『ブレイブ フロンティア』×『GUILTY GEAR Xrd REV 2』コラボ開始! ソル=バッドガイ、カイ=キスクなどが登場
2017-09-28 18:43
2023-07-03 12:00 投稿
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ブレイブ フロンティア
2013年7月3日にサービスインし、美しいドット絵、練り込まれたストーリー、そしてスマホのインターフェースを巧みに利用した操作系統が話題となって、一気に人気アプリへと駆け上ったエイリムの『ブレイブ フロンティア』(ブレフロ)シリーズ。
ゲーム内容がすばらしかったのはもちろんだが、開発者が登場しての公式放送やファンを招いてのリアルイベントなど、それまでのゲーム業界にはほとんどなかった斬新な企画を打ち出して、スマホアプリ業界をけん引する役割も担っていた稀有なコンテンツである。
そんな『ブレフロ』のサービスが終了してから、早くも1年の月日が流れた。そして、2023年7月3日は『ブレフロ』の生誕10周年の節目でもある--。
ということで今回は、『ブレフロ』シリーズの高橋英士プロデューサーと公私ともに親しい大塚角満が、10周年のいまだから語れるあらゆることを超ロングインタビューで突っ込みまくり!!
『ブレフロ』の開発秘話、サービス終了の理由、そして“クリエイター高橋英士”の今後のプランなどなど、2時間にわたって語ってもらったぞ!!
『ブレフロ』ファンはもちろんのこと、ゲームというものに興味がある人すべてに刺さる内容になっているので、ぜひぜひ読んでみてくださいな!!
(聞き手・文:大塚角満)
かおりんご(ブレフロ広報) ちょっと……緊張しますね。角満さんにこうやってインタビューしていただくのって、じつは初めてなので。
高橋 あ、初めてでしたっけ!? コラムで書いてもらったりしているので、まったくそんな気はしていませんでしたけど。
かおりんご それを、まさかサービスが終了してから1年が経過したタイミングで書いていただけるなんて、本当にありがたいです。
高橋 まさに。サービスは終了しましたけど、『ブレイブ フロンティア』はこの7月でちょうど10年の節目ですので。本日はよろしくお願いいたします。
大塚 こちらこそ、よろしくお願いします! 今回のインタビュー、ポイントはまさにそこにあると思っていて。なかなかないじゃないですか。サービスが10年近くも続きながらも、惜しまれつつ終了してしまったコンテンツについてお話しいただける機会って。というのも、やっぱりちょっとタブー視される傾向にあるし。
高橋 ああ、そうですね。運営的にもユーザーさんの感情などを考えると、終了した直後だとなかなか話せないと思います。
大塚 『ブレフロ』は2022年4月末にサービスを終了しました。それから1年が経過したいまだからこそ、いろいろな部分を掘り下げさせていただきたいなと思います!
高橋 はい! なんでも聞いてください。
大塚 今回は、『ブレフロ』がどうやって作られたのかを振り返ってもらいつつ、運営中の思い出話、失敗談、そしてなぜサービス終了を選択することになったのか……という深い部分もお話いただければなと思っております。
高橋 わかりました!!
大塚 ではさっそく、『ブレフロ』の立ち上げはいつごろになりますか?
高橋 作り始めたのは2011年の暮れ……12月ですね。東日本大震災があった年ですが、そのころ僕はまだジー・モードという携帯電話向けのゲームを作る会社でプログラマーをやっていて、『テトリス』とかを作っていたんです。
そのころの同僚だった早貸久敏(『ブレフロ』の総監督)が“ウィルアーク”という会社を立ち上げていて、そこに移籍したのが2011年11月。いまもエイリムの取締役をしている杉山浩と3人で「スマホ向けのゲームを作ろう」と話し始めたのが12月で、それが『ブレフロ』の走りになります。
大塚 2011年だと、ようやくiPhoneが欲しい人の手に渡り始めて、スマホというものが市場の主流になりつつあった年ですね。
高橋 そうなんです。とはいえゲームアプリはまだまだWebベースで、スマホネイティブのアプリはほとんどありませんでした。あったとしても売り切りで1000円とかの世界で、それでも採算は取れない……という話を聞いていた時代です。それが、ちょうど2011年ごろにAppleが追加課金のシステムを導入して、アプリ内課金ができるようになったんです。
大塚 “基本プレイ無料”というアプリが出始めるタイミングですね。
高橋 まさに。そこで我々も、得意のドット絵を活かしたネイティブのアプリを作ろうと決めて、開発を始めるんです。でもウィルアーク自体の風向きが2012年半ばくらいに変わってきて、最終的にgumiという会社といっしょに運営していくことになりました。
大塚 そこで誕生したのが、株式会社エイリム。
高橋 はい、おっしゃる通りです。
大塚 3人で立ち上げた『ブレフロ』ですけど、その当時から『ブレイブ フロンティア』という名称だったんですか?
高橋 そうです! というのも、当時ウィルアークでいちばん売れていたゲームが『女神フロンティア』というタイトルで、そこから、「タイトルの後ろは“フロンティア”でいいんじゃない?」と(笑)。
さらに、「RPGっぽい単語を頭につけよう」ということになり、わりと軽く「“ブレイブ”ってRPGに合わない?」という意見が出て、「じゃあ『ブレイブ フロンティア』だな!」となりました。あまりにもあっさり決まってしまうのもアレだったので、とりあえず(仮)を付けていましたけど(笑)。
大塚 あはは! 思いのほか軽いですね!!
