【スマホとゲーム機どっちで遊ぶ?#12】PC版からの最適化に差!法と正義とノルマに揺れる『リーガルダンジョン』

2022-04-24 13:00 投稿

スマホ版はUIと操作を最適化!

スマートフォン・タブレットとコンシューマー機の両方で配信されている作品を比較していく企画の第12回。

今回は、警察官となって捜査書類を作成するアドベンチャーゲーム『リーガルダンジョン』を取り上げる。

比較に使用したのはiOS版とニンテンドースイッチ版。ゲーム紹介ではiOS版の画像をしていく。

20220421_リーガルダンジョン (1)

【価格】
iOS:860円(税込)
Android:800円(税込)
プレイステーション4:980円(税込)
ニンテンドースイッチ:980円(税込)
Xbox ONE:980円(税込)
PC(Steam):720円(税込)

【『リーガルダンジョン』公式HPはこちら(英語)】

『リーガルダンジョン』とは
・供述や捜査報告、判例から起訴か不起訴かの意見書を作成するADV
・被疑者との会話で起訴か不起訴かの判断が変わる
・警察組織内のノルマなど事件の外側の事情によっても選択を迷わせるストーリー性が魅力

スマートフォン版とコンシューマー版の違い
・スマートフォン版は画面表示と操作が最適化されている
・ゲーム内容やグラフィック面に差はない
・値段は若干スマートフォン版のほうが安い

罪と罰とノルマが入り組む迷宮

『リーガルダンジョン』は、窃盗や殺人などの事件に関する捜査書類を読み、関連法令や判例に従って捜査意見書を作成するアドベンチャーゲーム。

事件を扱うゲームながら聞き込みや事件現場の調査はなく、またプレイヤーが作成するのはあくまで意見書で、有罪か無罪かといった部分には影響しないなど、ありそうでなかったタイプの作品だ。

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▲主人公の捜査係長・清崎蒼となり、CIS(刑事情報システム)プログラムのアシスタント・あおいとともに事件の捜査意見書を作成していく。

本作は大まかに分けると会話パートと意見書作成パートのふたつによって構成されており、会話パートでは事件発生前の状況や主人公の判断に対する反応が見られ、意見書作成パートでは事件概要や供述を見ながら被疑者を起訴するかどうかを見極めていく。

会話パートはキャラクターグラフィックを用いず、警察組織内の階級を表すマークとテキストだけが表示されるという独特なものになっている。

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▲画面は非常にシンプル。しかし情報の少なさが逆に想像力をかき立て、独特の雰囲気を出している。

意見書作成パートではまず事件の概要が表示され、その後アシスタントであるあおいの助言に沿って意見書に必要な情報をピックアップしていく。

意見書に必要なのは事件の情報だけでなく、罪状に対してどの法令を適用すべきか選択することもある。

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▲同じ窃盗罪を純粋な窃盗として扱うか、特殊窃盗として扱うかで罪の重さも変わってくる。

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▲基本的には色の付いた文字から必要な情報が載っている部分を選ぶだけでいい。

情報のピックアップを終えると、被疑者との会話を通して起訴、不起訴を決定することになる。

この会話部分がRPG風の画面になっているのが、本作のユニークな部分だ。

有罪になる根拠、あるいは無罪になる根拠を正しく示すことで意見書の作成が完了し、物語が進行していく。

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▲被疑者(右)と主人公にはそれぞれHPがある。選択肢を間違えて主人公のHPが尽きるとゲームオーバー、有罪になる根拠を突き付けて相手のHPを0にすれば起訴が決定する。

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▲場面によって被疑者をかばう選択もでき、こちらを選んだ場合は不起訴が決まる。起訴、不起訴によって物語は分岐していく。

被疑者を起訴するか否かで物語の展開が変化するほか、主人公のランクも変化していく。

ランクには成果ランクと法機関評価ランクのふたつがあり、前者は起訴件数が増えるほど上昇し、後者は実際の判決と判断が一致していれば上昇していく。

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▲意見書作成後にはその後の裁判結果などが表示され、ランクが決定される。なお、起訴した場合はコインも獲得でき、おまけ要素の購入が可能になる。

事件をよく理解し起訴、不起訴のどちらが適切かを考えながら決断を下していくわけだが、本作は警察組織内のダーティな部分も描いており、ここも判断に絡んでくる。

警察署全体の成果ランクを稼ぐために敢えて重い罪状で起訴する、権力者の子どもが起こした事件を敢えて不起訴と判断して組織内でのし上がるなど、事件の外側の事情で判断を下すこともあるのだ。

被疑者との会話で正しいキーワードを選び取るという推理アドベンチャー的な要素もあるものの、そこの推理よりもあらゆる要素を加味したうえでどんな判断を下すか、そこが本作でもっとも悩む部分であり、楽しめる部分と言える。

自分で選択ができる読み物といった、まさにアドベンチャーらしい作品なので、物語性を楽しみたい人にはオススメの一本だ。

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▲リトライ時には基本情報の入力がスキップされ、一度開放したルートは自由に切り換えられるなど、複数あるルートが確認しやすくなっているのも親切。

最大の違いは画面と操作の最適化

『リーガルダンジョン』は元がPCゲームであり、PCではマウスでの操作がメインとなる。

それもあり、スマートフォン版とコンシューマー版とでは操作性に大きな差が出ている。

コンシューマー版は十字キーやスティックでカーソルを操作するのだが、マウスでの操作に比べるとカーソルはやや動かしにくく、操作性がいいとは言いがたい。

一方でスマートフォン版は縦画面表示になり、情報のピックアップがタップで行えるなど、しっかりと最適化が行われている。

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▲画面はニンテンドースイッチ版。意見書と操作資料が同時に表示されるメリットはあるが、スティック操作ではカーソル移動がやや遅く、十字キーではやや速すぎると、痒い所に手が届かない印象だ。

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▲スマートフォン版は左上のメニューで記録や判例などの表示/非表示を切り換えられる、など情報が上手く1画面に収められている。供述書などのスクロールもスムーズで、とくに不便な点がない。

なお、ニンテンドースイッチ版はタッチ操作にも対応しているが、それを加味しても操作性はスマートフォン版が上だろう。

どのデバイスでもゲーム内容に差はなく、テキスト中心で進む作品ということもあってグラフィック面の差もない。

また、値段に関しては若干ではあるがスマートフォン版のほうが安くなっている。

こだわりがなければスマホ版がオススメ

前述の通り、本作はゲーム内容やグラフィック面での差がなく、値段や最適化の面ではスマートフォン版に軍配が上がる。

もちろんコンシューマー版でも極端にプレイがしにくいわけではないが、遊びやすさの点で言えばスマートフォン版がオススメだ。

なお、本作は韓国のゲームクリエイター・SOMI氏が手掛ける“罪悪感三部作”の2作目にあたる作品。

1作目の『レプリカ』と3作目の『ザウェイク』はスマートフォン版とニンテンドースイッチ版が配信されているので、3作を通してプレイしたい場合はこのなかから選ぶのもアリだ(各作品は独立した内容になっており、続けて遊ばずともフルに堪能できる)。

⇒【スマホとゲーム機どっちで遊ぶ?】バックナンバーはこちら

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