『BLUE REFLECTION SUN/燦(ブルリフS)』開発者インタビュー。コーエーテクモゲームス×DMM GAMESだから生み出せた、プロジェクトの規模感とクオリティ

2023-02-09 18:00 投稿

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BLUE REFLECTION SUN/燦(ブルーリフレクション サン)

DMM GAMESとのタッグだからこそ生み出せたもの

コーエーテクモゲームスとDMM GAMESがタッグを組んで制作中のスマートフォン/PC用ゲーム『BLUE REFLECTION SUN/燦』(以下『ブルリフS』)。本作は2021年に放送されたTVアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』(以下『ブルリフR』)、同年発売のPS4™/Nintendo Switch™/Steam®用ゲーム『BLUE REFLECTION TIE/帝』(以下『ブルリフT』)からなる“BLUE REFLECTION(ブルーリフレクション)”プロジェクトの最後を飾る作品であり、“イローデッド”と呼ばれる姿に変身して、終末に向かう世界で戦う少女たちの物語が描かれる。

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そんな本作は昨年末にはクローズドβテスト(CBT)も実施され、今冬サービス開始に向けて開発が着々と進められている。そこで今回は、開発のキーマンである“BLUE REFLECTION”シリーズ総監修/イラストレーターの岸田メル氏、コーエーテクモゲームスの細井順三氏、DMM GAMESの星彰秀氏へのインタビューを実施。作品にかける想いや制作秘話、さらにはCBTを踏まえての調整点などお聞きした。

岸田メル氏(きしだめる)
“ブルリフ”シリーズには総監修およびキャラクターデザインで参加。また、ガストブランドでは『アトリエ』シリーズのうち、『ロロナのアトリエ』をはじめとする“アーランド”シリーズでキャラクターデザインを務める。

細井順三氏(ほそいじゅんぞう)
コーエーテクモゲームス ガストブランド長。『アトリエ』シリーズを始め、ガストブランドの発売タイトルのプロデュースを一手に担っている。

星 彰秀氏(ほしあきひで)
DMM GAMES 市川スタジオ 第1企画ディビジョン長。ディビジョン長として『宝石姫 Reincarnation』、『アリスクローゼット』、『甲鉄城のカバネリ』など、FANZAゲームから一般まで幅広く手掛けている。

※画面は開発中のものです

IPの立ち上げ時点から“ブルリフ”シリーズでの展開を模索

――まずは『ブルリフS』のプロジェクト全体から伺いたいと思います。本作で皆さんがそれぞれ、どういった立場でどんなお仕事をされているのか教えてください。

細井順三氏(以下、細井 私はコーエーテクモゲームスのガストブランド長を担当しています。『ブルリフS』においては、プロデューサーという立場で、作品全体の統括をしています。

岸田メル氏(以下、岸田 僕と細井さんは“ブルリフ”シリーズを1から作り上げてきたコアメンバーなので、本作も同じように世界観やシナリオを含め、3Dモデルやゲーム中のCGなどをトータルで監修しています。もちろん、キャラクターデザインやビジュアルは僕が担当しています。

星 彰秀氏(以下、) “ブルリフ”はコーエーテクモさんのIPとして開発している中で、私たちDMM GAMES側の大きな役割のひとつは、資金面での協力ですね。最近のスマホゲームの制作にはとてもお金がかかりますので、1社だけでやろうとするとはどうしても予算が限られてしまい、実現したいことが実現できないなどの事態が起こってしまいます。だから今回DMM GAMESもプロジェクトに参画することで、トータルのバジェット(予算や運営費など)を大きくして、プロダクト全体のクオリティアップを図れるよう協力しています。

――DMM GAMESはいろいろなスマホタイトルを運営されています、そのノウハウを共有しているのでしょうか?

