サイゲームス新会社 ロジックリンクスの新サービス“LinksMate(リンクスメイト)”への思いを春田康一代表に訊く!

2017-05-09 18:30 投稿

ロジックリンクスがMVNO事業に参入!

2016年11月25日に、サイゲームスが設立を発表した新会社LogicLinks(ロジックリンクス)。

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⇒サイゲームスがゲームデータ分析などを行う新会社設立!代表は春田康一氏

ロジックリンクスは、サイゲームスの『グランブルーファンタジー』のプロデューサーを務めていた春田康一氏が代表取締役を務める会社。ゲームデータ分析とゲーム開発サポートのふたつの事業を通して、ゲーム開発・運営の向上、改善に貢献することを目的に設立された。

そして2017年4月30日、ニコニコ超会議2017の超ゲームエリア:ステージで行われたロジックリンクスの新サービス発表会で、同社がMVNO事業に参入することが明らかに。

⇒【速報】春田氏率いるLogicLinksがMVNO事業に参入【超会議2017】
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MVNO(Mobile Virtual Network Operator)は、MNO(NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIなど)と呼ばれる移動体通信事業者、つまりキャリアから通信網を借り、SIMカードを提供し独自に移動体通信サービスを行う事業者。

ロジックリンクスは、“LinksMate(リンクスメイト)”という名称のサービスで、MVNO事業に参入することになったというわけだ。

そこで今回、ロジックリンクスがMVNO事業に参入した意図やサービス内容について、春田康一氏に聞いた。

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ユーザーもメーカーもハッピーになるリンクスメイト

――そもそもMVNOがよくわからない人もいると思うので、改めて説明していただけますでしょうか?

春田康一氏(以下、春田) MVNOは、NTTドコモやソフトバンク、KDDIといったキャリアから通信網を借りて、SIMカードの貸し出しサービス、データ通信サービスを行う事業になります。

――最近、格安SIMという言葉をよく耳にしますね。

春田 我々はNTTドコモさんの通信網をお借りした上で、リンクスメイト独自のサービスを付与した通信サービスを提供しようと考えています。

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――なぜ今回、リンクスメイトという名称でMVNO事業に参入しようと思ったんですか?

春田 なぜ参入しようと思ったかと言うと、話は『グランブルーファンタジー』を運営していた時代まで遡ります。『グランブルーファンタジー』って通信容量が多くて、プレイヤーさんに通信制限がかかってしまうことが多かったんです。僕らもゲームを作っているうえで、どう解決するか考える中で、できるだけ容量を減らそうという感じになるのですが、そうすると画質が悪くなったり、クリエイティブのクオリティーが下がったりしてしまう。だったら、我々でMVNO事業を行って、ゲームやコンテンツ、SNSのカウントフリー(特定のデータ通信をデータ通信利用容量の対象外にする機能)を実現しようじゃないかと思ったんです。

――ゲームを遊ぶ側も、作る側も容量の問題はありますからね。

春田 やはり、自分自身がゲームを作っていた時にも、どんどんリッチ化しようと思いましたが、『グラブル』はWebブラウザ系のゲームなので、つねに通信が必要になって通信容量が多くなってしまう。それをどうすれば解決できるだろうか? どうすればお客様が通信制限を気にせず遊べるのだろうか? いろいろ考えました。開発側としても容量を気にしなくていいなら気にしたくないし、もっとリッチなものやインタラクティブに動くゲームを作ってお客様に提供したいと思う。

――作り手としてはそう思いますよね。

春田 例えば、コンシューマーだと当たり前になったオープンワールドでオンラインのゲームを作ろうとした場合、もっともっとデータ通信容量が増えるわけで。そういった容量を気にしないリッチなスマホゲームが出てくる市場を我々だけで作りたいわけじゃなく、MVNO業界全体で取り組んで、ゲームと言うエンタメ産業をもっと大きくしていけたらいいなと思い参入しました。

――そう聞くとゲームとの親和性が高いサービスですけど、いままでどこもやってないですよね?

