編集部猛烈プッシュ! 『騎士とドラゴン』を作ったふたりのキーマンを直撃

2013-12-16 20:17 投稿

騎士とドラゴン(騎士ドラ)攻略まとめwiki

騎士ドラ攻略始めました!

バトルをとにかくおもしろく!

リプレーションから2013年11月20日にリリースされたiPhone、Android向けRPG『騎士とドラゴン』(以下、騎士ドラ)。本作の魅力をひと言で表現するならオリジナリティだ。4種類の武器(現時点ではw)とスキルを巧みに組み合わせた戦略性の高いバトル、プレイヤーの任意で出現させる限定クエスト、SR武器を課金、ゲーム内通貨のどちらでも購入できる仕組みなど、言葉にするとチープに聞こえるが、いままでのスマホゲームにはなかった数々の要素が盛り込まれている。それらのゲームシステムを温か味のあるドット絵と音楽が包み込み、手触りのよさは昨今のスマホゲームの中で随一。まさにゲーマー好み。配信直後に、本作を手がけたリプレーション 副社長/チーフプログラマー堀内達雄氏と、ディレクター/プランナー吉川裕典氏を直撃。開発秘話から気になるアレコレまで、いろいろ聞いてみました。

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▲リプレーション ディレクター/プランナー”吉川裕典”氏(左)。副社長/チーフプログラマー”堀内達雄”氏(右)。

バトルシステムから開発がスタート

――のっけからズバリお聞きしますが、おふたりはコンシューマー出身ですよね?(笑)

堀内達雄氏(以下、堀内) ふたりともそうです(笑)

――やっぱり! この手触り感はそうだと思ってたんですよ。当初からスマートフォンゲームを作ろう考えていたのでしょうか?

吉川裕典氏(以下、吉川) もともとはコンシューマーゲームが作りたっかのですが、まだ資金が十分ではなかったため、まずはスマートフォンのゲームから作り始めました(笑)。

――『騎士ドラ』いつ頃から作り始めたのですか?

堀内 ちょうど1年前くらいですかね。サーバのエンジニアも含めて開発は6人でやってます。プログラマーの2名がメインでやっていますね。メインの事業を進めながらコツコツと作り続けてきました。自社開発ですので、色々言われることもなくできるので環境もよかったですねえ。

――6人って! どういったコンセプトで開発されたのでしょうか?

吉川 僕がコンシューマー寄りの人間なので、カードゲームというのはぶっちゃ好きじゃないんです(笑)。何か違うもの、ゲーム性がしっかりあって、長く楽しめるものが作りたいという思いがありました。

――なぜRPGでドット絵という形に決めたんですか?

吉川 もうただの好みです(笑)。スーパーファミコンで発売された、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)のタイトルが大好きで、あの頃はドットだったじゃないですか。そこが感覚的に好きだったので取り入れました。

――ドット絵に味がありますよね。作成はどなたが?

吉川 今川伸浩(※)さんです。全リソースをやってもらっています。UIのデザインもすべて今川さんひとりにやっていただきました。

※『MOTHER3』、『ファンタジーライフ』などを手がけたアートディレクター/デザイナー。

――どういう経緯でそんな大物をつれてこれたんですか?(笑)

吉川 もともと僕は、ゲームリパブリックに入社し、そのあとブラウニーブラウン(現1-UPスタジオ)という会社で働いていて、そのときにご一緒する機会がありました。リプレーションに誘われてブラウニーブラウンを退職することになったのですが、会社を辞める前に今川さんに「いっしょに作品を作りたいのでぜひよろしくお願いします」と言っておいたんです。それで、うまいこと企画が実現することになったので、改めて今川さんにお願いしました。

楽曲を提供してくださっている下村(陽子)さんは、ちょうどいいタイミングでお話しできる機会があったので、そのときにご一緒できませんか?とお願いしました。

▲『MOTHER3』のアートディレクターを務めた今川伸浩さんがドット絵とUIのデザインを制作。サウンドは『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』や『ライブアライブ』を手がけた下村陽子さんが担当している。

――そのつながりすごいなあ(笑)。『騎士ドラ』の企画を見たとき、堀内さんはどう思われましたか?