 そうですね。資金面に加えて、弊社はプラットフォーマー兼パブリッシャーとして、多少なりともF2P(基本無料型のゲーム)の知見があるので、‟ブルリフ”というIPや素材をどう活かして落とし込んだらいいのかというところをサポートさせていただいています。

――“ブルリフ”プロジェクトのスタートや立ち上がりなど、どういった形で制作が進んでいったのか教えてください。

細井 スタートは1作目の『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』(以下『ブルリフ幻』)の発売前くらいですね。“ブルリフ”は新規IPですので、プロジェクトを大きくしていきたいという想いがありました。それでスマートフォンや、アニメ化などについていろいろな会社さんとお話していたとき、ちょうど星さんとお会いしたんです。

もともとは「“ブルリフ”をスマホゲーム化したい」みたいな相談から始まったのですが、ちょうどDMMさんがアニメ事業を立ち上げたくらいのタイミングだったんですね。「相乗効果が狙えるんじゃないか」という流れでお話が進んでいったことで、今回のような縁に恵まれました。

 当時、弊社でアニメ事業が立ち上がったこともあり、アニメとゲーム連動させたメディアミックス展開をしたいと考えていました。私は岸田さんの絵も『アトリエ』も好きで、岸田さんのイラストをアニメで見せたりスマートフォンゲームとして幅広いユーザーに届けたいと考えていたんです。そんな時に“ブルリフ”というIPと出会って、アニメ事業のプロデューサーに「いっしょにアニメとゲームをやろうよ」と持ち掛けたら、「すでにコーエーテクモゲームスさんからオファーが来ているよ」と言われまして。そこから細井さんを紹介していただいて、アニメとスマホゲームを含めた“ブルリフ”プロジェクトについての話がスタートした感じです。

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▲自らも“ブルリフ”シリーズや岸田氏のファンであると語る星氏。

―“ブルリフ”シリーズのアニメやスマホゲーム化の計画は、岸田さんも当初から聞いていたのでしょうか?

岸田 もちろんです。細井さんからは『ブルリフ幻』が終わるか終わらないかのときに、DMM GAMESさんと協業したいと考えていると聞きました。この前家にあるデータのタイムスタンプを確認してみたら、2018年に『ブルリフR』のアニメ企画会議が始まっていて、いま見るとそんな前から始まっていたんだと驚きましたね(笑)。かなり初期の段階からいっしょにお話させていただいています。

――岸田さんは‟ブルリフ”シリーズでは監修やキャラクターデザインをご担当されていますが、コンシューマとスマートフォン向けタイトルでの違いなどは感じられましたか?

岸田 そうですね。逆に言うと“何もかも変えよう”と思ってデザインしているんですよ。『ブルリフ幻』の発売とほぼ同時期にアニメとスマートフォン向け、ともに企画が始まっていますが、アニメの『ブルリフR』はどちらかといえば『ブルリフ幻』のデザインや雰囲気などの延長線上になるような感じにして、スマートフォン向けの『ブルリフS』は『ブルリフ幻』が好きな人も“ブルリフ”を知らない人も入りやすいように意識して制作しています。

『ブルリフ幻』はニッチ層を狙ったデザインだったので、『ブルリフS』ではその点をあえて引っ張らないように、シリーズを何も知らない人が見ても「おもしろいな」「かわいいな」「新しいな」など興味持ってもらえるようなデザインを目指しました。あとやはりRPGとしてバトルを強く押し出したいという話もしていたので、バトル的にも見栄えがするデザインにしました。

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――女の子たちはとても華やかですよね。

岸田 そうなんですよ。開発が佳境になってきて、広報イラストを描く段階になったので昔描いたイラストを改めて見たら、「あれ?いいじゃん」って思ったんですよね。もちろん「いつでもいいものを」と考えてデザインしていますが、描いている当時はやっぱりわからなくなることがあるんです。果たしてこれがいいのかどうか、受けるのかどうかとか心配になります。それが少し寝かせることで俯瞰して見れるようになるというか。

2018年に出るのと、2023年に出るのとでも、ユーザーさんのリアクションが変わってくると思いますし、逆に今出せてよかったのかもしれません。

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▲改めて昔描いた自分のイラストを見ると、タイムカプセルで掘り出したような感覚になって「“あれ、このイラストいいじゃん?”と思いました」と語る岸田氏。

――星さんたちDMM GAMESは、‟ブルリフ”シリーズが持つ魅力はどういうところだとお考えですか?

 シナリオ、キャラクター、音楽すべてですね。これは私の主観になりますが、その中でもとくに岸田さんのキャラクターが魅力だと思います。語彙力がないので具体的にお伝えしにくいですが(笑)。

ただ、長年スマホゲームの移り変わりを見ていますが、キャラクターデザインにもトレンドがあるんですね。そういう中でも、岸田さんの絵は時代に左右されない普遍的なものを持っていて、そういったところに非常に魅力を感じています。

――星さんの方から制作に関する提案などはありましたか?

