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【BitSummit】桑田一生氏&吉田卓史氏インタビュー『WORLD WAR TITAN FRONT LINE』誕生までの歩み

2014-03-09 14:10 投稿

Mutations Studioの今後の動向も明らかに!

BitSummit MMXIVで初披露となった、桑田一生氏率いるMutations Studioの『WORLD WAR TITAN FRONT LINE』(以下、『WWTFL』)。

本作のプレイレポート記事を昨日アップしたところ、氏の会社から出る新作ゲームという事もあってか、大きな反響が見受けられた。

そこで今回は桑田一生氏(文中、桑田)と、『WWTFL』のディレクター・吉田卓史(文中、吉田)にインタビューを敢行。『WWTFL』に関するお話からMutations Studioの今後の動向まで話を聞いてきた。

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▲Mutations Studio 代表取締役CEO・桑田一生氏(写真右)、同社ディレクター兼アートディレクター・吉田卓史氏(写真左)

「好きにやっていい」の一言がすべてのはじまり

――今回Bitsumitに出展されたわけですが、ファミ通AppとしてはMutations Studioがインディーズゲームの会社だとは思えません(笑)。なぜインディーズゲームの祭典であるBitsumitに出展されたのでしょうか?

桑田一生(以下、桑田) スクウェア・エニックスさんとご一緒させていただいている『拡散性ミリオンアーサー』の運営など、うちの会社ではメジャーなタイトルもたしかに手掛けています。ですが、今回出展した『WWTFL』は自社の名義で出すタイトルになるので、区分としてはインディーズになるのかなと。そもそもメジャーのメーカーさんにこの企画を持っていって、採用されるようなタイトルではないですし(笑)。

――なるほど。出展することへの具体的な狙いなどはありましたか?

桑田 アルファ版やベータ版の段階でお客様にゲームをプレイしていただき、そのフィードバックをもとにゲームをよくしていきたいと思ったのが大きいですね。お客さんといっしょにゲームを作っていくということをやりたかったので。ただ、メジャーの領域だと会社的な制約も大きくてこういったことはできません。そういった意味でもインディーズでやったほうが動きやすいですね。

――たしかにメジャーなメーカーだとそういった動きはしづらいですね。

桑田 それと『WWTFL』には過激な表現が多々あるのですが、そういった倫理問題のギリギリを攻める行為もメジャーだと難しい気もします。

――ビジュアル面でもかなり攻めたデザインに仕上がってますよね。

吉田卓史(以下、吉田) 早い段階から桑田には「好きにやっていい」と言ってもらえたので、自分がやりたいと思ったことを自由にやらせてもらいました。ビジュアルに関しては、現在のようなディープなテイストにしたいという想いは最初からありましたが、企画を桑田に見せたときには、所謂売れ線のイラストと自分で描いた現在のものに近いイラストを両方提案したんです。そうしたら、自分で描いた方のイラストが採用されまして。「これが許されるなら好き勝手にやっていいな(にやり)」と思いましたね(笑)。なので、現時点のバージョンのイラストは、自分で描いたものよりもさらにディープな方向へ舵を切っています(笑)。

――(笑)。放任主義といいますか、その自由な社風は桑田さんらしいですね。吉田さんがさらにディープな領域に足を踏み込んだ時点で、不安にはなりませんでしたか?(笑)

桑田 不安はなかったですね(笑)。もともと吉田はフロム・ソフトウェアさんで『クロムハウンズ』(※1)を作っていた人間なのですが、僕自身が『クロムハウンズ』が大好きでして。『クロムハウンズ』は超絶ディープなゲームでしたが、吉田がデザイナー畑出身の人間だということもあって、ディープなテイストでありながらもビジュアルイメージが非常にきっちりしていたんです。過去作を振り返ってみても、売れ線のイラストよりもくすんだ色合いのほうが、吉田の持ち味を活かせるとは思っていました。

(※1)『クロムハウンズ』:フロム・ソフトウェアが開発し、セガから発売されたXbox 360用の3Dアクションシューティングゲーム。オンライン対戦を主軸とした作品になっており、とくにスカッドと呼ばれる最大6人単位のチームでの対戦プレイがメインとなっている。

――そうして生まれた『WWTFL』のビジュアルですが、正直はじめて見たときには度肝を抜かされました(笑)。あのイラストはどなたが手掛けられているのでしょうか?

吉田 映画『GOEMON』や『バイオハザード ディジェネレーション』などにも参加されている、特殊メイク、造形、デザインアーティストの百武さんにお願いをさせていただきました。知人からの紹介だったのですが、百武さんが描くイラストが、自分がもともとイメージしていたものと非常にマッチしていたことが大きな理由ですね。おかげさまで、巨人はディープなデザインにして、人間はシンプルだけど一風変わったデザインにするという、当初のイメージに近い形になっています。

最初はMOBAにする予定ではなかった

――『WWTFL』には吉田さんが「やりたい!」と思ったことをふんだんに盛り込んでいる形になっていると思います。一般的なRTSではなく、MOBAを選択した理由もそこにあるのでしょうか?

