【個人開発ゲームを斬る】『スバラシティ』作者の新作、“手にのせる”パズル『TENOSEL+』(テノセル)

2016-12-26 17:20 投稿

『テトリス』ではなく

image1_1▲手に収まるサイズでキャッチimage1_2▲失敗すると雨模様

今回ご紹介する『TENOSEL+』(テノセル)は、いわゆる“落ちものパズル”と言われるジャンルでございます。


落ちてくる“いろいろな形のブロック”を、いい感じに横一直線に並べると、そのラインが消滅。用意されたブロックをすべて消すことができれば、ミッションコンプリート、つぎのステージへ。(一部例外あり)

パズルの仕組み

image2_1▲まずは4つブロックを受けて……image2_2▲手を動かし空いているスペースにイン

落ちものパズルは、だいたい上から落ちてくるブロックの方を移動させるのですが、『TENOSEL+』は、下の台(手)を動かします。

手が受けられるブロックの数は、横に5ブロック分。

そこにブロックがスポッと収まるように、手を動かし、空から降ってくるブロックをキャッチ。すると、5ブロック分が消えて、ステージクリアー。これが基本の動き。

続いて連鎖消し

image3_1▲上段消してからの……image3_2▲下段消し

続いて、連続消し。

2段に重なっている場合、まずは上段を消し、続いて下段と、順に消していきます。上段のラインが消えたのを確認して、手を動かし、下段の隙間でキャッチ。

同時消し

image4_1▲2段同時image4_2▲3段同時

続いて、同時消し。

空いたスペースにスポッとハマれば、2段・3段とまとめて一気消し。ちょー気持ちいい、例のやつです。

連鎖

image5_1▲ラインが消えて……image5_2▲ブロックが落ちてきて連鎖

そして最後は、やはりコレ“連鎖”。

1段消した後、その上に乗っていたブロックが、いい感じに落ちてきて、下のラインを消す。これぞ、落ちものパズルの醍醐味。

“はみ出し受け”(勝手に命名)

image6_1▲手の平5ブロックに7ブロックは無理ゲーimage6_2▲はみでても落ちなきゃオッケー

『TENOSEL+』には、他の落ちものパズルでは味わえない、ちょっと特殊なルールがあります。

それが“はみ出し受け”(勝手に命名)。

前述のように手の平には、5ブロック分の余裕しかないのですが、“ブロックが落ちなければ、両サイドにちょこっとはみ出していい”という、ルールがあります。手の平の両サイドに、2つ分以上繋がっているブロックを乗せ、6ブロック、7ブロック分、一気に消すことが可能。

ランダムステージ

image7_1▲ブロックがドンドン来るよ!image7_2▲最後の形は問題ナッシング

と、ダラダラと説明してしまいましたが、パズルゲームは文章にすると難しく感じるのが悲しいところ。チュートリアルを兼ねたステージ構成が秀逸ですので、やってれば「ああ、そういうことか」と、サクッと理解できますので、ご安心を。

個人的に好きなのが、“星を稼ぐ”ことが目標の、ランダムステージ。

これまで説明してきた技を使ってブロックを消すと、その難易度により“星”がゲットできます。

ランダムステージでは、つぎつぎとブロックが落下。それらを淡々と消すのではなく、技を使って星を稼がないと、クリアーになりません。

ちなみにゲームを進めていくと、この状態がエンドレスに続く、耐久モードもあり。

ステージが進むにつれ

image8_1▲失敗したけどなんかできたimage8_2▲答えがあるからストレスフリー

ステージが進むにつれ、絶妙に難度が上がっていきます。どうしようもないときは、“動画広告”を見て答えをゲットすることも可能。

パズルゲームにありがちな、わからないままそこで投げ出して、モヤモヤしながらアンインストール、という流れにならないのが、嬉しい配慮でございます。

永遠と遊んでいたいのですが、年末年始は何かと忙しいので、開発された“クワキ”さんに、いろいろと聞いて〆させていただきます。

Q1.まずは前作『スバラシティ』のニンテンドー3DS版リリース決定おめでとうございます!