 “ブルリフ”というIPの部分に関しては、岸田さんとコーエーテクモゲームスさんの作品なので、その根幹に関しては、弊社が口を出すことはありません。

岸田 でも、最初に瀟美岐(シャオ・メイチー)のイローデッドのデザインを決めたとき、DMM GAMESさん側とも何回かフィードバックのやり取りをしていますね。だから「こういう感じだったらいいよね」みたいなアイデアは僕ひとりで決めたわけでなく、いっしょに作り上げていった感じがあります。

細井 星さんはだいぶゲーマーな部分もあるので、ゲーム部分にも超突っ込んでいますよ(笑)。

 あ、そうですかね?(笑)

細井 本当ならこちらが固定概念をぶち壊す側なのに、星さんから「こうやっちゃった方がいいんじゃないですか?」みたいな提案もありましたからね。

岸田 逆に「これは壊していいんじゃないですか?」と返したら「いや、それはちょっと」と返されて(笑)。

 でしたっけ?(笑) でもたしかに“ブルリフ”というIPや素材をどう味付けて、どう盛り付けたらより良くなるかというアイデアは出させてもらったと思います。

岸田 すごくバランスが取れているんじゃないかなと思います。演出面でもたくさんアイデアをいただいています。ユーザーさんの中には「コンシューマーゲームを軸に別の会社と組んでソーシャルゲームを出すと、作品の魅力などがスポイルされるんじゃないか」という不安視される方の意見もあるんですよね。僕はそこについてまったく逆で、いっしょに仕事をしているからこそクオリティが高まっていると思っています。僕らがやりたいと思ったことで、DMM GAMESさんと組んだからできなかったことはゼロなので、そこは強く言っておきたいなと。

細井 DMM GAMESさんはパブリッシャーだから、もっとドラスティックな感じかなと思っていました。でも、蓋を開けてみたらクリエイター気質の方が多いです。星さんがクリエイティブに拘る人だから、余計そう感じるのかもしれませんが、いっしょにやっていてクオリティが高まっているなと実感しています。

 
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▲「DMM GAMESさんとはもう少しビジネスライクな話が多くなるかなと思っていましたが、ほとんど出ませんでした」とタッグの手ごたえを語る細井氏。

あえて統一性を持たせずバラバラに見えるようにしたキャラクターデザイン

――『ブルリフS』のストーリーは土屋(暁氏。本作のディレクター)さんを中心に構成されていると伺っていますが、CBTをプレイするとかなり考察のしがいがある内容だなという印象でした。

細井 やはりRPGだからこそ考察できる楽しみは大事だと思っています。運営型のゲームなので土屋も「ユーザーさんの反応も見ながら、変えるところは変えていきたい」と常々言っています。

岸田 コアユーザーの方が今の段階でも考察してくださっていますが、スマホタイトルなのでいろいろ後付けして新たな設定を入れているのでは?という意見も見かけました。ですが、根幹となる設定は2018年にほぼすべて固まっていましたね。家で改めて資料をチェックしてみたので(笑)。

細井 それら設定をゲームに実装するにあたって、DMM GAMESさんと協議をして、よりわかりやすく、キレイに整えていただいた感じです。

――今回のキャラクターデザインの全体コンセプトなどがあれば教えてください。

岸田 本作に関しては、制服や変身したときのシルエットなど、あえてバラバラに見える感じにしています。バトルシステム上共通にしなくてはいけない部分はあるものの、それ以外はバリエーションが出るようにしています。僕の絵のタッチだと、けっきょく”岸田メルが描いたもの”になるので、統一性を意識するより振れ幅を大きくすることで、目に留めてもらいやすいにぎやかな雰囲気になるかなと。

僕はふだんキャラデザであまり派手な髪色を避けがちなので、どうしても落ち着いた地味な方向に寄ってしまうんですが、今作は変身したらよりカラフルに、より派手に、といった感じになるよう意識していました。

――では、女の子それぞれのデザインポイントや注目してほしいところを教えていただけますか?

岸田 メイチーは本作で最初に手掛けた女の子なので、象徴みたいな雰囲気が出るといいなと思ってデザインしています。物語が“灰”による滅びなどと、今までのシリーズの世界観よりもダーティーさやハードな感じがあるので、それがデザインからも伝わるようにしました。色もダークトーンだし、ちょっと骨っぽさも出したり、悪魔のように見えるデザインにしたりしていますね。メイチーというキャラクター自体は黒髪の清楚な印象だけども、イローデッドの姿はハードな感じを持たせるようにしています。

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――春日詩帆はいかがでしょうか?