堀内 じつは最初の企画は、今のものと違っていたんですよ。ターン制バトルで武器をスロットで持っていくという要素はなくて、見下ろし型のクォータービューで『聖剣伝説』のようなリアルタイムバトルにしたいというところから企画が始まりました。

吉川 実際にバトルシステムの試作を作ってみたのですが、リソース的に相当グラフィックがいることがわかりました。もうちょっと削ろうという話になり、バトルシステムを見直していった結果、今の形になったんです。

堀内 最初にバトルシステムだけを作っちゃったんですよ(笑)。それでおもしろいかどうかを2ヶ月ぐらいかけてチェックして、そこから外側のUIを量産するようにしました。

――バトルシステムから作るのは珍しいですよね?

堀内 バトルをとにかくおもしろくして、それに付随して武器集めやドット絵の魅力で売っていこうという企画だったので、まずはバトルがおもしろくないと売れないだろうと。とにかくおもしろいバトルができてから開発ラインに乗せるという考え方でしたね。

――盛り込みたい要素がいろいろあってそれをスマホのスケールに落とし込んでいく、そっちのほうがおもしろいゲームができそうですね。

堀内 そのとおりだと思います。

――話を戻しますが、『騎士ドラ』って武器にタイプやスキル、属性があって一見、すごく面倒くさそうに思えるんですが、ぜんぜん重くないんですよね。すごくわかりやすい形になっている。

吉川 属性やタイプを考えるときにモンスターに特徴をつけたいと考えていたんです。単純にパラメーターが高いだけではなくて、見た目で“カメは固いからハンマー”など、わかりやすい見た目でモンスターに特徴をつけて「うわ、ゴーレム出てきたわ」とか感情の浮き沈みが生まれる作りにしたかったんです。

――なるほどーーー!! ハンマー使いとか剣使いとか、武器に愛着を持ってプレイできるのも相当魅力的ですよね。一番特徴的だなと思ったのはSR武器がゴールド(ゲーム内通貨)で購入できること。これはどういう発想から生まれたのでしょうか?

吉川 ユーザー視点です。課金前提は嫌でしたので、時間はかかりますが、ゴールドを稼げば無課金でもSR武器を手に入れられるとなれば、ユーザーはうれしいですよねえ。最初、実はドラゴンハート(課金アイテム)でしか買えなかったのですが、それだけだとSR武器の価値がよくわからないかなと。ゴールドで買えるけど高額となれば、SR武器はすごい価値だなとわかりますし、ドラゴンハートで買えば時間を短縮できる。どちらを選ぶかはユーザーに任せる形にしたかったんです。

▲ゲーム内通貨のゴールドか課金アイテムのドラゴンハートを使ってレア装備を購入できる“ほりだしもの”。ラインナップは一定時間が経過すると変化する。

――無課金でもがんばれますっていう触れ込みのアプリは多いですが、プレイヤーから見ると、“結局は課金しないとだめなんでしょ”というあきらめの部分もでてくることがありますよね。ですけど、このシステムなら努力すれば確実に入手できるという、RPGの根本的な要素が体現できていると感じました。ただ、収益面を考えると課金させたほうがよいのではないですか? 副社長の堀内さんはその辺どうなんでしょうか?

堀内 最初はやめたほうがいいという話がありましたよ(笑)。でも、実施にプレイしてみると100万ゴールド集めるのは大変だなと。

吉川 それにいざ、100万持つと使えないもんなんですよ(笑)。

――あ、変なスキルがついたらどうしようとか(笑)。

堀内 そうですそうです(笑)。

――武器に実装されるスキルとかスロットの数はランダムですよね? なぜ固有差をつけようと思ったのですか?

