特別対談:『ブレイジング オデッセイ(ブレオデ)』統括・髙田誠氏 × ゲームDJ・安藤武博氏、再び!

2017-08-24 17:00 投稿

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ブレイジング オデッセイ 魂のキセキ

高田×安藤対談

来たる2017年8月28日にグランドオープンを予定している『ブレイジング オデッセイ 魂のキセキ』(以下『ブレオデ』)。リリースから1周年という大きな節目を控えたこの時期に、ゲームDJ・安藤武博氏を招き、髙田氏との対談を実施。『ブレオデ』の過去と未来、ゲーム業界の移り変わりまで大いに語っていただこう。

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●左
ゲームDJ
安藤武博氏(文中:安藤

●右
Fenris 統括
髙田誠氏(文中:髙田

安藤氏は『ブレオデ』の飛び道具担当!?

――安藤さんの主宰するシシララTVではファンミーティングと称した『ブレオデ』の番組が数回に渡って行われてきました。既にお馴染みの感もありますが、まずは安藤さんと『ブレオデ』の関わりについて教えてください。

安藤 前回の対談をきっかけに、『ブレオデ』が完成する1年くらい前から制作をご一緒させてもらって、おもにプロモーションで関わっています。これまでスクエニで培ってきた、RPGとしての色気を出す手法みたいなものを駆使して、作品の魅力をブーストする役割です。細かい話をすると、ロゴやメインビジュアルも作りましたね。ここ1年はシシララのチーム一同、ファンとして『ブレオデ』を楽しませてもらっています。

髙田 当時『ブレオデ』のプロモーションを検討していたとき、ゲームのクオリティーには自信がありました。正攻法のプロモーションはそれはそれで実施しつつ、同時に飛び道具といいますか、インパクトのあるPRをしたかった。そこで安藤さんにお願いしました。

安藤 それがブレオデ娘なんですけど、あれは正に飛び道具でしたね!
⇒召魂アイドル”ブレオデ”:公式サイト

髙田 賛否両論ありましたが、大きな反響がありましたね(笑)。

安藤 時期もあって、そこまで起爆せず、すみません。でも、面白かったですよね。

過去のRPGを知らない若者にも良さが伝わっている

安藤 『ブレオデ』のプレイヤーは30代がメインですか?

髙田 30~40代を想定していましたが、実際のボリュームゾーンは20~30代でした。アンケートによると、家庭用ゲーム機にはあまり触れず、スマホだけでゲームを楽しんでいる層も多くいらっしゃいました。

安藤 それって嬉しいですね。スクエニを辞めてからはゲームDJとして活動中なので、最新作からレトロゲームまで幅広く遊んでいます。ファミコンのソフトもコレクションしていて、今は500本くらい。スーファミもそれくらい集めてますね。髙田さんが過去に作ったゲームも遊んでいますよ。髙田さんたちが関わった過去作品は、本当に細かいところまで作り込んでいる。これって『ブレオデ』にも通じるところだと思うんですけど。

髙田 ありがとうございます。でも、まだまだ足りないと思う部分もありますよ。

安藤 あれだけ作り込んでも足りないんですか(笑)。スマホのRPGは、王道ってキーワードが使われがち。でも、何が王道かって部分はぼんやりしている。俺は初代プレステ以降になるけど、髙田さんはもっと前からゲームを作っていますよね。それこそ、スーファミとかメガドライブとか。そういう時代のRPGって、良かった。王道って触れ込みを使うのは、そういうRPGで得られたような体験をスマホで提供するって話なんですよね。「あの頃のRPGが蘇った」って言いたいんですけど、本当の意味でそれを達成できているのって、『ブレオデ』くらい。さっきの話に戻しますけど、そういう過去のRPGを知らない若者たちにも『ブレオデ』のよさが伝わっていることが嬉しい。面白いと感じる部分って、不変なんでしょうね。

 
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物理的にはあり得ないダイナミックなアニメーションがワクワクに繋がっていた

 
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安藤 『ブレオデ』を最初に見た時、とくに戦闘画面に色気があるなって思ったんです。画面から色気を感じるRPGと、そうじゃないものって確実にありますよね。

髙田 それは家庭用ゲームも含めての話?

