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なぜ『シャドウバース』のプロリーグを作ったのか? 発足のキーマン、木村唯人氏&青村陽介氏にインタビュー

2018-03-22 12:14 投稿

“RAGE Shadowberse Pro League”が生まれた経緯とは

サイゲームスより配信中のデジタルカードゲーム『シャドウバース』は、“RAGE”などの大会で、esportsの競技としても人気を集めているタイトル。2018年3月8日には、『シャドウバース』のプロリーグ“RAGE Shadowverse Pro League”の発足が発表され、大きな話題を集めた。参加チームは、au デトネーション、名古屋OJA ベビースター、よしもとLibalent、レバンガ☆SAPPOROといった、4チーム。2018年5月よりスタートを予定している。

本記事では、プロリーグの仕掛け人である、『シャドウバース』のプロデューサー木村唯人氏、“OPENREC.tv”の企画・運営を行うCyberZの取締役で、プロリーグのコミッショナーでもある青村陽介氏にインタビュー。プロリーグ発足の経緯や、プロリーグの詳細な概要などについて、詳しくうかがった。

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木村唯人
『シャドウバース』のプロデューサーを務めるほか、『グランブルーファンタジー』や『プリンセスコネクト! Re:Dive』など、数々の人気作を手掛ける。

青村陽介
CyberZのスマートデバイスアカウント事業・スマートデバイスイノベーション事業管轄取締役。OPENREC.tvを担当し、兼任でRAGEプロリーグの企画・運営などを手掛ける。

スター選手を、より増やすためのプロリーグ

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――まずは、今回の“RAGE Shadowberse Pro League”が発足した経緯をお聞かせください。

木村 じつは“RAGE”で大会をやる前から、サイゲームス、CyberZの両社が、『シャドウバース』のプロリーグを作りたいという気持ちがありました。ですので、“RAGE”を実施していくうちに、自然にプロリーグが出来上がったという感覚です。最初から考えていたとはいえ、“RAGE”などの大型大会がスタートしてすぐにプロリーグを作っても、さすがに盛り上がらないですから、今回発足に踏み切ったのは、機が熟したと判断した結果です。

――機が熟したと思われたのは、いつごろでしょうか?

木村 去年の後半ぐらいです。大会を通じて、新しいスター選手や、有名な選手がたくさん生まれました。あとは、決勝トーナメントに2回進出する選手も登場しました。そこで、選手たちの知名度の広がりが見えたので、「プロリーグをやるならいまだ」と思ったんです。

――どんな狙いがあってプロリーグを発足したのでしょうか?

木村 『シャドウバース』の大会は、大小を含めてたくさんのイベントがあります。とはいえ、選手たちの熱い試合を、つねに見られる場というのはないですよね。プロリーグとなれば、実力のある選手たちによる、レベルの高いバトルを定期的に観られるわけです。サイゲームスとしては、それを楽しんでほしいという狙いです。

青村 CyberZとしては、“RAGE”を通じてスター選手を作りたいという思いで、大会に取り組んでいます。常時プロの選手として試合をする機会を作ることで、よりスター選手になるきっかけができると思いました。

――スター選手を作りたい、と思われた理由もお聞かせください。

木村 『シャドウバース』からスター選手が出て、『シャドウバース』だけで生活できる。そういったプレイヤーがいれば、ゲームタイトルとしての地位も向上し、選手たちにもプロゲーマーとしての活躍の場を多く設けられると思ったんです。それに、憧れとなる選手がひとりでもいると、その選手を目指して、ほかのプレイヤーたちがついてきてくれるんですよ。ゲームが上手いことが、自身のステータスになり、職業になるということが、大きなポイントだと思います。

――スタート時は、au デトネーション、名古屋OJA ベビースター、よしもとLibalent、レバンガ☆SAPPOROといった、4つの企業チームが参加しますが、これらの企業とは、どういったやり取りをして参加を決められたのですか?

木村 esportsの選手たちを、ひとつの職業として見てもらうというのが、今回の理念のひとつとしてあります。そこに賛同していただいた企業の皆さんに、チームを作っていただきました。

青村 『シャドウバース』と“RAGE”、そしてesportsの未来の可能性を感じていただいたというところで、今回の4チームの参加が決定しました。

――現在は日本国内のリーグとなっていますが、今後は海外チームの参加なども考えられるのでしょうか?

