ラーババンって何!?『Ingress』チーバくんも参戦したミッションディ千葉ニュータウンリポート

2019-12-10 15:11 投稿

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Ingress Prime(イングレス プライム)

雨降る千葉県北西部を約24キロの大冒険

降雪の可能性を危惧するあいにくの予報に震えた2019年12月7日。

ナイアンティックの位置情報ゲーム『Ingress』を使った地域探索イベント“ミッションディ”が千葉県は北西部、3つの市(船橋市・白井市・印西市)をまたぐ千葉ニュータウンで開催された。

本記事では全18ルートあるミッションの中から6つ。そして、当イベントに合わせて登場した6ルートから成るバナーミッションにフリーライターの深津庵が挑戦。

当日体験した千葉ニュータウンの様子をお届けする。

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ナウマン象発掘の地を目指せ

千葉ニュータウンを訪れたのは今回が2度目。2018年11月に開催されたファーストサタディが1度目であり、それに合わせて用意された6つのミッションに挑戦した経験がある。

【当時の様子はこちら】

そして今回、ミッションディとして設定された18ルートのうち、11ルートはチェックアウト会場が近い千葉ニュータウン中央駅を中心に展開。実績メダルを獲得するために必要な6ミッションを達成するだけなら最寄り駅周辺でサクッとできるやさしい設定だ。

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しかし、駅の南側に関して1年前のファーストサタディで巡礼済み。筆者のようなエージェントを考慮してか、マップを見てみると北側のほか、東方面の印西牧の原駅に4つ印旛日本医大駅に3つのミッションが設定されていたのだ。

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なるほど、これは試されているに違いない。

そうとなればもっとも遠い印旛日本医大駅から片道推定45分のミッション“MD2019:CNT18,山田橋”から逆打ちでやってやろうじゃないかと決意。

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お題にもなっている山田橋は北印旛沼と西印旛沼を繋ぐ印旛捷水路に架かる大きな橋だ。

そして、水路の工事が行われていた1966年(昭和41年)6月。日本初となるナウマン象の化石がほぼ完全1個体で発掘された場所でもある。

化石自体は上野の国立科学博物館に展示されており、ここに行っても見れるわけではないのだけど、どんな光景なのかこの目で見てみたいってわけで……

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写真では伝わりにくいがすでに雨が降り始めており、住宅街を除く目的地までほとんどの歩道は雑草に覆われた悪路。猛スピードで行き来する車は多いが、歩いているのは自分だけという心細くも特別な体験となった。

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印旛郵便局の手前にあったポータル“ナマズのオブジェ”は、数えるほどしかなかった貴重な街灯の1つ

北印旛沼や西印旛沼といった沼がナマズで有名なのかなと考えつつも、ナマズが苦手な筆者は直視することなく足早に通過。雨にうたれながら歩くこと約45分、ついに目的地の山田橋に到着した。

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山田橋に設置された“ナウマン象発掘の地”という立て看板。水を飲みに来て泥土にはまった可能性を示す内容に驚くと同時に、「それはないぜ」と言わざるえない衝撃的なメッセージを発見する。

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つまり、山田橋と並んで見えた赤いアーチが特徴的な市井橋のふもとということ。

ここまできたら少しでも近くでナウマン象を感じたい

すぐ脇にあった崩壊したポイントが転々と続く細道を1歩ずつ、行き来する運転手の視線を感じながら歩いたのはいい思い出だ。

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松虫姫の名を持つふたつのスポット

赤いアーチの市井橋から山田橋に戻って来た道をさらに45分かけて帰ろうとしたとき、ひとりの女性に呼び止められる。

聞けば印旛日本医大駅行きのバス停を探していたその方もエージェント。不安だった道中の体験を互いにぼやき、荒んだ心もスッキリした。

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その勢いのままふたつ目、印旛日本医大駅前から始まる“MD2019: CNT16,松虫姫公園”“MD2019: CNT17,松虫寺”に続けて挑戦。

どちらのミッションにも含まれる“松虫”とは、聖武天皇(奈良時代)の皇女松虫姫をさしており、病に苦しむ松虫姫を夢のお告げに従い都から乗せてきた牛の像がある松虫姫公園。

そして、病が癒えたことに喜んだ聖武天皇が僧行基に命じて建てたとされるのが松虫寺というわけだ。

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印旛日本医大駅の副駅名が松虫姫であるの由来も納得。

しかし、それでもなお謎なのが“日本医大”というわりに最寄り駅にキャンパスがない点だ。

同大学の附属病院があるからなのか、新たな疑問が生まれてしまったが、“東京”と付いたスポットの多い地なので深く考えないようにした。

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スカイツリーが見える標高41メートルの築山

4番目に挑戦した“MD2019: CNT12,牧の原公園”は、印西牧の原駅から北方向に位置する大きな公園を目指すもの。

ここには、印西市の花であるコスモスが咲く“コスモスの丘”“ひょうたん山”などと呼ばれる標高41メートルの築山があり、その頂上にある方位盤がミッションの対象ポータルになっていた。

