『脱出ごっこ』年内サービス終了を発表 『脱獄ごっこPRO』で使えるアイテムプレゼントキャンペーン実施予定
2023-07-18 20:00
2020-06-19 12:00 投稿
この記事に関連するゲームゲーム詳細
脱獄ごっこ
数々の人気動画クリエイターたちが所属するUUUMが配信するスマートフォン向けゲームアプリ『脱獄ごっこ』。
本作は、人狼と脱出ゲームを組み合わせた非対称型オンラインマルチ対戦ゲームとして、若年層に根強い人気を誇っている。またラスカルやぼのぼのといった人気キャラクターとのコラボ展開も行なわれており、そこでも話題を呼んだタイトルだ。
そんな本作が開発された経緯には、人気動画クリエイターである“まいぜんシスターズ”さんが関わっているという。今回、同作の開発者である戸塚友氏にインタビューを実施し、『脱獄ごっこ』が開発された経緯や、まいぜんシスターズさんとの関係性について詳しい話を聞いてみたので、その内容を紹介していこう。
――本日はよろしくお願いします。本題に入る前に、まずは御社でゲーム事業を始めることになった経緯や始めた時期などを聞かせてください。
戸塚 私は当時入社していなかったので人づてに聞いた話になりますが、UUUMは2014年にはアプリを配信していたようです。そのきっかけは、HIKAKINさんと『チャリ走』のコラボなどから、UUUM所属クリエイターのゲームには需要があると注目したのがキッカケになったと聞いています。また当時はゲーム実況を自由にやっていいのか、それとも都度メーカーさんに許諾が必要なのか、判断が難しい時期だったのも影響していると思います。
――ゲーム実況配信が影響しているというのは、どういうことでしょう?
戸塚 UUUMが作ったゲームなら、所属クリエイターさんたちは安心して自由にゲーム実況を配信できますからね。ゲーム実況配信者にとっての動画ネタはゲームですから。そこのリスクを取り払えるなら、それに越したことはありません。
――なるほど、自分たちが権利元になって配信に対する制限がかからないようにしたと。では、立ち上げ当初のゲーム事業は、ゲームビジネスというよりはクリエイター支援の側面が強かったのでしょうか?
戸塚 もちろん、支援だけでなく利益を出そうという考えもあったとは思います。ただ、クリエイターのファンというターゲットを超えた、ユーザー獲得は難しかったと聞いていますね。ヒット作も、『青鬼オンライン』のようにもとから人気のあったIPタイトルですから。
――配信されているゲームについては、自社開発をしているのでしょうか?
戸塚 以前は協業やパブリッシング業務が多かったはずです。2018年に入社した際、僕がUUUMで初めてのゲームプログラマーだったので。本当の意味で自社開発がスタートしたのは、僕が入社してひとりで開発を始めてからですね。
――自社開発になってから、ひとりで……?
戸塚 ずっとひとりでした(笑)。『脱獄ごっこ』も、結果的に僕ひとりで開発していましたね。プログラミングからイラストまで、全部やっていました。
――ひとりで開発というのはちょっと、驚きです(笑)。
戸塚 デザイナーさんは手配してくれるかなと思っていたのですが、そういうこともなく……。ずっとひとりで開発を進めていました(笑)。ある意味、そのおかげで自由に作れたという面もありましたが。
――それで結果を出せているというのがすごいですね。
戸塚 ただ、『脱獄ごっこ』より前に配信したタイトルだと、まったく伸びなかった例もあります。当初はUUUMから配信すれば多くの人に注目してもらえると思っていましたが、UUUMファン=ゲームファンではないということを痛感させられましたね。
――本題である『脱獄ごっこ』についてですが、どういった内容のゲームなのでしょうか?
戸塚 『脱獄ごっこ』は、追う側と逃げる側に分かれて戦う、非対称型オンラインマルチ対戦ゲームになります。同ジャンルでは、鬼側が無敵になっている作品がほとんどですが、本作の場合は人狼ゲームの要素を加えてあるので、鬼側を倒せるようになっています。これが本作の最たる特徴だと思います。
――そんな本作は御社の中でもヒット作とのことですが、具体的にどれくらい遊ばれているのでしょうか?
戸塚 おかげさまで、リリースしてから1年で300万ダウンロードを突破しました。現在のMAU(1ヵ月あたりのアクティブユーザー数)は60万人となっていますし、本当にたくさんの方に遊んでいただいています。とくにYouTubeの動画から入った10~20代の方に支持していただいていますね。
――開発にはまいぜんシスターズさんも関わっていると聞いていますが、具体的にどういった経緯で関わることになったのでしょう?
戸塚 UUUM所属のクリエイター、まいぜんシスターズさんサイドからお声掛けいただいたのが開発のスタート地点ですね。まいぜんシスターズさんは、以前からゲームを作りたいという夢を持っていたそうです。そんな中、UUUM内にゲーム開発ができる僕が入ったことから、まいぜんシスターズさんのバディ(マネージャー)から「まいぜんシスターズがゲームを作りたがってるんだけど、どう?」と。
――では、非対称型の対戦ゲームというのはまいぜんシスターズさんから提案された内容になるのでしょうか?
