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スクエニ安藤ブログ“スマゲ★革命 シーズン2 SP対談(第2回)「『チェンクロ』の生みの親に問う 真のゲーム創りとは?」

2014-01-23 17:01 投稿

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今回のスマゲ★革命は、前回に引き続き、『チェインクロニクル』の生みの親、ディレクターの松永純氏とプロデューサーの新小田裕二氏との対談記事をお届け。ゲームは暇つぶしのツールなのか、それともそれ以上の何かなのかが言及されるほか、声優さんとの裏話も聞ける今回の対談内容は要チェック!

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▲(写真左から)新小田裕二氏、安藤武博氏、松永純氏。

ゲームは暇つぶしのツールじゃない!

安藤 (第1回の記事で)『チェンクロ』は大人のゲームユーザーをターゲットに絞っているとおっしゃられていましたが、若者のゲームユーザーをどう思われていますか?

松永 さっきの言い方だと、ターゲットではないみたいに聞こえちゃいますけど、実はすごく強い想いがあって。いまのスマートフォンゲームを遊んでいる若い層から、たまに「ゲームって暇つぶしじゃん」みたいなことを聞くんですが……。ゲームは暇つぶしじゃないんですよ! たしかに暇がつぶせるもの”ではありますが、”暇つぶしのためだけに存在するツール”ではない。それが、ちょっとでも伝わればなと思っています。

安藤 『LINEゲーム』(※1)などをよく利用している層は、ゲームをひとつの暇つぶしツールと捕らえていますよね。ゲームが生まれてから長い年月が経っていますので、「ゲームに物語性やエンディングがなくても当たり前」「テレビやゲーム機の前に30時間も座って遊んでいるなんて信じられない」と考える層が増えるのもおかしくはない。ショッキングなことではありますが、ゲームを”暇つぶし”と捉える層が出たことを、事実として受け止める必要があると思います

(※1)『LINEゲーム』:LINE株式会社が運営するコミュニケーションアプリ 『LINE』と連携した、カジュアルゲームシリーズの総称。

松永 最近は、家に据え置き機がない人も増えていますし。はじめて触れるゲームが、基本無料的なものであることも多いと思います。けっこう気になって、聞き取り調査とかもしてもらってるんですが、学校に行って「このゲームがすげぇんだよ!」という会話も減っているみたいなんですよね。僕らが子供の頃に体験した“あれ”がないのは、もったいないな……と思うんですよね。

安藤 「ゲームって暇つぶしじゃん」と言われたときに、私たちが取るべき道はふたつあると思うんですよ。ひとつめは「たしかに暇つぶしだよ」と言って、より暇をつぶせるものを作るふたつめは「お前、暇つぶしのゲームしか知らないんだろ」と言って、ガッツリのめり込んでしまうゲームを作る。どちらにしても、面白いゲームを作りだすという点に変わりはありませんけど、松永さんと僕は後者のタイプですよね。ちなみに、『チェンクロ』では、結果として「暇つぶしだろ」という層を捕らえることはできましたか?

松永 たくさん頂いているコメントからはユーザーさんのバックボーンまでは読み取れないのですが、おそらく多少は取り込めていると思います。

安藤 ダウンロード数とか、ゲームの盛り上がりを見る限りでは、確実にそういった層のプレイヤーも巻き込んでいると僕は思います。もちろん、その人たちの中には、相変わらず暇つぶしだと思ってプレイしている人もいるかと思いますが、日に日に『チェンクロ』の魅力に取りこまれて、暇つぶしのゲームプレイの領域から飛び出ている人も出ているのではないでしょうか。

新小田 ゲームの中身の部分ではわかりませんが、キャラクターに対しての愛着という意味では、暇つぶしの域を飛び出している方は、おかげさまで結構いらっしゃると感じています。フェイスレスというキャラクターが本当に大好きな女性ユーザーがいらっしゃいまして、Twitterの開発公式アカウントに、「フェイスレスって長髪なんですか?」(パッと見は短髪に見える)といった質問を寄せて頂いていたんです。

