【注目アプリレビュー】新感覚の癒し系(?)アクションアドベンチャー『スキムス』

2012-11-26 12:11 投稿

●これを知らずしてゲーマーを語るなかれ!

これまでも話題作として何度か取り上げてきた『スキタイのムスメ:音響的冒険劇(ユニバーサルバージョン)』。本作は、北米欧州でベスト携帯ゲームやサウンドトラック・オブ・ジ・イヤーなど、数多くのゲーム賞を受賞した冒険活劇アクションアドベンチャー『Superbrothers: Sword & Sworcery EP』の日本語ローカライズ版だ。その叙情的なサウンドとビジュアルに彩られた世界観は、ゲームの枠を越えた芸術作品と呼べる出来映え。いまからでも決して遅くないので、『スキムス』の愛称で親しまれる本作を体験してみよう。

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●ノスタルジックな世界を自分なりに楽しむ

ときは青銅器時代、場所は山岳地帯のある荒れた土地。プレイヤーはスキタイ族のムスメを導き、幻想的な世界の住人たちから情報を集め、立ちふさがる魔物を倒し、最終的な使命を果たすことが目的となる。これだけ聞いてもピンと来ないとは思うが、ゲーム中に語られる内容もストーリーの断片のみ。これらをもとに想像力を働かせ、アレコレ試行錯誤しながらプレイするのが、本作における正しい楽しみ方と言っても過言ではない。それゆえ、できれば一切の予備知識なしで遊んでほしいところなのだが、ここではレビューということで基本的なゲームの流れを解説。多少のネタバレを含むことをご容赦いただきたい。

▲本作のストーリーテラーは紳士風の姿で現れるアーキタイプ。プレイヤーは“タマシイの重大疾患”に関する臨床研究に参加するといった設定だ。セッションの幕間などに登場し、不思議な世界の中で戸惑うプレイヤーを導く案内役ともなっている。

●剣と魔法を駆使して謎を解き明かせ!

“冒険活劇アクションアドベンチャー”と銘打たれている本作は、3つのゲームパートで構成されている。まずベースとなる“アドベンチャーパート”では、進みたい場所をダブルタップ(またはタップ&ホールド)するとキャラクターを移動可能。登場人物に話しかけたり、オブジェクトを調べたりする場合も、対象をダブルタップすればオーケーだ。指先ひとつで感覚的にキャラクターを動かせるため、細かなゲーム操作が苦手な人でも問題なし。とりあえず気になるところは触ってみるといい。

▲基本となるアドベンチャーパートでは、タップ&スライドによる画面の拡大&縮小と視点移動も可能。通常視点だと見逃しやすい仕掛けなどもあるので要注意! また、効果音がヒントになっている場合も多いのでイヤフォン使用のプレイが推奨だ。

▲画面右上のアイコンをタップすることで、耐久力や持ち物をまとめたウィンドウを開くことが可能。“絶世の大書”の入手後にタップ~端末を縦持ちに切り替えれば、ゲームの進行状況や主要人物たちのメッセージを過去ログとして確認できたりする。

原題『Sword & Sworcery』にある通り、本作では剣と魔法を使ったアクションが謎を解く鍵。具体的には魔物と遭遇した際、端末を縦持ちにすることで“バトルパート”へと移行する。このパートでは、画面右下に表示された“盾アイコン”のタップで防御、“剣アイコン”をタップで攻撃できる。魔物の攻撃を防御で避けながら、チャンスを待って攻撃をたたき込んでいこう。

▲魔物がスキタイのムスメに接近すると、画面上に端末を立てるよう指示アイコンが出る仕組み。上部に表示された★マークは体力を示しており、ダメージを受けることで減少。ちなみに体力は防御姿勢を取り続ければ、一定時間で回復しはじめる。

 

さらに“絶世の大書”の入手後であれば、スキタイのムスメをタップ&ホールドすることで“ソーサリーパート”へと移行。キャラクターが詠唱中の待機状態となり、背景部分をタップすることで世界へ働きかける魔法を行使できる。基本的に魔法は“森の精”を呼び出すために使うモノだが、特定条件をそろえた際の“奇跡”を起こすためにも必要不可欠な存在。魔法発動には個別の操作条件が設定されているので、いろいろな場所をタップして触ってみよう。ちなみに筆者も悩んだ“奇跡”の起こし方については、背景ビジュアルにヒントが隠されている。“片手だと操作しづらい”というのが共通ルールなので、諦めずに考えてみよう。

▲“森の精”が隠れているポイントを見つけたら、ホールドし続けることで魔法を発動。端末をアレコレ操作してみると……反応が返ってくる場所があるハズ。そこに隠されている操作条件をクリアーできれば、“森の精”の呼び出しが成功となる。

▲“奇跡”の発生が告知された場所でも、同じように魔法を発動すればオーケー。ただし、“森の精”とは操作条件のルールが違っている点に注意! メッセージログのヒントをよく読んで、怪しいポイントに気づけば……あとは“奇跡”を起こすだけだ。

●ゲームというよりも絵本のような作品

本作は“セッション”で区切られたショートストーリー仕立てで、物語が進むごとに謎も深まっていく。とはいえ、序盤のセッションがチュートリアルも兼ねているので、これまでに解説した操作方法と魔法のルールを覚えれば、ゲームの難易度は決して高くない。古くは『ゼルダの伝説』や『メトロイド』、近年では『ICO』や『ワンダと巨像』といった名作へのオマージュと感じられる要素が散りばめられている本作。そこには目と耳で体感し、実際に触れながら読み進めていく絵本のような温かさが込められている。どこか神秘的な雰囲気の箱庭世界に魅力を感じられたなら、その手にとってノスタルジックな世界へ冒険に出てほしい。

▲プレイヤーの導きに従って、月の満ち欠けに影響される現実と夢の世界を旅するスキタイのムスメ。彼女の身に課せられた“使命”と、それを達成したときに訪れる結末とは? どこか懐かしい郷愁が漂う世界の中、答えを見つける旅に出かけよう。

スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(ユニバーサルバージョン)

メーカー
Capybara Games Inc.
配信日
配信中
価格
450円[税込]
対応機種
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.3 以降が必要 iPhone 5 用に最適化済み

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