高橋 そうなんですよー。途中で一度、「『ブレイブ アーク』にしない?」なんてアイデアも出たんですけど、けっきょく「『ブレイブ フロンティア』でいいよ」と……。
大塚 名称とともに、ゲームのシステムも2011年12月の段階である程度は固まっていたんですか?
高橋 いや! 決まっていたのは、ドット絵、RPG、ネイティブで……という3点だけです。
スマホで作る初めての作品だったので、自分たちがいちばん得意なものを作ろう……という流れですね。まあでも、本当に初めてだったので、内容以前に開発用のソフトは何を使うか……っていう研究から入りましたけど。
大塚 黎明期っぽい話だなーーー。
高橋 そもそも、当時はWindows環境でゲームを作ることがほとんどだったので、Macは触ったことすらありませんでした。
でも、そのころからスマホと言えばiPhoneと言われていたので、『ブレフロ』もまずはiOSでいこうと。すぐにMacを買ってきて、「よくわからんなあ」なんて言いながら使い始めました。
大塚 へーーー!!
高橋 よかったのは、僕も杉山も早貸もエンジニア出身だったことです。ツールの話とか、直でできたことは大きかったと思います。加えて、世界観を書いたりすることも好きなメンバーだったので、それこそ「ひとりで全部作ってやる」ってくらいの勢いで仕事をしていたと思います。
大塚 ファミコン時代の開発環境みたいですね。
高橋 近いですね! そもそも僕ら、携帯用アプリを作っていたときからそんな感じだったんです。
メインプログラマーひとり、グラフィッカーひとり、プランナーひとり……みたいな、最小単位の開発環境ですね。とはいえ、開発が進んでくるとさすがにそういうわけにもいかず、プランナーとして岩渕貴史が入り、サーバーも作らなきゃいけないので僕の知り合いを呼んできて……と、徐々にメンバーは増えていきました。
大塚 うんうん。
高橋 そして……いまだから話せますけど、『パズドラ』(※2012年2月20日よりガンホー・オンライン・エンターテイメントから配信されている『パズル&ドラゴンズ』のこと)の開発者に知り合いがいて、いろいろと教えてもらったことが大きかったです。
大塚 なるほどなるほど。
高橋 旧知のドッターさんに“ヴァルガス”を作ってもらったのですが、それを見た他のドッターたちも方向性を理解してくれて、そこから一気に開発が進んでいきました。
大塚 2011年12月から開発が始まった……ということですけど、その数ヵ月後の2012年2月に『パズドラ』のiOS版が配信開始になるじゃないですか。
大塚 『パズドラ』を見た当時、どんな感じだったんですか?
高橋 もうね……衝撃を受けて。そのクオリティーはもちろんなんですけど、「やっぱり、同じようなことを考えていた人がいたんだな!」という衝撃です。
大塚 あー! ネイティブでアプリを作っている、という……!
高橋 そうですそうです。「同じ想いを抱いているクリエイター、ほかにもいたんだな!」と驚くと同時に、そりゃあいるよなとも感じたんですけどね。
しかも、先ほど言ったようにとてつもなくよくできているゲームだったんですよ。フルネイティブで、スマホのインターフェースを活用したパズルで……。
『パズドラ』があまりにも見事なゲームだったがために、最初は僕ら、ふつうのRPGを作ろうとしていたんですけど、それに引っ張られて『ブレフロ』の初期型はパズルっぽいものになりかけましたから。
大塚 なんと! それほど影響を受けたんですね!
高橋 いくつかパズルっぽい案を考えて、その中のひとつにソリティアを利用したものもあったんです。ソリティアっぽく数を揃えると連動してキャラが攻撃する……って感じの。
杉山が1週間くらいでプロトタイプを作ってみんなで遊んでみたんですけど、あるとき、「……これ、違うよね??」って急に冷静になって(苦笑)。「いかんいかん! 『パズドラ』に引っ張られて変なほうに行こうとしてる!!」となって、軌道修正することにしました(笑)。
大塚 おもしろいなあ。
高橋 そこから原点に返って開発を進めていって、早貸が『ヴァルキリープロファイル』(※1999年12月22日にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたプレイステーション用ソフト)のファンだったこともあって、自分の操作に合わせてキャラがバッと動く……というものを作りたいと言って、ボタンタップの操作と、キャラのモーションや着弾までのタイミングが違うことを活かして“スパーク”のシステムを考えていくんです。
大塚 『パズドラ』とはまた違う、独特の気持ちよさですもんね、『ブレフロ』の操作系って。
高橋 そういう意味では、『パズドラ』が出ていなかったらそういう試行錯誤も生まれなかったと思います。触って気持ちいいとか、直感的に動いてくれる……という特大のヒントを与えてくれたのは間違いなく『パズドラ』でした。
大塚 しかも、スマホのゲーム市場をドカンと一気に上に押し上げたじゃないですか。
高橋 そうなんです! 僕ら業界の人間からすると、“パズドラ前”、“パズドラ後”って完全に違う時代なんですよね。ゲームの歴史のターニングポイントです。パズドラ後でモノの見方が変わり、僕らはそこから1年数ヵ月後にようやく『ブレフロ』のリリースに至るんです。
大塚 そのころって、いま思うとめちゃくちゃ楽しい時代でしたよね。みんな答えがわからないままワチャワチャといろんなことに手を出したり、作ったりしていた時代というか。
高橋 そうなんですよねー! 小さなアイデアひとつで、いろいろなモノが生まれていた数年間でした。
大塚 『ブレフロ』もそのひとつだと思いますけど、いまのお話を聞いていると、こういうシステムでこういったゲーム性で……という土台がバシっと決まった状態で開発を始めた……というわけではなかったんですね。いろいろと試しながら積み上げた結果、『ブレフロ』の形になった感じで。
高橋 おっしゃる通りで、クラッシュ&ビルドのくり返しです。
大塚 そんな中、「これはイケる!」と思った瞬間は?