それにお答えする形でフェイスレスにゲスト出演してもらい、「実は長髪でした! 気付いた人すごいね!」みたいなツイートをしたところ、その方が号泣されているかのような勢いで「ありがとうフェイスレス!!ごめんね、つまらないことで喧嘩して!!」といったツイートを寄せてくださって。当時は大きなサーバートラブルがあった時期で、僕らの力不足でタイムライン上も殺伐としてしまっていて、ユーザー間での言い争いとかも散見されていたタイミングだったんです。

(※2)フェイスレス:『チェンクロ』に登場するアサシンギルドのギルドメンバー。つねに道化師の格好に身を包んでおり、その素顔を見たものはギルドリーダーを含めて誰もいないという。

安藤 それはまたいい話ですね。

新小田 周りのユーザーも、その女性ユーザーに「よかったね!」とか声をかけてくれたりして。タイムラインの雰囲気が一気に明るくなったんです。キャラクターは生きているんだと感じてくれて、私のために来てくれたんだと喜んでくれる方がいらっしゃって、その喜びを分かち合える輪が広がっていることに対して、僕自身も涙が出るほど感動しました。

安藤 キャラが立っている世界観や物語が用意されていない“暇つぶしのゲーム”だと、その女性ユーザーのような“キャラクターに対する強い想い入れ”という感情は絶対に生まれませんよね。

松永 ゲームコンセプトとして「大事なのはカードではなく、キャラクターだ」という想いも『チェンクロ』に強く込めていたので、キャラクターを愛してくれるお客様が増えてきてくれて、本当に嬉しいです。サービスが始まる前に、チームのみんなと「ネット上で“このキャラクターのこういうところが好きとか、コイツとコイツの会話をもっと見たい”みたいな会話が出てきたら、このプロジェクトには価値があるって、きっと思えるね」という話はよくしていたんですけど。今はそういう会話がとても多くて。本当に、嬉しいです。

ボイスコンテンツへのこだわり

安藤 キャラクターといえば、最近の『チェンクロ』のプロモーションで、石田彰さん(※3)が、ひとりで46ものキャラクターに声を当てているという動画をリリースしていましたよね? それと同時に、同じく石田さんがナレーションをしているPVも何本かリリースされていますが、それらはやはり、キャラクターや声優さんが好きな層を意図的に狙ってのことなのでしょうか?

(※3)石田彰:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『ガンダムSEED』シリーズなど、数多くの大ヒットアニメ作品に出演している人気声優。

石田彰ナレーションPV 46キャラ役担当篇

※そのほかのPVはこちらの記事でチェック!

松永 キャラクター数ぶん、たくさんの有名声優さんを使って、声優さんのファン層も積極的に狙っていこうというのはもともと考えていなくて……。最初から、たくさん演じてもらうつもりで考えてはいました。狙っていたんではなく、普通にそう考えていたんですよね。あえて理由を言葉にするなら、「一線で活躍されている声優さんは本当にスゴイから」。それだけです。 プロとして活躍されている方だと、10役でも20役でも演じ分けることができるんですよ。それを知っていたので、石田さんにひとりのキャラクターをお願いするより、 たくさんのキャラクターを演じていただいたほうが、石田さんのことを好きな人にも喜んでもらえるだろうしそのほうがいいだろうと。

安藤 このお話って、一見コストをケチっているように見えがちですが、『チェンクロ』の場合はそれがないんですよね。最近は「この声優さんは妹キャラ!」みたいな決め付けというか、発注する側が勝手に声優さんを殻に閉じ込めてしまう事象も増えていますよね。『チェンクロ』のムービーを観て、僕らが子供のころ描いていた「声優さん=七色の声を持つ人」という印象が思い出されて嬉しくなりました。

新小田 僕たちにとって、ひとりの声優さんにたくさんのキャラクターの声を当ててもらうというのは、ごく普通のことなんですよ。ただ、「石田さんひとりに46キャラクターを演じてもらう」という話を松永から聞いたときは、さすがに多いだろうとビックリしましたけど。

安藤 石田さんもビックリされていたんじゃないですか?

