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『ダビスタ』ブームを再燃させた『ダビマス』の不動心【ヒットの法則】

2016-12-20 18:00 投稿

人気IP『ダビスタ』の華麗なる復活劇

1990年代、競馬シーンを席巻したゲームがあった。1991年にファミコンで発売された『ベスト競馬・ダービースタリオン』に始まる、『ダービースタリオン』(以下、『ダビスタ』)シリーズである。

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“クロス(インブリード)”を始めとした本格的な血統理論を駆使した生産・育成の奥深さ、ユーザーどうしで愛馬を競い合える“ブリーダーズカップ”モードを利用したオフ会などが数多くのファンを熱狂させ、その中からは後にプロの競馬評論家に転身した人も現われた。1997年に発売されたプレイステーション版『ダービースタリオン』は、シリーズ最大の約173万本を売り上げている。

その『ダビスタ』が、初のスマホアプリ『ダービースタリオン マスターズ』(以下、『ダビマス』)として2016年11月に配信を開始した。そして配信開始からわずか10日後に50万ダウンロードを突破。1990年代当時を彷彿とさせる勢いである。

いったい、この勢いを生んだ秘訣とはどこにあるのだろうか? 本作の開発、運営を手掛けるドリコムの開発、マーケティング部門のキーマンに話を伺った。

かつての『ダビスタ』ファンにターゲットを絞った戦略

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『ダビマス』ディレクター ドリコム ゲーム開発特別監督部長 金山圭輔氏(左)(文中は金山)
『ダビマス』マーケティング担当 ドリコム マーケティング本部 マーケティング企画グループ長 今村卓司氏(右)(文中は今村)

――リリース後、早くも50万ダウンロードを突破されましたが、この勢いは予想されていましたか?

金山 だいたいこのくらいで行ければ、という青写真は描いていたので、『ダビスタ』シリーズファンの待望度を考えると、そこまで予想外ということはありませんでした。ただ、『ダビマス』は他のゲームと比べてだいぶユーザー層に違いがあるので、ダウンロード数やユーザー数だけの単純な比較はできないんですよ。

――と言いますと?

金山 多くのスマホゲームアプリはスタートダッシュで一気にやり込んだり、集中的にプレイして離脱していく……というケースが一般的には多いと思うのですが、『ダビマス』の場合は毎日コツコツ遊ぶというよりは、週末、とくに土日や祝日に集中的に遊んでくれるユーザーさんが多いような印象です。そのため、アクティブユーザーとしての稼働率はそこまで高くないのですが、離脱率も非常に低くなっています。

――なるほど、家庭用ゲーム機のようなプレイスタイルになっているんですね。それはユーザーの年齢層も関係しているのでしょうか?

今村 まだ配信から間もないため、具体的なデータは集まっていないのですが、事前予約を行っていたメディアの反応を見ると、30~40代の男性がほとんどだったようです。1990年代当時に『ダビスタ』を遊んでいたユーザーさんということですね。

金山 企画段階から、私たちが遊んでほしいと思っていた層ではあります。もちろん、将来的には対象を“競馬好きの『ダビスタ』ファン層”など、少しずつ拡大していくつもりです。

――予想外のことは何かありましたか?

金山 もともと、長く遊んでもらうことを目指し、無料でもずっと遊べるようなゲーム設計をしていたのですが、想定以上に種抽選(ガチャ)をしてくれる人が多かったことですね。昔はゲームそのものを購入するためにお金を払っていたので、ユーザーさんも粘り強くプレイしてくれていたのですが、いまは(スマホのゲームアプリの多くは)基本無料ですから、ちょっと気に入らなかったら“ポイ”されてしまいますからね。なので、運営サイドとしては、なるべく長く遊んでもらえるようにすることを第一に考えていたんです。もっとも、マネタイズをある程度、度外視したゲーム設計も『ダビスタ』というシリーズの魅力に自信があったからこそできたことなのですが。

――『ダビマス』に『ダビスタ』シリーズの魅力があれば、確実に遊んでもらえる、ユーザーをつなぎ止められる、という自信があったと。

金山 その通りです。それだけでなく、課金状況を通じて、私たちが想定していた以上にゲームを楽しんでいただけていたということがわかって、あらためて『ダビスタ』というIPが持つ魅力を実感しました。

ポイント
・ユーザー層はかつての『ダビスタ』ファンの30~40代男性が中心
・ゲームプレイは休日に集中的に行われている
・課金率よりも定着率を重視したゲーム設計
・離脱率はかなり低い

意識しないことを意識

――では、そのゲーム性という部分についてお聞きします。スマホの競馬ゲームとしては『ダビマス』は後発組になると思うのですが、先に出ている作品を意識した部分はありますか?

金山 むしろ、意識しないことを意識していました。スマホの競馬ゲームは、馬主としての臨場感を楽しむものと、手軽にプレイできゲームとして明確性の高いものの2種類の軸があると思うのですが、『ダビマス』では過去作の『ダビスタ』シリーズ同様に前者を重視しています。私たちは「競合の競馬ゲームではこういうことをしているけれど、『ダビスタ』はこうなので、自分たちはやらない」ということを徹底しています。

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▲競合の成功例あったとしても、『ダビスタ』は『ダビスタ』ということを意識していたという。

――システムの設計ではどんなことを意識されましたか?

