『日向坂46とふしぎな図書室』1周年記念イベント“竜と夢見る空の果て”がスタート!オリジナルポスター&設定資料集がリアルプレゼントに
2022-03-01 17:27
2021-07-19 18:00 投稿
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日向坂46とふしぎな図書室
ソニー・ミュージックソリューションズから配信中の『日向坂46とふしぎな図書室』は、人気アイドルグループ“日向坂46”のメンバーが登場するスマホ向けアプリだが、ジャンルはまさかのタワーディフェンス。やってみると、戦略性が求められる‟ガチ”ゲームだ。
アイドルを題材したゲームといえば、アイドルと疑似恋愛をするような恋愛シミュレーション型のジャンルが多い中、かなり異彩を放つのが、この『日向坂46とふしぎな図書室』(以下、『ひな図書』)なのだ。
今回は、そんな本作を制作する株式会社フィラメントの開発陣にインタビュー。もうすぐ配信から半年を迎えるにあたり、改めて本作を制作することになった経緯や、これまで表には出なかった制作過程やこだわり、今後の展開などさまざまなことを語ってもらった。
お話をお伺いしたのは、フィラメントで、『ひな図書』のディレクターを務める西沢学氏(文中、西沢)、シナリオ周りを担当するナラティブデザイナー田邉木実子氏(文中、田邉)、デザイン周りを担当するアートディレクター星昌和氏(文中、星)の三方だ。
――『ひな図書』のタワーディフェンスはアイドルゲームでは珍しいジャンルだと思うのですが、どのようなきっかけで開発がスタートしたのですか?
西沢 ソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)さんから、日向坂46の冠がなくても成立する新しいゲームを考えてくれないかというお題をいただきました。この手のゲームならば、プレイヤーはメンバーたちのかわいい写真を見たいとか、疑似恋愛の要素が欲しいのでないかと思うのですが、そういったジャンルはすでに何作も出ているので、我々は思い切った新機軸の企画を提案することになりました。そこでよくある恋愛シミュレーションを除外し、いくつか出させていただいた企画案の中でこのゲームシステムになりました。
――ほかにも候補があったのでしょうか?
西沢 ほかには農場系とかパズルとか……じつは「そうはいってもやっぱり」と一応、恋愛シミュレーションも出してみました(笑) でも、我々のほうでもタワーディフェンスを推しましたね。タワーディフェンスというと横スクロールのものが多いのですが、そこを分割した縦画面にし、新しい操作感が体験できるように追及しました。
――『ひな図書』は敵との相性を考えたり、しっかり育成しないと勝てないゲーム性で、一般的な実在系のアイドルゲームとはだいぶ違いますよね。
西沢 はい。パブリッシャーからの依頼でIPの強さだけに頼らないゲームを目指していましたので、ゲーム自体の面白さであったり、やりこみ度や達成感のところはこだわって作っています。
――SMSからは、このシステムのどういうところが評価されたと感じましたか?
西沢 ゲームとしての目新しさと奥深さ、“本の中に入る”ということで様々な展開が可能となる設定の妙などを評価いただいたのかと思います。とくに本プロジェクトの責任者の方がかなりゲームに詳しく、そこで刺さるものがあったんだと思います。
あとはカードですね。CGを使って“これまで見たことがない日向坂46のメンバーをビジュアル化しよう”というのをテーマに掲げていたので、そのアプローチも評価をいただきました。実際にかなり力を入れている部分です。
――リリースして間もなく半年になりますが、プレイヤーからの反応や反響はどうでしたか?
西沢 最初はファンの方にとって異質なものだったと思います。挑戦的ではありましたが、このゲームならではということで、受け入れられているように感じます。メンバーもゲーム好きが多いことから、おひさま(日向坂46のファンの総称)とシンクロしている部分があるのかなと思いました。もちろんこれまでゲームにあまり触れていないファンの方もいらっしゃったと思うんですけど、そういった方にも快適に遊んでいただけるように、リリースしてから難易度調整などのチューニングを続けています。
――メンバーが本の世界に入って問題を解決していくという世界観は、どのように作っていきましたか?