岸田 詩帆は“ザ・岸田メル”というデザインですね。彼女は『ブルリフT』が発売されるだいぶ前にデザインが終わっていますが、『ブルリフT』が先に発売されたのでお披露目はそちらでという形になりました。

詩帆は主人公やメインヒロインのようなポジションではないですが、いわゆる主人公的なデザインを本作では担ってもらっています。シリーズの主人公である女の子たちが皆ショートカットだったので、詩帆はセミロングにしようと考えました。どこまで地味にできるか考えてデザインしたのですが、CBTをプレイしてくださった人の意見を見ると、詩帆に地味という印象をあまり抱いていないようで、そこはいいバランスだったのかなと。

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――では久野きららはいかがでしょうか。こちらも『ブルリフT』でお披露目されているキャラクターですが。

岸田 本作では全体的にベタベタなコンセプトでデザインをしているんですが、久野きららはベタベタな変な子ポジションですね。でも、そんなベタな枠組みでも、ちょっと一筋縄ではいかない感じが出せたかなと思っています。イローデッドの姿はとにかくギャップがでるように心がけましたが、ただ改めて見ると、デザインした当時はどうかしていたのかなと思いました。背負っている物とかメチャクチャですよね(笑)。

細井 CGチームがメチャクチャたいへんだって言っていました。

一同:(笑)

岸田 ブチ切れながらもCGチームの皆さんはプロ中のプロなので、それでもちゃんと作ってくださるんですよ。やはりコーエーテクモゲームスさんは培われてきた技術がありますので、CGも本当にすごいなと。だからそれに頼ってしまいました(笑)。

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――唯一のメガネっ子である高岡由紀子はいかがでしょうか? 変身したらメガネが取れてしまうという、メガネ好きからの悲痛な声も一部ありましたが(笑)。

岸田 イローデッドになると身体的弱点が解消されるという設定があるので、そこは仕方がないんですよね……。メガネっ子なのにメガネが外れてしまう点についてはすみません。悪いことをしてしまったなという自覚はあります(笑)。デザイン的にはほかのキャラクターのイローデッド姿にハードなタイプが多いので、ひとりぐらいはふわっとした感じがいてもいいだろうと。

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――では、森崎アレシア優はいかがですか?

岸田 アレシアは「やはりこういう女の子が必要だよな」というコンセプトでデザインしました。ゴシックやゴスロリ風で、色白で透明感がある、ある種厨二感を感じさせるような少女という。ふだんの姿もイローデッドも真っ白な感じにして、ただ、イローデッドの姿はちょっと堕天使感というか、中学生が好きそうなデザインをやろうとした感じです。

設定的には彼女がいちばん一筋縄にはいかなくて、変わり者なんだけども、ちゃんと筋が通るキャラクターになっています。CBTをプレイした方は、アレシアというキャラクターの内面も見ていただけたと思いますが、外見と中身にギャップがあるおもしろいキャラクターになっていると感じてもらえたのではないでしょうか。

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――続いてツインテールで勝気な性格の安住菜々花はいかがですか?

岸田 気が強い女の子は好きな方が多いですからね(笑)。僕が考える“強気なツインテール”はこういう感じかなと。岸田メルの絵的に言えば、こういった猫目のキャラクターは多くないので、いままでにない印象を感じていただけるのではないでしょうか。見た目だけじゃなくて、生き方として何か内面に強さを感じるような雰囲気になるといいなと思ってデザインしました。イローデッドはわりと難航したのですが、最終的には当時の僕が「菜々花はこういう服がいいな」と素直に感じるデザインに落ち着きました。

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――そして次は主人公と距離感の近い星谷かんなですが、こちらは?

