【注目アプリレビュー】『ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト』 歴代の有名キャラクターに出会う旅へ! 

2013-01-30 15:55 投稿

●ドット絵で描かれる、爽快タッチアクションRPGがここに!

スクウェア・エニックスよりAppStoreで配信されてからというもの、巷で大いに盛り上がっている『ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト』。本作は、『FF』シリーズを代表するキャラクターが総出演するタッチアクションRPG。昔ながらの戦闘画面上にズラリと並ぶキャラクターに触れるだけでモンスターに攻撃してくれるお手軽なゲームだ。もちろん、『FF』なので戦闘はアクティブタイムバトルを採用。タイムゲージが溜まったキャラクターに触れることで攻撃をくり出してくれるぞ。

今回は、本編の攻略から離れて、過去の『FF』シリーズの思い出に浸りながら、ゲームに登場するキャラクターについてご紹介。『ファイナルファンタジーVII』以降、ドットで描かれることがなくなったシリーズだが、今作ではクラウドやライトニングまでもがドットで再現されているのだ。クリアーまでは数日とシンプルだが、くり返し遊んで”ずかん”のコンプリートを目指すのも面白い。

なお、名を持つキャラクターは”プレミアムキャラ”として設定され、1キャラ=85円で入手可能。3種類あるワールドチケットを350円[税込]で購入することで、その世界に該当するモンスターに挑めるようになるのだ。

 

●当時の記憶を呼び起こす印象深き20人! 

各ステージに出現するモンスターの総数は決まっていて、エンカウントするたびにランダムで襲ってくる。そのなかには、出現率の低いレアなモンスターも用意されているのだ。

たとえばこの“No.7サポテンダー”

『FFVII』で初登場したモンスターで、コレルプリズンの砂漠に出現するサボテンダーにそっくりな存在だ。画面上に表記される”ボ”と”ポ”が読み取りにくく、当時は友人らと、どっちが本当なのか悩んでしまったことをよく覚えている。以降、このサポテンダーは『FFX』や『FFXIII』などにも登場。『FF零式』では”はり9999ぼん”という技で返り討ちにあったことは絶対に忘れない。

 

そんな『FF』シリーズ最初のラスボスがこの“No.9カオス”だ。

 

もちろん、登場する作品は『FF I』。地震という技でプレイヤーを壊滅状態に追いやる厄介な相手で、それを阻止するのに役立ったリボン(※1)の数も限りがあり、耐性を上げるなど試行錯誤しながら何度も挑んだあの日が懐かしい。たしか、レベル30前後でカオスに到達。そこまでの道中はさほど苦戦しなかったので安心していたら、まったく歯が立たずに呆然とさせられた記憶がある。その後、ジョブ編成によって戦況がガラっと変化するなど、いま思えば1作目からすでに『FFXI』(※2)における戦闘の原点がここにあったのかもしれない。

※1:『FF』シリーズに登場する防具。
※2:シリーズ初MMORPGのオンラインゲーム。今年でサービス開始11周年目を向かえる人気タイトル。

 

つづいて”No.16マジックポット”は『FF V』から登場するモンスター。

 

フェニックスの塔にある壷を調べると襲ってくるモンスターで、”エリクサーちょうだい”といいながら自身のHPを全回復されてしまう。エリクサーを渡すことでマジックポットは逃走するのだが、その数はランダムなのできりがない。”祝福のキッス”でバーサク状態するか、”みだれうち”で倒すのが定番となっていた。

 

そして有名な“No.17ギルガメッシュ”も『FF V』が初登場。

 

ラスボス、エクスデスの部下でありながら、どこか間抜けな性格が印象的な存在。刀剣のコレクターでもあるギルガメッシュは、エクスデスが主人公たちに仕掛けた罠(宝箱)から偽物の聖剣エクスカリパーを奪い、その駄目っぷりに呆れられて次元の狭間に飛ばされてしまうのだ。

 