金山 私たちは最初から、『ダビスタ』そのものを作るつもりで設計していました。この企画もそもそもが『ダビスタ』ありきでスタートしたものだったんです。手軽に遊べる『ダビスタ』がほしい! という出発点で。だから、最初から『ダビスタ』伝統のシステムをいじるつもりはほとんどなくて、基本無料のスマホゲームとしての最低限のアレンジを加えるくらいにしよう、と。

――そうなんですか!? 基本無料のゲームですから、マネタイズ(収益を上げる方法)がかなり重要になるかと思うのですが……。

金山 マネタイズについては、種牡馬獲得などで最低限運営していける目標にして、低めに見積もっていました。その企画を社内で出すときは、さすがにヒヤヒヤしていたのですが、すんなり通ってくれましたね。

今村 そこはドリコムの社風も大きかったかもしれません。まずはおもしろいゲームをユーザーさんに届けたいという思いが強いので。

金山 開発側からすると、そういった会社の姿勢はありがたかったですね。会社全体で“『ダビマス』を成功させたい”という想いがあり全力でフォローしてくれたので、緊急対応が必要になった際にも都度バックアップを受けることができ、なにかに「妥協しようか」と弱気になることさえありませんでした。

今村 手前味噌になってしまうのですが、金山のすごいところは、企画段階から掲げていた目標を、まったくブレることなく続けてきたことだと思います。最初から、想定するユーザー層やゲーム内容などすべて一貫していたことが、こうして“ヒットの法則”に出させてもらえるまでになっているのだと思います(笑)。

――そういった背景があって、まさに『ダビスタ』そのもののゲームが誕生した、ということなんですね。

金山 もちろん、今後は新規ユーザーを獲得したいという想いもありますので、独自要素も入れ込んでいます。ひとつは、チュートリアルやシナリオといった、ユーザーさんの入口となるストーリー要素です。

今村 シナリオでは、序盤からかなりドラマチックな展開でハラハラさせられますよね。

金山 じつは、とあるテレビドラマをイメージした作りになっていて、ただのサクセスストーリーではなく、かなり紆余曲折が盛り込まれた重めの話が展開します。

今村 あの某刑事ドラマを目標に作っていたらしいです(笑)。

――そんなところにもすごいこだわりがあるんですね。

金山 あとは、ソーシャル要素の併せ馬も独自要素です。それから、『ダビマス』はオートセーブになっているので、その場ですべての馬体コメントをまとめて見られる要素として馬体解析センターを入れました。“ターボファイル”の代わりだと考えてください(笑)。

今村 かつて『ダビスタ』で盛り上がった公式“ブリーダーズカップ”も復活させて、今後は『ダビマス』でもさまざまな公式大会も実施していきたいと考えています。形式は現在検討中ですので、続報を楽しみに待っていてください。

――昔からのファンからは「早く“達人調教師”を投入してくれ」という声も聞こえてきますが……。

金山 もちろん、準備は進めています。ただ、現在はたくさんのユーザーさんがゲームに慣れてきているところですので、時期を見て投入していきたいと考えています。

ポイント
・既発のヒット作を意識せず独自路線を徹底
・理想のゲーム制作を会社全体がサポート
・当初の目標からブレない姿勢
・新規ユーザーを意識した要素も

競馬ゲームでNo.1に

――それでは、今後の展開についても伺えますでしょうか。

今村 プロモーションとしては12月が勝負時と考えています。特に12月25日の有馬記念の注目度は高いので、この盛り上がりを集客に活かしたいですね。また、集客だけではなく、『ダビマス』をプレイしているユーザーさんや公式Twitterのフォロワーの方々と一緒に楽しめる施策もやりたいですね。

金山 ゲーム内でも、有馬記念に向けて大きなイベントを実施する予定です。ユーザー参加型で、有馬記念に深く関わる内容になっていますので、ぜひ参加してみてください。

――来年以降の目標についても教えてください。

金山 もともと、『ダビマス』は企画段階から「競馬ゲームでNo.1になりたい」と掲げていましたので、それに向けて走っていきたいですね。

今村 『ダビスタ』というブランド力もありますからね。もうひとつ、『ダビマス』は、ドリコムのゲーム×IP戦略を謳ったのちの第1弾タイトルでしたので、会社としてもこの作品を皮切りに勢いをつけていきたいと思っています。

――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

今村 まだまだ、昔『ダビスタ』で遊んでいた人に『ダビマス』の魅力を届けられていないと思っているので、もっと徹底的に施策を打ち出していくつもりです。また、今後さまざまなIPやイベントとのコラボレーションも行っていきたいと思いますので、『ダビマス』とコラボしたいという方がいましたら、ぜひお声掛けください。よろしくお願いいたします。

金山 『ダビスタ』ブーム、ひいては競馬ブームの再燃を目指して、よりよいゲーム作りを進めていきます。個人的には、『ダビマス』をシリーズ史上もっとも遊ばれた『ダビスタ』にしたいと思っているので、ユーザーのみなさんといっしょにがんばっていければ。将来的には、かつての『ダビスタ』と同じく、『ダビマス』をきっかけに競馬を始めた、という人が出てくるとうれしいですね。

――本日はありがとうございました。

ダービースタリオン マスターズ

ジャンル
競走馬育成シミュレーション
メーカー
ドリコム
公式サイト
http://dabimas.jp/
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 8.0以降 / Android 4.1.0以降 / ※メインメモリ1GB以上の端末推奨
備考
著作 株式会社:パリティビット

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