安藤 そうです。『ブレオデ』で遊んだ人は口を揃えて言いますよね。「もっとたくさんの人に知ってほしい!」って。それくらいのポテンシャルのある作品。ところで、これまでたくさん良いゲームを作ってきた髙田さんに聞いてみたいことがあります。”色気”ってどうやったら出るんでしょう?

髙田 ブレオデの味っていうのは、パッと見て0.1秒で感じ取れるバトルの絵作り。これが最初から決まっていたコンセプト。だけどこの色気は誰でも作れるわけじゃない。座組の段階で9割は決まってしまう。

安藤 誰が作るか、ですね。

髙田 そうです。Fenrisには偶然それを作れる技術力があったから実現できた。技術だけではなく充分な制作期間や資金も重要。gumiさんに思いっきり最高のRPGを作りましょうと言っていただいて、我々が『ブレオデ』を作ることが決まった時点で、ゲームの方向性は決まったと思っています。

安藤 今は3Dのゲームが増えている。海外のゲームだと人間が演技をして、それを取り込んでグラフィックにしていることも多い。スーファミとかの時代には技術的な制限があってできなかった。でも、制限が解放されてリアル志向になってどうなったかっていうと、人間の動き以上のものが生まれなくなった。『ブレオデ』はSpineっていうツールでアニメーションを作っていますけど、2D格闘ゲームのタメ感みたいなものがある。当時のドット絵のゲームにもそれがあって、これが魅力だったんです。コマ送りすると人間にはあり得ない動きをしているんだけど、それこそがファンタジーというか、ワクワクに繋がっていた。それが、ポリゴンが全盛の頃に、一旦もういいからって言われちゃった。

髙田 その、人間にはあり得ないアニメーションこそ、自分たちにできる色気作りでした。

安藤 『ブレオデ』にはみんなをワクワクさせたあの頃の動きがある。どうしてそれが蘇ったのか? それを形にできる職人たちが集まっているから。『ブレオデ』のモーションは運営型のゲームとしては異常なほどのパターン数ですよね。

髙田 毎月の開発が間に合うのか、心配の声は社内でもありました。

安藤 完全に格ゲーの領域です。格ゲー全盛期に職人たちが偏執的に書き込んでいたレベルのアニメーションが『ブレオデ』にも入っていて、それが色気になっているんですよ。どうやって量産するんだろうって思いましたね。パッケージの作品なら構わないけど、運営型だと数を用意できるのかって話になる。もうひとつ印象的だったのは「それでも作るんだ!」って、いろんな会社に声をかけていた時のお話ですよね。返答は「こんなの作れるヤツいねーよ!」(笑)。こういうタメ感のあるモーションって、その道のレジェンドみたいな人でなきゃ作れないもん。

 
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――安藤さんの古巣のスクエニさん辺りだと職人を抱えていそうですよね。ドット絵の作品も多いですし。

安藤 ドット絵だと渋谷員子さんとか、加藤清文さんっていうすごい人がいます。渋谷さんは『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』のドット絵を監修されているので、gumiさんとも関わりがあります。向こうが純RPGのモーションだとすれば、『ブレオデ』のモーションはやっぱりアクションとか格ゲー寄りですよ。これはFenrisにトレジャーとネバーランドカンパニーの血が入っているからでしょうね。やっぱり限られた才能を持った人じゃないと作れませんよね。また、スマホゲームって、複雑なことをさせないことがトレンドというか、お作法になりつつある。いろんなボタンを使って動かすのではなく、タップするだけでどれだけ面白くできるかが大事なんです。

髙田 それは間違いないですよね。

安藤 アクションゲームだと反応の良さですよね。優れたアクションって、素振りしているだけでもキビキビ動いて気持ち良い。『ブレオデ』にも通じる部分があると思うんです。タップすると自キャラが敵に向かっていく構造のゲームは山ほどありますけど、触ったときにアドレナリンが出る感覚は、『ブレオデ』特有です。