次元の狭間に飛ばした張本人が、この“No.18エクスデス”

 

『FF V』のラスボスであり、ムーアの大森林にある大樹に宿った悪しき意思から生まれた暗黒魔道士。この暗黒魔道士は1000年前、賢者ギードに封じられるがその後復活。暁の4戦士(ガラフ、ケルガー、ゼザ、ドルガン)がクリスタルに封じる。その30年後から『FF V』の物語が始まるという設定だった。シドが開発したクリスタル増幅マシンがクリスタル崩壊を招き、暁の4戦士が封じた暗黒魔道士は解き放たれてしまい、第一世界ではタイクーン王に憑依。第二世界でギルガメッシュを率いて全クリスタルを砕いてそれらふたつの世界を合わせることで、1000年前に入手しようとした”無”のチカラを手にしてしまう。

この独創的な世界設定が当時子供だった自分には衝撃的で、RPGの楽しみを再確認させられた。あのときは難しくて理解できず、都合のいいように物語を理解しようと必死で、これもそのときの記憶。果たしてこれが正しいものなのか、改めて『FF V』をプレイしたくなる。

 

設定の奥深さがシリーズの魅力であるなかで、じつにシンプルな思想のもとに暗躍したラスボスがいる。それがこの“No.27こうてい”だ。

 

『FF II』のラスボスで、”世界征服”と誰も理解しやすい目的を掲げる。魔界から魔物を呼び起こして世界征服を企むパラメキア帝国の皇帝で、一度は倒されてしまうが、地獄で新たなパワーを身につけて復活。パンデモニウムという城を根城に大暴れするのだ。

 

さて、敵といえば定番なのが四天王
もちろん、このシリーズにもそんな存在がいる。うち2名がこの“No.39バルバリシア”と、”No.40ルビカンテ”だ。

 

『FF IV』に登場する相手でゴルベーザの配下にいる。徐々に石化する攻撃や、竜巻で身を隠すバルバリシアは風の使い手。追撃が難しく、竜騎士カインのジャンプでそれを解除しながら戦った。一方のルビカンテは炎を使う四天王。”かえんりゅう”が強力で何度かゲームオーバーになった苦い思い出もあるが、戦闘前にプレイヤーのHPを回復してくれることもあり、どこか憎めない存在でもある。バルバリシアが紅一点として印象強いのに対し、ルビカンテは赤の衣装と生脚が強烈な思い出でもある。

 

そして、彼ら四天王を率いるのが“No.41ゴルベーザ”

  

飛空艇部隊の隊長であり、全身暗黒の鎧で身を包む魔道士だ。じつは邪悪な月の民”ゼムス”によって操られていた存在で、『FF IV』の主人公セシルの実の兄。それを知ったゴルベーザはゼムスを倒そうと月に向かうが、ゼムスの残留思念ゼロムス(画像:右)に倒されてしまうシーンが印象深い。兄弟が経験する永遠の別れと運命、それらが展開するストーリー性などから、いまも『FF IV』の人気はとても高い。なお、このゼロムスも今作ではボスとして登場する。肉体を滅ぼされてしまったゼムスの憎しみがカタチとなて蘇った姿はとても禍々しく、これぞ『FF』と思わせるグラフィックだ。

 

さて、ここからは『FF VI』に関するモンスターの話。まずは、“No.51オルトロス”と、“No.52テュポーン”

  

ギリシャ神話だと双頭の犬だが、タコの姿で登場するオルトロス。そんなオルトロスに「先生」と呼ばれているのがテュポーンだ。オルトロスの話す変な方言が特徴的で、計4回ほどリベンジのために登場する。一見すると弱そうだが、全体攻撃の大津波を食らえば、全滅する可能性も高く、けっして油断しちゃいけない相手。一方のテュポーンといえば、”鼻息”という技を食らうと画面の外に飛ばされた思い出ばかり。魔大陸に突入するときに彼らと戦うことになるが、その後もコロシアムで再会することもできる。その強さは初見とは大きく異なり、倒すのはとても困難な相手だった。

 

こちら“No.84ねむれるしし”は通常モンスター内でもっと凶悪な存在。

 

魔法修練値をたくさんもらえるため、くり返し倒すプレイヤーも多かったはずだが、メテオに焼かれて苦労した経験を持つひとも少なくはないだろう。今作でも入手できる経験値が少し多いように感じるのは偶然なのだろうか?

