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誰も見たことのないMMORPGを目指して…ネクソン新作『DURANGO:Wild Lands』開発者トーク【NDC18】

2018-04-29 09:00 投稿

『デュランゴ』開発陣セッション&インタビュー

ネクソングループが主催する韓国最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス“Nexon Developers Conference 18”(以下、NDC18)が、2018年4月24日から26日の3日間、ネクソンコリアにて開催された。

本記事では、韓国で同社史上最高記録である事前登録者数250万人を記録し、日本での配信も決定している話題のMMORPG『Durango:Wild Lands』(以下、『デュランゴ』)に関連したセッション&インタビューをお届け。

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『デュランゴ』は、恐竜が生息する原始的な異世界“Durango”を舞台に、未開拓の荒野で生き残るためにプレイヤー同士でコミュニティを築き、日々のサバイバル生活を楽しむMMORPG。広大なオープンワールドで恐竜との生き残りをかけて戦ったり、住居の建設や料理など、プレイヤー次第でさまざまな生活を体験できるのが特徴だ。日本では2018年内の配信が予定されている。

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『デュランゴ』開発秘話

セッションでは自由度の高いサンドボックス型MMORPGとして開発が始まった本作が、現在の形で韓国ロンチを迎えるまでに行われた、ゲームデザインを決定するまでの過程が語られた。

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▲本作を開発したWHAT! STUDIO 戦略ユニットリーダーのヤン・スンミョン氏が登壇。過去にはサーバープログラマーとして『マビノギ英雄伝』、『ダークエデン』プロジェクトにも参加。

スンミョン氏の「この『デュランゴ』は大きな夢を見て開発を始めたゲームでした」という話からセッションがスタート。その夢とゲームとしての楽しさを両立させるために選択したアイデアを紹介していこう。

【ひとつの世界で多くのユーザーが同時プレイできるMMO】

本作は、同じ土地がチャンネル分だけいくつも用意されているようなゲームではなく、すべてのユーザーがリンクしてひとつの世界に集まって同時プレイできるのが特徴。その巨大な土地では、ほかのゲームでよくあるように家を建てられるエリアが決まっていたりもせず、どの土地でも開拓すれば家を建てられたりもする。

ユーザーのプレイしだいで世界が変わっていくゲームを作りたいというのが、本作で叶えたかった夢のひとつというわけだ。

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ユーザーの増減がつねに変化するゲームで、この夢を実現させるためにどうすればよいのか? ひとつの巨大な大陸を用意したとしても、ユーザーが増えたときの土地不足に対応ができなくなる。それを解決するために、人口の増加によって大陸を増やす方式を取ると、発展が進んだ既存の大陸で始めたユーザーと、新たに誕生した未開の多い大陸で始めたユーザーとでゲーム体験が大きく変わってしまう。

そのような試行錯誤を経て、どのようなユーザーでもつねに新鮮な気持ちを持続できるように、時間が経っても変わらない“安定島”と周期的に新たな土地に変化する“不安定島”に分離する方法が選択された。

変わらない安定島で開拓や建築、不安定島で新たな探検を楽しむなど、エリアによってプレイスタイルを変えることで、どのようなユーザーも公平なゲーム体験を味わえるようになっているのだ。

【プレイしだいで変化する環境】

開発当初は、プレイヤーのプレイしだいで現れる生き物、資源が変化するという要素も検討されていた。わかりやすく言えば、ユーザーが森をどんどん伐採した場合、そこに生き物は出現しなくなり土地が廃れてしまうといった具合だ。ある程度の食物連鎖のシミュレーションは実現しつつあったが、特定の資源がなくなるとゲームの進行が困難になったり、生き物や植物自然な配置を両立させるための処理が複雑になってしまうため。このアイデアすべてを実装させる選択はとらなかったとしている。

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【リアリティのあるサバイバル体験】

“現代人が恐竜時代に迷い込んだら?”という本作のテーマに沿って、ゲーム開始当初から一本道のクエストを用意せずに、ユーザーに遭難気分を味わってもらおうと考えた。

プロトタイプでは“空腹度”、“のどの渇き”、“体温”など、さまざまなパラメーターを用意して、サバイバルにリアリティを出そうともしたが、モバイルゲームの画面表示に細かなパラメーター表示が適さなかったことと、それらの数値の維持ばかりに気を取られ、そのほかの要素が十分楽しめないなど多くの問題が生じた。

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そこで本作は、それらのパラメーターを単純化させ、限られた資源をさまざまなアイデアで組み合わせて活用しどう生き残るか、という方向へ転換させることになる。これらは韓国で人気のサバイバル系番組からヒントを得たという。

ゲームでも資源の加工や組み合わせ次第で、思わぬ道具などが出来上がることが楽しみのひとつとなっている。

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現在は若干のガイド的なチュートリアルも実装されているが、ここまでは、開発当初に掲げていた「NPCなし、クエストなし」の目標から生まれてきたアイデア。「クエストというユーザーのモチベーションを維持のための要素の重要性を再確認できたので、これらのプロセスはけっしてムダではなかった」とスンミョン氏は当時を振り返った。

【デュランゴのバトル要素】

当初、本作では戦闘はそれほど重要度の高い要素ではなかったとしている。ある程度の狩りを表現できれば良しとスンミョン氏は考えていたが、開発の初期メンバーに『マビノギ英雄伝』を作っていたスタッフが多く、「その場で剣を振ってるだけの戦闘はイヤだ」というこだわりもあり、さまざまな検証を重ねて現在でも戦闘シーンも改善が続けられているという。