松永 いや、それが石田さんはやはり本当にすごくて。むしろコチラが提示したもの以上にこだわりを持ち、細かく演じ分けようとしてくれました。役が多い関係で、声優さんの負担を考えて台本にはある程度簡略化したキャラプロフィールしか載せないようにしているんですが、そしたら「このキャラクターとこのキャラクターだと、設定が同じじゃない?」とツッコミを受けることもありました。その際には資料にまとめていない情報を言葉で伝えて、感覚で理解してもらうという作業をしました。普段は、もう何歳か若い声で、とか具体的なお願いで済ませているのが、結果的に石田さんのときは全キャラ分、キャラの重要なところを理解してもらっての収録になったんです。

安藤 サラッと言ってますけど、それってかなりスゴイことですよ。『チェンクロ』って、必殺技のときと召喚のときの短いボイスがほとんどですから、その短いセリフで演じ分けるっていうのは至難の業です。それを演じ切った石田さんの演技力の高さもさることながら、声優さんが欲する情報を的確に伝えてきた松永さんも凄まじい。

新小田 そこに関しては、声優さんのモチベーションが高かったというのもあると思います。さきほど安藤さんが仰られていた通り、最近は「この人はこういうキャラ」という過去作のイメージを半ば強制的に引きずることになってしまった声優さんが多くいらっしゃいます。『チェンクロ』の収録では、声優さんのキャラクターに合わせて指示どおりの声を当ててもらうのではなく、声優さんといっしょにキャラクターのイメージ作りをしていった部分がありました。それを喜んでくださる声優さんは多かったですね。

安藤 なるほど。固定のイメージを背負わされてしまっている声優さんたちが、さまざまなキャラクターを演じ分けていながら違和感がまったくない。その理由は、声優さんの実力に加えて、ディレクションの妙技もあったんですね。

松永 「設定の演じ分けにこだわりつつも、空白を残すことで、声優さんが演じたい声というのをある程度許容して、その分勢いのあるボイスにしてもらう」というこだわりが、うまく働いたんだと思います。昔の格ゲーのキャラクターボイスって、その開発会社の社員さんが声を当てていたりしましたよね? プロの方ではない人が声を当てているのに、あのボイスが凄く楽しかったじゃないですか。 勢いとノリがあって。そういった雰囲気を『チェンクロ』では出したかったんです(笑)。

新小田 プロでないと言えば、ボイス収録の一発目、石田さんに「光を掴む」というセリフを言っていただいたときに、松永が「うますぎるからNG」という、通常ではありえないNGを出しましたからね(笑)。まぁこれは、プレイヤーが主人公に感情移入しやすいように、フラットにして欲しいという想いがあってのことだったのですが。かなり難しいオーダーだったようで、石田さんも困惑されていました。

安藤 そりゃそうですよ(笑)。映画ではあるみたいですけど、ゲームの演技指導や音響監督とのやりとりで、そんな指示はあまり聞きません(笑)。

松永 主人公のキャラクターは、キャラクター自身のドラマの中に閉じこもりすぎるとダメだと僕は思っているんですよ。なので、明確な意思や性格が感じられないようにお願いさせてもらいました。仲間との物語を”体験”してもらうことがチェンクロのコンセプトなので、主人公に関してはボイスもストーリーも設定もすべて、プレイヤーに向けて門戸を開けているような形で提供されなくてはならないと思っています。勝手にキャラクターが完結してしまったら、まず置き去りにされるのはプレイヤーですから。

(第3回へ続く)

チェインクロニクル

ジャンル
RPG
メーカー
セガ
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 5.0以降、Android 2.3.3以上

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