 

“No.53ケフカ”は『FF VI』のラスボス。

名前を知らずともこの道化師の格好だけは覚えているプレイヤーも多いはず。ガストラ帝国、皇帝直属の初期型人造魔導士であり、とても残虐な存在。数多くの侵攻作戦を行って虐殺をくり返している。ストーリー上では3回の戦闘があり、最終戦では崩壊した世界の神として襲ってくるのだ。人工的に魔導の力を注入されて心が壊れてしまい、ひたすら破壊を求めて行動する。ケフカは物語の中盤では同僚の将軍や、主であるガストラ皇帝も手にかけ、三闘神の力を暴走させて世界を崩壊させてしまうのだが、ワールドマップまで変わってしまう崩壊後の世界に驚いたプレイヤーも多いのではないだろうか。

 

魔道士が多く関わるのもシリーズの特徴で、“No.63まどうしハイン”の存在はとても古く、『FF III』で登場している。

 

アーガスの神官だったハインは、邪悪な力に取り付かれて豹変してしまう。”バリアチェンジ”をはじめて使ったキャラクターであり、当時はその対処法が分からず大いに苦しめられた。アタッカーばかりの編成だと持久戦になってしまうので、学者を編成に入れ、”みやぶる”で弱点属性を確認しながらの戦闘が鉄則となった。

 

こちらは『FF III』のラスボス、“No.64くらやみのくも”

 

当時のプレイヤーにとって多くのトラウマを与える存在。セーブができない、長く険しいラストダンジョン内で4体の強敵を討ち、そのさきで出会うラスボスなのだ。もちろん負ければダンジョンの手前からという過酷な試練。いまのその道のりの長さは語り継がれている。経験者は必ず愚痴を言いたくなる思い出ではあるが、その分、忍耐力を鍛えられたと感じるのは自分だけではないはずだ。しかし、”波動砲”しか使わず、それ自体をプロテスで軽減できたことから、倒すのはさほど難しい相手でもない。

 

道のりが永いモンスターに対して、こちら“No.73デスゲイズ”はランダム。

 

つまり、エンカウントするかどうかは運次第という存在だ。『FF VI』のストーリー後半、世界崩壊後に飛空艇で移動中に遭遇。戦闘開始と同時に”レベル5デス”を使うので、未然に防ぐためレベル調整をするプレイヤーも多かったはず。一定のダメージを与えると逃げてしまうが、体力が回復することはないので根気よく挑んでいればいずれ倒せる。これを倒すことで”魔石バハムート”が入手できるのが最大の魅力だった。

 

後期シリーズでは多く登場する“No.74アルテマウェポン”

 

初登場となったのは『FF VI』で、魔大陸の時代から存在している作られた魔獣。クエイクやフレアなど多くの高位魔法を詠唱する難敵で、当時は”バニシュデス”なる手法(当時で言う裏技)で倒すプレイヤーも多かった。そんな手法まで使いたくなるほどプレイヤーを追い込んだアルテマウェポンはそれ以降、登場するシリーズにおいて、撃破が困難な壁という印象が強く、その都度プレイヤーは手に汗握るバトルを経験することとなる。

 

撃破が困難といえばこちら、“No.82しんりゅう”もそうだ。

 