吉川 単純にそっちのほうがおもしろいですよね。宝箱が虹色(レア確定)だったとしても、開けてみるまでスキルやスロット数がわからない。そのドキドキする要素が、欲しかったんです。

――そうなんですよ(笑)。SRがでてもスロットが少ないと、なぜかがっかりしちゃいますし(笑)。これが先ほど仰られた“感情の浮き沈み”のひとつですね。ですが、そうなるとバランス調整がすごく大変ではないですか?

吉川 バランスは壊して作ってを3ヶ月ぐらい繰り返していましたね。バランス調整をするには先にプログラマーに作ってくれっと言わないといけないので、それもあって余計にピリピリしていましたね。

――バランスは感覚ですか?

吉川 多少計算して作ってますが、最後は感覚です。

――あ、そうだ。これを聞きたかったんですが、新しい武器を手に入れたら、スロット数、スキル、レアリティのどれを重要視すればいいですか?

吉川 僕はスキルかスロットですね。

――やっぱりそうなんだー!(笑)

吉川 優先するのはスキルですが、スロットが少なかったらもう一度ガチャ回すかなって(笑)。スキルなら単体で必殺技が出せなかったとしても、メインやサブの組み合わせで必殺技が出せるので、攻略はできるかなと思います。

――さっき竜剣ドラグライドが手に入ったんですが、スロットがひとつなんですよね……。完全に外れですよね。

吉川 でもスキルがよければ!

――スキルはメガブレイクと2れんげきですね。

堀内 それはちょっといいかもしれないですよ。

吉川 2れんげきがついてるとちょっといいなと思いますね。

――スキル図鑑を見たら1本で必殺技が繰り出せる! これは当たりかも……(笑)。こういう話ができるのがおもしろいですよね~。雑魚武器という概念が生じにくいというか。レアリティがノーマルでもスロット8~9あったら育てる価値あるかなと思いますもんね。

吉川 スロット8でスキルがよかったら、売らないでおこうって自分でも思いますね。

――オススメのスキルがあったら教えてください。

吉川 武器によるのですけど、剣は剣でも性能が違うんです。会心率が高い場合には手数があったほうがいいので、3れんげきでガンガン攻撃できたほうがいいとか。ピヨ力が高いハンマーはピコンヒットというスキルで倍がけして戦うといいとか。一概には言えないですね。

戦闘について

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――バトル部分も独特ですよね。うまく敵の攻撃にあわせてガードすればAPが全回復できる”ミラクルガード”。あれって、ズバリ、モンスターによってタイミングが違って、モンスターから主人公の距離にも関係ありますよね?

吉川 全部統一です(笑)

――うそ!!!!!(笑)。うわーーー、偉そうに自分理論を語ってたわーーー(笑)。恥ずかしい。あれによって戦略は相当かわりますよね。

吉川 そうですね。あそこがプレイヤースキルを大いに発揮できるところですね。

――バトル終盤で気持ちが焦ると失敗しちゃったり……すごくメンタルに関わってくるというか……。

吉川 それは相当意識しましたね(笑)。

――『みんGOL』で1位をとったまま最終ホールを迎えるような緊張感があるんですよね……(笑)。

吉川 うちの天才プログラマー(堀内)が作ってますから(笑)。

装備強化の秘密

――話は変わるんですが、強化は同じ種類の武器を掛け合わせたほうが奇跡や大成功を起こしやすいんですか?

吉川 同じマジックの武器を掛け合わせると奇跡は起こりやすいですね。

――マジックか……。強化鉄は何なんですか?

吉川 あれは奇跡にならない代わりに大成功になりやすいんですよ。

――じつは素材とするものは、育てておいたほうが成功率上がるのでは?と思っているのですが……。

吉川 最初はそれも考えていたのですが、計算が面倒くさいと思いまして(笑)。僕が一番管理しやすい形にしました。あと+9にしてから素材にしないと強くならないというのは、ユーザーさんも面倒だと思いましたね。

――一度に合成できる素材が3つまでなのには理由があるんですか?