高橋 ……いや! なかったかもしれません。とにかく形にして世に出そう、という気持ちは強かったですけど、「これは売れる!」とか、ついぞ思わなかったと思います。
大塚 ああ、そうなんですね。
高橋 ただひとつ、これからはスマホ向けにフルネイティブのゲームがバンバン出てくる時代だと確信していたので、それに先んじてこれだけ動くゲームを出せたことは、大きなアドバンテージになったとは思いました。
大塚 はい。
高橋 『ブレフロ』のサービスが始まって、収支的にもいい感じのスタートが切れたとわかったとき、たまたま早貸とビルのエレベーターでいっしょになったことがあるんです。
ふたりで無言で乗り込んで、扉が閉まった瞬間に……「よかったなぁ~~~~~!!」と(笑)。
大塚 おおお!! いいなあ、そういうの!
高橋 首の皮1枚つながったなぁ~~~……と話して。やっぱり、ギリギリではあったんです。会社を移動して『ブレフロ』を作って、もしもうまくいかなかったらどうすっかね……と話していたんでね。
当時35か36歳で、クリエイターとしても転機に差し掛かるタイミングだったので、「とりあえずよかった!」となりました。
大塚 でも、いま思うと『ブレフロ』が出たの、早かったですよ。業界的に。
高橋 あ、それは思います! 『パズドラ』を除けば、フルネイティブアプリの最速組に入るんじゃないかな。
同じ月の後半に『チェインクロニクル』(※2013年7月26日よりセガ(旧セガネットワークス)から配信されているスマホ向けアプリ)が出て、その年の秋に『モンスターストライク』(※2013年10月10日よりMIXIから配信されているスマホ向けアプリ)が出ると。……まあ『モンスト』は2ヵ月くらいしたら、背中も見えなくなりましたけどね(笑)。
でも『ブレフロ』は、タイミングにすごく恵まれたコンテンツだったと思います。もしも半年、リリースが遅れていたら……まったく違う展開になったと確信していますもん。
大塚 とはいえ……! これ、すごくよく覚えているんですけど、『ブレフロ』はローンチ直後にサービスが止まりましたよね。1週間くらい……。
高橋 ありました……!! これがもう、ものすごくしんどくて……! 2013年7月3日にリリースして、8日後の11日から1週間くらい止めることになってしまったんですよね。
大塚 この原因は何だったんですか? 人が殺到してサーバーがパンクしたとか?
高橋 あれはですね……! 負荷ももちろんありましたし、それは現在のアプリでもよくあることではありますよね。
じつは当時、負荷対応をしているときに、重大な欠陥があることに気づいたんです。本来は上書きされちゃいけないデータがロックされなくて、上書きされてしまうという……。これは、とてもじゃないけど放置できない致命的な欠陥だったので、もう開発者全員が顔面蒼白ですよ。
その瞬間、「最速でサービスを止めよう」となって、“緊急サービス停止メンテナンス”とか銘打って、「修正後に再リリースさせていただきます」と発表しました。でも、「何日後にサービスを開始します」なんてとてもじゃないけど言えなかったので、僕が個人のTwitterアカウントから毎日、現状の報告をツイートしていたんです。
大塚 そんな状況だったんですねえ……。
高橋 1週間しかサービスしてないのに1週間も止める……なんて、ふつうはあり得ないじゃないですか。このときをきっかけに、本気で白髪が増えたと思います。そこからはもう、主要メンバーはホテルに缶詰めになって合宿ですよ。直して、動作検証をして……のくり返しで、ようやく1週間後に再開にこぎ着けました。
大塚 きっついなーーー! せっかくいいスタートを切ったのに……。
高橋 でも、いまでも鮮明に覚えているんですけど、最初の1週間で遊んでくれた人の9割以上が、再開後に戻ってきてくれたんです。待っててくれたわけですね。それもいま思えば、乗り換えて遊ぶゲームがスマホで出ていなかったので、皆気長に待っていてくれたんだろうな、と。
大塚 リリースされたタイミングがよかった……ってのが、ここでも活きたわけですね。
高橋 はい。トラブルでご迷惑をお掛けしたんですけど、いろいろな意味で幸せな船出ができたタイトルだと思います。
大塚 ……さてここからしばらく、このインタビューに同席されているブレフロ広報のかおりんごさんの話が続いたのですが。
高橋 いらない話で時間を取ってしまいましたね。
かおりんご いらないとか言わないで!!(笑) いやでも、すべてカットでお願いします。※本当にカットされた。
大塚 読者のご要望が多ければ“かおりんご編”としてまとめることもやぶさかではないですけど、ひとつだけ、このタイミングで語ってほしいのが公式生放送の“ブレ生”についてですね。
いまでこそ、開発者が出てきてゲームの紹介をするという番組はふつうになりましたけど、その先鞭をつけたのは『パズドラ』であり、『ブレフロ』だと思うんです。