吉田 じつは、構想の時点ではMOBAにする予定はありせんでした。私自身はMOBAのようなクランタイプのゲームが好きでしたが、家庭用で『クロムハウンズ』を作ってみて、そうしたジャンルのゲームを作り続けるのは難しいと感じていましたから。ただ、いざ今回の企画を立ち上げようとしたときに、『キングダムコンクエスト』のヒットを見ていたこともあり、「スマートフォンならいけるかも」と感じてMOBAの要素を盛り込みました。桑田から「『League of Legends』のようなMOBA系ゲームを出したい」という話があったので、それもひとつの要因ですね。

――ゲームを作るにあたって、とくにこだわったポイントはどこでしょうか?

吉田 “チームで楽しむ”というのがMOBAの醍醐味なので、チームで戦う際の戦略性などには力を入れています。また、こうしたゲームはアクションなどの操作性は複雑になりがちなので、マートフォンでも気軽にプレイしていただけるよう、操作性の面にも非常に気を使っていますね。

――スマートフォンだから採用した要素などはあるのでしょうか?

吉田 巨人がオートで動くところですね。巨人が勝手に動きまわるので、プレイヤーが何も操作をしなくても勝敗がつきます。そうした巨人の存在があることによって、スマートフォン特有の”短時間性”をカバーしています。

――操作性の面などで気を使われてるとおっしゃられていましたが、こうしてイベントに出展をされたことで、既に多くの来場者がゲームをプレイしていると思います。実際にユーザーがプレイしている様子を見て、改善すべきポイントなどは見えてきましたか?

吉田 操作性のところは改善が必要だなと感じています。移動の方法がフリックでの移動と長押しからのオートランの2種類あるのですが、はじめて見たお客さんには分かりづらいかなと。

――今回はバトル部分のみがプレイできる状態でしたが、今後ベータ版や正式版になるころには、どういった要素が追加されるのでしょうか?

吉田 今回のバージョンではお見せできませんでしたが、ゲームの根幹に当たるMOBAの部分が入ってきますね。具体的には、20、30人のユーザーでクランを作り、クランどうしでランキングなどを競い合う機能を盛り込む予定です。もともと私自身がクランタイプのゲームを作りたいと思っていたところからはじまっているので、その点はしっかり作り込んでいきます。

――クランタイプのゲームを作るにあたって何か心掛けているポイントはありますか?

吉田 クランタイプのゲームでは定時開戦を取り込んでいるものが多くあります。ですが、そうした時間の制約があると、ユーザーさんが窮屈になってしまうと私は思っています。「時間が合わないから」という理由で、せっかく入ったクランを脱退しなければならない事象も多々あります。『WWTFL』では、ユーザーさんどうしでコミュニケーションをとってもらい、自分たちのペースで自由に楽しんでもらえるような環境作りを努めています。学校や仕事終わりに「この時間に集合な!」と連絡を取り合い、仲間といっしょにゲームを遊ぶのが楽しいですよ。

今年のMutations Studioは新作を大量投入!?

――『蒸気演算』、『WWTFL』とダークな世界観のゲームが続いていますが、そこは桑田さんが狙ってやられたことなのでしょうか?

桑田 ん~……暗いっすよね(笑)。でも、そこはとくに狙ってやっているわけではないんです。前回のインタビューでお答えしたように、1万人ぐらいの人たちが楽しんでいただけるゲームを作りたいっていうのがあるので、自然とコアな方々にリーチするテイストに寄っているだけですね。『蒸気演算』と『WWTFL』では、そのコア層への想いが前のめりになっているだけだと思います(笑)。あと『WWTFL』で言うなら海外展開も視野に入れているので、これぐらいコアな方が受け入れてもらえるかなとは思います。

――たしかにあのテイストは海外でウケそうですね。

桑田 じつはいまの段階からKakehashi Games(※2)さんにご協力いただいて、海外ローカライズを進めています。

(※2)Kakehashi Games:日本と欧米のゲーム業界の架け橋になることをモットーにしているコンサルティング会社。海外ゲームのパブリッシング権獲得、ローカライゼーションのサポートなどを主な業務としている。

――具体的にはどの国をお考えになられているのでしょうか?

桑田 MOBAの市場で言うと英語圏が強いので、まずはカナダ、アメリカに向けた英語版を作る予定です。その後にヨーロッパやアジアでのローカライズ版の作成も検討していますね。

――なるほど。気になる『WWTFL』の配信日ですが、ずばり何月を予定されているのでしょうか!?

吉田 ”Spring”(=春)としていますので、ギリギリSpringの5月、6月にはベータ版が出せると思います(笑)。そこでお客さんに一度ゲームをプレイしていただいて、いっしょにゲームを作っていきたいと思います。

――Mutations Studioとしての今後の新作はどんな状況でしょうか?

桑田 今年は3ヶ月に1本は新作が出る予定です。『WWTFL』のようにコア層へリーチするものから、もっと一般受けのゲームまでいろいろと出ますね。5、6月に『WWTFL』が出た後は、7月に2本、8月に2本出せるように動いています。メジャーとインディーズの両方でゲームをどんどん出していきますよ!

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