戸塚 いえ、まいぜんシスターズさんとしてはこれが最初のゲーム開発になりますから、まずはスモールステップとして小規模なシンプルゲームを想定していたようです。
ただ、これまでUUUMでいろいろとゲームアプリを配信してきた経験から“UUUMから出せばヒットするわけではない”ということもわかっていましたし、『青鬼オンライン』の人気ぶりから、小規模なものよりオンラインで遊べる大きなゲームを出したほうがいいという判断ができたので、私のほうから「しっかり作りましょう!」、「非対称ゲームなどはいかがでしょう?」と提案させていただきました。
それからしばらくしてですね、まいぜんシスターズさんから『脱獄ごっこ』の根幹になるような企画が上がってきたのは。
――まいぜんシスターズさんは、企画部分で参加されているのですね。
戸塚 メインで企画をしつつ、開発の初期段階では監修もしてもらいました。いまでも定期的にミーティングをして、アイデアをいただいています。マップのギミックから武器の設定まで、企画として携わってくれています。
――『脱獄ごっこ』がまいぜんシスターズさん初のゲーム制作とのことですが、開発者の目線から見てまいぜんシスターズさんの企画はどうでしたか?
戸塚 「日本一のゲームを作りたい!」という夢をお持ちの方なので、企画への熱量は膨大でしたね。彼らは日々YouTubeに動画を投稿しているクリエイターで、ユーザーのことをしっかり見て、一般ユーザーの目線として物事を分析し、そこに必要なものを選んでくれるバランス感覚に優れていました。
開発者は新しいものを世に出そうと尖ったシステムを入れてしまうことがありますが、まいぜんシスターズさんは、それが一般ユーザーに必要なものなのか、受け入れられるのか、そういった視点から企画を見てくれたので安心していっしょにお仕事ができましたね。
――「日本一のゲームを作りたい!」という熱意は本物だったんですね。では、開発時に意見が衝突したりといったこともあったかと思うのですが、いかがでしょうか?
戸塚 揉めたことはなかったですね。ただ、職業柄トレンドに非常に敏感な方なので、開発が進んだところで“これはいまのユーザーに求められているものではない”と判断されて、作り直しが発生することは多かったです。しかしそれも、話を聞けば納得できる内容だったので、開発でボツになったものがあっても揉めることはありませんでした。
――作り直しもそれなりに発生していたんですね。では作り始めたから実際に形になるまで、けっこうな時間がかかったのではないですか?
戸塚 いえ、作り始めてからリリースまで、だいたい3ヵ月ですね(笑)。
――は、早い(笑)。
戸塚 開発の早さが特技というか、私のウリだったので(笑)。
――ひとりでリリースまで開発・運営していたということは、ユーザーからの意見への反応も戸塚さんが対応を?
戸塚 基本はそうですが、ユーザーからのフィードバックはまいぜんシスターズさんの動画を見て判断することが多いですね。動画を見て、何を喜んでくれているのかを分析しながら、アップデートや調整をしています。
――動画の反応を見て対応していくのは、UUUMらしいやりかたのように感じます。これまでのお話でもありましたが、実際にまいぜんシスターズさんが開発に関わることで得られたメリットはどのようなものになりますか?
戸塚 動画クリエイターとしての視点から得られる知見は大きいですね。動画映えする演出やシステム、配信していておもしろいかどうか、といった点は、僕にはできない発想、着眼点でした。
たとえば、相手プレイヤーの足を止めるトラップがあるのですが、僕はこれを“テンポが悪くなる、おもしろくないシステム”だと思っていたのですが、動画映えという観点では“脱出直前で足止めトラップにかかる”というおいしいネタになって、ひとつの盛り上げ要素になるんです。そういった、ゲームクリエイターとは違う目線や、一般受けするかどうかに対しての鋭い感覚には助けられることも多々ありました。
――ここまでのお話を聞くと、かなり深く企画に関わっているようですが、『脱獄ごっこ』でまいぜんシスターズさんの名前を前面に出していないのはどうしてでしょうか?
戸塚 前提として、僕が作ったタイトルではクリエイターさんを前面に出していません。クリエイターさんの名前を前に出してしまうと“ファンしか喜べないゲーム”という印象がついてしまいますから。なので、まいぜんシスターズさんのファンの方以外にもプレイしてもらえる可能性を少しでも増やすために、今回はまいぜんシスターズさんの名前は出さずにマーケティングをしています。
――『脱獄ごっこ』は現在もアップデートが続いていますが、まいぜんシスターズさんは関わっているのでしょうか?
