【TGS2015】元『ぷよクエ』P高氏と『クロノ・トリガー』加藤氏渾身の超大作『Another Eden(アナザーエデン)』発表!

2015-09-18 01:36 投稿

“スマホJRPGを再定義する”意欲作

KMS

2015年9月17日(木)からの4日間、幕張メッセにて開催される東京ゲームショウ2015。本イベントのグリーブースにて、Wright Flyer Studios開発の新規タイトル、『Another Eden(アナザーエデン)』が発表された。

発表を行ったのは、元『ぷよぷよ!!クエスト』プロデューサー・高 大輔氏と、『クロノ・トリガー』や『クロノ・クロス』、『ゼノギアス』といった数々の名作タイトルでシナリオを担当した加藤正人氏。司会に三浦麻美さん、ゲストには声優の園崎未恵さんを迎えての発表となった。

[関連記事]
※【独占】元『ぷよクエ』Pと『クロノ・トリガー』シナリオライターがグリーで新作を製作中!?(前編)
※【独占】元『ぷよクエ』Pと『クロノ・トリガー』シナリオライターがグリーで新作を製作中!?(後編)

本記事では、新作発表会の様子と、公開された情報をお届けしよう。

「“スマホのRPG”って何か違うよね」(高氏)

司会の三浦さんに迎えられ、まずは高氏、園崎さんがステージに登場。

高氏が園崎さんに「最近RPGってプレイしていますか?」と尋ねると、園崎さんは「スマホでは、RPGらしいRPGはやっていないですね」と回答。

ふたりは、「十字キー世代なので、スマホは操作する感覚もちょっと違うんですよね」など、自分たちが子供の頃に遊んでいたRPGと、現代のスマホRPGとの違いを交えながら、「スマホのRPGでは物足りない」とひと言。

「スマホで遊びたいRPGがない」
「子供の頃に遊んだRPGと違う」

▲「スマホのRPGも面白いが、自分が昔遊んだRPGと比べると、どうしても違う」と語る高氏。

ドットのイメージで着物

▲園崎さんは「昔のRPGと言えばドットのイメージ」ということで、ステージには着物で登場。

「昔のRPGには“物語の体験”があった」と語る園崎さんに、高氏も「スマホのRPGには物語はあるけど、冒険があるかと言うと少し違う」と続けた。そして、独自のグラフとともに過去のRPGと今のスマホRPGとの“冒険度の差”を強調した。

「何が違うのか」
「冒険してない」

▲高氏は、スマホのRPGと過去のRPGの違いは冒険の有無にあると分析。

「圧倒的に減った冒険」

▲今のRPGにおける冒険の少なさを強調するグラフ。“高P調べ”の文字が笑いを誘うが、コンシューマー機でRPGを遊んでいた世代には共感できるものがあるだろう。

昔と今のRPGの違いを強調したうえで、高氏は「冒険のあるRPGがないなら、作ればいい」と述べ、自身が作成している新作RPGのタイトルを発表した。

気になるゲームタイトルを発表!

高氏が新たなRPGを製作中ということは先日のインタビュー記事でも報じたが、今回、いよいよそのタイトルが明らかになった。その名も、『アナザーエデン』だ。

「アナザーエデン」

▲タイトルが決定したのは、なんと発表の2日前とのこと。そのためロゴも絶賛製作中なんだとか。

高氏いわく、「昔のRPGのように、ストレートに格好良さを前面に出したタイトル」というこのネーミング。タイトルが決まったばかりなので、今後、ロゴはもちろん、サブタイトルがつく可能性もあるという。

開発陣にも昔のRPGを思い起こさせる面々が

続けて、『アナザーエデン』の見どころが発表された。そのひとつ目が「制作スタッフの豪華さにある」と高氏。

「1スタッフがすごい」

本作のプロデューサーである高氏だが、なんとディレクターも同じく高氏が務めるとのこと。ここからも、高氏の本作に対する意気込みの強さがうかがえる。

スタッフ_P高氏
スタッフ_D高氏

▲「ディレクターも凄い人なんです!」と高氏が煽った後に登場したのは、まさかの同一人物(笑)。パネルごとにポーズを変えた写真を用意するなど、ファンサービス(?)に余念のない高氏。

そして、RPGにおいて非常に重要なシナリオを担当するのは、『クロノ・トリガー』などのシナリオを手掛けた加藤正人氏が担当することを発表。この発表とともに、ステージに加藤氏が登壇。本人も口にしていたが、氏がこういった場に姿を見せるのはまれなことである。

