ハイクオリティなインディーゲームをチェック!“GooglePlay Indie Games Festival 2022”受賞タイトルが決定

2022-09-04 15:46 投稿

「間違いなくおもしろい」TOP3タイトルはとくに注目

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2022年9月3日、Googleが主催するインディーゲームのコンテスト“GooglePlay Indie Games Festival 2022”にて、各受賞タイトルが発表された。本稿では、TOP3と特別賞を受賞した作品を紹介していこう。

ちなみに“GooglePlay Indie Games Festival”とは、インディーゲームの発掘を目的としたイベントで、今年2022年で5回目の開催。TOP20に数えられたデベロッパーにはさまざまな賞品が送られる。

賞品とは言っても物的なものや賞金だけでなく、作品をアピールする機会を与えられる、大手企業の要人と個別相談のチャンスを得られるといったものも含まれており、本イベントの性質がインディーゲームの発展に寄与するものであることが見て取れる。

⇒賞品の概要はコチラ(公式ページ)

【TOP10タイトル】
『カタストロフィレストラン』(合同会社ズィーマ)
『幻影AP-空っぽの心臓-』(room6)
『時効1分の世界』(ScreenPocket)
『すし屋台 -お寿司屋さんのお店経営ゲームー』(CharRoom)
『ダンジョンに捧ぐ墓標』(ワンダーランドカザキリ)
『わんおぺ寿司』(べすとまん)
『A YEAR OF SPRING』(npckc)
『HUNGRY PIGS』(BALLOON, CO., LTD.)
『RASPBERRY MASH』(株式会社イグニッション・エム)
『SOULVARS』(ginolabo)

TOP3には以下3タイトルが輝いた。

【TOP3】
『カタストロフィレストラン』(合同会社ズィーマ)
『RASPBERRY MASH』(株式会社イグニッション・エム)
『SOULVARS』(ginolabo)

TOP3受賞タイトル

『カタストロフィレストラン』(合同会社ズィーマ)

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『カタストロフィレストラン』は、“もうすぐ終わりそうな”荒廃した世界を舞台に、シェフとなったプレイヤーがレストランのお客たちに料理を作っていく作品。

料理パートはミニゲーム形式となっており、タップやスワイプなど指定された操作で調理。そうして完成した料理をお客に提供することでストーリーが進んでいく……というのが大まかな流れではあるが、本作の魅力は何と言ってもシュールすぎる世界観と強烈なキャラクター、そして思わず目を疑う食材の数々。

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やけに勢いのあるウェイトレス“クーノ”に、“ゲベロンウデムシ”なるグロテクスな謎生物(毒性アリ)のステーキを焼かされる冒頭時点でツッコミどころ満載なのだが、この程度は序の口。ヤミツキになる“意味のわからなさ”が作品の至るところに「これでもか!」と詰め込まれている。

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また、食材を仕入れることで新たな料理を作れるようになるのだが、これらも“野性の電子レンジ”、“戦闘機のたまご”など、頭が混乱するものばかり。

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▲説明テキストも凝っており、プレイヤーの常識をつねに揺さぶってくる。

これに加えてウェイトレスの“クーノ”とお客のやり取りは、つねに小ネタを挟んでくるコミカルなものばかり。さまざまな要素がごった煮となり、プレイヤーを置いてけぼりにせんばかりのアクの強い作風ながら、不思議な吸引力を宿している。

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▲“左脳派のサノ”というキャラクターは、脳を左側に移動させたサイボーグ。「脳全体を左脳にした」とは本人談だが、このように認識が絶妙に狂っていることが多い。

デベロッパーの合同会社ズィーマは、本作を“優しい終末世界”と表現。また「今後もアップデートを続けていく予定です。私自身もこの調子で進化していったらとんでもない開発者になってしまうので、みなさんぜひいまのうちに推してください」とアピールした。

審査員は本作に対して「見せたいものを作り切る力を感じる、そんなマグマのような熱量が最高に魅力的です。この作品は時代に左右されず、10年後に遊んでもきっと好きだと言えると思う」と絶賛のコメントを寄せた。

『RASPBERRY MASH』(株式会社イグニッション・エム)

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『RASPBERRY MASH(ラズベリーマッシュ)』は、自動生成されるダンジョンを攻略していく、ファンタジー風のローグライク。

主人公の少女は“神”への復讐を誓い、謎の寄生生物“ディガンマ”とともに、挑戦するたびに姿を変える終わりの世界“ラヴィ”の敵を殲滅しながらその奥に歩を進めていくことになる。

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なお世界観のベースはファンタジー調ながら、ロケットランチャーやライフルなどの近代武器も登場するのも魅力のひとつだ。

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武器は任意で近・遠距離用を切り換えながら戦うことが可能で、攻撃はタップではなく、敵が一定範囲内にいる際にプレイヤーが停止していると自動で行う仕組み。

