【スマホとゲーム機どっちで遊ぶ?#63】画面の見えかたと演出にわずかな差!ホラー×デスゲームADV『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』

2023-04-16 13:00 投稿

バッテリーの消耗を重要とするか否か

スマートフォン・タブレットと別機種で配信されている作品を比較していく企画の第63回。

今回扱うのは、本所七不思議をテーマにしたホラー×デスゲームのADV『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』(以下、『パラノマサイト』)。

比較に使用したのはiOS版とニンテンドースイッチ版。ゲーム紹介ではiOS版の画像を使用していく。

20230415_パラノマサイト (1)

【価格】
iOS:1900円(税込)
Android:1900円(税込)
ニンテンドースイッチ:1980円(税込)
PC(Steam):1980円(税込)

『パラノマサイト』とは
・『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズを手掛けた石山貴也氏によるホラーミステリー
・呪いの力を手にした男女9人によるデスゲーム群青劇
・振り返る怖さをシステムでいかした視線移動システム

スマホ版と他機種版の違い
・スイッチ版は冒頭でスマホ版にない演出アリ
・スマホ版は振動が軽めになっており、演出としてもほどよい存在感を出している
・スマホ版は画面下部中央に白線が、他機種版はカーソル表示がそれぞれやや目立つ

和のホラーとデスゲームがベストマッチ!

『パラノマサイト』は、置いてけ堀などの本所(東京都墨田区)に伝わる怪談や奇談の総称でもある本所七不思議をテーマにしたホラーアドベンチャーだ。

昭和後期の墨田区を舞台に、呪いの力を手にした9人の男女が七不思議に隠された“蘇りの秘術”を巡って交錯する群像劇のホラーミステリーが展開していく。

シナリオは『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズを手掛けた石山貴也氏によるものとなっており、深夜の怪談巡りにふさわしい不気味さと不穏さが漂う内容となっている。

20230415_パラノマサイト (2)
20230415_パラノマサイト (3)

▲ゲームを開始すると謎の空間で案内人を自称する謎の人物から舞台の説明が行われ、物語が幕を開ける。

20230415_パラノマサイト (4)
20230415_パラノマサイト (5)

▲最初にプレイヤーが操作する興家彰吾は、オカルト好きの少女・福永葉子に誘われて秘術探しに協力することとなるのだが……。

本作は背景などにあるものを調べて情報を収集する、いわゆるポイントクリック型のアドベンチャーになっている。

また、場面によっては視線を動かすことができ、周囲を見回して怪しいポイントがないかを探すこととなる。

見回す行為自体はシンプルながら、後ろに何かがいるであろうタイミングで振り向く怖さ、逆に何の気もなしに振り返ったらいきなり誰かがいたときの驚きなど、心理的な効果はなかなかのものだ。

20230415_パラノマサイト (10)

▲背景や人物を調べて(話しかけて)情報を集めることで物語が進展していく。

20230415_パラノマサイト (6)

▲この表情を見せられてから振り向くのはある意味不意打ちを食らうよりも怖い。

登場人物たちの一部は物語のなかで呪いの力を手に入れ、条件を満たした相手を呪い殺し、蘇りの秘術の行使に必要なエネルギーを獲得できるようになる。

自分の条件を満たしたときに相手を呪い殺すか、逆に相手の条件を看破して呪い殺されるのを回避できるか、といったホラーとはまた違った怖さも盛り込まれており、ある種の能力バトルもの的なおもしろさもある。

20230415_パラノマサイト (7)

▲呪いを発動する条件が満たされると、画面左上に“呪詛行使”の表示が登場。実行すれば相手を呪い殺せる。

20230415_パラノマサイト (8)
20230415_パラノマサイト (9)

▲自分が呪い殺されてしまうことも多々あるが、その場合もすぐに復帰できるようになっているため面倒くささはない。

本作は独特のテイストを持つキャラクターイラストと不穏な怖さ、そして時おり挟まれるコミカルなやり取りなどプレイヤーの興味を引く要素が多く盛り込まれており、全体的な雰囲気のよさは群を抜いている。

