【ポケモンGO日記#403】“GOFest2024:グローバル”2日目の個人的な立ち回りを考える / 合体ネクロズマのフィールド効果はどう活かす?(ケチャップ山もり男編)
2024-07-15 10:00
2017-09-01 23:32 投稿
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ポケモンGO
ゲーム開発者向けカンファレンスCEDEC 2017の3日目に行われた基調講演“GO OUTSIDE! Adventures on foot”は『ポケモンGO』がテーマとなるとあって、注目度が高く、開演45分前にはすでに待機列が作られるほどだった。
本講演の登壇者は『ポケモンGO』を開発したナイアンティックの川島優志氏と野村達雄氏。
こちらの講演では、『ポケモンGO』が誕生した経緯や、ナイアンティックが考えるAR、そして今後目指すものなどが語られた。
『Ingress』・『ポケモンGO』誕生の歩みは、川島氏の「どうやったら世界が変えられるか?」という問いに、ナイアンティック創始者のジョン・ハンケ氏が「人が外に出ればいい」と語ったところから始まるという。
当時は何を言っているのかわからなかった川島氏だが、その後彼が何を言いたかったのか、非常に得心したという。
その答えを簡単に示すと“人が外に出ると、それは運動となり、新たな発見が生まれ、それが社会を動かし、世界を変える”ということ。
その根拠は、とある統計データにあるという。そのデータは“大人は1日のうち9時間をディスプレイの前で過ごし、子どもは3時間を同じく過ごす。そして子どもの80%が運動不足となっており、年間5700万人が運動不足によって命を落としている”というもの。
そこで、ナイアンティックは人が外に出て遊ぶコンテンツを作ろうと試行錯誤を開始。『Filed Trip』は失敗に終わるも、その失敗を活かしてリリースした『Ingress』で大きな成功を収める。
ナイアンティックはかねてより、よくある事業目標以外に、人をどれだけ歩かせるかという事業目標を設定しており、今年もそれは達成できる見通しだという。
ちなみに、『Ingress』ユーザーのみでのプレイヤー総移動距離は3億キロにもなり、これは太陽と地球のあいだを往復するような距離だという。
もはやスケールが大きすぎて想像することも難しいが、とにかく『Ingress』の登場により、ふだんあまり歩かない人たちが、外に出て図らずもウォーキングという運動をすることになったのだ。
その後紆余曲折を経てARを使った、人が外に出て遊ぶゲーム『ポケモンGO』のプロジェクトがスタートしたのだ。
『ポケモンGO』のすごいところと言えば、7億5000万という桁外れのダウンロード数もそうだが、やはり技術として着目したいのはARの部分。
開発チームはこのARには強いこだわりがあったようだ。そのこだわりを知るキーポイントは、テクノロジー、アート、人の3点。
テクノロジーはその言葉の通り、拡張現実(AR)というものを世界にどう反映させるかというもの。当時あったAR技術のほとんどは、そこにARマーカーを置いて現実にオブジェクトを付随させるというものだった。
しかし、それではゲームとして興がそがれる。ということで発案したのが、フォトスフィアという技術。これは、Googleストリートビューの1カットを抜き出し、そこに配置されたポケモンを捕まえるというものだった。
Googleストリートビューはもともと全天球型の360度写真を使っていることから、擬似的な現実世界をそこに描き出してくれた。しかし、カメラで撮影された時間と現実時間には差があることや、カメラの撮影位置が高いことから、没入感が薄いということで、この案は廃案となった。
そんなときに発案されたのが、カメラとジャイロ機能だけを使った、いまのモデルだ。このモデルはプロトタイプ当初からほとんど変わっておらず、没入感が高く、ARそのものを感じさせるものだったため、これを採用したという。
これで基礎のシステムは完成の目処が付いたものの、続いて直面したのは世界をどう扱うか。当たり前のことだが、いま私たちが生活しているこの世界はひとつしかない。拡張現実は、あくまでも現実を拡張するものなので、拡張現実世界もひとつでなくてはならない。
そうでないと、とある人がプレイしているゲーム世界では、Aという地点で○○というポケモンが出現するのに、違う人の世界では出現しないといったことになってしまう。それでは、世界をくぎって遊ぶMMORPGのようになってしまい、それは現実を拡張したものとは言えない。
このコメントから、そのこだわりには凄まじい熱意があることを悟った。
当然、これを実現するのは本当に苦労したそうだ。とくにトラフィックの過密化は想定の50倍以上となり、国外リリース時点ではサーバーダウンも起きて、当時はたいへんだったと野村氏は振り返っている。
しかし、この問題を見事解決できたからこそ「あそこの公園にミニリュウが出るらしい!」と現実世界にも大きなアクションが起こせたのだろう。