青村 まだ4チームですので、もちろんですとは言えないのですが、リーグが拡大していくと、可能性はあると思っています。

木村 ただ、すでに海外選手はチームに所属できます。チームは最低限4人ひと組ですが、そのうちふたりまでは、日本国籍がなくても参加可能なんです。もちろん、日本国内に在住する必要はありますが。

――試合の模様は、Abema TV、OPENREC.tvで全試合放映とのことですが、プロリーグの収益自体はどのようにして得られるのでしょうか?

青村 興行化を目指していますので、スポンサー収入がメインになります。現在も各社さんと、スポンサードについてお話を進めているところです。

――具体的には、どのような企業からスポンサーの声があがっていますか?

青村 まだ協議中ですので明かすことはできませんが、『シャドウバース』は若いユーザー層にとても人気があるゲームなんですね。そういった若いユーザー層に向けて、何かをしたいという企業が多いのではないでしょうか。

――たとえばスポンサーから、プロリーグのグッズが作られるということもあるのでしょうか?

青村 そういったお話はいまのところありませんが、今後スポンサー企業との取り組みの中で、グッズの発売などもあるかもしれないですね。

――Abema TV、OPENREC.tvでの配信以外、イベント会場などでプロリーグの試合が開催されることもあるのでしょうか?

青村 はい。プロリーグでの試合を、生で観戦していただく機会はすでに予定しています。

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チーム作りは、各チームの自由に

――チームの選手をイチから募集する、という試みは非常に珍しいですよね。なぜ、募集で選手を決めようと考えられたのでしょうか?

木村 いまから一斉に、プロ選手になれる機会を作るというのは、非常に新しい試みだったと思います。『シャドウバース』は新しいゲームですから、昔から企業からスポンサードを受けているような選手たちがいるわけではありません。それが逆に、プレイヤー全員のチャンスになるわけです。

――まだ選手は決まっていませんが、すでに各チームの特色などは見えていますか?

青村 各チーム、もちろんすでに優勝を目指していますから、意気込みは高いですね。ただ、その中で何をしていくのか、という狙いが各チームですでにあるようでして、試合だけでなく、そこも見どころになると思います。たとえば、女性の選手を活躍させたいですとか。

木村 一般的なスポーツと違って、男女平等に対戦できるのがesportsですからね。

――ちなみに、給与以外に福利厚生などは、どうなっているのでしょうか?

青村 福利厚生を準備するのかは、こちら側としては厳密には定めていません。各チームに任せています。ですので、チームによっては、契約によって給与自体も多く支払われる場合もあるかもしれません。リーグ戦に出場する以外で、イベントや番組への出演なども、チームの方針に任せています。

木村 カードを揃える費用を用意するのか、どういった練習環境にするのかも、チームの判断です。ちなみに、試合時はほかの大会と同じように、事前にデッキ登録制となっていますので、こちら側が用意したすべてのカードが使える端末での対戦となります。

――チームの監督やコーチなどはいるのでしょうか?

青村 各チーム、マネージャーは必ず用意してもらう制度になっています。

木村 まだまだ新しいゲームですから、監督やコーチをできる人間がいないですからね。

青村 ただ、一応採用することは可能です。もちろん最低限必要な4人の選手とは別なので、運営側としてはとくに金銭面などのサポートはしませんが、そこは各チームの判断になります。リザーバーも保証はしませんが、何人でも採用してオーケーです。たとえば、デッキを作るだけの作戦参謀みたいな役割を立てるのもアリです。

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――なるほど。では、大会のルールを、1対1の対戦ではなく、3対3の団体戦にした理由を教えてください。

木村 ローテーション、アンリミテッド、2Pickという、3つのルールが『シャドウバース』にはあります。これまでの“RAGE”に出場された選手の中にも、ひとつのルールがいちばん得意な選手ですとか、いろいろなタイプのプレイスキルを持った選手がいるんですよ。そういった選手たちにも、しっかりとスポットライトが当たるようにしたかったんです。また、さまざまなルールを採用するという点では、やはり個人ではなくチーム戦のほうが適切だと判断しました。

――リーグ戦を進めていく中で、選手たちを入れ換えるタイミングなどもあるのでしょうか?

木村 あると思いますよ。もちろん勝手にたくさん入れ換えられてしまうと困ってしまうので、運営を通してからのお話になりますが、合間合間のタイミングを見て入れ換えが行えるようにすると思います。

――選手の引き抜きなどはアリなのでしょうか?