通常のスマホゲームのアップデート感じゃない

安藤 このゲームは、もっと売れていないとおかしいんです! でも、しょうがないところもあったと思うんです。やってみないとわからない領域ってたくさんある。配信から1年が経って、そこの部分が補完されたのが今の『ブレオデ』なんでしょう。より長く楽しめるように、底なしになってきた。たらればですが、この状態で1年前に戻って運営していたら今頃ナンバーワンになってますよ。

髙田 恐縮です。

安藤 どのゲームにもそういう部分は少なからずありますけど、『ブレオデ』に関しては特にそう思います。でも、今回のリニューアルって通常のスマホゲームのアップデート感じゃないですよね。例えるなら、メガドライブにスーパー32Xをガーンって差すと32ビット規格になるんですけど、そこに『ソニック&ナックルズ』を更に差して完全体にしたような感じ!(※編注:メガドラタワーで画像検索してみよう)

髙田 すごい例えですね(笑)。

安藤 俺は大好きでしたよ! ゲテモノハードって言ってた人もいるけど、なんていうかそこがいいんですよ!

髙田 言いたいことは分かります(笑)。

安藤 「それを差すとそんなにパワーアップするのか!? もう別で出せよ!」っていう驚きがありました(笑)。『ブレオデ』も魂のキセキっていうパッチをあてることで、生まれ替わったように感じたんです。戦闘から育成まで、めっちゃ変わってる。特に育成システムの変更は前代未聞だと思いますよ。育成の蓄積こそ運営型ゲームに於けるプレイヤーの財産だから、その仕組みが変われば驚くのも当然です。でも、このアップデートの素晴らしいところは、変換や補填をちゃんとやって対応してみせたところですよね。運営スキルの高い人が加わったんですか?

髙田 リニューアルに伴うプレイヤー資産の変換やユニットの性能バランスについては、とくに気を使いました。これまで支えてくれたお客様が損をすることの無いように、最大限ギリギリまで調整しました。

安藤 推しユニットを強く育てられるようになりましたよね。『ブレオデ』のもうひとつの魅力はキャラクター。これもやってみないとわからない領域ですけど、当初予定外のキャラクターが人気だったりする。『ブレオデ』はそれが顕著で、特に”タマ”の人気はすごかった! 視聴者コメントの語尾が”タマ”風になっていたりね(笑)。

 
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▲絶大な人気を誇る”タマ”。語尾に「なのです!」を付ける”タマ”風のコメントが生放送でブームになったとか……。

安藤 今後はお気に入りのキャラが弱くて悲しいという問題もなくなっていくのでは?

髙田 毎日、ハードクエストで”魂片”(上限解放アイテム)が手に入りますので、伸び代の部分も楽しみにしてほしいです。

安藤 育成関連のリカバーは大変。パッケージの作品だったら、主人公も変えて2にしようぜってレベルのことをやっているわけです。そこをアップデートで解決するのは、難易度が高いことですね。

髙田 でも、まだまだ。バランスについても、UI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)についても、もっと快適にできる部分があるので、継続的にアップデートしていきます。

安藤 『ブレオデ』はファンの愛が強いタイトルに育ちましたから、いろいろな意見があるでしょうね。先日のファンミーティングでも改善要望が多数寄せられていましたね。あのコメントの熱量は『ブレオデ』をもっといいゲームにしたいと思っていなければ出せません。好きが反転すると無関心になりますから。「おもしろくして!」じゃないんです。「こうしたらよくなるぞ!」ってコメントが飛び交って、キャッチボールが行われているような状況。特殊ですよ。髙田さんをはじめとする開発側と皆さんの距離が近いからですよね。

髙田 番組をご覧の皆さまにはシンパシーを感じています。反応が物凄く早いですし、確信をついたご意見が多い。僕たちも同じテンションで返すべきだなと思っています。感謝しています。

安藤 ファンミーティングで印象的なエピソードがあるんですけど、「『ブレオデ』のCMを流せ!」ってコメントが頻繁に出てくるんですよね。あんまり多いので、一度説明しましたね。CMをやるのにどれだけお金が必要なのかって。そうしたら、「すまん。そんなにかかるならアップデートに使ってくれ!」となった(笑)。