春田 一般的にSNSに対してカウントフリーのサービスを行っている会社さんはありますが、いまのところゲームに対して行っているところはあまりないんですよね。スマホって、通話するかメールやLINEで連絡を取るとか、最近だと動画を観る選択肢もありますけど、スマホを持つキッカケがゲームだという方って多いと思うんです。必ずしもそうではないですが、ゲームをやる人はスマホを持ってるのが基本、というか。

――たしかにそうですよね。

春田 最近はゲームのCMも多いですし、それを見てやってみたいからスマホに換えたって人はたくさんいたと思います。スマホを持つ理由=ほぼゲームと思ってもおかしくない。そういうところでひとつの気づきというか、こういうことやったらどうですか? というものを提示しようとMVNO事業に参入した感じです。

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――でも普通はインフラの事業をやろうとは思わないですよね。

春田 そうですよね(笑) プラットフォーマーなどの今までゲームの運営を行っていた自分の仕事に近い仕事をすることも考えたのですが、DeNAさん、グリーさん、DMM.comさんといったプラットフォーマーさんや、あとApp Store、Google Playもひとつのプラットフォームだと思うんですが、いま市場が成熟した状態というか各社で取り合っている状況のなか、プラットフォーム事業に我々が参入して、さらに取り合ってどうするんだと。ある意味各社さんを邪魔してしまうのもゲーム業界全体を考えたときにどうなんだろうと思って、別業種の事業を考えたわけです。

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――リンクスメイトの具体的なサービス内容も発表されました。値段の違いや音声通話のありなしなどのプランがあると思いますが、ゲームユーザーはプランを検討するときにどこを見ればいいですかね?

春田 まずはシンプルに価格と、その価格に対して他社さんと比較していただければと思っています。我々は、いわゆる格安SIMのように安さで勝負することは考えていません。とはいえ、ある程度の水準は守るべきだと思っていますので、できるかぎり努力した金額にさせてもらっています。プランはシンプルに4つご提供させていただきます。音声なしで5GB 1500円~30GB 5400円、音声付きだと5GB 2100円~30GBで6000円という形です。

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――だいぶ安いですね。ユーザーはいま自分がどれくらい通信容量を使っているか確認したうえで、適したプランをチョイスすればいいわけですね。キャリア契約している場合は解約してこちらと契約すればいいわけですね。

春田 そうですね。ゲームをたくさん遊んで通信制限が入るお客様にとっては、リンクスメイトのほうがお得ですね。いままで毎月月末になると速度制限がかかったよ、というものが、リンクスメイトのフリーカウント対象タイトルであれば防げるようになります。あと、リンクスメイトのプランには“期間しばり”がありません。いわゆるキャリアさんのように、契約時に何年しばりというものがなく、もし我々のサービスが不満だったらそこは我々のサービスが悪かったんだと受け止めて、いつでもご解約いただけます。もちろん、解約手数料などかかるものはありますが。

――料金プランのほか、リンクスメイトならではのメリットやサービスについて教えてください。

春田 リンクスメイトのカウントフリー対象のゲームと連携できるようになります。連携することで、連携特典や毎月のご利用特典、スタープレゼントなどがもらえます。

――発表会ではカウントフリー対象として11タイトルが並んでいましたが、各タイトルごとに特典があるんですか?

春田 カウントフリー対象は現時点で11タイトルですが、今後すべてのタイトルに特典が付けられるかというのは、まだお約束できないです。各社様にはできる限り連携特典を用意してほしいとご協力をお願いはしておりますが、必ず特典があるというわけではありません。ただ、できる限りご協力いただいています。また、特典内容については各社さんのご判断で、どんな特典を用意するのかを現在検討していただいています。

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【カウントフリー対象11タイトル】(2017年4月30日時点)
・『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements)
・『一血卍傑-ONLINE-』(DMM.com)
・『グランブルーファンタジー』(サイゲームス)
・『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(マーベラス)
・『三国ブレイズ』(DMM.com)
・『実況パワフルサッカー』(KONAMI)
・『シャドウバース』(サイゲームス)
・『千年戦争アイギスA』(DMM.com)
・『刀剣乱舞-online- pocket』(DMM.com)
・『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』(ブシロード、Craft Egg)
・『みんゴル』(ForwardWorks)

連携特典としては現在、『グラブル』と『シャドバ』だけが内容が確定していまして、『グラブル』はSSレアキャラクターのメドゥーサ、『シャドバ』はプレミアムオーブと“しゃどばすチャンネル”の限定スリーブ、エンブレムがもらえます。

