「RPGの完成形を目指した」スクエニ新作『ガーディアン・コーデックス』インタビュー
2016-10-28 17:00 投稿
『ガーディアン・コーデックス』配信前の最新情報を田付Pに直撃
スマートフォンゲーム黎明期に大ヒットを記録し、全世界800万ダウンロードを誇る『ガーディアン・クルス』シリーズ(以下、『ガークル』)。
そんな同作のスタッフが再集結して生み出した最新作が『ガーディアン・コーデックス』(以下、『ガーコー』)だ。そのタイトルからも分かるるように、『ガークル』と密接な関係にあるタイトルである。
今回は本作の配信に先立ち、田付信一プロデューサーを直撃。
まだゲームシステムを知らない人も多いと思うので、本記事ではゲームシステム紹介と田付氏へのインタビューの二部構成でお届けしよう。
『ガーディアン・コーデックス』の基本ゲームシステム
『ガーコー』は、コンシューマーライクなコマンドバトルを採用したRPG。
プレイヤーは”ガーディアン”と呼ばれる魔物を操り、複数のエリアに分かれたクエストに挑む。
クエストには最大3体+フレンド1体の計4体のガーディアンを引き連れて挑戦。
クエスト内のエリアに入るとガーディアンどうしのバトルがスタートする。バトル中は前述した通りコマンド選択形式のバトルになっており、通常攻撃と、ポイントを消費して発動するスキルを使い分けて敵ガーディアンを撃破していく。
またクエスト内のボスバトルや特定のクエストでは、世界中のプレイヤーと協力して戦える。自分のガーディアンだけでは心許ないときは、仲間のガーディアンの力も借りて強敵を撃破しよう。
ストーリー、バトルのみならず、本作ではやりこみ要素も充実。ガーディアンのレベルアップは、基本クエスト終了後の経験値で行うのだが、クエストなどでドロップする”ピース”を集めれば、ガーディアンの転生や生成も可能。
さらにお気に入りのガーディアンは”魔石”でパラメータを強化できるほか、”ギア”と呼ばれる強化アイテムを装備することも出来る。
また育成要素はガーディアンだけに留まらない。プレイヤー自身もレベルアップすることで、特殊なスキルを得ることも出来る。
プレイヤースキルは、10数種類の育成スタイルが用意されている。
マルチプレイ時に回復役に徹する人は回復系スキルの能力がアップするものを、攻撃役なら攻撃力が底上げされるものなど、自分なりのスタイルを確立することができるのだ。
田付Pが語る『ガーコー』のはじまり
■田付信一プロデューサー(文中、田付)
──『ガーコー』の企画が立ち上がったのはいつ頃のことでしたか?
田付 企画の立ちあがりは2015年初頭ですね。どんな新作を作ろうかなぁと考えていたときに、ちょうど世間ではマルチプレイのゲームが流行っていました。自分もマルチプレイをとても面白いと感じていたので、「つぎはマルチプレイで遊べるものをやろう」と思い立って企画を練りはじめました。
――どうして『ガークル』のキャラクターが登場する形にされたのでしょうか?
田付 もともと、3Dキャラが登場するゲームにしようとは漠然と思っていました。でも、大事なのは”何を3Dにするか”ですよね。自分もいろいろ悩んだのですが、ふと「『ガークル』のキャラが3D化したら、自分的にもテンション上がるな」って思っていまの形にしました(笑)。
――ご自身が過去に手掛けた作品のキャラが、3D化して再登場するのはテンションがあがりますね!
田付 それと、リアル頭身の3Dキャラクターが出るスマホゲームって意外と少ないんですよね。改めて市場を見直してみても、『ガークル』のキャラを出す形にしてよかったなと思っています。
内戦、仮想現実空間がテーマのストーリー
──『ガーコー』の基本ストーリーを教えていただけますか?
田付 本作の作中世界では、“帝国”と”レジスタンス”といったふたつの陣営が内戦をくり広げていました。主人公はレジスタンス側の人間なのですが、戦況的にレジスタンス側が圧倒的に不利な状況に陥っています。そんな中、レジスタンス陣営が事態を逆転する術として発見したのが、”コーデックス”という謎の技術になります。
──コーデックスとはいったいどういったものなのでしょうか?
田付 昔からあるオーパーツのようなものになります。イメージとしては、仮想世界を生み出す謎の機械とでも言いますか。じつはこのコーデックスという技術は、帝国側が保有する技術なんです。帝国側がずっと管理をしていたのですが、そこにハッキングを試みたのが、レジスタンス側の人間であり、本作のナビゲートキャラクターでもあるリンという女の子です。
──コーデックスにはどのような力があるのですか?
田付 イメージとしては、仮装世界を生み出す機械のようなものになります。コーデックスの世界には”ガーディアン”と呼ばれる魔物が存在するのですが、リンはコーデックス内のガーディアンを現実世界に呼び起こすことで、レジスタンス側の戦力強化を考えました。なので主人公の目的は、コーデックスの世界でガーディアンを収集することになります。
──コーデックスの世界には住人などもいますよね? 彼らはバーチャルの存在なのでしょうか?
田付 住人もいますが、彼らがバーチャルの存在なのか、それとも別の何かなのかっていうのは物語が進むにつれて明らかになっていきますよ。
シングル・マルチプレイどちらでもじっくり遊べるゲーム設計
──『ガーコー』では『ガークル』などと違ってコマンドバトルを採用されていますよね? その理由を教えていただけますか?
