【個人開発ゲームを斬る】『スバラシティ』作者の新作、“手にのせる”パズル『TENOSEL+』(テノセル)
2016-12-26 17:20 投稿
『テトリス』ではなく
今回ご紹介する『TENOSEL+』(テノセル)は、いわゆる“落ちものパズル”と言われるジャンルでございます。
落ちてくる“いろいろな形のブロック”を、いい感じに横一直線に並べると、そのラインが消滅。用意されたブロックをすべて消すことができれば、ミッションコンプリート、つぎのステージへ。(一部例外あり)
パズルの仕組み
落ちものパズルは、だいたい上から落ちてくるブロックの方を移動させるのですが、『TENOSEL+』は、下の台(手)を動かします。
手が受けられるブロックの数は、横に5ブロック分。
そこにブロックがスポッと収まるように、手を動かし、空から降ってくるブロックをキャッチ。すると、5ブロック分が消えて、ステージクリアー。これが基本の動き。
続いて連鎖消し
続いて、連続消し。
2段に重なっている場合、まずは上段を消し、続いて下段と、順に消していきます。上段のラインが消えたのを確認して、手を動かし、下段の隙間でキャッチ。
同時消し
続いて、同時消し。
空いたスペースにスポッとハマれば、2段・3段とまとめて一気消し。ちょー気持ちいい、例のやつです。
連鎖
そして最後は、やはりコレ“連鎖”。
1段消した後、その上に乗っていたブロックが、いい感じに落ちてきて、下のラインを消す。これぞ、落ちものパズルの醍醐味。
“はみ出し受け”(勝手に命名)
『TENOSEL+』には、他の落ちものパズルでは味わえない、ちょっと特殊なルールがあります。
それが“はみ出し受け”(勝手に命名)。
前述のように手の平には、5ブロック分の余裕しかないのですが、“ブロックが落ちなければ、両サイドにちょこっとはみ出していい”という、ルールがあります。手の平の両サイドに、2つ分以上繋がっているブロックを乗せ、6ブロック、7ブロック分、一気に消すことが可能。
ランダムステージ
と、ダラダラと説明してしまいましたが、パズルゲームは文章にすると難しく感じるのが悲しいところ。チュートリアルを兼ねたステージ構成が秀逸ですので、やってれば「ああ、そういうことか」と、サクッと理解できますので、ご安心を。
個人的に好きなのが、“星を稼ぐ”ことが目標の、ランダムステージ。
これまで説明してきた技を使ってブロックを消すと、その難易度により“星”がゲットできます。
ランダムステージでは、つぎつぎとブロックが落下。それらを淡々と消すのではなく、技を使って星を稼がないと、クリアーになりません。
ちなみにゲームを進めていくと、この状態がエンドレスに続く、耐久モードもあり。
ステージが進むにつれ
ステージが進むにつれ、絶妙に難度が上がっていきます。どうしようもないときは、“動画広告”を見て答えをゲットすることも可能。
パズルゲームにありがちな、わからないままそこで投げ出して、モヤモヤしながらアンインストール、という流れにならないのが、嬉しい配慮でございます。
永遠と遊んでいたいのですが、年末年始は何かと忙しいので、開発された“クワキ”さんに、いろいろと聞いて〆させていただきます。
Q1.まずは前作『スバラシティ』のニンテンドー3DS版リリース決定おめでとうございます!
もうすぐリリース予定です。
ちょっと時間がかかっていますが、とてもデキのいいものに仕上がっています。
期待していてください。
おもしろすぎて封印したくなる中毒系パズルゲーム『スバラシティ』
Q2.『TENOSEL+』を作ろうと思ったキッカケを教えてくださいませ。
じつは5年くらい前、iPhoneを開発しはじめたことに『オチゲーテノセル』というアプリを出しているんです(※現在は配信停止)。
その基本的なアイディアは気に入っていたのですが、昔のバージョンはいらない要素が多くて、時間制限とかゲージとかあったりして不完全だったので……。
それをまとめ直したのが『TENOSEL+』です。
アイデア以外は全部イチから作り直してます。シンプルで完成度の高い形でゲームを残しておきたかったので作りました。
Q3.タイトルの最後の“+”は、『オチゲーテノセル』の続編というか、そんな感じのマークなんですね!
