【独占】オリフラムの新作ロケーションゲームがついにヴェールを脱ぐ!?代表の池田隆児氏に直撃インタビュー

2017-10-01 13:00 投稿

『カオスセンチュリオン』の今後や
謎に包まれた新作の詳細が明らかに!

2017年9月21日から24日まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2017。

その22日のビジネスデーでのこと。取材で会場各地を歩き回っていた記者は、視線の端でとある人物の姿を捉えた。思わず駆け寄ってみると……、

池田氏
▲そこにいたのは、偶然通りがかったオリフラム代表の池田隆児氏!

オリフラムは、元スクウェア・エニックスやカプコンのメンバーによって設立された開発会社。『キングダムハーツ』、『ディシディア ファイナルファンタジー』などのタイトルに携わってきた池田氏を筆頭に、ベテラン揃いのメンバーが軒を連ねる、業界屈指のクリエイター集団だ。

ファミ通Appでは以前、同社の『カオスセンチュリオン』のインタビューにて、さまざまな想いを語っていただいた。

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挨拶もそこそこに、直近のスマホゲーム市場の話に花を咲かせていたところ、『カオスセンチュリオン』の今後と、新作の話までもが飛び出すことに!

その衝撃の内容から、「記事にしてもいいですかね……?」とダメ元で切り出したところ、「いいですよ! どんどんやっちゃってください!」と快諾! ありがとうございます!

というわけで、池田氏のご好意のもと、幸運にもゲットできた新情報を本邦初公開していくぞ。

『カオスセンチュリオン』、タイトル変わります

──『カオスセンチュリオン』はどういった状況でしょう?

池田 『カオスセンチュリオン』は、ゲーム性としてはかなり“スルメゲー”なところもあり、やればやるほどおもしろい内容になっています。ただ、だからこそ敷居が高いのも事実です。今後は、もっとプレイしやすい方向に舵を切っていこうと思っています。

──大幅リニューアルということでしょうか?

池田 まず、タイトルが変わります(笑)。

──それはまた思い切りましたね!

池田 具体的には、『カオスセンチュリオン』が副題になって、メインタイトルが『World War VII』に。正式タイトルは、『World War VII〜カオスセンチュリオン〜』となります。度重なる戦争により文明が崩壊した近未来、世界は7度目の大戦を迎える……。『カオスセンチュリオン』の舞台背景をタイトルにしました。“第7次世界大戦”ですね。略称は『WW7』となります。

──ゲームシステムそのものが変わるということでしょうか?

池田 システムというよりは、見せかたを大きく変える、という方針ですね。ガチャの導入、新キャラクターの実装、よりカジュアルに遊べるシステムなどなど……、細かいところから大きなところまで、徹底的にブラッシュアップしていきます。

──リニューアルはいつごろを予定されていますか?

池田 今年、2017年11月中を目処に進めています。

『カオスセンチュリオン』新メカ
▲兵士を乗せて移動する巨大ドローンのような兵器をはじめ、さまざまな新要素があるという『カオスセンチュリオン』。続報に期待だ。

新タイトル『kaze』(仮題)はどんなゲーム?

今回は、『カオスセンチュリオン』のリニューアルと並行して開発しているという新作の話も聞くことができた。

池田 大別すれば、ロケーションゲーム、いわゆる“地図ゲー”になります。

池田氏からは、ベンチマークとも言えるタイトル『Ingress』や『ポケモンGO』の、壮絶とも言えるほどのやり込みエピソードも聞くことができた。「ゲームをやると、病的にやり込んでしまうんですよね」と氏は笑いながら語る。

──具体的には、どういった内容になるのでしょうか?

池田 実際に存在するリアルな地図を使ったゲームになります。ただ、単なる“地図ゲー”ではなく、リアルタイムストラテジー、タワーディフェンス、箱庭ゲーム……、さまざまな要素が入っています。

──これまでにない、非常に新しいゲームと見受けられますが?

池田 基本的に、クローンゲームを作る気持ちはないんですよね。逆に「誰かに、自分たちのクローンを作ってほしい!」という思いが強いです。反面、ユーザーにはまったく新しい体験を提供することになるので、それが本当におもしろいかどうかは未知数です(笑)。でも、自分がおもしろいと思ったゲームをやりつくしたうえで、そのエッセンスを凝縮して作ることが、僕のゲーム開発のスタイルですから。

開発コードネームは『kaze』。このネーミングの由来は、“風のように自由にありたい”という想いと、天気、風の強さ、昼夜など、天候ともリンクしたゲーム性にあるということだ。

気になるリリース日は?

──『kaze』の開発状況はどれくらいでしょうか?

池田 だいたい40%といったところですね。システムはほぼ完成しているので、後はこれを実装するだけといった段階です。僕は常々「ゲーム開発は炒飯と同じ」と思っています。具材の下準備をしっかりして、一気に炒め上げる。まさに調理する段階まで来ていますよ。

──リリースはいつごろを想定されていますか?