田付 大前提でシンプルな物が作りたかったんです。ターン制で、キャラクターひとりひとりのコマンドを選択するRPGって、スマホゲームだと意外と少ないんです。あと自分は『ドラゴンクエスト』が大好きで、コマンドバトルのRPGで育ってきたっていう背景も影響していると思います。
──本作ではマルチプレイも遊べますが、本作におけるマルチプレイのポイントはどこにありますか?
田付 ほかのプレイヤーといっしょに楽しめるっていうのはもちろんありますが、それ以外に素材集めが楽になったり、スタミナを消費せずにクエストに挑めたりっていうのも大きいですね。シングルプレイでも十分楽しめるのですが、ガーディアンの育成はマルチの方がはかどりますよ。
──ストーリーもかなり作りこまれていますが、シングルプレイだと何時間ぐらい遊べるのでしょうか?
田付 具体的な時間は分かりませんが、配信直後に遊び尽くすことは、まず不可能だと思います。それぐらいかなりのボリュームをすでに用意してあります。
──育成だけでもやることは十分ありますよね。
田付 まさに目指すところはコンシューマーライクなRPGなんです。マップ移動はありませんが、それ以外の部分はどこか懐かしさを感じるRPGらしさがあると思います。
『ガークル』、『デッドマンズ・クルス』との共通点は?
──兄弟作とも言える『ガークル』との関係性を教えてください。
田付 『ガークル』の世界観とは必ずしも一致せず、“多分”パラレルワールドのようなもの……と濁しておきます(笑)。もちろん近しい存在ではあるので、『ガークル』に登場したガーディアンが登場しています。
──スフィンクスやバンシーといった、『ガークル』の人気キャラが出ていますね。
■バンシー
田付 『ガークル』で人気だったキャラクターが3Dグラフィックになっているので、『ガークル』ファンの方々には新鮮に映ると思います。逆にストーリーがつながっているわけではありませんので、『ガークル』を遊んだことがない方でも気負わずにゲームをはじめていただけると思います。
──キャラクター以外での共通項などはございますか?
田付 システムの名称などは同じものを多く使っていますね。ガーディアンごとの特性を示す”タイプ”や強化アイテムの”魔石”があったり、『デッドマンズ・クルス』(以下、『デッドマン』)由来の言葉ですが、ガーディアンの強化アイテムに“ギア”があったり。
──今回、『ガークル』や『デッドマン』で人気だった“ハント”(※)は実装されていませんよね? 田付さん作品のアイデンティティとも呼べる機能だったので、『ガーコー』にはそれがなくてかなり意外だったのですが……?
※ハント:ガチャではなく、FPSのようなシューティングゲームでレアなキャラを入手できる斬新なシステム。ハントの腕前次第では、一回のハントで複数のレアガーディアンを入手できた。
田付 ハントは面白いコンテンツだと思うのですが、運営的なお話をすると、ハントがあると2種類のゲームを同時に運営するのと変わらないぐらいの労力がかかっていたんです。
──たしかに新カードを追加するといっても、シューティングゲームとカードバトルゲーム両方の調整が必要ですよね。
田付 もちろん、それ自体は正しいといまでも思っています。ですが『ガーコー』では、よりバトル部分に力を入れたかったため、思い切ってハントを外しました。あと、これは意図していたとはいえ、ハントは実力差が出てくるコンテンツだったので、ハントをなくすことで、より初心者の方も入ってきやすくなるかなと。
──『ガークル』や『デッドマンズ・クルス』とのコラボ企画や連動企画はあるのでしょうか?
田付 現在実施中の事前登録キャンペーンでは、『ガーコー』の事前登録者数が上がると、『ガークル』でも“コイン”(課金アイテム)などが貰えるコラボ企画が実施中です。
『ガーコー』今後の展開は?
──『ガークル』の”クルス(cross)”は十字架という意味がありましたが、今回のゲームタイトルにもある”コーデックス”という言葉には、何か深い意味があるのでしょうか?
田付 言葉そのものの意味は”写本”なのですが、深い意味はありません。あくまで作中世界の”コーデックス”がタイトルに選ばれた感じですね。じつは”コーデックス”の名付け親も、社内のアメリカ人スタッフなんですよ。
──それは面白いですね!
田付 「仮想現実世界に絡めた、何かいい言葉ってない?」って聞いたら、5秒くらいで「CODEX!」って言い出して(笑)。でも日本人が考える英語って、海外の方から見ると結構ダサいものが多いんです。本作は全世界同時配信タイトルなので、彼が決めた言葉なら間違いないかなと。
──なるほど。ちなみにすでに決まっている配信後の展開なども教えていただけますか?
田付 細かいスパンでアップデートは行っていく予定です。ガーディアンの追加は毎月行いますし、クリスマス企画なども現在立ちあげ中です。将来的には他タイトルとのコラボ企画もできればと思っています。
──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
田付 かなりリッチなゲームが作れたと思っています。コンシューマーゲームを遊ぶみたいにひとりで腰を据えても楽しめますし、マルチでみんなとわいわい楽しむこともできるタイトルになっています。配信されたら、ぜひダウンロードしてみてください。
ガーディアン・コーデックス
- ジャンル
- スマホRPG
- メーカー
- スクウェア・エニックス
- 公式サイト
- http://www.jp.square-enix.com/guardian-codex/jp/
- 配信日
- 今秋配信予定
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS/Android
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