もうすぐリリース予定です。
ちょっと時間がかかっていますが、とてもデキのいいものに仕上がっています。
期待していてください。

image9_1▲こちら前作『スバラシティ』たimage9_2▲勝手に昨年度ナンバーワンアプリに選ばせていただきました

おもしろすぎて封印したくなる中毒系パズルゲーム『スバラシティ』

Q2.『TENOSEL+』を作ろうと思ったキッカケを教えてくださいませ。

じつは5年くらい前、iPhoneを開発しはじめたことに『オチゲーテノセル』というアプリを出しているんです(※現在は配信停止)。
その基本的なアイディアは気に入っていたのですが、昔のバージョンはいらない要素が多くて、時間制限とかゲージとかあったりして不完全だったので……。
それをまとめ直したのが『TENOSEL+』です。
アイデア以外は全部イチから作り直してます。シンプルで完成度の高い形でゲームを残しておきたかったので作りました。

Q3.タイトルの最後の“+”は、『オチゲーテノセル』の続編というか、そんな感じのマークなんですね!

タイトルに『2』って付けちゃうと、「1はどうした?」って話になるので、苦肉の作で『+』を付けました。
ちょっとお洒落な感じにできました。

Q4.これまでの作品は、iPhone版先行リリースだったのですが、今作はファン待望のiPhone/Android同時リリースとなりました。何か狙いなどがあるのでしょうか?

『スバラシティ』が最初iPhone専用だったときに、「Android版はないんですか?」という問い合わせが多かったんです。
それでそういう要望に答えるべく“Unity”を勉強しまして……。(※Unityという開発環境を使うと、iPhone/Android同時開発可能)
で、今年6月に『スバラシティ』のAndroid版を出して、そして『TENOSEL+』が、iPhone/Android同時リリースの1本目になります。

Q5.新しい開発環境、予想以上に難しかった、またはもっと早くやっておけばよかったなどの感想をぜひ。

僕は3Dには興味ないので、あまりUnityのメリットを活かせてないんです。2DだけならiOSのspritekitで十分だったんですが、Androidで出すためだけの理由でUnityで作っています。
UnityってiOSに対してはビルド時間が遅いし、ファイルサイズ大きくなるし。アップル純正の開発環境ならビルドも一瞬なのにとか……。
愚痴を言いながら作っています(笑)

Q6.ちなみに、“パズルステージ”の問題は、どのくらいのペースで考えられるものなんでしょうか?

まるまる2ヵ月はステージ作成に費やしました。
理想としては、難度を上げずに一定の難しさのステージをたくさん作る予定だったんですが。残念ながらそれは実現できていませんね。
パズルゲームの問題って、あらかじめ用意したパズルのパターンをどんどん消費していくわけで。問題数を増やすと、必然的に難しい問題も増えてしまうんです。
難度を下げるのにいちばん苦労しましたね。(あまり下がってないかな……)

Q7.私が大好きな“ランダムステージ”攻略のコツなど、何かございますでしょうか?

困ったときには“連鎖”です。
最初にブロックを高く積んでから、あとは臨機応変に連鎖を狙ってください。
5連鎖くらいできるようになれば、大抵のステージはクリアーできます。

Q8.『TENOSEL+』リリース後の反応はいかがでしょうか?

今回、『TENOSEL+』を作る上で意識したことは3つあって。

・シンプルにわかりやすくする(ミニマルデザイン)
・言語に頼らない形にする(ユニバーサルデザイン)
・ステージを進めながらプレイヤーにゲームを理解してもらう

見た目と直感で、ゲームをプレイできるように努力しているんです。
いままで海外へのローカライズが悩みの種で、ネックでもあったので……そこにチャレンジしてます。
その甲斐もあってか、アメリカのApp storeでフィーチャーしてもらったりして、いろいろな国の人に遊んでもらえています。

Q9.それでは世界中のユーザーに、何かひと言、よろしくお願いいたします。

すでに次回作を作り始めていて1ヵ月くらいになるのですが、手応えが超すごいです。
いままで作ったアプリの中でいちばんかな。
期待していてください!

今年もまた、この作者さんのアプリを個人開発ベストゲームに選んでしまいそうなほど秀逸なパズルゲームですので、まだ未体験な方はぜひ、遊んでみてください!

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■あぷまがどっとねっと
(あぷまが)

「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。


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TENOSEL+

メーカー
Ryuji Kuwaki
配信日
配信中
価格
無料(一部有料アイテムあり)
対応機種
iPhone、iPod touch、iPad、iOS 8.0 以上/Android 4.4 以上

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