるんじゃないでしょうか。
――『ドラッグ オン ドラグーン3』とのコラボイベントが発表されています。ヨコオさんのファンの方にはうれしいイベントですね。
ヨコオ どうかな、嫌がられる気もしますけど(笑)。
松尾 絵のところでインパクトがあるものを用意しているので、楽しみにしていてください。
――こうしたコラボイベントは、コンシューマーゲームにはないアプリゲーム独特の要素です。『シノアリス』では以前に『釣り★スタ』とのコラボがありましたが、まったく違う世界観とのコラボに苦労はありましたか。
ヨコオ まずコラボが来ること自体はソーシャルゲームの仕様としてわかっていたので、それを前提とした世界観を考える必要がありました。それが『シノアリス』の“ライブラリ”という世界です。つぎに考えたのが、変に世界観を合わせようとすると気持ち悪くなるので、まずは対極となる真逆のものから入ってきて、サンプルを示そうということ。それで希望したのが『釣り★スタ』コラボなんです。
――ヨコオさんから希望されたのですね! それは意外でした。
ヨコオ ほかのIPキャラが来て、変に馴染むようにシナリオを構築するとなると、イベントごとに作業が増えてすごくたいへんになるんです。何が入ってきても受け止めて成立するというのが大事で、むしろ無茶苦茶になってもいい、というのを描いたのが『釣り★スタ』コラボでした。ただ、それでも松尾さんが頑張って話を接着してくれましたが(笑)
松尾 最初はスベるんじゃないかと恐れながら進めていたんですが。赤羽さんにお願いしたシナリオの出来が良くて肩の荷が降り、あとは自由にできました。
赤羽 最初『釣り★スタ』コラボの話を打ち合わせで聞いたときに、「このイベントは赤羽さんにはお願いしません」と言われて、ホッとしていたんです。そしたらいつの間にかスケジュールの中に『釣り★スタ』が入ってて「……おや?」と(笑)。でも『釣り★スタ』を遊んでみたら意外とハマってしまい、「これはなんとかせねばならん!」と覚悟を決めて書きました。
――コラボ先から、『シノアリス』にそぐわない要求が来ることはあるのでしょうか。
松尾 これまでにコラボしたのはヨコオさんの作品と『釣り★スタ』だけですが、いまのところは自由にやらせてもらえています。
ヨコオ 幸いなことに『シノアリス』にはギシンとアンキというおかしなキャラクターがいて、あいつらがメタっぽいことを頻繁に言うんです。それが世界観のクッションの役割を果たしつつ、同時に接着剤になったんじゃないかと、傍目から見てて思いましたね。
松尾 最高のソリューションですね。彼らがいると楽になります。
――今後、コラボしてみたい作品はありますか。
ヨコオ 僕は『ドリランド』とコラボしたいってずっとお願いしてます。個人的にはGREEソーシャルゲームの『Fate/Grand Order』と呼んでいるんですけど(笑)、『ドリランド』や『釣り★スタ』など、GREEの英霊的なビッグタイトルが集まってくるタイトルになるといいですね。英霊と言っても死んでませんけど。
――昨年12月に現実編が配信されましたが、今後シナリオはどこまで続くのでしょうか。
赤羽 続くんですか?(笑)
ヨコオ 現実編のつぎの編までが、僕の設計の第1部みたいなところです。そこにはエンディングは含まれないのですが、もともとは現実編と、そのつぎの編が終わったらエンディングに入っていく予定だったので、もともとそこに話を増やせるような隙間を作ってありました。どう増やしていくかといのを、いまから考えていく段階です。そのつぎのフェーズでは少し体制を変えて作っていこう、という話は以前からありました。たとえば松尾さんが全体のプロットを書くとか、世界観をどう構築するかというところも含めて考えていかないといけないな、というところです。
――それは楽しみですね! そろそろ完結してしまうのかと思っていました。
ヨコオ やりようによっては続きもあります。これからまだまだあるので、どうなるかは乞うご期待です。自分が関わったゲームはエンディングを評価頂いているという認識があるのですが、 『シノアリス』もエンディングを見ずには語れないゲームになればいいと思います。
松尾 僕はエンディングの内容をすでに聞いています。これがおもしろすぎるので、ユーザーさんにも早くエンディングを見せてあげたいですね。
ヨコオ ソーシャルゲームの性質上寿命がわからないので、最短1年程度を目安に、ある程度柔軟に対応できるシナリオの骨格を作ってあるのですが、いま売上がいいのでなかなかエンディングにたどり着かなそうな見積もりです。なので、エンディングを早く見たい人は今すぐゲームをやめるべきです(笑)。引き継ぎコードを残しておいて、エンデイングが実装されたらまた遊びにきてください。
▼『シノアリス』のイラストにフォーカスしたインタビューはこちら
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