【TGS2015】インディーデベロッパーが見るゲームの未来とは?

2015-09-18 20:04 投稿

3つのテーマで語られるインディースマホゲーム

2015年9月17日~20日に、幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2015。そのビジネスデイ初日に、Amazon & Twitchブースにて“インディーデベロッパーが見るゲームの未来”と題したトークイベントが行われた。

ステージに登壇したのは、インディーゲーム界を代表する5人のクリエイター。

SummerTimeStudio代表取締役の弘津健康氏を進行役とし、トイディアの松田崇志氏、ニャムヤムの東江亮氏、オリフラムの代表取締の池田隆児氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹氏がゲストとして参加した。

 
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▲画面左から、弘津氏、松田氏、東江氏、池田氏、大前氏。

今後のインディーゲームの方向性

各クリエイターが語る最初のテーマは、“進化するデバイス・ハードウェアにより、ゲームはどう変わるのか”。スマートフォンの性能が進化する中、クリエイターとしてどういったアプリゲームをユーザーに届けていきたいかなどを、それぞれが語った。

松田氏は「ハードが進化すればするほど遊びの場や表現力が増えてより自由になれるが、クリエイターはつねに頭にあるビジョンを活かすことが重要」と語り、いつの時代でもユーザーに届ける内容は変わらないことを主張。ただし、同氏は動画配信の要素が充実したことで「動画配信でユーザーたちとこれまで以上に盛り上がれるようになり、ゲームを開発することがより楽しくなった」とのことだ。

池田氏は、スマートフォンでゲームが楽しめる環境になってユーザー同士が繋がる楽しさが広がったが、それがインドアではなく、ハードの進化でアウトドアで繋がって遊ぶような環境を視野に入れるようになるとの予想。

その後、トークはVR(バーチャルリアリティ)の話題となり、「ドローン、ヘッドマウンドディスプレイ、クラウドゲームと言った最新技術を活かしたゲームを登場させ、それが今後のeスポーツにまで大きく影響する要素にまでなってほしい」と大前氏。そのコメントをキッカケに、各クリエイターが、ドローン、ヘッドマウントディスプレイ、スマートフォンのデバイスを使ったゲームに注目していることを語ったところで、最初のテーマの終了時間となった。

 
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ゲーム実況とどう向き合うべきか?

トークイベントのふたつ目のテーマは、“ゲーム実況は日本のアプリマーケットにどんな影響をあたえるのか”。Twitchやニコニコ生放送など、ゲーム実況がメジャーとなっているいま、ゲーム開発者に実況配信などはどのように映っているのか、気になるところだ。

東江氏は「アドベンチャーゲームの『TENGAMI』は、動画でのネタバレでゲーム購入者が減ると考えていたが、逆に動画を見たユーザーが興味を持って購入してくれるケースもあった」と、うれしい誤算を発表。さらにそのことで実況者に感謝していることも説明しながら、「ゲーム実況は新しいコンテンツ。一見敵が増えたと思えるが、付き合うと味方」と語ったことで、各クリエイターから賛同されていた。

さらにトークは盛り上がりをみせ、実況者がいる空間に観客が参加でき、その人の声が聞こえてくるような環境など、新しいインタラクションに関するトークに加え、人気実況者たちの話題に発展。

大前氏は「人にはゲームを遊ぶ能力があり、それが人ごとに違いがある」と主張。例えば、兄弟で同じゲームを遊んでいても、兄のうまいプレイを横で見ている弟も楽しめる。実況はそのような環境で行っているわけだ。さらに同氏は「遊んでいるゲームで、うまい人のプレイを見たいと思うので、そのことでお客さんを取り合っていない」とのこと。

その後、人気実況者が視聴者に対してしっかりと状況を説明する能力が高いことを評価しつつ、ゲーム実況はゲームのおもしろさを広めるスタイルのひとつとして十分に成り立っていると各クリエイターたちが語った。

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海外へのグローバル展開を語る

そして、最後は“日本のインディーゲームが世界に飛び立つには?”と題したテーマでトーク。

「スマートフォンアプリは手軽に海外展開ができる環境にあることで、海外を意識したグローバル展開を各クリエイターがどう考えているのか気になる」と弘津氏。

意見を求められた池田氏は「国内向けを意識せずに作ることが大事」であるとコメント。海外で成功するゲームもあるため、まずは日本市場で成功させてから海外展開を考えるのではなく、国内外を意識せずに自分の作りたいものを作ることがいちばん重要であるとのことだ。

その意見には各クリエイターも同じ見解で、東江氏は海外マーケットをあまり意識せず、自分が作りものを作った結果、海外でも成功。「こだわりを持って、自分たちのいちばん強い武器を持って自分のできることをやれば、自然と海外展開が見えてくる」と語った。

利益や売り上げをあまり考慮することなく、ほんとうにクリエイターの作りたいものが手掛けられるインディーゲーム。海外展開を考え始めた場合、それをアピールする手段が限られているが、「国内外問わず、ユーザーにアピールするには、動画配信が武器になり、多くの人に見てもらえる可能性があるので、とくに海外展開時はうまく使うべき」と松田氏。

3つ目のテーマでは、終始インディーゲームでは、自分の作りたいものを手掛けることがいかに重要であるか語られ、時間を迎えた。

 

最後に進行役の弘津氏が、全員の意見をまとめるのにたいへんだったが、いつものインディー系のイベントとは違った本音トークが聞けたので満足できたことをコメントし、今回のトークイベントの幕が閉じた。

 
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