吉川 実は最初は5つだったんです。これもユーザー目線で考えたときに3つのほうが集めやすいですし、僕の計算もやりやすかったので3つにしました(笑)。やっぱり自分がユーザーになって考えたときにこれが一番無難かなと思いました。

――実際に作っている中で、ユーザー目線になって立ち返るというは、なかなか難しいのではないでしょうか?

吉川 自分で作ったものを自分で楽しみたかったんです。開発中に楽しいなと思う部分は残しますが、何も思わなかったら考え直すという感覚で積み上げてきました。

堀内 実際、社内のメンバーでドラゴンハートを使わずにプレイしてるのですが、いまだに開発メンバーがトップを走っていますね。

――作った人間がいちばん楽しんでいると(笑)。ヒットしているタイトルの開発者さんはみんな同じことを言ってるなあ。あと、おしごとの“ちょうさ”で出る隠しダンジョンは発明だと思いました。今までの方程式に乗っ取ると、運営側が意図したところに限定ダンジョンを入れるイメージがあったのですが、それをユーザーに委ねていますよね。

吉川 企画段階から時間を管理する仕組みを入れたいと思っていました。それは揺るがなかったです。もともと時間管理のゲームを3DSとかで昔から作りたくて、企画書も出していたんです。今回は、それを『騎士ドラ』に引っ張ってきました。

――温めてた企画が実ったんですね。もうひとつずっと気になっていたことがあるのですが、探索で出るミミックを倒せばSR武器は出ますか?

吉川 低い確率で出ます(笑)。もちろん攻略方法も色々ありまして、これを使えば余裕じゃんというのがあります。

――え!? そんな方法があるんですか!? ……でも言わないでくださいね、自分で探しますから! ところで、運営手動のゲリラ的なダンジョンはやらないのですか?

吉川 実はすでにゲリラダンジョンがありまして、1日に1時間だけ出るレアクエストがあります。まだほとんどの人が気づいていないですけど(笑)。

――気づいていないひとりです(笑)。ユーザーによって出てくる時間帯が違うのですか?

吉川 出身地によって出てくる時間帯が違いますね。

――そこで出身地が(笑)。

吉川 ほかにも何かしらの楽しいことがあるはずですよ。

今後の展開について

――新しいレアリティ、例えばSSR武器の実装などはあるのでしょうか?

吉川 今のところ予定はないですね。SSRが出る時というのは、ユーザーさんが全員SR+で強化も全部奇跡になっています、となったときに、入れる検討を始めるかもしれません。でも、その辺以外にもいま新しい遊びを開発中です。

――その新しい遊びというのは?

吉川 “にんむ”というシステムを導入しようと思っていまして、簡単に説明すると実績なのですが、ほかとは違います。週間任務で例えば、プチドラを1週間に100匹倒すとポイントがもらえて、ポイントを溜めるとご褒美がもらえるというシステムです。

堀内 普段倒さない敵でも“にんむ”対象になっていれば、そこに行く理由もできますし、ついでに武器でも取ってもらえればと思っています。

吉川 僕がテキストを全部書いているので、できれば見て欲しいというのもありますね(笑)

――敵の種族が増える可能性はありますか?

吉川 そうですね。そこら辺も来年の春ぐらいにはできるといいなと思っています。

――武器も増えるでしょう?(笑) 弓とか(笑)。

吉川 け、検討中です(笑)。

――ファミ通Appで攻略やらなにやらがっつりやらせていただきますので、引き続きよろしくお願いします!

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騎士とドラゴン

ジャンル
RPG
メーカー
リプレーション
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS5.1以降の対応機種、Android2.3.3以降の推奨端末

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