【現在5位】『マックス・ペイン モバイル』ロックスター・ゲームスが贈るハードボイルド復讐劇の原点を体感せよ

2012-04-20 16:31 投稿

●価格も安いからな~

ロックスター・ゲームスから配信中のiPhone向けアクションゲーム『マックス・ペイン モバイル』が、2012年4月20日現在App Storeのゲームカテゴリーの有料ランキングでは5位、有料総合でも25位をキープしている。本作以外で25位以内にランクインしているゲームアプリは2本で、うち1本はセール中のアプリということを考えると、これはかなりの大健闘と言えるのではないだろうか。しかもユーザー評価は★4つ半。そこでここでは序盤インプレッションを執筆した本誌ライター氏家雅紀がさらにゲームをやり込み、本作の魅力をたっぷり語る。


●『マックス・ペイン』とは?

本作は2001年にPCで登場し、その後もさまざまなゲーム機に移植されたシネマティック・アクションのパイオニア『マックス・ペイン』のモバイル版だ。4月12日のiOS版に続いて、4月26日にはAndroid版も配信予定。また、シリーズ最新作『マックス・ペイン3』(PS3/Xbox 360)の発売日が2012年9月6日と発表され、『マックス・ペイン』シリーズの注目度は世界的に高まっている。最新作に興味のある人もそうでない人も、このiOS版でシリーズ独自のハードボイルドな世界観と、興奮に満ちたゲームプレイを味わってみてほしい。

▲PC、PS2、Xbox、ゲームボーイに登場しているが、国内販売されたのはPCとPS2のみ。映画的な演出を取り入れたシステムが話題に。

プレイヤーが操る主人公マックス・ペインは、ニューヨーク市警に勤める麻薬捜査官。ある日彼が仕事から帰ると、新たにニューヨークに蔓延し始めていた薬物“Valkyr(ヴァルキア)”の中毒者によって、妻と生後間もない娘が殺害されていた。この事件はマックスの心に深い傷痕を残し、その後のシリーズ作品でも大きなテーマとなっていく。彼は妻子のために復讐を誓い、Valkyrの利権をむさぼるマフィアたちに単身戦いを挑むことになるのだ。しかし戦いのさなかに親友も殺され、さらにその罪を着させられてしまい、マックスはマフィアだけでなく警察関係者からも追われる身となってしまう。必死に逃げ延びて無実を証明すること、マフィアを追い詰めて復讐を遂げることがゲームの目的になる。シナリオは大きく以下の3パートに分かれ、各パートはプロローグ+8つのチャプターで構成されている。つまり、合計で27チャプターだ。

・PartⅠ:アメリカンドリーム
・PartⅡ:凍てつく日
・PartⅢ:天国への階段

▲PC版が発売された2001年が舞台。PartⅠが始まった時点で事件からすでに3年が経過しており、マックスの回想シーンを追体験していく形でゲームが始まる。

●本作独自のシステムを把握せよ!

マックスの日常は死と隣り合わせだ。あらゆる場所で、あらゆる敵が彼の命を狙っている。だが悪党の命は軽く、復讐の鬼と化したマックスの敵ではない。スタイリッシュに戦うことに重きを置いた銃撃戦は爽快感満点で、本作独自の要素を紹介していこう。

・バレットタイム&シュートドッジ
バレットタイムは時間の流れを遅くする、本作を象徴するシステム。スローモーション中は銃弾のコースが見えるようになり、相手の攻撃をかわしながら正確に狙い撃てる。シュートドッジは走りながらバレットタイムを出すことで行える、任意の方向にジャンプしながらの銃撃だ。どちらも体力の横にある砂時計のゲージを消費して使用し、このゲージは敵を倒すと回復する。

▲敵が視界に入ったらすぐにバレットタイムを使えば致命傷は受けにくい。発動中に再度ボタンをタッチすれば任意にやめられる。これを駆使して華麗に敵をなぎ倒せ。

・コミックスフレーム
チャプターのあいだに挿入されるエピソードや、メモを調べたり、電話に出たり、テレビをつけたりした際に挿入されるカットシーンは、漫画のようなスタイルを採用。声優陣の熱演もあいまって、ストーリーがよりわかりやすく展開する。これを見ているだけでも、作品世界にぐいぐい引き込まれるはず!