かおりんご いまでも覚えているのが、出演者をドワンゴの担当の方に伝えたときの反応です。「番組に出るのは、高橋、かおりんご、ファミ通Appの野島さんです」と言ったら、「……え!? それだけですか!?」と(苦笑)。
一同 (爆笑)
高橋 放送する側からすると、タレントも声優も呼ばず、内部の人間がしゃべるだけの番組が成立するわけがない……と思ったんでしょうね。しかもスペシャルゲストも、(当時の)ファミ通Appの編集長だった中目黒目黒さん(笑)。
大塚 1ミリもスペシャル感がないですね(ピシャリ)。
かおりんご 「今後もこの方針でやられていくんですか?」と聞かれて、「はい……。ツテも予算もないので、これで……」と。
でもそのときに高橋が、「ゲームの番組である以上、ユーザーさんは“そのゲームの今後”を求めている。なのでそれを真摯に伝えれば、誰が出ていようが関係ない」と言ってくれて……。
すると第1回目の放送からたくさんの人が見てくれて、ドワンゴの方が「僕たちも協力するので、番組を継続しましょう!」と言ってくれたんです。
高橋 手前味噌ですけど、おもしろかったんですよー。1回目の放送。
かおりんご ドワンゴさんの協力もあり、3ヵ月連続でブレ生をやったら、ユーザーさんが「これは定期番組だ」と思ったらしく(笑)。そこで、私たちも覚悟を決めて、毎月のように放送をすることにしたんです。
高橋 実際、ユーザーさんに伝えなければいけない案件は目白押しだったんです。説明や謝罪が必要なこともたくさんありましたしね(苦笑)。
サービスインから2年くらいは、なんだかんだで不具合はあるし、それでもセールスが伸びているのでユーザー数も多いし……と、報告しなければいけないことが毎日のように出てきていました。
なので当時はエイリムのカスタマーサポートから、「つぎの放送では、これとこの件で謝ってください」と言われていたという……(苦笑)。
かおりんご そうですね!!(笑) 先に話が出た配信直後の1週間メンテのときもそうだったんですけど、高橋が毎日自分のアカウントで状況を説明していたので、最初は怒っていた人たちもだんだん「わかった。だったらがんばれよ」というトーンに変わっていったんですよね。
高橋 『ブレフロ』が2周年を迎えたころ、角満さんが週刊ファミ通の巻末コラムで“『ブレフロ』を包むやさしい世界”と書いてくれたじゃないですか? その土台は、最初のメンテのときからすでに形作られ始めていたんだと思います。
大塚 よく覚えていますよ、そのコラム。『ブレフロ』はブレ生と並んでリアルイベント“ブレフェス”も積極的に行ってきましたけど、その2周年を祝うイベント会場に僕らの番組(角満&中目黒目黒の「これ、知ってる?」のこと)のブースを作ってくれて(笑)。
完全な門外漢が勝手にしゃべるだけのブースだったのに、ブレフロファンはやさしく迎えてくれたのが非常に印象的で、それは高橋さんたち運営が“やさしい世界”を醸成したからだ……と書いたんですよね。
高橋 ブレ生やイベントをくり返しやって思ったのは、ユーザーさんだけじゃなく開発陣もそれに注目しているってことです。新キャラの情報を出したらユーザーさんが「かわいい!」とか「かっこいい!」なんてダイレクトに反応してくれているのを見て、開発者たちも大いにモチベーションを上げていたんです。
大塚 その流れで、『ブレフロ』はいろいろな人を巻き込んで運営されていたじゃないですか。我々もその一端だったかもしれませんけど、たとえば芸人のゴー☆ジャスさんとか、集英社の方々とか。
高橋 あー、そうですね!
大塚 高橋さんを中心に、いろんな人が集まっていた気がします。
高橋 白塗りのゴー☆ジャスさんメイクで番組に出たことがあるんですけど、そういうふざけたことをしている真っ最中に『ブレフロ』で通信障害ですよ(苦笑)。
大塚 あははは! いや笑いごとじゃないですけど、そういうの引いちゃうんですねーーー!
高橋 「放送している場合じゃねえよ……((゚Д゚;))」って冷や汗をかいていました。
大塚 そういったトラブルもありつつも、ファンがたくさんいるわけですから、長く運営を続けなきゃいけない……という想いは強いですよね。そういったプレッシャーは重かったんじゃないですか? 「つねに驚きを与えねば!」みたいな。
高橋 最初の2年間はユーザーさんが増えこそすれ、まったく減らなかったので、本当に目まぐるしい日々でした。修正と謝罪の嵐で……。
そもそも、1回目のブレ生って謝罪から入っているんです。ずっとComingsoonのままになっているマルチはどうなっているんだ……と突っ込まれていて、「まずはこれについて謝罪をしよう」ということになりまして。ところが、僕が謝った直後に中の人であるはずのかおりんごさんが素で、「いつになるんですか?」と……!