シューティング的な要素も取り入れられており、攻撃(弾幕含む)をかいくぐりながらヒット&アウェイで行動するのが戦闘の基本。操作としてはシンプルながら序盤から敵の攻撃が激しく、気を抜くとすぐにスタート地点に戻される、歯ごたえのある難度となっている。

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なおゲームオーバーになると開始地点に戻されて武器などは失うが、敵を倒すと手に入る“エネミーソウル”は引き継がれ、これを使って自身をくり返し強化していくことが可能だ。

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またドットで描かれるキャラクターはかわいらしいが、世界観はダーク寄り。敵を倒した際は謎の緑色の液体が飛散するなど、デフォルメされてはいるがスプラッタ要素も取り入れられている。

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▲少女は死ぬたびに転生する能力があり、これを恐れた“神”に裁かれた模様。ローグライクの“ゲームオーバーでスタート地点に戻される”ことが、設定面にうまく活かされている。

開発者は、「アクションが苦手な私の妻でも遊べるゲームを作りたかった」と制作の経緯を紹介しつつ、多数の敵をなぎ倒すバイオレンスなプレイ感を「夫のストレスをつねに抱え込む主婦にもおすすめ」と評し、笑いを誘う場面も。

審査員からは「バトルの爽快感が圧倒的。止め時がなくずっとプレイしてしまう」と本作の魅力が熱く語られている。

『SOULVARS』(ginolabo)

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『SOULVARS』は、現代をモチーフにしたRPG。

魂をデータ化できるようになった世界線で、主人公たちは人々を脅かす異形を排除すべく、特殊なデバイスを駆使して戦っていく……というのが大まかなあらすじとなる。ストーリーラインはハードボイルド寄りで、殺伐とした世界観が好きならば引き込まれることうけあいだ。

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また近年のスマートフォン向けRPGとしてはめずらしく、縦持ちのため片手で操作できることも特徴。

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バトルでは、さまざまな行動が割り振られた“ソウルビット”と名付けられた手札をドローしていき、これを組み合わせることで特別な技を発動可能となる。

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また、これとは別個に“オルタネイション”という窮地に立つと使えるようになる変身コマンドもあり、少年心をくすぐられる仕掛けが随所に盛り込まれている。

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▲闇夜の中、異形と対峙する主人公。ピンチ時に変身してからの必殺技はひたすらにカッコよく痺れるしかない。まさにロマン。

システムとしてはカードゲーム的な要素とRPGとを融合させたものとなっており、操作感そのものはシンプルながら、バトルではかなり頭を使う内容になっている。無計画に“ソウルビット”を消費しているだけでは勝てない“考える楽しさ”と、ギリギリで戦いを制する“スリルを伴う快感”は、プレイしてすぐに感じられることだろう。

開発元のginolaboは、「ゆっくり腰を据えてゲームができない世代の人たちが、アプリでも本格的かつ戦略的で骨太のRPGを楽しめることを目指した。同時に自分の好きなものをとことん詰め込んだ作品でもあります」とコメント。

なお、本作のクオリティはもちろん本年のTOP3を冠するにふさわしいものではあったが、なんとひとりで3年間かけて完成に至ったとのこと。これに対して審査員は、「このRPGの中にあるカッコよさ、ストーリーやバトルの駆け引きのおもしろさを、たったひとりで作っている。こんな恐ろしいことはないですよね」と称賛した。

特別賞

ここまでに紹介したTOP3タイトルとはべつに、特別賞が設けられた。各受賞タイトルはつぎの通り。

【学生部門賞】
Mini Blaser(Annulus Games)
【TOHO Games賞】
『SOULVARS』(ginolabo)
【集英社ゲームズ賞】
『RASPBERRY MASH』(株式会社イグニッション・エム)
【UUUM賞】
『ユニオンシューター360』(KISHIRO WORKS)

学生部門賞:Mini Blaser(Annulus Games)

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学生が手掛けた全方位シューティング。レベルを上げてパワーアップするシューティングの基本は踏襲しつつ、攻撃は範囲内に対して自動で行われる。手軽で爽快感溢れるプレイ感が特徴。

TOHO Games賞:『SOULVARS』(ginolabo)

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TOP3とダブル受賞。現代を舞台とした、ハードボイルドなストーリーを楽しめるRPG。

集英社ゲームズ賞:『RASPBERRY MASH』(株式会社イグニッション・エム)

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TOP3とダブル受賞。神に復讐を誓った少女が武器を両手に敵をなぎ倒す、かわいらしいドット絵ながらダークなローグライク。

UUUM賞:『ユニオンシューター360』(KISHIRO WORKS)

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自機に“武器をくっつける”ことで砲台として使えるようになる、360°シューティング。開発者は「シンプルなゲーム性にひとつのアイディアを取り入れた」とコメント。

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