スタッフ_加藤氏
加藤氏登場

▲「今回は業務命令だったので仕方なく(笑)」とジョークを交えながら登場した加藤氏。

ニコ生の視聴者から「シナリオだけでなく、加藤さんには演出も担当してほしい」とのコメントが出ると、高氏は「じつは、演出のスクリプトなんかも加藤さんが書いたりしているんですよ」と、加藤氏が演出にも関わっていることを明かした。

さらに開発者の発表は続き、『クロノ・トリガー』や『ゼノギアス』で、数々の名曲を手掛けた作曲家、光田康典氏が本作のオープニングテーマを担当することを発表した。

スタッフ_光田氏

“RPGの名曲”と言えばこの人、とも言える光田氏。本作のオープニングテーマにも期待が高まる。

加藤氏と光田氏が関わるRPGとなれば、スーパーファミコンなどでRPGを遊んでいた世代は興味がひかれることだろう。多忙を極める光田氏だが、「1曲だけでもいいのでお願いします……!」という高氏の粘り強い説得により、本作への参加が決定したという。

また、ゲーム内の音楽については、ともに光田氏の秘蔵っ子である土屋俊輔氏マリアム アボンサナー氏が作曲を行うとのことだ。このふたりが手掛ける音楽にも注目が集まる。

スタッフ_土屋氏&マリアム氏

加藤氏と光田氏という、日本のRPGにおける黄金タッグともいえるふたりが結集した本作。今回発表された面々を中心に、いったいどのようなRPGが生まれるのだろうか。

スマホRPGの常識を覆す発表が続く

スタッフの発表を終えた高氏は、本作の注目すべきポイントを公開した。そしてスクリーンに示されたのが、“ソーシャルゲームをやめてみた”という衝撃的な文字だ。

「2ソーシャルゲームやめてみた」

“スマホRPG”の発表では、まず目にすることはないこの言葉。会場には衝撃が走った。

「スマホでRPGを出せば、当然ソーシャルゲームになる」という常識を根本から覆すようなこの発表には、記者のみならず、発表を目にした誰もが衝撃を受けたことだろう。

高氏は、「過去に我々がRPGを遊んでいた頃には、フレンドと言えばゲームをいっしょに遊ぶ友だちのことで、ゲームにフレンド機能などなかった」と語り、「フレンド機能のないRPGが作りたかった」という自身の願いを述べた。

DSC_1042

▲RPGに対する思い入れを熱く語る高氏。

斬新な試みの発表は進み、“グラフィックはできる限り2Dにした”“フィールドを歩けるようにした”など、ますます昔のRPGを思い起こさせるフレーズが続く。「フィールドを気持ちよく歩けるようにした」という高氏の言葉に、場内からは拍手も上がった。

「3できるだけ2Dで頑張ってみた」
「4フィールドを歩ける」

▲「こういったある意味“当たり前の要素”だからこそ、実装していきたい」と高氏は語る。

そして今度は、加藤氏が手掛けるシナリオへと焦点が移る。「RPGならばシナリオがすごいのは当然」と語る高氏だが、その高氏でも、加藤氏のシナリオの質もさることながら、その量と執筆スピードに驚かされたという。

高氏は、加藤氏がゴールデンウィークの間だけで、A4用紙100枚分にも及ぶシナリオを書き上げたエピソードを紹介し、さらに現在ではそれが400枚分ほどにも膨らんでいることを明かした。

「5シナリオがすごい」
「6時間を超えて冒険」

「企画屋に休みはない」と語る加藤氏。本作のシナリオが果たしてどんなボリュームとなっているのか、期待は尽きない。

“時間を超える”という胸躍るフレーズに会場の記者たちが反応すると、加藤氏は「『クロノ・トリガー』とはまた違った、タイムトラベルの仕掛けを思いついた」と、興味深いコメントを残している。