一同 (爆笑)
大塚 なんでオマエが突っ込んでんねん!!!(笑)
かおりんご いや、あれは、スミマセン……(苦笑)。
高橋 一瞬、(ナニ言ってんだこいつは……!)と思ったんですけど、翻って見ると、ユーザーさんがいちばん聞きたかったことをこの広報が聞いてくれてるぞ……という空気を醸成していたんですね。
そこで番組中にワチャワチャやっていたんですけど、見ていたユーザーさんも溜飲が下がったのか、「いいぞいいぞ! やれやれー!w」みたいな雰囲気になってくれたんです。
これ、ふつうは広報が頭を下げて謝っている姿を見て、ユーザーさんは、「なんで広報に謝らせてんだよ。プロデューサーが頭下げろよ!」ってツッコミをされる構図が多いじゃないですか。それがまったく逆になったので、(こいつスゲェな!)と思いました(笑)。
大塚 新しい広報のスタイルですね。運営の内情は無視して、突っ込みたいことを突っ込むという(笑)。
高橋 あ、プレッシャーという意味では、早く提供しなきゃいけない、飽きさせちゃいけない……というものは確かにありました。
それと同時に、“動画映えしない”という、じっくり遊ぶタイプのRPGに付いて回る問題もあったんです。当時から動画番組をきっかけにゲームを知りました……っていう人がめちゃくちゃ増えてきていたので、もう一段階ユーザーを増やしたいと思ったときに、「この動画映えしないゲームを、どうやって番組で打ち出していけばいいのか?」ということは考えさせられました。
でもけっきょく最後まで、『ブレフロ』としては答えを見出せませんでしたねー。これは、ゲームの開発段階からそこまで見越して作らないと、後付けではちょっと難しいんだと思います。RPGゆえに、ひとり遊びを重視した造りに振ってしまったので。
大塚 もうひとつ、長く運営していくうえではどうしても、キャラの強さがインフレしてくるという問題に直面すると思うんです。それにはどう向き合おうと?
高橋 それに関しては……「振り向くな」でしたね。インフレは当然、なるべくしないように調整するんですけど、強さを横に広げていくだけだと絶対にユーザーは満足しなくなるんです。
どこかで必ず、縦に伸ばさないといけない。なので運営中も、「今回はナナメ横くらいの強さで」、「次回は縦に伸ばす」、「そのつぎは横で我慢してもらおう」という話をよくしていました。
プランナーとは毎回毎回ギャーギャーとやり取りをしていて、基本的には僕が方針を立てて決めていたんですけどね。『ブレフロ』の『1』のときは、最終的なキャラクターのパラメーターはすべて僕が付けていましたし。
大塚 あ、そうだったんですか!
高橋 はい。4年以上ですかね。ずっと自分でパラメーターをいじっていたんです。そういう意味では『ブレフロ』の最初のころは、悪いプレッシャーはいっさいなく、「待ってくれている人のために、いいものをどんどん作らないと!」という、いいプレッシャーをつねに感じていたと思いますね。
大塚 ……楽しかった、ですか?
高橋 (しみじみと)楽しかったですねえ……! やってみたいこと、試してみたいこと……あらかたやれたと思いますもん。
ファミ通Appさんと、当時はシリアルコードができたので何度もごいっしょさせてもらいましたし。あと公式番組も、テレビCMも、海外ロケも、コラボカフェの全国行脚にも行けましたしね。
ブレフェスもなんだかんだで5回も実施することができて、エンドユーザーさんと実際に触れ合うという貴重な機会を得られたのは大きかった!
かおりんご 攻略本も作ってもらいましたし。
大塚 ああ、それだとノベライズもしましたもんね。
高橋 そうですね! ……映画とかアニメに進出しなかったことくらいですかね。やれなかったことは。
そういう意味では『ブレフロ』にまつわるアレコレって、僕が子どものころから思っていたおもしろいこと
をチョイスして、「ここならできるかも!」と思って実践していた感じです。そりゃあ、ただただ楽しいに決まっていますよね。記憶がなくなるくらい忙しかったですけど。
大塚 いやあ、高橋さんタフですよ。そういった時代でもいっしょに飲むと、間違いなく朝までコースでしたからね。
大塚 そして『ブレフロ2』が出るわけですけど……!
高橋 計画は2016年くらいですね。そこで、ずっと抱いていた「ガチャをやめたい」という思いを形にしたことが、『ブレフロ』そのものにとって大きな転機になるんです。
大塚 『ブレフロ2』は、2018年2月にリリースされます。
高橋 はい。サービス的には、運営をし続けるとマイナスに来てしまうということが途中でわかったので、1年で更新終了を決めました。
大塚 ガチャをやめたことは、結果的にはどうだったんですか?
