【TGS2015】『ファンキル』海外版をはじめ新作を同時発表! 今泉Pインタビュー

2015-09-22 14:29 投稿

渦中の今泉Pに遭遇!

千葉の幕張メッセにて、2015年9月17日〜20日までの期間開催された東京ゲームショウ2015(以下、TGS2015)。

イベント中に記者がFuji&gumi Gamesブースを取材していたところ、なんと同社の全タイトルでプロデューサーを務める今泉 潤氏に遭遇。

せっかくの出会いだったので、発表されたばかりの新作タイトルや、今後の動向などについて話を伺った。

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▲Fuji&gumi Gamesプロデューサー・今泉 潤氏。

−−発表会では海外版『ファンキル』を含む3タイトルが発表されましたが、これらのタイトルはかなり前から仕込んでいたものなのでしょうか?

今泉 潤氏(以下、今泉) じつは、『シノビナイトメア』と『誰ガ為のアルケミスト』は、『ファンキル』をリリースする3ヶ月前からそれぞれ別の開発会社さんと作り始めていたものになります。

−−『ファンキル』のリリースよりも前からだったんですね! そうなると開発期間は1〜2年になるのでしょうか?

今泉 だいたい1年半くらいですね。ちなみに『シノビナイトメア』と『誰ガ為のアルケミスト』は同時並行で開発をしています。

−−『ファンキル』の押井 守監督に続いて、新作2タイトルにも豪華クリエイターの方々が参加されていますね。

今泉 幸いなことに『ファンキル』がヒットしたことで、”押井 守監督がモバイルゲームのOPアニメーションの監修を手掛けた” という一流クリエイターとのコラボレーションが、良い前例になったと思っています。

−−久石譲さん、下村陽子さんらの参加は、企画立ち上げ当時から決まっていたのでしょうか?

今泉 いえ、企画が固まって開発もある程度進んだ段階でオファーをさせていただきました。

−−参加された方々の人選は、今泉さんが行われたのでしょうか?

今泉 はい、僕やスタッフが大好きで、いっしょにお仕事をしたいと思う方々にお声掛けさせていただきました。でも、社内で久石さんの名前を出したときには、さすがにみんな引いてましたね。「どうやってオファーすんだよ!」って(笑)。

−−あれだけの大御所ですと、そうなるのも納得です(笑)。

今泉 あと、エイリムの早貸さん(※)は唯一怒っていましたね(笑)。「久石譲さんとは俺がやりたかったのに、先を越された!」って(笑)。

※早貸さん:エイリム・代表取締役社長CEO 早貸久敏氏のこと。『ブレイブ フロンティア』総監督としても有名。

−−(笑)。今回『ファンキル』の海外版が発表されましたが、今後海外展開は活発に行う予定なのでしょうか?

今泉 はい。海外展開は今後の課題でもあります。そのためにも、全世界で受け入れられる世界観の構築をつねに心がけています。全体的にポップでありながら、ときにシリアスだったり、ときに日常アニメみたいなゆるい感じったりもする。世界観の縦軸としての普遍性を持たせながら、横軸として時代性をもたせることを意識しています。

−−なるほど。だから『シノビナイトメア』は”侍”と”忍者”なんですね。

今泉 おっしゃるとおりです。侍や忍者は全世界共通で受け入れやすいテーマですから。それと『シノビナイトメア』に関して言えば、OPアニメーションに加えて、登場するクノイチ4キャラ全員のキャラクターソングとキャラクターPVを製作中です。アニメのような作りにしてみたいんですよね。

−−”アニメみたいというのは具体的にどういったものをお考えですか?

今泉 アニメの構造では、その章でフィーチャーされたキャラクターのキャラソンがOPで流れるのですが、『シノビナイトメア』でもそんなことをしようと思っています。章のはじめにキャラごとのOPアニメーションとキャラソンが流れて、章の最後は次回予告で終わる、みたいなイメージです。

−−スマホゲームでそこまでやるタイトルは、なかなかないと思いますよ。

今泉 アニメやコンシューマーゲームには「これが日本だ!」っていうのを感じられる物が数多くありますが、モバイルゲームではあまり見られません。『シノビナイトメア』では日本らしさを詰め込込むことで、”ゲームでもアニメでもない何か”を生み出して世界で戦っていこうと思っています。ですが、あくまで僕らの軸足は日本なので、まずは日本での運営を第一に考えていますよ。

−−もう一本の新作『誰ガ為のアルケミスト』も試遊台でプレイさせていただきましたが、かなりコアなゲームに仕上がっていますね。

今泉 コアなゲームになっていますが、直感的な操作ができるように操作システムやUIはかなり時間をかけて作りました。横画面にしたことによって、画面で表現できることの幅も広がったと思います。見た目の雰囲気に反してゲームが苦手な方でも気軽に楽しんでいただけると思います。

−−ストーリーも奥深いものに仕上がっているのでしょうか?

今泉 ストーリーのベースは私が考えているのですが、書き始めてみたら250ページ分くらいになってしまって(笑)。重厚なストーリーを表現するには物量が当然必要ですが、スマホの画面で見るユーザーさんにそれを押し付ける訳にはいきません。削ぎ落とせる部分は削ぎ落としつつ、3Dモデルの演出などを追加することで、核となる部分がしっかり伝わるようにしてあります。

−−なるほど。そして3本目となる新作の『ファンキル』海外版ですが、こちらの日本での配信は予定されていないのでしょうか? 

今泉 まだ開発先も決めていませんが、日本では“前日譚のストーリーを楽しむもの”として、何かまったく新しい形で日本の皆さんにはお届けすることになるかもしれません。まだ構想段階なので、決まったらお知らせしますね。モバイルゲームの新しい形がなにか見せられたらと思っております。

−− 『ファンキル』といえば、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下、『あの花』)とのコラボも発表されましたね。

今泉 こちらもようやく発表できました。もともとバトルものではない作品を、戦闘がメインのゲームに登場させることに対して先方も不安を感じているようでした。でも今回のコラボに関しては、スタッフの方々にも大変ご好評いただいています。なにより、僕自身『あの花』がとくに好きな作品だったので、こうしてコラボができて本当に嬉しいです。

−−『あの花』コラボはコラボユニットのイラストだけが公開された状態ですが、コラボストーリーなども入るのでしょうか?

今泉 もちろんです。『あの花』らしいノスタルジックなストーリーが展開されますよ。あとこれは余談ですが、『ファンキル』ディレクターの冨田が『あの花』の舞台である秩父出身でして。今回のコラボステージのマップ上には、冨田の実家がしれっと紛れ込んでいます(笑)。

−−まさかの(笑)。ではこちらも余談になりますが、発表会のときに”おかずクラブ”のオカリナさんが今泉さんの方を見ながら「来年には良い報告をできると思います」とおっしゃっていましたが、来年にはもしかしたら……?

今泉 いまは新作のことで頭がいっぱいなので、来年またごいっしょできたら考えます!(笑)

−−来年に期待ですね(笑)。では最後に、本記事を読んでいる読者に向けてひと言いただけますか?

今泉 新作やコラボなど、やっと皆さんに発表できてほっとしています。今回の発表を皆さんがどう感じ取ってくださるか、恥ずかしくもあり、楽しみでもあります。いずれも絶賛追い込み時期ですが、妥協をせずに作っていきます。新作2本はもちろんですが、『ファンキル』も引き続きプレイヤーの皆さんが存分に楽しめるよう、全力で運営して行きますのでご期待ください。よろしくお願いします!

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