また、物語の始まりを想起させるテキストも表示され、そのテキストを園崎さんが朗読するという、嬉しいサプライズも。

シナリオテキスト

▲「スクリーンに表示されるまで、こんな文が出るなんて知りませんでしたよ!」と驚きつつも、園崎さんは情感あふれる声でシナリオを読み上げた。

“焦らし”のゲーム紹介

さて、上記のようにさまざまな魅力のある本作。会場にいる誰もが、実際にゲームが動いているところを見たいと思った矢先、高氏からじつにユニークな提案が。

記者や視聴者には画面を見せることはできない代わりに、園崎さんにゲームをプレイしてもらい、園崎さんの実況によってのみゲーム内容を伝えるというものだ。

園崎氏実機プレイ

▲画面を目にしたとたん、「カワイー!」と声を上げ、終始興奮気味の園崎さん。目の前でゲームが動いているのに画面は見れないという、非情な、もとい非常に斬新な紹介だ。

園崎さんがプレイしながら残したコメントから、下記のことが判明。これらの情報でも、やはり従来のスマホRPGとは一線を画していることがうかがえる。

プレイ中、高氏は「操作が気持ちよくなるよう、操作系の最適化には特に力を入れた」などのコメントを添えた。

【園崎さんによるコメント】

・フィールド移動はスムーズで、昔のRPGのような“懐かしい操作性”
・町の中を自由に歩け、町にいる人に“話しかけることができる”
・町には“武器屋”もあり、“素材”の売買を行うことで武器が買える
・建物には“扉”があり、そこから出入りする
・町からフィールドへの移動は“シームレス”で行われる
・画面には“ミニマップ”も表示される
・フィールド上に宝箱”がある
・戦闘はスマホらしい操作感”で、フリックなどで攻撃ができる

操作性などは、今後の開発で変化する可能性もあるが、町があり、武器屋があり、フィールドがあり、と、これだけでもかなりRPGらしい画面が想像できる。

しかし、やはり少しも画面が見れないのは残念、という反応を予想していたのか、高氏はゲーム画面などの一部を公開してくれた。

念願のゲーム画面のお披露目

まず最初にスクリーンに映し出されたのは、本作のコンセプトアートだ。本作のストーリーは古代現代未来3時代をまたぐものとなっており、3つの巨大な建造物、あるいは島のようなものは、左からそれぞれ、古代、現代、未来の舞台となっているという。

世界観イラスト

▲古代、現代、未来と時代が移るにつれて、中枢と思われる部分が建物の下部、建物の上部、そして空中へと、しだいに上昇しているようにも見え、想像は膨らむばかり。

続いて、いくつかのゲーム画面が公開された。画面はどれもフィールド移動時のもので、画面左下には、RPGでおなじみのミニマップが表示されいる。画面にメニューボタンがひとつしかなく、画面がすっきりしているところも、“ソーシャルゲームをやめた”という高氏の言葉を実感させられる。

ゲーム画面1
ゲーム画面2
ゲーム画面3

▲フィールド移動は一方向だけではなく、左右どちらにも自由に移動できるとのこと。また、夜のフィールドもあることが見て取れる。

上記の3枚すべてに写っているだが、園崎さんと高氏がこの猫について語っていると、加藤氏が衝撃的な事実を明かした。いわく、なんとこの猫こそが、本作のシナリオにおける主人公だというのだ! 猫が主人公という驚きの設定、いったいどのようなシナリオなのだろうか?

そして、ゲーム画面の後には、ボスとなる予定の敵のグラフィックも紹介された。

頭身の低いキャラクターを操作し、巨大なボスと闘うというのも、また懐かしさを覚えるシチュエーションだ

ボスグラフィック

▲ボスの画像はスクリーンの左端に表示され、右側には主人公たちが出てくるのかと思いきや……?

ボス&高氏

▲スクリーンが切り替わって登場したのはまさかの高氏。やはりファンサービスを忘れない高氏であった。

気になるリリース日は

本作のリリース時期だが、2016年春(くらい)と、まだしばらくは期間が空くようだ。しかし、高氏は続けて「年末か年明け、またはそれ以降にクローズドβテストを開催することを発表した。

リリース_2016春くらい
CBやります

また、発表後のトークでは、本作にはキャラボイスは付かない予定という、意外な事実も明かされた。さらに、園崎さんが冗談交じりに「私もテーマソングを歌っちゃいますよ!」と言うと、高氏が即座にOKを出し、「予算は私が管理しているんだから、私がやると言ったらやる!」と楽曲の作成を宣言した。

DSC_1186

▲「私もコーラスで参加しますよ!」と意気込む高氏に対して、加藤氏からは「では製作費は高さんのポケットマネーで(笑)」という発言も。

発表の最後には、発表前日に開設したばかりだという『アナザーエデン』の公式ツイッターアカウントの告知もされた。ツイートどころか、まだアイコンの設定もされていないという、完全な新規アカウントだが、これからの続報を逃さないためにも、ぜひともフォローしておこう。

※『アナザーエデン』公式アカウントはこちら

高氏や加藤氏が総力を挙げて制作する『アナザーエデン』。“RPGらしさ”を追求する本作のさらなる続報に期待したい。

アナザーエデン

ジャンル
RPG
メーカー
グリー
配信日
2016年春(予定)

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