高橋 最初の3ヵ月くらいは、ガチャをやめてもそこそこの売り上げにはなりました。ただ、その規模はガチャとは比較にもなりません。
しかもそこからのダウンが顕著で、ちょっとこれはきびしいなと。ただ2018年ごろになると、ガチャ対応で発売された新作アプリも3、4ヵ月で失速してサービス終了になることが目立ってきたので、一概に“すべてがガチャのせい”とは言えないんですけどね。
大塚 で、2021年に『ブレフロ レゾナ』が出ます。
高橋 『レゾナ』はもうドット絵ですらなく、「3Dアクションをしよう」という方向に舵を切って作ったわけですけど、これに関しては初手からセールスが厳しく、サービス終了することをすぐに決断しました。
そして、『ブレフロ1』、『ブレフロ2』は更新はしないけれど手元には残しておいてほしい……との気持ちから消すことはしなかったんですけど、『レゾナ』も含めて今後もずっとメンテナンスを続けることは難しくなりそうだったので、ここで区切りとさせていただき、3作品とも完全にサービス停止としたんです。
大塚 『パズドラ』や『モンスト』のように『2』などと名乗らず、『1』のまま続けていく……という判断もあったかと思いますが。
高橋 おっしゃる通りで、確かにそういう道もありました。実際、やろうと思えば『ブレフロ1』にだけお金と時間をかけて更新し続けることはできたと思います。ツールが古くなったとしても別のシステムで作り直しておいて、そこに乗せ換えることも可能でしたから。
大塚 うんうん。
高橋 『ブレフロ1』を運営中に、いろいろなレジェンドクリエイターと話す機会があったんですけどね。その際によく、「『ブレフロ』は運営タイトルだけど、シリーズものとして『2』とか『3』に発展させていくこともできるよね」という話になったんです。
これに、僕もけっこう共感して。『ドラクエ』とか『FF』で育った世代ですからね。自分が作ったものが『1』、『2』と育っていって、あるものはドット絵、あるものは3Dといった具合に展開するのも、IPとしてアリだなと感じたわけです。
大塚 はい、すごくよくわかります。
高橋 それもあって『2』とかスピンオフに踏み切るんですけど、これはもう、とてつもないいばらの道でした。
大塚 ああ……。
高橋 結果だけ見たら、不正解だったと思います。ビジネス的な観点では、明らかに。
もしも2016年に戻れるとしたら、『ブレフロ1』を大型アップデートして、いまいるユーザーを楽しませ続ける方向に進もう……と舵を切ったと思います。たとえば、『ブレフロ1』の遊びは継続させつつ、タイトル画面に“『ブレフロ2』はこちら!”なんていう別の入り口を設けて『2』の遊びを提供する……なんて手段も取れましたし。……ていうか、そうすればよかったかなぁ(苦笑)。
大塚 いま思えば(笑)。
高橋 まあ、ビジネス的にはそっちなんでしょうけど、クリエイターとしてのポリシー的にはやっぱり、『2』とか『レゾナ』に発展させて声優さんも起用して……ということはやってみたかったので。これに関しては、さほど後悔はないですね。
大塚 ビジネスか、クリエイターとしての矜持か。必ずぶつかる壁ですねえ。
高橋 そうですねー! ビジネス的観点から「失敗だね」と言われたら、「ですよね」としか言えませんし、「別の道もあったよね」と指摘されたら「ありました」と答えるしかないです。
大塚 そっちの世界線だったら、どうなったんでしょうね。
高橋 少なくとも、数字の上ではもうちょっと楽ができたのかなと(笑)。
実際、長く続いている他のIPのように、本丸を維持したままスピンアウトの作品をじゃんじゃん出していく……という方法もあるんです。でも僕は、“本丸のほう”に手を入れて、『2』とか続編に発展させたかったんですよねー!
大塚 それができてしまったのは、高橋さんがエイリムの代表だったことも大きいんじゃないですか? クリエイターであり、最終ジャッジを下すのも高橋さんなわけだし。
高橋 ああ、それもおっしゃる通りですね。
大塚 ここ、じつはすごく聞きたいところなんです。クリエイターでいるのか、経営者でいるのか。すごく大きな問題じゃないですか。
高橋 デカいですねー!!
大塚 ズバリ、高橋さんはどっちでいたいんですか? クリエイター? 経営者?
高橋 ……クリエイターですねえ!
大塚 ですよねえ。
高橋 それはもう、間違いないです。僕が経営者として会社の動きとか売り上げだけを考えるタイプだったら、ガチャをやめる選択なんて100%しませんし。
『ブレフロ』を『1』と『2』に分けるという判断もネガティブにとらえてやらなかったかもしれません。それを考えると、経営者というよりクリエイターとして、わがままにやりたいことをやらせてもらっちゃったな……と感じます。
大塚 スピンアウトという意味では途中で、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)』(※2015年10月22日よりスクウェア・エニックスから配信されているスマホアプリ)が出たじゃないですか。これは非常にポジティブな出来事だったんじゃないですか?
高橋 めちゃくちゃポジティブでした! エイリムだけでなく、gumiグループにとってもいまや「『FFBE』がなかったら……どうなっていたか!」という存在になってくれましたからね。
僕も早貸も『ドラクエ』、『FF』世代の人間ですから、いつか何かしらやれるといいね……とはつねづね話していましたし。
『ブレフロ』が最初にやらせてもらったゲーム間コラボってスクエニさんの『サガ』シリーズだったんですけど(※GREEで配信されていたスクウェア・エニックスの『エンペラーズ サガ』のこと)、そのころは『ブレフロ』が勢いづいていたときだったので先方もすごく感謝をしてくれて。
それをきっかけにあるとき、クラウドとユウナのドット絵を描いて動きを付けて、「企画書の前に、まずはこれを見てください!」ってスクエニの知り合いに送ったんですよねー。
最終的に1年半で『FFBE』を作り、2015年10月にリリースすることができました。このタイトルなかりせばエイリムは存在できなかったと思いますし、gumiグループ全体の歴史すら大きく変えることになったと感じています。
大塚 神風ですね。
大塚 でもそんな中、『ブレフロ』のサービス停止を決断されるわけですけど、そのときの高橋さんの心情って、ぶっちゃけどうだったんですか?
