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海外VR市場の最先端に立つ識者が見た”VRビジネスの可能性”

2016-05-10 23:28 投稿

VRビジネスは成功するのか?

グリーは2016年5月10日、日本のVR(バーチャルリアリティー)市場の拡大を目的とした、国内初の大型VRカンファレンス”Japan VR Summit”を、一般社団法人VRコンソーシアムと共同で開催した。

VR関連ビジネスに関心のある経営者および幹部、開発責任者を対象としたこのカンファレンスでは、VR業界の第一線で活躍する国内外の識者をゲストに迎え、テーマ別にさまざまなセッションが行われた。ここでは、その中で行われたセッション“海外VRビジネス最前線”をリポート。

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本セッションのモデレーターにはグリー取締役執行役員の荒木英士氏が。そして、海外からBaobab StudioのMaureen Fan氏、Reload StudiosのJames Chung氏、TencentのLi Shen氏、VR ChatのJesse Joudrey氏がそれぞれパネリストとして登壇。

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荒木氏はセッションを始めるにあたり「おもにアメリカでどのようなVRビジネスが作られているのか? VRアニメーションを制作するBaobab Studio、VRゲームを作るReload Studios、巨大市場中国を抱えるゲームメーカーTencent、いま盛り上がりを見せつつあるVRコミュニケーションツールを開発したVR Chatからそれぞれ意見を聞いていきたいと思っています」と、セッションの意図を明確にしてセッションをスタート。

海外VR市場の最前線に立つ各社が、どのようなVRビジネスを行っているのか、行おうとしているのか、そしてなぜVR事業を始めたのか紹介が行われた。

Baobab Studio

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「何歳になっても、人は夢を見るものです。だからこそ人は映画やゲームを見て、ワクワクしたりするのだと思います。そして、その夢のベースには物語性の存在があります。私たちは、その物語性を追求することで、みなさんの夢を現実のように感じられるものへと昇華し、壮大な夢を提供させていただこうと、VRアニメーション(代表作『Invasion!』)を制作しています」(Maureen Fan氏)

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▲Oculus Riftなどで配信されている『Invasion!』。かわいいウサギと異星人の遭遇を間近で楽しめるVRアニメーション作品だ。

Reload Studios

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「我々は、何百時間もプレイし続けられるVRコンテンツを世界で初めて作るものになりたいと思い、VRに参画しています。VRのような新しいものにまず食いつくのは、本当のゲーマーのかたたちです。ですが、ゲーマーたちは、いまプロモーションされているような、体をアクティブに動かしてのゲームは望んでいないと思います。寝っ転がって遊び、でも首を振れば振ったでVRが感じられ、コントローラで遊べるものこそが、私たちゲーマーにとってのベストなのです。私たちは、ゲーマーとしての立場で、ゲーマーへのVRゲーム体験を提供していきたいと考えています」(James Chung氏)

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▲VR向けFPS『World War Toons』を2016年リリースに向けて開発を行っているReload Studios。本作はプレイステーション4にも対応予定。

Tencent

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「まず、我々はここにいるみなさんとは違って、まだ具体的な動きを取っていません。中国には、たくさんのハードウェアメーカーがあり、ソフトウェアメーカーがあります。もちろん、これまでもそれらがさまざまなゲームハードやゲームソフトを開発してきましたが、おそらくみなさんはそれらのことをご存じないでしょう。とにかく、中国はそういった背景を持つ特殊な市場なのです。ですが、市場規模は大きく、本年中にはVRヘッドマウントディスプレイは1200万台、来年中には1億台を突破するという予想も立てられています。私たちも、VRというものに未来を感じてはいるので、現在はさまざまな研究をしつつ、世界的な市場を見極めている段階です」(Li Shen氏)

VR Chat

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「『VR Chat』という名前から想像してもらえる通り、VRを使ったコミュニケーションツール、サービスの提供を行っています。VR空間でアバターを使ってのコミュニケーションは通常のそれと違って、魔法のような環境変化があるので、ぜひみなさんも一度利用してみてください」(Jasse Joudrey氏)

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▲Oculus RiftやHTC Viveなどですでにサービスが提供されている『VR Chat』。3Dのバーチャル世界でのコミュニケーションはVRとの相性もよい。

ビジネスとしてVRの可能性を見てみる

その後、話は進んで「VRをビジネスとして見る場合、必要なものは何か?」というテーマに。

これに関してBaobab StudioのFan氏は「VRアニメーションビジネスは未知数ですが、現状ですでに大きな収益を上げている人がいるのも確かです。ただ、おそらく近いうちに、もしくはすでにコンテンツ不足という状態に入ることが予測されているので、コンテンツのを拡充させるのが急務だと思います」とVRアニメーション市場の現状を語ってくれた。

また、続けてFan氏はコンテンツ参入のタイミングに関しても言及。「いまから参入すれば、ノウハウの蓄積や知名度の獲得といった早期参入者としてのメリットは獲得できるでしょう。もちろん、デメリットもついてきてしまいますが……。ただ、「流行っている市場だから、私も参加しよう」と後から市場に入ってきて、成功した人のマネをするだけという、つまらない、クリエイティビティのない人になることだけは避けられます。」と辛らつともとれるコメントを残している。

TencentのLi氏は「現状では、中国のVRゲーム市場で収益を出すのは難しいかもしれない」と必ずしもポジティブな現状だけでないことを示唆。

この理由は、前述でも触れたハードウェアメーカーの乱立にあるという。ハードウェアメーカーが思い思いのものをリリースしていくせいで、コンテンツストアがひとつにまとめられず、市場そのものがバラバラなままスタートを切ることが予想されるせいだという。

しかし「クオリティがしっかりと確立されたり、ある程度の市場が確保されれば、事態は好転をするでしょう。おそらく、2018年にはこういった問題は解決されるのではないかと予想しています」ともコメントをしている。

VR ChatのJoudrey氏は、おもにスタートアップ企業に向けてのアドバイスを発信。「VRコンテンツのマネタイズには、現状3つのモデルがあると思います。ひとつは、当たり前だがユーザーに商品を認めてお金を払ってもらうこと。そして、もうひとつはBtoB(企業間取引)。不動産やカーディーラーのように、サービスとしてのVRを欲しているメーカーは数多くあるので、そこを狙ってみるのもいいでしょう。最後に、投資家へのアピールもひとつの方法です。Oculus社のように、大きな会社に会社ごと買い取ってもらうことも、方法論としてはアリだと思います」

Reload StudiosのChung氏は「欧米のゲーム市場は、早い段階から大きな利益を上げる会社が出てくると思います。ですが、現状ではVR一筋に傾倒するのは、やはり危険を伴うとしか……。とくに、フリートゥプレイが主流で、プレミアムコンテンツに抵抗の強い中国や、ただでさえ特殊で、中国市場のような風潮も生まれ始めた日本では、しっかり市場に合わせていかないと難しいでしょう」と欧米ゲーム市場での感想をまとめている。

海外でいち早くVR市場が形成されている中、はたして日本国内でのVRビジネスはどういった動きを見せるのだろうか?

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