髙田 CMに限らずプロモーションについては、時期をみて必ず大規模な事をやっていきます。宣伝してインストール数を増やしても、継続して遊んで貰えなければプレイヤーの母数は増えません。継続率が一定のラインを超えれば宣伝した分だけプレイヤーが増えて行きます。現状、リニューアル前の継続率の水準を超えてきていて、確実に良くなっています。なので、今は初期定着を優先して改修を行わせていただいています。一方で、長く遊んでくださっているプレイヤー向けの調整についてはお待たせしています。そこは申し訳ございません。

安藤 こんなにいいゲームを自分たちだけが知っているのはもったいないから、もっと広めようぜって気持ちで遊んでくれているんですよね。こんなやり取りをしているゲームは他にないと思いますよ。

 
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――リニューアルを経て、『魂のキセキ』というサブタイトルが付きましたね。これはダブルミーニングでしょうか?

髙田 そう、軌跡と奇跡の両方にかかっているんです。召魂獣には1体1体、細かく設定が作ってあります。召喚魂たちが、どのようにして殺しあい、愛しあったのか、人々の生き死にのドラマを描くストーリーが『ブレオデ』の魅力だと思っています。『魂のキセキ』とは、連綿と続いてきた人々の生き死にの軌跡があって、後に魂となって出会えた奇跡。これからそういう歴史を語っていこうという意思表示というか、宣言でもあります。

安藤 キャラクター関連だと親密度っていう特殊なパラメータも出てきましたね。よく考えたらすごいことですよ。ある日を境にインターフェースにハートマークが現れた(笑)。

髙田 親密度はすぐに上がるものではないですけど、召魂獣のユニットエピソードが解放されていくので、じっくりと遊んでもらえれば嬉しいです。

洗礼を乗り越えた作品が盛り上がる時期になった

安藤 パッケージのゲームは、2時間の映画みたいなもの。一方で、運営型のスマホゲームはマンガの週刊連載。劇場版とじゃ楽しませ方が全然違いますよね。『ブレオデ』の場合は作れていたんですよね。欠けていたものがあるとすれば、それは運営だと思うんです。髙田さんの言ってた足りない部分っていうのも、やっぱり運営ですか?

髙田 そうです。運営は容易くなかった。先日のファミ通Appさんの記事でも少し取り上げて頂きましたが、社内で実績のあるメンバーを新たに据えつつ、全社的にアドバイスをいただきながらノウハウを吸収し、体制を変えました。

安藤 スマホゲームは『ミリオンアーサー』とか『パズドラ』を第一世代とすると、『ブレイブフロンティア』や『チェインクロニクル』などが第二世代。『ブレオデ』は第三世代になるのかな。

――第三世代にはどんな特徴があるんでしょう?

安藤 家庭用ゲームで大作RPGを作ってきた人たちがようやく動き出したのが特徴ですね。でも、作り方が違うこともあって、失敗の洗礼を受ける形になった作品も多かった。ようやくその洗礼を乗り越えた第三世代の作品が盛り上がってきたという状況です。例えば『スターオーシャン アナムネシス』はアップデートしてからめちゃくちゃ面白くなったので、『ブレオデ』と似ている。そもそも、Fenrisさんとトライエースさんって元を辿れば同じ会社じゃないですか。すごい色気のある画面を作れるんだけど、継続して遊びにくい部分があった。2年3年とじっくり開発して最高の50時間を提供する作り方を何十年も続けてきた人たちが、今度は2年3年と継続して楽しませるものを作らなきゃいけないんだから。

髙田 確かに、50時間なら自信があります(笑)。

 
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安藤 マスターアップの迎え方が家庭用ゲームと運営型のスマホゲームじゃ全然違う。マスターアップはゴールじゃなくてスタートです。本来なら長く遊んでもらうために、始まって何ヶ月かしてから改めて作り込んでいくようなデザインが必要。でも、『ブレオデ』は最初から力の限り詰め込んだ。俺はリリースの段階から5800円のパッケージでも売れるなって思っていました。これが無料で遊べるなんて驚きです。

髙田 社内でもそういう声はありました。

安藤 作品自体の色気と高いレベルでの運営。今後は両立が当たり前に要求される時代になりますけど、それが実現できる座組が整ったことは『ブレオデ』の強みですよね。ところで、『ブレオデ』の良さをみんなに知らしめる方法があるんです! パッケージのRPGとして出すべきです!!!! プレステ4とか、3DSのゲームとして提供しましょう。高田さんのチームなら作れるから!