高橋 いちばんは、遊んでくれているユーザーの皆さんに対する「申し訳ない!」という気持ち。
本当に本当に申し訳ないんだけど、企業である以上どこかで判断しなければならないので……と。これが最初に沸き起こった感情です。そしてつぎに感じたのは、“『ブレフロ』くんに対する申し訳なさ”でした。
大塚 ああ……!
高橋 せっかく時代の寵児のようなタイミングで始められたのに、自分のエゴとかやってみたいことのために、『2』を切り離したり、ガチャをやめたりして、ある意味やりたい放題やってしまって。……なので、複雑なんですよね、感情としては。経営者としては、「さあどうしよう!」となりましたし、クリエイターとしては好きなことができたので満足ではあるし。
大塚 うんうん。
高橋 ユーザーの皆さんに対する感情としてはやはり、『ブレフロ』は通信しないと遊べないゲームのため、閉じてしまったいまはどうあっても遊べないことが申し訳なさに拍車をかけるんです。
これがコンシューマーとかの売り切りタイトルだと手元に残っているので、ふと思い出したときに引っ張り出すことができるじゃないですか。しかし、運営タイトルはそれができない。サーバーサイドがあるゲームの最大の弱点だと思います。
大塚 わかる!! 僕、初めてハマったオンラインゲームってプレイステーション2の『みんGOLオンライン』で、大塚角満っていう記名で初めてプレイ日記を書いたゲームでもあるんです。
そのサービスが終わったとき、マジで会社のデスクで泣きましたもん。「あ……。毎日遊んでいたここに、もう二度と来れないんだ」と思った瞬間、とめどなく。きっと、『ブレフロ』ユーザーの多くも同じように感じたと思います。泣いた人も、たくさんいるでしょうし。
高橋 そうですね……! 実際、「通信しなくていいので、ソフトだけ残すことはできませんか?」って、すごくたくさん問い合わせをもらいましたし。「『1』、『2』をセットにしたNintendo Switch版を出してください!」とかね。
かおりんご 海外のユーザーさんからも、たくさん声が届いていますもんね。
高橋 そうそう! 『ブレフロ』を語るうえで海外は外せなかったですね! というのも、トータルで見たセールスってじつは、国内と海外で五分五分くらいなんです。
大塚 え!! それはスゴい!! 日本発のアプリは、海外展開でだいたい苦戦するのに!
高橋 そうなんですよー! これはgumiグループが海外に拠点を持っていたのも大きいんですけど、海外のgumiメンバーが愛を持って運営してくれたおかげで、たくさんのファンを得ることができました。
大塚 サービス終了を発表したあと、ユーザーの反応はいかがでしたか?
かおりんご サービス終了の報告を生放送でさせていただいたのですが……。
高橋 そうだね、僕から直接お話しました。
かおりんご すごく不安だったのですが、非難するコメントが少なかったんです。
高橋 あー!! そこは涙したね……!!
大塚 おお……!
かおりんご そのときに、圧倒的なブレフロ愛を感じました。
高橋 「お疲れさまでした!」、「楽しかった!」、「またいつか必ず!」といった、ねぎらいのコメントばかりでしたねー。これを見たときは、さすがに泣きました。
大塚 それは感動しますよ……!
高橋 これはなんなんだろう……と考えたときに思い出したのが、角満さんが8年くらい前にコラムで書いてくれた“やさしい世界”なんです。
かおりんご はい、本当にいい世界が作られていて、最後の最後にもう一度、やさしい世界を感じられた気がしました。
高橋 『ブレフロ』の10年って何だったんだろうな……と考えたときに、けっきょく角満さんがあのときに書いてくださった“やさしい世界”に帰結するんじゃないかって、みんなで話したんです。
これが醸成された理由はなんだろうってなりますけど、それはタイミングであったり、ユーザーさんの愛であったり、我々スタッフがやってきた方針が結果的にセールス以上に認められたこともあったり……。
大塚 自分がかつて書いたことを、いまもこうして思い出してくれるだけで感激しますね。書き手としては。
高橋 一方で、経営者の目で見ると、「もっと稼げたなぁ……!」とは思います。というのも、『ブレフロ』の『1』では稼げるコラボを課金対象にしなかったんですよ。ブーストに使えるのに、全部無料コラボにして……。
大塚 うーーーん!! ……ちと考えられないです!!(笑)
高橋 “ガチャコラボ”はやらなかったんですよねぇ……! ガチャにすれば絶対に、何倍もの売り上げになるのはわかりきっていたのに……。確実に入手できる確定召喚にしたり、ゲームで遊んでいればふつうに手に入るようにしちゃって、「ドット絵はがんばってます! 好きな人は自由に持っていってください!」って感じで(笑)。
大塚 どこまでやさしい世界なんすか(苦笑)。
高橋 そうですねえ……! ……いやでも、売れるゲームを作るのも我々の仕事ですけど、この世知辛いエンタメ業界でやさしい世界を作り上げることができたのは……うん、悪くなかったなと思えます。
大塚 売れるゲームは、クリエイターならばきっとがんばれば作れます。でもやさしい世界は、狙って作れるものじゃないです。それが実現できたっていうのは、高橋さんを始めとするエイリムの皆さんは誇っていいですよ。
大塚 では、長きインタビューもいよいよクライマックスですけど、ぜひ、10年間遊んでくれた『ブレフロ』ファンに言いたいことと、今後“クリエイター高橋英士”としてやっていきたいことを聞かせてもらえないかなと。
高橋 まずふたつの質問に被ることとして、『ブレフロ』はまた作りたいと思っています!