また、ゲーム的にシステムやルールを理解したと思ったころにその予想を裏切ってくることもあるため、意外性という点でも楽しませてくれる作品だ。

約2000円と手ごろな価格で、プレイボリュームは約10時間としっかり楽しめる作品なので、怪談のホラー要素、呪いの力によるデスゲーム、そして多くの謎が絡み合うミステリーといった要素に惹かれた人にはぜひともプレイしてほしいタイトルだ。

20230415_パラノマサイト (11)
20230415_パラノマサイト (12)

▲呪いの力はビジョンとして表現されることもあり、能力バトル的な物語としても楽しめる。

20230415_パラノマサイト (13)

▲ぞっとさせられる場面が多いかと思いきや、口元がゆるんでしまうようなコミカルなやり取りもところどころで入ってくる。暗い空気だけに終始しないので読み進めやすい。

細かな部分に違いアリ!

本作はどのデバイスでも約2000円で販売されており、ゲーム内容も基本的には同一だ。

ただし、スイッチ版ではゲーム冒頭でiOS版になかった細かな驚きが用意されており、本作の不気味さがプラスアルファされているなど、細かな違いは見受けられる。

操作性についてはスマホ版のタッチ操作、スイッチ版のコントローラ操作ともに不自由はない。

スイッチ版に関してはJoy-Conを片方だけ使って片手プレイもできるので、モニターや本体を固定できる環境があればベッドで寝ながらプレイする際にも腕を上げる必要がない。

20230415_パラノマサイト (14)

▲余談だが、舞台が昭和とあってかオプション画面はブラウン管特有の画面のカーブを感じさせる見た目になっている。制作陣のこだわりが見える部分だ。

物語中で何かが起きた際には振動が発生することもあるのだが、この振動についてはiOS版のほうが心地よく感じられた。

iOS版では振動が軽めのものになっており、調べられるオブジェクトにカーソル(指のスワイプ)が当たった際の振動もうっとうしくないものになっている。

あくまで個人的な感想ではあるが、スイッチ版に関しては振動の主張がやや強く感じられた(ただし設定で振動はオフにできるので、プレイのジャマにはならない)。

それぞれ一長一短と言えるが、画面の見えかたについても同様だ。iOS版は画面下部中央の白いバーが消えず、画面が真っ暗になるシーンではとくに目立ってしまうのがややネック。

20230415_パラノマサイト (15)

▲大きさはそうでもないがハッキリとした白が表示されるので、気になると言えば気になる(右上に表示されているのはメニューボタン)。

対してスイッチ版はカーソルが画面に表示されるが、気になる場合は画面右下によけておけばほぼ見えなくなるため、画面映えという点ではスイッチ版に軍配が上がるだろう。

20230415_パラノマサイト (16)

▲カーソルも地味に存在感があるが、端によけてしまえば問題はない。

バッテリー面でスイッチ版がオススメ!

前述の通り、細かな違いについては一長一短となっており、一概にどちらがオススメとは断言しきれない。

しかしiOS版をプレイしていてひとつ気になったのは、端末の発熱とバッテリーの消耗だ。

筆者のiPhone 11 Proが使用開始から3年ほど経っているというのもあるが、プレイを始めて30分弱で端末が温かくなり、2時間ほどプレイするとバッテリーの減りも5割ほどとなかなかのものだった。

操作の問題なさに加えて振動の心地よさが魅力的なのでプレイ自体には問題ないのだが、バッテリーの消耗や本体の発熱が気になる人はスイッチ版でプレイするのがいいだろう。

もっとも、プレイボリュームが約10時間なのでそこまで長期的に遊ばないことを考えれば、割り切ってどこでも手軽に遊べるスマホ版で遊ぶのもアリだ。

⇒【スマホとゲーム機どっちで遊ぶ?】バックナンバーはこちら

 

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