髙田 それ、安藤メソッドじゃん(笑)。

安藤 『ブレオデ』はキャラクターや世界観がしっかりしているから。スマホ発のゲームでそこまで言える作品って、ほとんどないですよ。そのくらいの本物のRPGってことです。

髙田 ブランディングのためにはありなんですけど、実現するにも、本家をがんばります!

今後のスマホゲーム

髙田 僕らみたいなチームが他にあるかわからないけど、みんな壁に当たっていると思うし、だからこそ個性が出るのかなって気もするんです。だって、同じパターンでずっと同じようなゲームしか出なかったら、その市場ってどうなるんでしたっけ?

安藤 つまらなくなりますよね。髙田さんや俺が関わってきたようなスマホ以前のゲームは、もっとバラエティに富んでいた。スマホゲームが広く受け入れられる状況は良いんですけど、遊びの幅という意味では狭まりつつある。これはスマホゲームの課題です。

髙田 安藤さんはそうおっしゃると思いました。だって、あの頃のENIXにいたんだもん。

安藤 当時のENIXの特徴として、前と如何に違うものを作るかっていうところは、こだわりがありました。その頃のゲームは、ソフトを入れて起動するまで何が出るかわからなくて、びっくり箱みたいだった。今のスマホゲームの残念な部分は、遊ぶ前からバレちゃってることです。それに比べて、髙田さんの作ったゲームはすごかったもん。『カオスシード』とか、あんなの遊ばないとわからないよ(笑)。

髙田 安藤さんに協力をお願いしたのは、ENIX出身者としての発想を求めていたところもあったと思います。僕も当時のENIXに出入りしていたのでわかるんですけど、プロデューサーたちが手を替え品を替え、様々なものを生み出していく土壌があった。もちろん『ドラゴンクエスト』もありつつね。みんな切磋琢磨というか、飲みに行っても半分は怒っていた気もする(笑)。覚えてます?

安藤 覚えてますよ。今でも飲みに行きます。先が読めないメンバーです。今では『ドラゴンクエスト』をメインスタッフ作っていたり、ハウステンボスでVR作っていたり、ゲームDJになったヤツまでいる(笑)。とにかく新しいものに食いつくのが流儀だったので、会うと必ず未来の話をしますよ。もうスマホの次を考えないとヤバイし、このままではつまんないとか……これはスマホを作らないって意味じゃないんですけどね。スマホが出てきた頃は最高の玩具だと思って飛びついたけど、ある程度お作法が出来上がっちゃうと、飽きられるのが怖くてしょうがない。「だいたいこんな感じでしょ?」って見透かされた瞬間に終わりです。その隙にまったく新しいものを提示した人にみんな持っていかれる。じゃあ何をしなきゃいけないかっていうと、パッと見たときに「何これ!?」って思わせるものを作らないとダメなんです。

髙田 今までのゲームもそうでしたよね。つまり、それのくり返しなんだ。

 
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安藤 そもそも、ソーシャルゲームの黎明期に古参のゲーム屋はやられちゃったんです。DeNAやグリーなど、ゲームを作ったことのない人たちがいきなりやってきて、新しい流れを作ってしまった。プラットフォームにしても、GoogleとAppleが掻っ攫っていきましたよね。最近だとリアル脱出ゲームなんかも人気ですけど、あれを仕掛けたSCRAPさんもゲーム屋ではなくて、確か元々は京都でフリーペーパーを作っていたんですよね。でも、今となってはアニメもゲームもそこに乗っかっているわけです。本当はゲーム屋がやらなきゃいけなかったんですよ。だって、脱出”ゲーム”なんだから!

