グーグル製VR HMD”Daydream View(デイドリームビュー)”を触ってきた【GDC 2017】

2017-03-03 19:31 投稿

ようやく触れた!

2017年2月27日〜3月3日(現地時間)の期間、アメリカ・サンフランシスコ モスコーニセンターにて開催中のゲームクリエイターの技術交流を目的とした世界最大規模のセッション”GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2017″。

同イベントのエキスポエリアにて、グーグルのVRプラットフォーム”Daydream(デイドリーム)”のブースが出展。グーグルオリジナルのスマートフォン装着型VRヘッドマウントディスプレイ“Daydream View(デイドリームビュー)”の試遊出展が行われていた。

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一部諸外国(米国、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリア)では、Daydream対応スマートフォン“Pixel”、“Pixel XL”とともに2016年11月10日より発売中のDaydream View。

日本ではまだ未発売の本機が展示されているということで、さっそく試遊をしてきた。

Daydream Viewとは?

Daydream Viewとは、グーグルのVRプラットフォーム”Daydream”向けのスマートフォン装着型VR HMD。本体価格は米国で79ドル(約8000円)。

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本機は従来までのスマートフォン装着型VR HMDとは一線を画す、ハイエンドなVR体験ができるのが魅力。

スマートフォン装着型なため、VR体験をするにはDaydream View本体に加え、”Daydream Ready”と呼ばれる必要スペックを満たしたスマートフォンが必要になる

2017年3月現在発表されている、Daydream Readyスマートフォンは以下の通り。

[現在発表されているDaydream Readyスマートフォン]
・Pixel、Pixel XL(グーグル)・Moto Z、MotoZ Droid、Moto Z Force Droid(Motorola)

・Axon 7(ZTE)・Mate 9 Pro(Huawei)・ZenFone AR(ASUS)

またHMD本体に加え、専用のリモコン型のハンドコントローラも同梱。

コントローラ内部にモーションセンサーが内臓されており、VR空間上でこのコントローラを自分の手のように操作することができる。

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より詳細な仕様はこちらの記事で

デザイン面でのリッチさに脱帽

ここからは実際にDaydream Viewを触ったインプレッションを紹介していこう。

デザインやサイズ感は過去のニュースで認識していたが、実際に触れてみて、そのカジュアルながらリッチな作りに驚かされた。

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▲スノウ、スレート、クリムゾンすべてのカラーバリエーションが展示されていた。

本体表面に柔らかい布素材が使用されているのだが、その触り心地がバツグン。マットな布を使用している本体は、思わずずっと触りたくなってしまうほどの質感だった。

またスマートフォンを装着していても非常に軽量なのも印象的だった。じつは個人的にずっと気になっていたのが、“ヘッドバンドの数”である。

一般的なVR HMDでは、頭囲と頭頂部にまたがる2本のヘッドバンドが付いている。この頭頂部のヘッドバンドがHMDのずり落ちを防いでくれるわけだが、Daydream Viewには頭囲部分のヘッドバンドひとつしか存在しない

発表直後「え、これって、すぐずり落ちるのでは?」と懸念していたのだが、そんな心配は無用。先ほども触れた通り本体が非常に軽く、フィット感もよいため、10分近く試遊をしてもずり落ちることはまったくなかった

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画質や挙動はGear VR同等クラス

Daydream Viewとよく比較されるのが、Oculusとサムスンが共同開発したGear VR。

専用スマートフォン(Galaxy S6以降)をデジタル接続し、いわゆる”スマートフォンをはめるだけ”のVR HMDとは比較にならないほどの高品質なVR体験を実現しているデバイスだ。

Daydream ViewはGear VRと違ってデジタル接続をしないので、「さすがにGear VRよりも劣るのでは?」といった意見も出ていた。しかし実際に体験した感想としては、“Gear VRと同等のクオリティ”であると断言できる。

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▲実機を触って初めて知ったのが、スマートフォンを置く場所の固定具。てっきりプラスチックか鉄だと思っていたが、まさかのヘアバンドのようなゴム製!

視界に広がるグラフィックも鮮やかで、レイテンシーもそれほど感じられない。

当然Oculus Rift、HTC Vive、PS VRのようなPC、コンシューマーデバイス向けのものに比べたら劣る部分もある。だが本体価格が1万円以下のデバイスという点を考えたら、十分すぎるほどのデキだった。

また本体だけでなく、専用のコントローラの存在も大きい。

ちょくちょくセンサーが反応しなくて固まってしまうこともあったが、ちゃんと認識しているときは手の動きとキレイに連動し、ストレスなく操作できた。

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▲サイズ感はOculus Rift同梱のコントローラより若干縦長ぐらい。
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▲使用しないときは、スマートフォンを置く場所にコントローラを収納することができる。

今回は、物を掴んで投げたり、回転させたりするデモをプレイ。コントローラと連動したポインターで物を選び、ボタンを押して物を掴む。そして投げるときはボタンを離す、といった操作が直感的に行えた。

さらにリモコンのサイドにボリュームボタンも付いているため、単純に物を選択する以外の要素が内包されている点も嬉しいポイントだ。

Daydream Viewは”買い”の商品

あくまで筆者の個人的見解だが、Daydream Viewは”買い”の商品だと思う。

その最大のポイントが、対応スマートフォンの種類が多い点である。

現在は前述した5種類のみがDaydream Readyスマートフォンとして発表されているが、すでにサムスンやhtcなどの参入も発表されており、今後対応スマートフォンが増える可能性は高いだろう。

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▲2016年5月に本機が発表されたイベント”Google I/O”の時点で、大手スマートフォンメーカーの参入が発表されている。

同等のVR体験ができると紹介したGear VRでは、現状Galaxyシリーズのスマートフォンしか対応していない。そのためたとえAndroid端末を持っていても、Galaxyシリーズを持っていない場合は別途スマートフォンを購入する必要があった。

いっぽうDaydream Viewは、今後多くのスマートフォンに対応していく可能性が高い。つまりAndroidユーザーならば、Daydream View本体さえ買えば、気軽に高品質なVR体験を楽しめる日がやって来るということだ。

コンテンツに関しても、おそらくしばらくは先行でリリースされたGear VRに軍配があがるだろう。しかし今後Daydreamプラットフォーム上で多彩なコンテンツがリリースされるのであれば、そこの差は着実に埋まっていくに違いない。

VRはデバイス本体に加え、ハイエンドPCや専用スマートフォンを購入する必要があるなど、価格的な敷居の高さがネックになっていた。

今後Androidスマートフォンの基本がDaydream Ready対応スマートフォンになるなら、これまで懸念されていた購入の敷居がグッと下がる要因になる。

Daydream ViewがVRの間口を広げる存在になることは、まず間違いないだろう。

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