岸田 かんなはベタに妹キャラです。ただ、デザイン的にはそこまで意識していなくて、シンプルにアイドル感があるというか、パッと見でかわいい感じにしたいなと思いました。描くのはたいへんですが、イローデッドではチェック柄をメインにして露出も増やして……徒手空拳で戦う格闘キャラだったので、あまり奇をてらわずにかわいらしい感じを出しています。

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――そして最後は生駒彩未ですが、彼女はお姉さんタイプですよね。

岸田 はい、お姉さんキャラとしてデザインしています。これは巷の作品を見ていての印象になるのですが、お姉さんキャラというのはどうしても何番手というポジションになり、あまり人気が出ない傾向があるのかなと……。僕としては捨てキャラとしてお姉さんを出すつもりはないので、僕が思う好きな感じのデザインにしています。髪型もワンレンなど、実際にいそうな、親しみを感じるキャラにしていますね。

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――主人公について伺います。こちらも岸田さんがデザインされていて、性格の設定もしっかり決まっています。男の子という部分でのデザインや設定などで注力した部分はありますか?

岸田 主人公はゲームの中でプレイヤーの分身になりますが、僕のポリシーとしてアンノウンというか、匿名性の高いデザインは嫌だったんです。シナリオ上でも主人公は自分の言葉で伝えたり、自分で考えたりしていくタイプのキャラクターなので、中身がないアバターみたいなデザインではなく、ちゃんとキャラクターとして魅力的に見えるように意識しました。

僕としてはかわいい女の子をデザインすることも、カッコいい男の子をデザインするのも同じ気持ちでやっています。カッコいい男の子もいろいろパターンがありますが、透明感があるといいなと。ただ、あまり中性的な少年という感じではなく、ちゃんと高校生ぐらいの男らしさも出るように意識していますね。

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――女の子達と並び立っても違和感はありませんね。

岸田 そんなに背丈が違うわけでもないし、線の細さもありますから。あとはすごくカッコよくCGを作ってくださっているのも大きいかなと。プレイしてみてそこはうれしかったです。

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――CBTのプレイ前はアンノウン的な立ち位置なのかと思っていましたが、率先して行動する頼りがいのある存在、といった印象を受けました。

岸田 僕らのポリシーとして、そういう主人公にしたいと考えています。RPGはプレイヤーごとにいろいろな好みがあり、開発者のパターンもたくさんあるので「これがベスト」という答えはないのかなと。ですが、我々がやりたいこととして、プレイヤーの分身となる主人公が「はい」「いいえ」の選択肢しかないのは違うなという点は、開発内の共通認識でした。自我のあるキャラクターで話を進めてくれつつ、自己投影もしっかりできる。そんなバランス感が理想でしたが、うまくバランスが取れた形になったんじゃないかなと思います。

それは『ブルリフ幻』の白井日菜子も『ブルリフT』の星崎愛央もそうですが、プレイヤーでありながら、プレイヤーから見ても好きになってもらえる対象でもあってほしいなと思っています。

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◆ストーリーや設定部分で高い評価をもらい安堵感が大きかったCBT

――昨年末に行われたCBTですが、手ごたえを感じた部分や想定外だった部分、今後はこうしていくなどの調整ポイントなどを教えてください。

細井 ストーリーは肯定的な意見が多かったです。我々がずっとやりたかったことが実現できて、その狙いが受けたことの安心感が大きかったなと。ですので、よりブラッシュアップをしていかなければという思いです。

 ストーリー、キャラクター、音楽の評価は非常に高かったです。「涙が出ました」とか「キャラ全部好きになった」という感想もいただきました。良い評価をいただいたところはさらに良くしていって、一方でご指摘のあったバトルや操作性については改善していきたいと思います。

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――初報で男主人公であるという情報が出たときは、いろいろな意見あったと思いますが、そのあたりはいかがですか?

細井 実際にCBTを触っていただいた方の意見を見ると、私たちが思っていたよりも、大きなネガティブにはなっていないという印象です。女性主人公を追加してほしいという声は当然いただいていて、追加するとしたらどういう導入にするのかなど検討しないとなと感じました。とはいえ、全体を通して評価の高いご意見が多かったですね。

岸田 女の子しかいない世界が“ブルリフ”だと思っている方でも、プレイをしてみたら「意外と男主人公もいいよね」という方も多かったのかなと。男主人公に限らず、キャラクターが全体的に好評だったので安心しています。

――育成についてはいかがでしょうか?

 やれることがたくさんあるがゆえに、操作性がちょっと煩雑になってしまったなと感じていますので、利便性は向上させていく予定です。それと育成素材が足りないという声もあったのでその供給量も調整していこうと思っています。

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――バトルは、尖った部分がなくわかりやすいシステムとなっています。そこは入りやすさを優先した形でしょうか?