西沢 バトルものとしてファンタジーな世界をどう作っていこうかと考えた時に、現実と空想を両軸で没入させるために、“本の中に入って行く”というテーマが良いのではないかと思いました。現実世界での日向坂46が国民的アイドルとして活動している中で、本を救うために異世界に行くというファンタジー部分をゲームで表現するのは、題材としてよかったと思います。
あとは、メンバーには今まで見たことのないようなビジュアルを構築したかったので、この世界観なら設定も現代、未来、過去含めて出せるので、それもよかったですね。
――ストーリーも読み応えのあるものになっています。
田邉 じつは開発初期はもう少しバトルに比重を置いて設計していました。でもリリース分のメインストーリーが出来上がると、プロジェクト責任者の方が世界観をすごく気に入ってくださって、「もっとゲームとして面白くなるようにやって構わない」と言ってくださって。その結果、オリジナルストーリーの要素も強くなっていった感じです。
最初のイベントは影山優佳さんが復帰するストーリーだったんですが、そこでさっそく、かなりかなり踏み込んだシナリオを書いてみました。正直どれくらいメンバーの関係性を入れて良いものか、おひさまの皆さんがどう思うのかも気になりましたが、SMSさんとしてもオーケーを出してくださったので、思い切って世に出したら、ファンの皆さんが好意的に受け止めてくださって。そこから今に至るまで、自由度高く書かせてもらっています。
――『ひな図書』のストーリーはどのように作っているのでしょうか。
田邉 メインストーリー、イベントストーリー、メンバーストーリーの3つありますが、それぞれコンセプトに違いがあります。メインストーリーの場合は自由度高くメンバーのドラマを描いています。
イベントストーリーはディレクターと相談して、フィーチャーするジョブとメンバーが活きるステージを考えます。旅をする本や世界観を決め、登場メンバーが活躍できるストーリーや会話を作り上げていきます。
メンバーストーリーはライターさんにご協力いただいているのですが、できるだけリアルにメンバーと喋っている感じにしたいので、そこを意識していただいています。
――ファンに喜ばれるものを知るためには、PVやライブ映像を見ないといけないと思うのですが、皆さんはもともと日向坂46をお好きだったんですか?
西沢 発足時、我々はそもそもアイドル知識がほとんどありませんでした。そこでファン心理をどうやって知ろうかと思ったときに、まずは握手会に行こうと。会社からもそこは全面サポートすると言われ、ライブ費用を出してもらったり、ファンクラブにも全員入ろう、と(笑)
――手厚いですね!(笑)
西沢 はい。ありがたかったですね(笑) あとはTwitterやYouTubeをチェックし、雑誌類は全部買って、日々情報を手に入れていきましたね。実際に握手会やライブに行くまで全然分からなかったんですけど、やっぱり日向坂46はすごくて。どんどんみんな好きになっていき、おひさま化していきました。
――人となりやメンバーの関係性がわからないと会話の掛け合いは書きづらいですよね。
田邉 そうですね。ですので番組やライブ、雑誌などを見させていただいていますが、正直、日向坂46さんだったからこそ、これだけ話が広がるものが作れたと思っています。知れば知るほど日向坂46って、“絆感”が強いグループだなと感じるんです。インタビューをさせていただいた時にも、実感したというか。絆が本物なので、それを描いてもフィクションにならないのがありがたいと思っています。
――『ひな図書』は通常のゲームのイベントに比べるとグラフィックのボリュームがある気がしますが……。
星 イベントごとに背景を作っています。設定に合わせて絵柄を変えるので、デザイナーからすると新鮮な気持ちで制作できますし、ゲームとしての自由度はあるのではないかと思います。確かに用意するアセットの量は多いんですけど、制作する上でやりがいはありますね。
――キャラクターのモーションもすごくこだわっていますよね。
星 モーションデザイナーがPVなど、メンバーが動いているあらゆるものを観察しながら、癖やしぐさを注視して、良いところを抽出してモーションを作っています。画面が小さいのがもったいないですね。とても良い動きをしているので。
西沢 前回のイベントの時にもパワーローダーに乗っている状態で曲のダンスを踊っているモーションがありましたが、ダンスをさせるのにかなり苦労していました。SDキャラなので、頭以上に手が上がらないとかがあって……。
星 そういった縛りがある中でも、足のひねりとか、仕草もかわいらしくできたんじゃないかと思います。
――『ひな図書』で実装されている鎧姿のメンバーたちのカードがファンの間で話題になっていますが、あのカードはどのように作られているんですか?