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階段の幅が狭く、さらに雨の影響で滑りやすい。

高所が苦手な筆者は登っているだけで足がすくんでしまう地獄のスポット。ずぶ濡れの手すりを握りしめて頂上を目指す。

雨模様だったこの日は富士山や筑波山、東京スカイツリーを確認することはできなかったが、頑張った甲斐もありとても気持ちのいい体験をすることができた。

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印旛沼の龍伝説を感じる2つのルート

牧の原公園の築山を下山して次に向かった印西牧の原駅の南側をめぐる“MD2019: CNT13,草深公園”と、そこから西に進んだ先にある“MD2019: CNT15,西の原公園”

このふたつの公園に共通していたのが龍をモチーフにしたオブジェの存在だ。

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調べてみると印旛沼には龍神様にまつわる伝説があり、それにちなんで各地にオブジェが設置されているらしい。

遠い昔、印旛沼に住んでいた小龍が干ばつで苦しむ農民を助けるため雨を降らせるも、それが大龍の怒りをかい体を3つに切り裂かれてしまう。

その後、頭部を発見した印旛郡栄町の龍角寺。腹を印西市の竜腹寺、尻尾は匝瑳市の竜尾寺に祀ったというのだ。

たしかに今回の探索中も龍をイメージしたベンチや街灯。水道の刻印など龍をイメージしたオブジェをたくさん目にした。

今回は関連する寺に行くことができなかったが、対象である3つの寺をめぐるミッションがあるならチャレンジしてみたい。

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その知名度は全国区!? チーバくん襲来

目標にしていた6つのルートを巡り、チェックアウト会場に設定された中央駅前地域交流館を訪れたのは11時過ぎのこと。事前に印刷しておいたQRコードのおかげでチェックアウトもスムーズに完了。

館内に併設されていた多数の企画コーナーを見て回ることにした。

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まずは、AGの名刺代わりバイオカードが詰まった“紅玉”

これは各イベント会場を渡り歩く特別なトランクで、自分のカードを入れて旅に出すもよし。好きなカードをいただくもよしという交流の文化だ。

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そして、通称“μ1.331”と呼ばれるDr.ささけん氏が制作した非公式車両の初号機と参号機も参加。車体にはエージェントたちが作ったステッカーがたくさん貼られ、乗車してして記念写真を撮るなど多くの注目を集めていた。

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その他、GORUCKという簡単に言えば重いものを背負って歩いたり、ときには海にだって潜っちゃう体育会系な企画に関連したグッズの展示トレーニング体験ができるコーナーも併設。

さらに、レジスタンスとエンライテンド両陣営を盛り上げるブースや“千葉の名物をつくろうリビング街のコロッケ選手権”でグランプリに輝いた“いんざい焼きコロ”と各種お弁当が館内で販売されていた。

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なお、当日はナイアンティックのユーザーエクスペリエンスデザイナーを務める石塚尚之氏も参加

さらに、印西市マスコットキャラクターのいんザイ君と千葉県マスコットキャラクターのチーバくん。『Ingress』とは長いつながりのある日本赤十字社の献血キャラクターけんけつちゃんが駆けつけてくれた。

とくにチーバくんの自由奔放な性格にはビックリ。千葉県を背負っているとは思えない暴れっぷりに、埼玉県民の筆者もファンになってしまった。

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ラーババンを求めて中央駅周辺を探索

最後に紹介したいのが当ミッションディのキーワードにもなっていた“ラーババン”という言葉をテーマにしたバナーミッションだ。

全6ルートを順番に達成すると1つの絵柄になる“メダルアート”とも言われるもので、千葉ニュータウン中央駅を中心に1周する約1時間半のチャレンジである。

このラーババンというワードは都会という意味を指す“アーバン”と、田舎を意味する“ルーラル”を合わせた郊外都市“ラーバン”から生まれた合言葉なのだ。

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この合言葉を使った宣伝効果は抜群だったと筆者は感じる。

各地域のミッションディでそれを浸透させ、Twitterではハッシュタグに加えるエージェントも続出。筆者のスマホも“ら”と入力すると予測変換で“ラーババン”と出ちゃうくらい刷り込まれてしまった。

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SNSを使った事前の告知やサイトの運営など印象に残るアクションが多く、関係者たちの情熱がひしひしと伝わってきた。

ラーババン、いいじゃん!!

放射状に展開し動線がうまく機能していなかったミッションもあったが、どんなルートを選ぶかはエージェントの自由。

これで終わらず今後もこの合言葉を掲げ、さらなる『Ingress』イベントで千葉ニュータウンの魅力を伝えてもらいたい。

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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対応機種iOS/Android
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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
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