細井 そうですね。そこは意識しています。

 ただ、CBTのバトルは分かりやすさを通り越して、ちょっと淡泊過ぎるかなと思うので、スキルのバリエーションを増やしたり戦術性をもう少し入れて、やり応えのあるバトルにもできるようにする予定です。コンシューマーユーザーにとっては親近感があって、スマホユーザーには入りやすいけど新鮮さもある、というところを目指したいなと思っています。

また、これはバトルに限らずですが、UIの操作性や分かりやすさ使いやすさなど改善していく必要があると考えていますし、長時間プレイするとアプリが落ちてしまうとか、ローディングが長いとかストレスを感じさせてしまっている部分もあったので、そういったサービスとしてのクオリティについても、改善していきます。

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⇒アンケートレポートはこちら

――CBT時には実装されなかったコンテンツの実装は予定されていますか?

 レイドのイベントでしょうか。ユーザーが協力して特定のボスを倒したり、ランキングを競い合うものを想定しております。ほかにも要望をいただいているものもありますので、コーエーテクモさんとすでに協議を進めているところです。

――プレイヤー同士の繋がり、横の繋がりとなるギルドのようなシステムは用意されますか?

細井 現状はそのようなシステムは用意する予定はありません。

 もともとコンシューマのIPですし、この“ブルリフ”の世界にドップリ浸ってほしいという思いがあるので、シングルプレイとして開発しています。ただ、ユーザーから要望があったり、ゲームの幅を広げるために必要となれば、検討していきたいですね。

――配信後は定期的にイベントが開催されるのでしょうか?

 はい。一般的なスマホゲームよりも更新ボリュームや頻度は多いのかなと思っています。毎週何かしらのイベントを開催しますし、3日に1回はゲーム内でもキャンペーンをやりますし、追加されるキャラクター数も多くなっていくのではないかと思います。

――他作品とのコラボなどもあるのでしょうか?

 本作は“ブルリフ”シリーズのひとつなので、当然他シリーズとの連携はしていきたいなと思っています。ただ、設定をどうするかですね。

細井 ‟ブルリフ”シリーズは時系列が同じなので、たとえば日菜子ならば本作の舞台とは異なる時間軸で生活しているので、あのままの日菜子が『ブルリフS』に来るのは設定的に難しいよねと。そこの表現をどうするかみたいなところを含めて検討中です。ユーザーさんが世界観に対してすごく好意的に見てくださっているからこそ、そこは丁寧にやらなければならないのかなと。

――では最後にリリースを待つファンに向けて、それぞれメッセージをお願いいたします。

細井 “ブルリフ”シリーズは2017年に『ブルリフ幻』のコンシューマで始めて、『ブルリフS』はそのプロジェクトの最新の作品となります。時間をかけてより良いものになってきたと思っていますので、ぜひ配信をお待ちください。

岸田 シリーズのファンの方はもちろんですが、遊んだことがないという方も、ぜひプレイしていただきたいです。今回僕がいちばんうれしいことが、スマートフォンゲームなのでゲーム機を持ってなくても遊べるということなんです。この規模でスマホゲームの開発に関わるのは本作が初になります。“ブルリフ”シリーズは自分の人生で、いろいろなものをすり減らして携わっているだけあってすごく思い入れがあるし、自分そのものだなと思っています。それを皆さんに手軽にダウンロードしてもらって、遊んでもらえることはとても幸せなことだなと思います。絶対に楽しんでもらえると思いますので、ぜひ気軽な気持ちでダウンロードしてプレイしてください。

 たいへん長らくお待たせしております。CBTを実施して、改めてシリーズファンの方の作品に対する深い愛情を感じました。いただいたご指摘やご要望は多岐に渡るので、優先度を付けてしっかりと改善していきたいと考えています。そしてリリース後も運営タイトルなので、ユーザーの皆さんといっしょにより良いものを作り上げていきたいと思っています。リリースを楽しみにしていてください!

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▲星氏(写真左)、岸田氏(写真中央)、細井氏(右)。

Text/ひでのすけ ライター

BLUE REFLECTION SUN/燦(ブルーリフレクション サン)

対応機種iOS/Android/ブラウザ
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG
メーカーコーエーテクモゲームス/EXNOA
公式サイトhttps://bluereflection-sun.com
公式Twitterhttps://twitter.com/BRSUN_game
配信日配信終了
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