▲ときにはアメリカンジョークを交え、マックスを始めとする登場人物の感情が豊かに表現されている。いま改めてみると、むしろ新鮮に映る。

・ペインキラー
マックスが服用している鎮痛剤のこと。スクリーンの左上にある、人型の体力ゲージをダブルタップすると使用でき、体力を回復する。最大で8個まで所持できる。

▲ペインキラーはさまざまな場所に置かれている。いくらストックがあっても体力が0になるとゲームオーバーなので、早めに使うのがベター。

・フィニッシュカメラ
エリアに出現する最後の敵を倒すと、敵が吹き飛びながらスローモーションで吹き飛んでいく。これによって爽快感と達成感を得られるとともに、敵をせん滅して安全な状況になったこともわかる。

▲フィニッシュカメラの演出が入るとホッとひと安心。周りに敵はもういないので、安全に探索できる。

●シネマティック・アクションの真髄がここにある

マックスの操作は、スクリーンをタッチすると現れるふたつのタッチレバーで移動とカメラ操作を行い、配置されたアイコンで攻撃、バレットタイム、ジャンプを行う。もちろん、左右のタッチレバーの入れ替えやカメラ操作の反転、アイコンの位置は任意に調節可能だ。トップメニューにある“タッチボタン調節”や“オプション”を選び、利き腕やストロークに合わせて自分好みにカスタマイズしよう。

▲初期配置に違和感を感じたら、タッチボタン調節でボタンの位置を調整。また、オプションでは照準の動きや視点モード、明るさなどを設定できる。かゆいところに手が届く作り。

ひとつ気になったのは、本作にはビルの上や地下鉄のホームなど、落下すると即ゲームオーバーになるポイントがけっこうあることだ。チャプターが進むと走行する電車に飛び乗ったり、靴幅ほどしかない梁をジグザグに歩くような、シビアなシーンが増えてくる。人にもよるだろうが、タッチパネルでの操作はコントローラやキーボードに比べるとやや精度に欠ける印象で、慣れるまでは落下死が多くなるかもしれない。とはいえ、どこでもセーブが可能なため少し進んでセーブ、をくり返せば確実に進めるし、地形の端に行くだけでは落下しないようにブレーキがかかる場所もある。最初のうちはストレスを感じるかもしれないが、過度の心配は無用だ。
また、タイトル画面で選べるメニューのひとつに“チート”がある。チートとは改造等の“ズル”を意味する言葉だが、英語圏内では“裏技”的な意味でも使われ、隠しコマンドのことをチートコードと呼んだりもする。これを選ぶと、好きなチャプターからゲームを始められるので、行き詰ったら飛ばして進むのもアリ!

▲高所恐怖症の人は、思わず身がすくんでしまうようなシーンも。どうしても落下してしまうポイントがあったら、セーブを駆使して突破しよう。

▲チートの項目は、タイトル画面で表示されるメニューのいちばん上にある。なかなか進めないときは、これで未体験のパートやチャプターで遊んでみるといい。

先に進むためにはある程度のトライ&エラーは必要なので、その点では『マックス・ペイン モバイル』は“ゲームらしいゲーム”の典型である。ただ、バレットタイムのおかげで戦闘の難度は低めで、謎解きに関しても行き詰ってしまうほど難解なものはほとんどない。現在の親切なゲームに比べると、マップやルートマーカーがないため道に迷いやすいことと、先述の落下死が多いことは若干ストレスを感じるかもしれないが、緻密に構築された世界の実在感やアクションの爽快感は大きな魅力で、シリアスなストーリーも求心力が高い。コミックスフレームの解像度やポリゴンの造形は、もちろん現在のハイエンド機に比べれば見劣りするが、11年も前のゲームとは思えないほど完成度の高い作品だ、これが250円で遊べるのは本当に破格! 洋ゲー好きのカリスマであるだけでなく、一般ユーザーにも広くその名が知られるようになったロックスター・ゲームス。その黎明期に生み出された本作で、シネマティック・アクションの原点を体験してみてはいかがだろうか。(氏家雅紀[TRISTAR])

 

マックス・ペイン モバイル

メーカー
ロックスター・ゲームス
配信日
配信中
価格
250円[税込]
対応機種
iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、およびiPad に対応。iOS 4.2 以降が必要

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