続いて語られたのは、アート面へのこだわり。開発当初のゲーム画面、すなわちマップ画面は、現在のようにポケモンやキャラクターがメインとなっているものではなく、地図がメインとなっていたものだったという。
これはやはり、過去にGoogleマップを作っていたというバックグラウンドがあってこのようになったとのことだが、当時は現実世界の情報であるマップをメインにして進めていこうという方針だったらしい。
だが、その方針で推し進めていたところ、開発チームから「これはポケモンではない」、「こんな高層ビル群ではピカチュウとエンカウントはしない」という声が上がり始め、方向を転換。
マップのテイストをポケモンの世界観に合わせたリデザインが行れ、そこからブラッシュアップが入っていまのデザインに落ち着いたという。
また、デザインの際にもっとも意識した点は「拡張現実というものは、現実世界に重ねる情報のレイヤーである」という考えだと、野村氏は語る。
そういった意識から、ゲーム内の画面構成はできるだけ小さくシンプルにまとめ、いまのようなインターフェースが完成したそうだ。
拡張現実は現実に重ねる1枚の情報レイヤー。これを過ぎるとそこは拡張現実世界から、ただのゲーム世界になってしまうという思いが強かったのだろう。そのこだわりの結果、あそこまで現実感、没入感が味わえるものになったのだ。感服するほかない。
最後に語られたのは人というキーワードについて。ARを構成するキーワードに人というものが入ってくることに、最初は違和感があったが、話を聞いてみれば納得するものだった。
野村氏は「ARというのは、システムとデバイスだけあれば成立するものではありません。そこに人がいて、ARによって人が影響を受けるところまでいって、初めてARは成立するのです」と話す。
つまり、システムとデバイスだけあって成立するものであれば、それはゲームとなんら変わりない。世界に重ねられた情報レイヤーによって人が動いて、そこで初めて拡張現実という形になるということだ。
それを証明するように、『ポケモンGO』旋風が世界中を駆け抜けたとき、世界中の人が『ポケモンGO』によって重ねられた情報レイヤーに影響され、動いていた。
テクノロジーによって世界に情報レイヤーをかけ、アートによって世界と画面内との差をなくし、それらの情報レイヤーの働きによって現実世界の人が動く。それがARなのだという。
いまでも世界中で有志イベントが開催される『ポケモンGO』。『ポケモンGO』によって人は外に出て、そこで新しい出会いが生まれ、新しい発見を得て、社会が変わり、世界が動く。
ナイアンティックは世界をそういう形にしたいのだという。
想いの丈を語った野村氏に続き、川島氏が最後に以下のようなコメントを残し、講演の幕を引いた。
「ゲームには世界を変える強い力があります。私たちの力で、どのような世界に変えるのかは私たちの肩にかかっています。『ポケモンGO』、『Ingress』は人を動かし、体を動かし、国境や人種、性別を超えて交流できるツールとなりました。私たちが起こしたイノベーションというのはそういうことなのです。
多くの方から指示を受け、協力を受けてここまで来ましたが、道のりは平坦ではありませんでした。私たちはこれからも“Dreams come true”、夢が現実世界に入り込んでくるような世界を作るために邁進していきます」
『ポケモンGO』はゲームジャンルにあるアプリなので、どうしてもゲームとしての成功面に目がいきがちだが、言われてみれば確かに、ARで世界にイノベーションを起こしたツールとして見ることもできる。
現在、世界各地でAR、MR、VRとさまざまな技術研究が行われているが、ナイアンティックは今後どのような世界を見せてくれるのか、そして世界をどう動かしていくのか、注目して見ていきたい。
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▼ナイアンティック新作発表![2017.11.9更新]
『ポケモンGO』制作のナイアンティック新作は『ハリー・ポッター』に!街を探索しながら伝説のビーストたちと戦うモバイルARゲーム |
対応機種 | iOS/Android |
---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | 位置情報 |
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メーカー | ナイアンティック |
公式サイト | http://www.pokemongo.jp/ |
公式Twitter | https://twitter.com/PokemonGOAppJP |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | ©2024 Niantic, Inc. ©2024 Pokémon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。 |
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