星 CGですね。資料を集めてデザインを作成、モデリングをして、グリーンバックを背景にしたメンバーの写真を取り込んでいきます。最初の段階のデザインやモデリングも肝心なんですけど、背景とCGの衣装に、メンバーの写真を合わせる作業のところでクオリティーが大きく変わってくるので、そこの匙加減が難しく、何度もトライ&エラーを繰り返しながら今の状態までもってきました。
――すごい! 衣装からモデリングしていたのですね。てっきり厚塗りで描いているのかとばかり……。
田邉 最初はみなさんそう思われますね(笑)
星 非日常の戦に赴くメンバーたちという設定なので、普段の日向坂46らしさにとどめず、違った魅力を出そうと個人的に思っていました。雑誌などの媒体で見るメンバーのイメージよりも、力強さだったり、色合いもダークな部分があったりと、臨場感を出せるイメージ作りができるようにしています。
――スマホゲームのカードでCGを使ってここまで作りこむというのはあまり聞きませんよね。
西沢 カードを見た時の印象が、リアルかCGか分からないところを狙っていたんですよね。我々のチームはハイエンド系のデザイナーたちが多くて、やるならこういう形かなというところで生み出された手法ではありますね。とはいっても最初からCGを売りにするわけではなく、“見たことのない日向坂46”のカードにしたいと思って作っていたら、こうなったという感じです。
星 CGの良いところは非現実的なものが作れるというところです。実際に作る衣装の制限を取り払えるので、表現の幅が広がりますね。その分、かなり時間はかかってますけど……。
西沢 例えば甲冑のカードを例に挙げると、実際の甲冑はシルエットがきれいに出せないのもありますし、そもそも重くて、とれないポーズもあると思うので、そういうところが表現できるのは良いと思います。
星 この衣装、しっかり足先まで作ってあるんですけど、見ることはないですね(笑)
西沢 もっと言うと、草鞋の裏までも作ってありますね。正直、見えないからここの開発コストを削ってもいいかなって思ったりもするんですけど、星が妥協を許さないので(笑)
――スマホゲームに留めるのがもったいないほど作りこんでいますが、それだけこだわっているということですね。メンバーの皆さんもカードを見て驚かれたのでは?
西沢 撮影するときは完成時のビジュアルがわからないので、グリーンバックを背景に、全然可愛くない恰好で武器を持って撮影させられて、最初の頃は戸惑われていましたね。でも、完成した合成画像を見て驚かれていました。今ではこのゲームを好きと言ってくださり、撮影を楽しみにしてくださるメンバーも多いので、難しいポーズにも取り組んだりと、さらに良い写真が撮れるようになってきました。
――今回はかなり気合の入ったイベント、“ヒナタザカ・サーガ”が開催されるということですが。
西沢 “ヒナタザカ・サーガ”は、8ビット風のゲームの攻略本が舞台になっています。
田邊 ゲームの攻略本が汚染されてしまい、そこに入ったらレトロゲームの世界だったというあらすじです。この世界の住人の代わりにメンバーたちが王様に頼まれて魔物を倒しにいくという、王道ゲームストーリー的展開になっています。
今回、フィーチャーされたメンバーの中では松田さんや山口さん、渡邉さんがゲーム好きということもあり「武器屋に行かない?」とか「宿屋行こうよ」といった感じで、ゲームに慣れている人間としてこの世界を楽しんでいる様子も描かれます。
西沢 8ビットの世界ということで背景もキャラクターもドットで描かれています。
――かなり古い攻略本ですね(笑)
西沢 30年前の攻略本です(笑) お話やクエストをアンロックしていくのは今まで通り変わらないですが、アイテム名もレトロに寄せていますね。メッセージウインドウみたいなのも出てきます。これまで様々な本の世界を旅しましたが、雰囲気をガラリと変えました。
※画面は開発中のものです
――攻略本という発想はどこから来たのでしょうか。
田邊 今回の場合は、‟ランサー”というジョブを際立たせたい、というところからシナリオを考えたのですが、ランサーが活躍できそうなシーンとして出てきたのが、ゲームでした。あと、そろそろ毛色が違うものもやりたいなという思いがあったので、「ゲーム世界はどうですか?」というお話から、実装に至りました。
西沢 ボスも究極魔法を放ってくるんですよ。あとは第2形態なんかもあったり。難易度の話をすると、ノーマルではできるだけ易しくして、ゲームが得意ではない方も遊べる作りで、さらに上級者向けのクエストを用意するようにしています。イベントでは、ボスである‟ドラゾーマ”のうろこを集めていくんですけど、イベントの目玉である山口さんのランサーが手に入ります。
――ドットなんですね! さっきのカードとの差がすごい(笑)
西沢 こだわってのこれです!