タイトルに『2』って付けちゃうと、「1はどうした?」って話になるので、苦肉の作で『+』を付けました。
ちょっとお洒落な感じにできました。
Q4.これまでの作品は、iPhone版先行リリースだったのですが、今作はファン待望のiPhone/Android同時リリースとなりました。何か狙いなどがあるのでしょうか?
『スバラシティ』が最初iPhone専用だったときに、「Android版はないんですか?」という問い合わせが多かったんです。
それでそういう要望に答えるべく“Unity”を勉強しまして……。(※Unityという開発環境を使うと、iPhone/Android同時開発可能)
で、今年6月に『スバラシティ』のAndroid版を出して、そして『TENOSEL+』が、iPhone/Android同時リリースの1本目になります。
Q5.新しい開発環境、予想以上に難しかった、またはもっと早くやっておけばよかったなどの感想をぜひ。
僕は3Dには興味ないので、あまりUnityのメリットを活かせてないんです。2DだけならiOSのspritekitで十分だったんですが、Androidで出すためだけの理由でUnityで作っています。
UnityってiOSに対してはビルド時間が遅いし、ファイルサイズ大きくなるし。アップル純正の開発環境ならビルドも一瞬なのにとか……。
愚痴を言いながら作っています(笑)
Q6.ちなみに、“パズルステージ”の問題は、どのくらいのペースで考えられるものなんでしょうか?
まるまる2ヵ月はステージ作成に費やしました。
理想としては、難度を上げずに一定の難しさのステージをたくさん作る予定だったんですが。残念ながらそれは実現できていませんね。
パズルゲームの問題って、あらかじめ用意したパズルのパターンをどんどん消費していくわけで。問題数を増やすと、必然的に難しい問題も増えてしまうんです。
難度を下げるのにいちばん苦労しましたね。(あまり下がってないかな……)
Q7.私が大好きな“ランダムステージ”攻略のコツなど、何かございますでしょうか?
困ったときには“連鎖”です。
最初にブロックを高く積んでから、あとは臨機応変に連鎖を狙ってください。
5連鎖くらいできるようになれば、大抵のステージはクリアーできます。
Q8.『TENOSEL+』リリース後の反応はいかがでしょうか?
今回、『TENOSEL+』を作る上で意識したことは3つあって。
・シンプルにわかりやすくする(ミニマルデザイン)
・言語に頼らない形にする(ユニバーサルデザイン)
・ステージを進めながらプレイヤーにゲームを理解してもらう
見た目と直感で、ゲームをプレイできるように努力しているんです。
いままで海外へのローカライズが悩みの種で、ネックでもあったので……そこにチャレンジしてます。
その甲斐もあってか、アメリカのApp storeでフィーチャーしてもらったりして、いろいろな国の人に遊んでもらえています。
Q9.それでは世界中のユーザーに、何かひと言、よろしくお願いいたします。
すでに次回作を作り始めていて1ヵ月くらいになるのですが、手応えが超すごいです。
いままで作ったアプリの中でいちばんかな。
期待していてください!
今年もまた、この作者さんのアプリを個人開発ベストゲームに選んでしまいそうなほど秀逸なパズルゲームですので、まだ未体験な方はぜひ、遊んでみてください!
注目記事 個人開発ヒットアプリ『ママにゲーム隠された』のハップさんに会ってきた |
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TENOSEL+
- メーカー
- Ryuji Kuwaki
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(一部有料アイテムあり)
- 対応機種
- iPhone、iPod touch、iPad、iOS 8.0 以上/Android 4.4 以上
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