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また、毎月利用特典については毎月お金を払っていただくので、せっかくならゲームをより楽しんでもらいたいということで毎月もらえる特典を用意しています。料金プランによって異なりますが、『グラブル』の30GBだと、エリクシールハーフ30個、ソウルシード(種)50個、ガチャチケット5枚、10万ルピが毎月もらえます。『シャドバ』はカードと交換できるレッドエーテルがプランに応じた個数もらえます。30GBであればレッドエーテルが5400個もらえますので、1ヵ月にレジェンドカード1枚とゴールドカードが2枚もらえる感じですね。

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――ユーザーにとってはかなりうれしい特典ですね。ちなみに、たとえば『グラブル』、『シャドバ』どちらもプレイしている人だったら、どのプランの契約でも特典がもらえるということですか?

春田 5GBプランで1タイトル連携、10GB以上だと3タイトルまで連携できる仕組みですが、これは今後状況を見て変更させていただく場合もあります。あとは新規タイトルだったり、このタイトルは連携の数には含みませんというようなキャンペーンも考えていきたいですね。

――少なくともカウントフリー対象のタイトルに関しては、通信制限を気にせず遊び続けられると。

春田 そうですね。せっかく遊ぶんだったら特典をもらって、もっともっとゲームをプレイしてもらって楽しい時間を作ってほしいな、というのが僕の願いですね。最後に、スタープレゼントについてですが、10GB以上のプランを契約していると、連携しているゲームで毎月スターがひとつもらえて、6個貯まると連携しているゲームで特典と交換できる仕組みです。『グラブル』ですと、ヒヒロカネか金剛晶かリンクス交換チケットという、いわゆるサプライズチケットのようなもののいずれか。リンクス交換チケットはゾーイとか、ほかの特典で手に入るSSレアキャラクターや季節限定キャラも交換対象になります。『シャドバ』は好きなプレミアムレジェンドカードが3枚もらえます。

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――リンクスメイトはほかの端末とシェアもできるとのことですが、例えば30GBのプランで契約していれば、30GBをシェアできるんですか?

春田 ひとつの契約で、1グループが作成されまして、1度契約した後に、追加のSIMカードを注文することで、グループの中にいくつかのSIMカードが所属する形になります。グループ内のSIMカードを使って契約した通信容量がシェアできるというわけです。

――シェアのグループはどのように決められるんですか?

春田 普通に申し込んでもらうと、サービスサイトのマイページにSIMカードを追加するという項目が出てきます。そこで使用する方を選んでいただいて、名前や年齢を入れた上で申請してもらえればもう1枚SIMカードが届くので、その時点で自動的にグループ内に追加されます。SIMカードが所属するグループの変更はできない点だけご注意ください。

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――なるほど。たとえば家族でシェアしたり、個人で2台持ったりしているときに活用できると。

春田 そうですね。ただ、ゲーム連携自体はグループ単位で管理されます。ですので、1グループにつき、5GBプランであれば1タイトル、10GB、20GB、30GBプランであれば3タイトルまでとなります。ただ、ゲーム連携はグループ単位になるので、特定のゲームにおいて2つのアカウントで連携したい場合は契約グループを2つに分けてご利用いただく形になります。

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――今回、バラエティーに富んだメーカーが参入していますけど、各社の反応はいかがでしたか?

春田 十人十色の反応でしたが、最初は皆さん「え? なんで?」という感じでしたね(笑)。

――でも、このサービスを理解してもらえればメーカーは喜びますよね。ユーザーの負担というかストレスの軽減につながりますし。

春田 リンクスメイトだけではなかなか難しいですが、通信容量を気にしないでゲームが作れるという未来があるんだなという気づきになってくれればうれしいですね。通信容量を気にせず自由にゲームを作れる環境が整えば、スマホではまだ出ていないインタラクティブ対戦ゲームみたいなものもきっとできるようになる。もっともっと通信を使っていいんですよということを、この事業から発信できればなと思っています。

――きっと今回の発表で、いろいろなメーカーも興味を持つと思うんですけど、リンクスメイトへの参入障壁は何かあるんですか?