星 ドットの配置にこだわっています。
一同 (笑)
西沢 手に入れたカードは、初期のステータスはすごく弱いのですが、入手したイベントアイテムで覚醒で強化していくものになってます。4段階まで覚醒できるんですけが、3段階目でようやくCGのイラストに変わって、戦えるレベルの強さになります。
――イベントごとに、だいぶ幅があるのですね。
西沢 はい。これだけ幅を持たせると色々な遊びが作れるので、ゲームとしても楽しいものが出来上がりますし、メンバーの色々な顔が見れるのでおひさまにとっても嬉しいのではないかなと思います。今回はゲームの本ですが、その先に夏祭りをテーマにしたものを進めてます。そこで入るのが花火の雑誌なんですけど……もはや図書館にある本に限らず、紙で閉じてあればなんでも入れるという(笑)
――マンガとかもありえますよね。
西沢 ぜひマンガとコラボしたいですね。この先もどんどん横に広げていきたいなと思います。
――今後、実装を考えているコンテンツはありますでしょうか。
西沢 ゲーム的にももっと幅を広げていこうと思っておりまして、新たにみんなで戦うマルチレイドという機能も近いうちに導入しようと思っています。現状、フォローとフォロワーの関係が薄いんですが、そこを強めていくようなアップデートをこれから入れていきたいです。もともとこのゲーム、みんなで協力するゲームにしたかったのですが、まずはひとりでも遊べるようなところに取り組んでいた状態でしたので。
あとは名前でしかプレイヤーの存在感を出す部分がないのですが、プロフィールのシンボルや、フレンド選択時のカスタマイズなどの機能を追加していく予定です。これまで以上に、自分のアピールや推しへの愛が表現できるようになると思います。
――それでは最後にゲームを楽しんでいる方や、これからプレイをする方に向けてメッセージをお願いします。
西沢 これから新機能や新イベントもどんどん追加していきますし、もうすぐ半年を迎えるので、ハーフアニバーサリーのようなキャンペーン施策も打っていこうと思っています。年末には、遊び方が変わるような機能のアップデートも検討しているので、遊んで下さっているみなさんも、これからの『ひな図書』に期待して遊んでいただければと思います。
これから始める方も、このゲームに早い遅いはないので、ぜひプレイしていただきたいです。そして日向坂のファンではなくても楽しめるゲームになっていると思うので、この記事でゲームに興味を持った方もぜひよろしくお願いします!
星 素敵なビジュアルをみなさんにお届けするには、見えないところのこだわりの積み重ねだと思いますので、これからも力を入れていきたいですし、設定に合わせて幅の広げたデザインを手掛けていきたいです。デザイナー一同、頑張っていきますので、よろしくお願いします。
田邊 これからも楽しんでいただけるストーリーを提供できるように頑張っていきたいです。とくにメインストーリーでは、これまでのアイドルゲームにはないようなエンターテインメントをお届けしたいと思っていますので、このあともぜひ楽しみにしていただければと思います。
そしてこのゲームをやって下さっているおひさまの方は、ぜひこのゲームを日向坂46の布教に使ってほしいです!(笑) 日向坂46を知らない方でもゲームを楽しむ中で彼女たちを好きになってもらえるくらい、魅力をめいっぱい引き出していければと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします!
――本日はありがとうございました。
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