木村 ナシです。ただ、まだ決めていない制度ですが、リーグがスタートしたら、制度に則っての、選手のトレード交渉などをオーケーにするかもしれないです。そこはやはり、プロ野球のようなマネジメントも、プロとしての魅力のひとつですから。

――実際プロ野球のドラフト会議のように、RAGEの優勝者への交渉権を振り分ける、といったことがあるかもしれないと?

木村 そういうことができたらおもしろいですよね(笑)。

――選手はチームの採用基準に委ねられているということは、選手たちは必ずしも実績が必要というわけではないんですよね。

木村 そうですね。たとえば、よしもとLibalentは、お笑い芸人で有名な吉本興業さんなわけですから、プレイスキルよりも、トークスキルなどを重視しているかもしれないですよ?

青村 たしか、元気なプレイヤーを採用したいと言っていました。

――なるほど(笑)。そういったパフォーマンスも認められているのでしょうか?

木村 相手選手の邪魔にさえならなければ、アリです。“RAGE”では難しいと思いますが、プロリーグとなれば、プレイ外でのパフォーマンスで、観客を楽しませることもできると思うんですよ。そういったシーンも、ぜひ見てみたいですね。

――リーグのシーズンが進行中に、バージョンアップや、カードパックリリースなどがあった場合は、どうなるのでしょうか?

木村 基本的には、新しいバージョンのものがすぐに使えると思います。ただ、何かしらの状況によっては、少しだけ期間置いて試合をするという可能性はあります。

――ちなみに、プロリーグに参加していても、“RAGE”の大会にも参加できますか?

青村 はい、できます。

10年は続くプロリーグを目指して

――プロリーグ発足にあたり、ゲーム自体に影響することはありますか? たとえば、より厳密なバランス調整が頻繁に行われたり、演出がより派手なものになるですとか。

木村 とくにないですね。エンターテインメント性を上げるためにゲームを変えるのではなく、配信での画面をいかに盛り上げるのか工夫していくと思います。

――プロリーグと、ゲーム内との連動企画などはありますか?

木村 まだ予定はありませんが、もしかしたら優勝予想イベントなどはあるかもしれないですね。

――プロリーグで、選手たちにはどんな試合を期待していますか?

木村 選手たちの色が出ると、いちばんいいと思っています。いろいろな選手の個性が、ゲームプレイや配信を通じて視聴者たちに伝わることで、その選手を好きになってくれるといいですね。

青村 僕も同じ考えです。そして、チームにもファンが付いていく、という流れになってほしいですね。

――今後、プロリーグが大きくなった場合に、やってみたいことはありますか?

木村 もしチーム数がプロ野球くらいに増えたら、東西に分かれての大会ですとか、それこそ日本シリーズみたいなこともやってみたいですね。

――チーム数が増えるという可能性もあるんですね。

木村 もちろんあります。最初だから4チームくらいがちょうどいいだろう、ということで4チームにしていますが、今後盛り上がって、賛同してくださる企業が増えればチームも増えていくのではないでしょうか。

――そうなると、プロ野球やJリーグなどのような、地域ごとの盛り上がりというのも展望としてはあるわけですか?

木村 そうですね。これからチームが増えて地域ごとの特色が出てくるとおもしろくなると思います。

――プロリーグを今後続けていく中で、開催を続けていく年数の目標はありますか?

木村 10年は続けて開催したいですね。『シャドウバース』自体が、10年は続けるという目標で作っていますから。

――それでは最後に、読者の方々へ向けて、今回のプロリーグへの意気込みをお聞かせください。

青村 私たちとしては、本当にスター選手を作れる土壌を用意できたと思っています。そして、毎回熱い試合と、新しいドラマが生まれるように頑張っていきますので、ぜひ皆さんにはプロリーグのスタートを楽しみにしていてほしいです。

木村 このプロリーグと『シャドウバース』を通じて、esportsと、ゲーム文化が発展してほしいです。これを皮切りに、“ゲーム”という文化自体の地位も向上するとうれしいですね。また、選手たちには、生活を保障してゲームに打ち込める環境を用意できたので、参加する側としても夢がありますし、見ている人たちも、きっとより熱い試合を楽しんでもらえるのではないでしょうか。ぜひ、開催を楽しみにしていてください。

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シャドウバース

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルカードゲーム
メーカーサイゲームス
公式サイトhttps://shadowverse.jp/
配信日配信中
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