大塚 おお!!
高橋 とはいえ、これまでの論法で作られた、ひたすらガチャで稼ぐスマホアプリではない違う形の運用型ゲームのひな形を、誰かが作らなきゃいけないと思っていて。それを『ブレフロ』でできたらすばらしいと思いますし、いつ着手できるかなぁ……と、いま考えているところですね。
大塚 何かしら、プランはあるんですか?
高橋 『ブレフロ』でやってみたいことはふたつあって。ひとつは、パッケージ版の『ブレフロ』。RPGとして、スタートとエンドがキチンとある『ブレフロ』を作りたいな……という想いは前々から持っています。
もうひとつ、やっぱり『ブレフロ』はスマホが発祥なので、ものすごく高いアープを維持したり、課金がなくても運営を続けられる形でやっていけたらな……と思っています。きちっと遊んでくれるユーザーさんといっしょに、安定した運営を見出していくチャレンジをしてみたいんです。あこぎじゃなければ、キャラガチャもぜんぜんアリだといまは思っていますしね。
この2点を目標に、いろいろと考えていこうかなと。
大塚 前向きでいいですね!
高橋 そしてもうひとつ、『ブレフロ1』が出てから10年ってことは、ドット絵のガチャゲームって10年近く出ていないってことなんです。
となるとそろそろ原点回帰で、ドット絵のキャラガチャモデルを打ち出せるタイミングなんじゃないかな……と。もう1回、やってみるのもおもしろいですよね。
大塚 『ブレフロ2』はガチャをやらなかったし、『レゾナ』はドット絵じゃないですもんね。
高橋 そうなんです。こういう形での復活とコンシューマーのパッケージは、派手な規模ではないですけどやってみたいと思っています。
「また『ブレフロ』が出るらしいよ!」って、ファンの口の端に上るだけで楽しいじゃないですか。あとは、どう予算と人員をひねり出すかにかかっています(笑)。
大塚 いいと思います! 止まっていた時が動き出すのって、こんなに素敵なことはないですもん。
高橋 ですよねー! いやあ、じつはシナリオについてもすでにいろいろと(と、具体的な話を展開する高橋さん)。
大塚 ……え? これ、書いていいの?ww(と、広報のかおりんごを見る)
かおりんご ちょっと待ってください! まだ正式発表も何もしていないのに、期待を持たせすぎる発言はどうかと思います!! 私のTwitterにも、「いつ正式な情報でるの!?」とか、たくさん問い合わせが来ちゃうじゃないですか!
高橋 (無視して)それが、シナリオ的にはこんな感じのをメモしていて(話を続ける高橋さん)。
大塚 めちゃくちゃおもしろそうですね!!
高橋 今日、初めてほかの人にこのプランを話しましたよ。杉山にすら話していないのに(笑)。
大塚 じゃあ、『ブレフロ』以外だとどうですか?
高橋 クリエイターとしては正直、少数精鋭のチームを作って新しいものを制作したいんです。具体的には、ボイスチャットマルチプレイのゲームを作りたい……と、ずっと考えています。
コロナ禍によってボイスコミュニケーションが一気に世界に根付いたので、それを使った日本発のタイトルを作りたいんですよねー!
大塚 ……先日、夜中まで飲みながら話したプランですね(笑)。
高橋 そうですそうです(笑)。自分が現役のうちに、ぜひ1本作りたいんです。大規模開発のストレスがいっさいない、チーム造りもチームメンテにも気を遣わずに、ゲーム開発だけに専念できたら楽しいですよねー。
大塚 いやでも、とてもよくわかりました。高橋さんもいちクリエイターとしてしっかりと前を向いて活動していくんだなということが伝わってきましたし。
高橋 はい! それはもう、間違いありません。
大塚 本日は話しづらいであろうことにも言及していただき、たいへんありがたかったです!
かおりんご 最後に、やさしい世界を創ってくれた『ブレフロ』ファンの皆様に愛のメッセージをお願いします……!
高橋 『ブレフロ』は本当に多くの人に遊んでいただきましたし、我々も多大なものをもらうことができたコンテンツです。ユーザーの皆さんから、たくさんの愛をもらいました。サービスが終わって1年になりますけど、このシリーズの血脈が完全に途絶えてしまった……と言うつもりはサラサラありません。ぜひまた、お会いしましょう! 愛してまーす!!
大塚 ありがとうございましたー!!
対応機種 | iOS/Android |
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価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | RPG |
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メーカー | エイリム |
公式サイト | http://www.a-lim.jp/brave/ |
公式Twitter | https://twitter.com/brave_pr |
配信日 | 配信終了 |
コピーライト | (c) Alim Co., Ltd. All Rights Reserved. |
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