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『Fate/Grand Order』(FGO)魂と愛と根性のキャラクター作り【CEDEC 2016】

2016-08-26 17:47 投稿

『FGO』に見るキャラクター愛の表現方法

盛り上がりを見せるCEDECもいよいよ最終日。最終日にも、注目のセッションが数多く設けられた。ここでは、その中のひとつ“キャラクターへのハンパない愛情の注ぎ方 ~スマホでFateを描くということ~”のリポートをお届けする。

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講演を行ったのは『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)を開発・運営しているディライトワークスの増川浩介氏、今井雅人氏、島野伸一郎氏の3名。

セッションでは、話題の『FGO』におけるキャラクター作りについて語られた。2016年8月25日に講演されたセッションとも関わりある内容となっているので、そちらも参考にすると、開発陣営の熱がはっきりと伝わってくるだろう。

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フォーマットを捨てたキャラクター作成

『FGO』のバトルキャラ(バトルで戦うサーヴァントなど)は、リリース当初の流れを汲み、基本的には2Dキャラクターアニメーションで描かれている。

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『Fate』シリーズに登場するキャラクターの数は膨大。そこで、『FGO』リリース当初は、キャラクターアニメーションを量産できる体制を整えるための環境作りを行ったという。

具体的には、キャラクターサイズ別の4つの素体を作り、そのフォーマットに沿ってキャラクターを作れるようにしたり、武器によるモーションを画一化させて対応したりといった具合だ。

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しかし、ここで問題が発生。フォーマットは作っていたが、その枠に収まらないサーヴァントなどが大量にいたため、素体を元にしたキャラクター作りは、早々に限界を迎えてしまった。

そこで、開発は素体からのキャラ作りをやめ、それぞれをしっかり作っていく方向に転換していったという。

講演を行ってくれた増川氏は、この問題を振り返り「工数は増えたが、質は非常によくなったので、いい選択だと思っています。ユーザーさんの愛に応えることが最重要項目です」と語る。

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▲『FGO』デザイナーの増川浩介氏

現在は、当初の開発工程で作られたキャラクターたちを、現在の作りかたで改修しており、ロンチ時からいるキャラクターと、新しく追加されるキャラクターとの間にあるクオリティ差を埋めているところだという。

「サーヴァントは全員が主役級。軽い気持ちで追加するキャラクターはいません。私たちは特別な技術は使わず、魂と愛と根性でキャラクターを作っています」と、増川氏はキャラクターへの愛情をまとめている。

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2Dと3Dをうまく使う

2Dキャラクターのアニメーションは、パーツごとに読み込んで動いているように見せるというリミテッドアニメーションという手法が一般的。こうすることで、データを圧縮し、端末やストレージにかかる負荷は抑えられる。

『FGO』も多分に漏れず、その手法を取り入れていた。しかし、これではキャラクターに奥行きのある動き、たとえば剣を横に薙ぎ払ったりといったアクション表現に限界が生まれてしまう。

これを解決するために、キャラクターアニメーション作成には“MAYA”も使用。2Dのリミテッドアニメーションのレイヤー化に加え、武器を3D表示させて表現力を大幅に上げることに成功したそうだ。

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これまでフォーマットで作っていたものからユニークなアイテム制作へと移行したことで、3Dモデリングの作業は複雑で多構造へと変化。

「キャラクターすべてを新規開発するほどの工数となったが、しかし、それでもイキイキとしたアニメーションを作ろうという思いから、作業は楽しいものになった」と3DCGアニメーションを担当する島野氏は語っている。

ちなみに、キャラクターのモーションはすべてTYPE-MOON側から絵コンテをもらい、そこからどうすればコンテの動きをアニメーションに落とし込めるかという作業で進められたという。

アニメの表現の本質に迫るために、「できない、不可能」という考えを捨て、やることを前提に動いたと語るデザイナー根性には脱帽させられる思いだ。

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また、島野氏はバトルシーンの背景に関しても言及。

「バトルシーンの背景は、世界観を決定付ける大事な要素なので、徹底した作り込みが求められる」と、その重要性を説く。

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▲『FGO』で3DCGを担当した島野伸一郎氏

通常、バトルシーンの背景は1枚絵、もしくは2~3のイラストをレイヤー表示させて描かれるが、『FGO』では3Dと2Dを駆使して作り込んだという。

この作業を振り返り、島野氏は「サーヴァントたちは、思っていたよりも激しく動き回り、想像以上に高く飛びます。そして、既存のキャラクターよりも動き回るキャラクターが登場することもあるので、その都度背景は作り直しています」と語り、その手間のかけかたで会場の度肝を抜いていた。

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キーはやはりTYPE-MOON

続いて話題になったのは、キャラクターを作ったあと、それを実際に動かして実装するまでの話。

この項を語ってくれた今井氏は「キャラクターを動かすとき、エフェクトの種類や表示させる位置も非常に重要です」と、キャラクターをゲーム内で動かすことの難しさを噛みしめる。

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▲『FGO』でプランナー等を務める今井雅人氏
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前述にもある通り、本作におけるキャラクターアニメーションは、すべてTYPE-MOONによる絵コンテから作られている。

しかし、TYPE-MOONが関わっているのはそこだけではない。TYPE-MOONは提案するだけでなく、その後の監修までをも行ってくれているという。

「エフェクトを付けて、動かして、ブラッシュアップをくり返して、もうこれで出せるクオリティになったというところで、ようやく50%。そこからが本番です」と、今井氏。

TYPE-MOONに監修してもらえるようなクオリティに達してようやくスタートライン、という考えかただ。

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これに対して今井氏は「作るのはたいへんだが、ユーザーからの期待、熱量、愛に応えるためには必要な工程。やりがいがある」とし、意味のある工程への意義を説いている。

この工程は通常のアニメーションだけでなく、宝具演出でも行われるという。

ただ、宝具演出は『FGO』の中でいちばんの見せ場になるシーン。手抜きは絶対にできないので、監修によるチェックもかなりの量になるとのことだ。

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これらの工程にはかなりの労力が予想されるが、費用対効果は問題ではないのだと今井氏は語っている。くり返し出てきているワードだが、いちばん大事なのはキャラクターへの愛情に応えること。

そして、それを実現するのに重要なのは、気合いと根性だと今井氏は話をまとめて講演を終えた。

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昨日の講演でも思い知らされたが、ディライトワークスの『FGO』に対する想い、愛はすさまじいものがあるようだ。

▼昨日の講演のリポート
話題沸騰コンテンツ『Fate/Grand Order』開発者が“非常識”な企画の秘密を語る【CEDEC 2016】

Fate/Grand Order

ジャンル
RPG
メーカー
TYPE-MOON
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 6.0 以降、iPhone 5 以降、iPad 第3世代以降、iPad mini 2 以降、iPod touch 第6世代/Android 4.1以降、RAM 2GB以上搭載のスマートフォン及びタブレット端末。(Intel CPUは非対応)

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