池田 2018年を予定しています。楽しみに待っていてください!

それでは、池田氏からうかがった『kaze』の概要を、まとめて紹介していこう。

SFとオカルトが濃厚に匂い立つ世界観

舞台は、現在の時刻からちょうど100年後の未来。しかし、人類は壊滅状態に陥っている。その原因は明らかにされていないが、地球外生命体が深く関係しているらしい。秩序なき世界では、遺伝子操作などのトランスヒューマニズムがくり返されている。

生き残った人類は、未知のテクノロジーを貪欲に地球外生命体から奪い、誰のものでもなくなった世界の領土を奪い合っている(プレイヤーはそのうちのひとり)。

地球外生命体のクローンを私兵とするマッドサイエンティスト、人の姿を捨てた異形など、生存した人類は”濃い”者たちばかり。ハードなSFとオカルトが入り混じった世界観となっている。

人類がほぼ滅亡にいたるまでに、どういった戦いや出来事があったのか? ということも気になるところ。その片鱗は世界各地に見られるほか、カードのフレーバーテキストからも想像できるようだ。

家で寝ながらできる“地図ゲー”!?

プレイヤーはそれぞれが、いわば領主。自陣の領地を作成し、そこにさまざまな能力を持った各種カードを配置。ほかのプレイヤーの領地に攻め込んだり、侵攻を防ぐことが目的となる。

具体的には、自陣を城とするならば、その周囲は城壁で囲まれている状態。しかしその一部に穴を開けられて、敵が侵入してくることもあるという。

しかし、自陣を中心に周囲2〜3キロを操作することが可能なため、敵が侵入してきた場所に直接行く必要はない。

池田氏はこれについて、「“地図ゲー”ですが、家で寝ながらでもプレイできます」と説明。

攻め込む際も同様で、領土の近くであれば、移動は不要。また、少し離れていても、自分を兵器などに乗せれば攻めることができる。

「でも、実際に目的の場所に出向いたほうが有利になります。私はこれを“スパイ活動”と呼んでいます」と池田氏は語る。

ロケーション
▲ヘックス(6角形のマス)が並んだゲーム画面のイメージ。マップは3Dで表現され、奥行きのあるプレイを楽しむことができる。

カードを駆使するプレイヤー間での攻防

プレイヤー間の攻防では多様な能力を持ったカードを使用。カードの種類(属性)は大別して4種あり、それぞれが明確な役割を持っている。

【カード種類まとめ】
青:電力カード(エネルギーを生み出す)
黄色:増幅(バフ)カード(ほかのカードをサポート)
緑:機能カード(兵器を生み出す、など)
赤:武将カード(周囲のヘックスに影響を及ぼす)
青カード
▲電力カード。風力など現実にもあるものをはじめ、ストーンサークルやパワースポットなど、オカルト色が強いものも。
黄色カード
▲増幅カード。月やカギ、“こっくりさん”なども確認できる。
緑カード
▲機能カードは、電力カードとつなげることで効果がアップ。“30分に戦車が1両出現”といった能力を持つカードもある。地雷や衛星兵器、巨大ミュータントの姿を確認できた。
赤カード
▲武将カード。セットすることで、周囲の領土に固有の効果を及ぼす。人間からミュータント、クリーチャーまで、バリエーションは豊富だ。

なお、相手がどのようなカードを配置しているかを、ノーリスクで知ることはできない。

カードをめくるとトラップが発動するといったようなギミックもあるようで、“相手のスマホの画面にノイズが現れる”といった、ドッキリ系のものもあるのだとか。

また、風が強いと風力発電の効果が高まるなど、実際の気候とのリンク要素もあるようだ。

パブリッシャー&パートナーを募集中!

これまでにない新機軸のロケーションゲームである『kaze』。オカルトとSF要素がふんだんに盛り込まれたケレン味たっぷりの世界観、ユーザーの遊びやすさと駆け引きのおもしろさを重視したシステムは、お話をうかがっているだけでもワクワクした。

ただし、オリフラムの現状について池田氏は、「『カオスセンチュリオン』で痛感しましたが、やはりセルフパブリッシュでは限界がありましたね……」と言及。流通のすべてを自社でまかなう仕組みについての苦しさを語った。

ちなみに『kaze』については、『カオスセンチュリオン』とは異なり、リリース時からガチャを実装。

これについて池田氏は「ある程度予想はしていたものの、『カオスセンチュリオン』リリース時のマネタイズは、我々の感覚と時代がマッチしていなかった」とコメント。『kaze』のマネタイズは、同社が従来採用していた方法から、大きく変えることになるという。

オリフラムでは、パブリッシャーやパートナーを絶賛募集中とのこと。本記事で『kaze』に興味を持った企業各社は、検討してみてはいかがだろうか。

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