これらの大きな夢をもって開発が始まった『デュランゴ』が完成にこぎつけられた秘訣は、「内部ではなく外部のテスターを積極的に起用した」ことだとスンミョン氏は話す。内部の人だと大目に見た評価を受けるシーンでも、外部のテスターだとストレートに「おもしろくない」という評価を受けることも。心は痛さはあるが、とても参考になる意見で、アイデアの取捨選択など結果的にゲーム体験の向上に役立ったということだ。

韓国ローンチのその後とこれから

セッションの後日、日本のメディア向けに総括プロデューサーのイ・ウンソク氏、クリエイティブディレクターのヤン・スンミョン氏のおふたりへインタビューさせていただく機会があったので、そのときの模様をお届けしよう。

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▲左はセッションにも登壇したイ・スンミョン氏、右が統括プロデューサーのイ・ウンソク氏。

インタビューの前に、ウンソク氏から現在の韓国における『デュランゴ』の状況が説明された。本作は2018年1月26日に韓国で正式サービスがスタート。ハードコアな面のあるMMORPGだったが、いざリリースしてみるとふだんゲームを遊ばないライトユーザーも多くプレイしてくれたことに驚いたという。最近はβテストを続けていたPvP要素“部族戦”の実装と平行して、ユーザーからの要望のフィードバック作業を行っている状況だ。2018年内にすべての国でリリースすることを目標に現在も開発が進められている。

ーーユーザーから届いているという要望は、具体的にはどのような内容でしょうか?

ウンソク氏 建物やアイテムに設定された“耐久度”がゲームを難しくしてしまっているという意見があったので、“耐久度”を大幅に緩和する修正を行いました。また、『デュランゴ』の場合はオート操作を用意していませんでしたが、制作や生産の操作がたいへんだという意見もあったので、それらの面にはオート機能を用意しました。

ーーオート操作を用意しなかった意図を教えてください。

ウンソク氏 ご存知の通りモバイルゲームには多く実装されていますが、PCゲームにはほとんど用意されていません。我々としてはこれは絶対に従わなければならない決まりではないと判断して進めました。実際にCBTを行った際もすべてにおいてオートがないと不便だという意見は見受けられなかったので、重要度的には高いものではありませんでした。

ーーライトユーザーにも受け入れられた要因はどのように分析されているのでしょうか?

ウンソク氏 よくあるMMORPGだとプレイのメインが戦闘になりますが、『デュランゴ』の場合は、選択する職業しだいで戦わなくても最高レベルに達することができます。

スンミョン氏 狩りをする人、食事を作る人などさまざまな職業の人が協力することで楽しさを味わえるゲームなので、ゆったりプレイしたいというライトユーザーの方でも楽しめると思います。

ウンソク氏 あとはMMORPGといったら中世ファンタジーが主流ですが、本作の“恐竜が住んでいる地に現代人が迷い込む”というユニークなテーマもアピールできたのではないかと考えています。

ーー本作の中でいちばんユーザーに支持されている要素を教えてください。

ウンソク氏 受けがいいのはやはり探検です。ユーザーそれぞれに周囲の土地が違うので、”ここに行けば何がとれる”という決まった攻略法がネットなどで調べられたりしません。レアなアイテムを自分で見つけたときの刺激なども魅力なのだと感じます。また、アイテム制作の自由度が本当に高く、さまざまな資源の組み合わせでユニークなアイテムが制作できるのも好評です。代表的な例が料理なのですが、誰がいちばんユニークな料理を作るのか競い合っていたりもします。いま人気なのが“刺身、蒸し、蒸し”という刺身を2度蒸して作るというおかしな料理なのですが、ゲームの中では非常に効率のよいアイテムなので、ユーザーのあいだでとても愛されています(笑)。もともとこちらで想定していたアイテムではないのですが、このようにユーザーの自由に遊びが作られる点も魅力なのではないでしょうか。

ーーユーザーに長くプレイしてもらうために工夫していることがあれば教えてください。

ウンソク氏 このゲームは“ずっと変わり続けるゲームであること”、これが我々の考えの根幹です。いま最高レベルが60なんですが、レベルキャップを段階的に開放していくだけの垂直的なコンテンツの追加は考えていません。水平的に遊びが広がるアプローチをしていきたいと考えています。

スンミョン氏 ユーザーが望むような世界に変化されられるようにしていきたいですね。“部族戦”も実装されたので、この要素もユーザーさんが長くプレイを続けらえるようなものにしたいと思います。

ーー日本向けに特別な調整をされる予定はありますか?

ウンソク氏 我々が目指しているのは、全世界単一サーバーで運営することなので、日本専用に何かを変えたりするのではなく、日本の文化が反映されたコンテンツを全サーバーに配信したいと考えています。すでに和食や刀、忍者服などがゲーム内で用意されています。ただ限定的なローカルIPともコラボレーションは予定しています。韓国ではバーガーキングとコラボして、新商品を食べたユーザーがゲームの中でも同じアイテムを入手できたり、近々インドネシアでのロンチの際は有名なお菓子メーカーとのコラボは考えています。

ーー最後にリリースを待っているユーザーへメッセージをお願いします。

ウンソク氏 本作は見たことのないようなゲームを提供したいという気持ちを込めて制作しました。まだ日本での知名度は高くないと思いますが、本当に特別な体験を味わえる作品だと思いますので、これからプレイしていただく方々へ前もって感謝したいと思います。よろしくお願いいたします。

スンミョン氏 韓国で作られたゲームですが、世界に通じるゲームにしたいと思っています。日本のユーザーのみなさまもすごく大切に思っていますので、リリースを楽しみにお待ちください。

Durango:Wild Lands

対応機種iOS/Android
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メーカーネクソン
配信日2018年

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