『FF V』が初で以降、多くのシリーズに登場。最強の武器”ラグナロク”を護る存在であり、宝箱を開けると襲ってくるため、それを知らずに開けて惨敗してしまったことが今も忘れられない。”タイダルウェイブ”という強力な技に対処するためには装備やアビリティをしっかり使いこなすことが必要不可欠。これも『FF』らしさを前面に出した面白いバトルだった。なお、この”しんりゅう”をきっかけに、怪しい宝箱があるときは念のため身支度を整えてから開ける慎重なプレイが多くなったぞ。

 

そして最後は『FF IV』に登場する“No.85デモンズウォール”

 

封印の洞窟にあるクリスタルを入手すると動き出し、プレイヤーを押しつぶそうとする相手。”クラッシュダウン”を食らうと即死するため、ヘイストやスロウを使って速攻で倒さなければならない。これを撃破後、発生する悲しいイベントは衝撃的で、いまなお、そのシーンを思い出すとちょっと涙が出てしまうのだ。

『FF』という長い歴史を刻んでいるシリーズだけあって、当時のグラフィックを見ているだけで十分楽しめる。つい、熱くなってたくさん語ってしまった。今作はRPGとは大きく異なる作りではあるが、”ずかん”に登録しながら遊ぶ要素、登場するモンスターそれぞれに特定のドロップアイテムが用意されているので、それらをコンプリートしながら、各説明文を読んで懐かしむツールとして遊んでいるぞ。

 

●プレミアムキャラクターとワールドチケットで広がる世界!

すでに気になっているひとも多いと思いますが、もちろん『FF VII』以降のキャラクターもバッチリ登場する。それがプレミアムキャラとワールドチケットだ。ここに該当するのは、名前が設定されているプレイヤーキャラクターたち。クラウドやティーダなどがこれに含まれる。また、ワールドチケットで拡張できるのは、『FF VII』、『FF X』、『FFXIII』の3つ。各作品に関係するモンスターが登場するのはもちろん、対するボスに挑むことが出来るのだ。ワールドに関しては任意で好きなものが購入できるが、プレミアムキャラクターはランダムで、何が出るかは運次第。

 

最初に出てきたのは“No.11クラウド(FF VII)”。つぎに“No.23アーロン(FFX)”“No.27バルフレア(FF XII)”が出た。

 

個人的にはエアリスユウナティファなどがほしかっただけに、ちょっとテンションが下がってしまったが、女性ファンなら大喜びに引きだと思う。これらキャラクターが使う技はもちろんゲーム内同様。それをドットで描いているのだから見ているだけで楽しいし、課金しているだけあってとにかく強いのはうれしい。現在、18人分課金を行い、ユウナとティファはゲット。”ずかん”を見る限り、No.13がエアリスなのだがそこはいまだシルエットのまま。どこまで焦らされるのかとやきもきしながら、もう少し頑張ってみるつもりだ。

つづいてワールドチケットはすべて購入。当然のことながら、BGMはシリーズ同様のものを聴くことができるのだが、驚いたのはセフィロス戦のBGM『片翼の天使』までもが再現されている点だ。セフィロスの名もちゃんとコーラスで入っているので、これはぜひ聴いてもらいたい。

いずれ、またこうして書く機会があれば、とくに『FF VII』以降CGで描かれるようになったキャラクターたちを愛らしくドットで再現した姿をみなさんに紹介したいくらいだ。くり返しになるが、今作はゲームとしてではなく、『FF』シリーズを懐かしむツールとして遊んでもらえると十分な価値のある作品だと思う。

モンスターについての解説も要チェックポイント。具体的なコメントはないのだけど、思わずツッコミを入れたくなるものが多い。これも、プレイした経験のあるひとなら、「そうそう」と思うわず頷いてしまう内容が詰まっているぞ。(深津庵)

 

※現在はAndroid版も配信されています。

FINAL FANTASY ALL THE BRAVEST

メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
350円[税込]
対応機種
iPhone / iPod Touch / iPad (iOS 4.3以降、GameCenter対応)
備考
プレミアムキャラクター 85円[税込]
追加ワールド 350円[税込]

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