春田 ほぼないです。カウントフリーは僕らの調査で随時追加できるので、むしろ許可をいただければどんどん追加できます。ゲーム連携に関しても、もともと弊社にはゲームを作っていたエンジニアもおりますので、ゲームの仕組みや構造体はわかりますし、技術的な協力も可能です。

――そうなると今後、参入するタイトルはもっと増えそうですね。

春田 増えてほしいですね。各メーカー様にご協力いただきたく思っています。今回発表したカウントフリー対象の11タイトルについても、RPG、カードゲーム、乙女ゲー、音ゲー、スポーツと多彩なジャンルですので、幅広いユーザーがたくさん入ってきてくれるとうれしいです。今回、この発表でゲーム業界もざわざわすると思いますし、MVNO業界もざわざわするんじゃないかなと思います。

――ざわざわしますよ。ゲーム連携の特典は逆立ちしても他社にはマネができないです。

春田 今までゲーム会社さんとお付き合いさせていただいているから、実現できたことだと思います。まだまだ発表できていないタイトルもたくさんありますし、自分でもこれからが楽しみです。

――ところで、リンクスメイトという名称に由来は?

春田 “メイト”は近しい人という意味です。近しい人たちとつながる、結果的にそれはソーシャルゲームだと思うんですが、その人たちをどうやってつなげていこうかというところでの名称ですね。ロゴもLとMの崩し文字なんですけど、ちょっと遠目から見ると勇者の兜っぽく見えるので何かいいなと思っていまの形になりました。本当に、そばにいる人たちをつなげていくサービスという思いで、今回MVNO事業としてリンクスメイトを発表しました。ただ、あくまでサービス名称というだけで、リンクスメイトというサービスがMVNO事業だけとは限らないです。今後、近くの人とつなげるために別の事業が必要であれば、それもリンクスメイトとしてやっていく。その第一歩をMVNO事業として考えています。

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――改めて、リンクスメイトの今後のスケジュールについて教えてください。

春田 サービス発表のタイミングで、サービスサイトをオープンして、先行会員登録の受付が開始となります。そして5月下旬ごろにサービスを先行して申し込んでいただけるようになる予定です。まだこの段階では、ゲーム連携はできないですが、7月1日にゲーム連携も兼ね備えて正式サービスが開始となります。

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⇒LinksMateサービスサイトはこちら

これまでのロジックリンクス、これからのロジックリンクス

――ロジックリンクス設立から約半年が経ちます。今回大きな発表もありましたので、改めて感触、手応えを聞かせてください。

春田 手応えというのは、これからサービスインしてから感じることだと思いますが、いま自分自身が感じていることは人の力って偉大だなということです。『グラブル』を作っていたときも、数百人規模でひとつのタイトルに取り組んで、非常にクオリティーの高い形でお客様に提供してきました。いまはロジックリンクスという新たな環境で、非常に多くの会社さんにご協力いただき、その結果これだけ大きな形で新しいチャレンジができるというのは、僕の中で仕事として手応えを感じています。

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――ある意味、いままでと違う立ち位置からゲーム業界を見ているわけじゃないですか? 改めて感じることはありますか?

春田 いろいろな会社さんがいろいろなゲームを作っているなと思いましたね。僕は『グラブル』だけでしたが、今回いろいろな会社さんとお話しするなかで、こういう風にゲームのことを考えているんだ、こういう風にお客様のことを考えて運営しているんだ、ということを聞く機会も多かった。そこで新たに我々としても、各会社さんや各ゲーム、そしてお客様に対して何ができるんだろうと、改めて考えさせられる期間でしたね。この会社さんはこういうところで困られているんだなとか、課題としていただけているので。リンクスメイトがMVNO事業だけじゃなく、ゲーム業界がより発展できるようなポテンシャルを持ったサービスとしてより拡大していけることを今後目指していきたいと思っています。

――最終的にリンクスメイトに関して今後どのようにしていきたいかなど、いま思い描いている将来像があれば教えてください。

春田 リンクスメイトに関して言えば、まずは何よりも、ユーザーの皆さまに満足していただけるサービスを提供したいです。その上でMVNO事業としての目標でいうと、すべてのゲームユーザーの皆様に「使いたいよね」、「使ってるよね」って言ってもらえるくらいにまで持っていきたいなと。それがどのくらい大変なことなのかはわからないですが、「ゲームをやるならこのSIM使おうぜ」というスタンダードなものにしていきたいですね。

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