髙田 我々のようなゲーム屋がもっと頭を柔らかくしないとダメなんでしょうね。

安藤 ゲームを作る才能を活かして、どうワクワクさせるのかってところに立ち返るべきです。

生の声を聞けるようになったのは何にも代え難い

安藤 1年やってきて心境の変化はありますか?

髙田 さっきマスターアップの迎え方の違いみたいな話があったけど、家庭用ゲームの場合はマラソン大会でギリギリになってスパートかけるような感覚なんですよ。息を吸おうとしても入ってこないような状態だけど、それでもゴールに滑り込んでしまえば全てセーフだったんです。それが運営型だと……。

安藤 競技はまだ続いているんだって立て直して、走り続けている感じですかね。走り続けてきて、最も手応えがあったのはどんなところですか?

髙田 やはりお客様の声を直接聞く事ができることです。家庭用ゲームの開発って、反応が感じ取りにくかった。オンラインゲームだと、イベントを仕込んでも、反応がすぐにわかる。これは我々にとっては初体験。安藤さんの番組でもそうですけど、この1年お客様と向かい合って、自分自身も成長させてもらったように思います。家庭用ゲームだけ作っていたら、こんな経験はできなかった。

安藤 開発全体でそういう体験をすると、そこから生まれるものがあると思います。好きの反対は無関心だって言いましたけど、現在進行形の作品って熱量があるからこそ、厳しめの言葉が飛び交うんですよ。終わった作品は美化されるので、叩かれることってないんですよね。『パズドラ』だろうと『モンスト』だろうと、運営型の作品はいつか必ず終わりますけど、いろいろ言われている間は愛されているんです。

髙田 我々は「数十年後に愛されるものを作ろう」という言葉を掲げています。これからも良き記憶をお客様に提供していきたいですね。

今後の『ブレオデ』

安藤 遊び手はバカじゃない。むしろ賢いので、良いものかどうかはすぐにわかります。でも、このペースでずっと続けてくれるのかなって部分は気になると思うんですよ。これからも安心して遊んでもらうために、『ブレオデ』の未来の話を聞かせてほしいです。

髙田 まずは、リニューアル後の使い勝手や遊びやすさを中心にグレードアップを続けます。想定よりも改善項目が多いので、新たなコンテンツ追加の投入時期については見直す可能性もありますので、改めて告知をさせてください。新しいコンテンツを追加しても、今の機能で快適に遊べる事が大事だと思っています。新コンテンツとしては、ソロのやり込み要素として”魂の塔”、マルチプレイの強化として自由参加型のボスバトル”神獣討伐戦(仮)”も検討中です。バトル中でも、空席があれば途中入室可能なタイプの時間に縛られないコンテンツです。

安藤 物語はどうなっていくんでしょうか?

髙田 メインストーリーはネタバレになるので詳しくは言えませんが、7章の公開が控えていますので楽しみにしていてください。10章でひとつの区切りを迎える予定です。また、グランドオープンと同時に、召魂獣の歴史にフォーカスした、シナリオ付きのイベントを実施予定です。皆様が楽しみにしている召魂獣を選んでいるので、ご期待ください。

安藤 グランドオープン以降も年末に向けてどんどん勢いを増していくようですね。新規のユーザーにもアピールしておきましょう。ミッションをこなすことで自然と遊び方がわかるようになっていたり、初心者向けの要素も増えましたよね。

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▲初心者向けのチュートリアルミッションをこなすことで、『ブレオデ』の仕組みを覚えながらアイテムを獲得できる。全てのパネルをオープンすると貴重なアイテムがもらえるのも嬉しい。

髙田 ブレオデは要素もやることも多いので、初心者が迷わず遊べることが何より大事だと思っていますので、サポートを厚くしています。また、少ない投資でも遊び続ければユニットを最大まで育てられるような育成システムに生まれ変わったので、今からでも始めやすいと思います。登録数に応じて報酬が豪華になるキャンペーンとして、グランドオープン予約も実施しておりますのでぜひ登録をお願いいたします。
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ブレイジング オデッセイ 魂のキセキ

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG
公式サイトhttps://lp-blazing.gu3.co.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/blazing_new
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