戸塚 運営に携わっているわけではないですが、追加アイテムなどのアイデアはもらっています。
――当初は小規模なゲームで一歩進むはずが、大きなステップになりましたね。
戸塚 “人によろこんでもらえるゲームを出したい”という意識が強い方なので、もっともっとという気持ちもあると思います。日本一、世界一を夢見ている人なので、だからこそいまでもアイデアをもらえているのかなと。
――企画はいまでも貰える、とのことですが今後の展開についてお話できることはありますか?
戸塚 完全ノープランですが、まいぜんシスターズさんから「自分たちで遊びかたを決められる自由な場、プレイグラウンドがほしい」というアイデアをいただいています。これはとても楽しくなる要素だと思うので、やっていきたいですね。
――戸塚さんは以前はべつの会社で開発をやっていたとのことですが、UUUMだからこそできる、強みのようなものは感じますか?
戸塚 UUUMだからこそ、まいぜんシスターズさんといっしょにゲームを作れたという部分に集約されますね。僕はどうしてもゲーム開発者の目線に立ってしまいがちですが、そこに動画制作者としての視点を加えられるというのはUUUMならではの強みだと思います。動画クリエイターをタレントのように思っている方も多いと思いますが、いっしょに活動をしてみると「タレントではなくクリエイターなんだな」と実感できます。
また先日、タレント・モデルの本田翼さんがマイクロソフトさんと組んでゲーム開発をしていると発表をして話題になりましたが、UUUMではこうした取り組みを以前から行っていました。『脱獄ごっこ』といった成功実績もあがっています。
膨大な熱量や画期的なアイデアがあっても「ゲーム開発の知識やツテがない」という理由でクリエイターさんたちが開発を諦め、アイデアが埋もれてしまうということも世の中にはたくさんあると思います。それを腐らせずに活用できるというのも、UUUMのひとつの強みだと感じますね。
私たちゲームクリエイターにとっても、こういった新しい接点はいい刺激になりますし。
――UUUMのゲーム開発の生産ラインは戸塚さんの一本だけなのでしょうか? 大きな会社の事業としては、とてもフットワークが軽い印象を受けますが。
戸塚 軽いというか、開発者が僕ひとりだけだったので身軽なだけですね(笑)。社長がオーケーしてくれたらサッと作れる、特殊な環境です。現在も生産ラインは僕のチームひとつだけですが、最近では広報なども加わって、大きくなってきました。
――規模も拡大しているようですが、今後のゲーム事業としてはどういったビジョンをお持ちですか?
戸塚 やはり多くの動画クリエイターが所属しているというのがUUUM最大の強みなので、クリエイターのアイデアを形にしていきたいですね。自社開発なら彼らの希望も叶えやすいですし。ひとまずいまは、ドンドン人を増やして遊んでもらえるタイトルを作っていきたいです。
――ちなみに、まいぜんシスターズさんの企画第2弾となるゲームは考えていたりしますか?
戸塚 以前お話した際に「ほかのゲームも作りたい」とは言っていましたね。いまは『脱獄ごっこ』に注力していますが、当然つぎもあると思っています。
――本日はありがとうございました。最後に、ゲームファンやUUUMに興味を持っている開発者に向けてメッセージをお願いします。
戸塚 求人というわけではありませんが、ゲーム開発者さん超ウェルカムです!(笑) 僕がひとりで作りたいゲームを作ってきた人間なので、自分のIPを持ちたい、企画から開発までやっていきたいという意気込みのある方とは、ぜひ一度お会いしたいですね。
最後にファンの方に向けて……ゲームを楽しんでもらいたいのはもちろんですが、ぜひクリエイターたちが遊んでいる動画も見てほしいです。最近は『Mirrativ』での配信・投稿も増えているので、ほかの人のプレイスタイルなどを見て、多彩な遊びかたがあるということを知ってほしいです。これからも『脱獄ごっこ』を楽しんでもらえるとうれしいです!
対応機種 | iOS/Android |
---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
メーカー | LiTMUS/UUUM |
---|---|
公式サイト | https://www.uuum.co.jp/apps |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | © UUUM Co.,Ltd. All rights reserved. |
過去12時間のPV数が高いニュース記事
過去24時間のPV数が高い攻略記事
ツイート数が多い記事
この記事と同じカテゴリの最新記事一覧
キャラも作り手も全員“好き”放題!ハピエレ× グリモア新作『リバースブルー×リバースエンド』目指したのは“古きよきソシャゲ”【プロデューサーインタビュー】
かわいい見た目と裏腹に中身は生意気⁉NCSOFT新作『護縁(ごえん)』で“ウゲン”を演じる堀江瞬さんに独占インタビュー
コアなPCゲームをスマホ向けに遊びやすく、日本ではコラボも視野に入れて――KRAFTONより期待の新作『ダークアンドダーカーモバイル』開発者インタビュー【オフィスレポートあり】
『白猫NW』はなぜバトルシステムを大規模アップデートしたのか|開発ディレクターインタビュー
【黒ウィズ】なぜこのタイミングで新属性を実装?クリエイターコラボの意図は?11周年を迎えた「黒猫開発室」インタビュー