160万ダウンロード達成の道を振り返る! 『テラバトル』開発者インタビュー

2015-02-20 13:13 投稿

気になる今後の話も!

配信から4ヵ月。iOS/Android向けの本格派RPG『テラバトル』が、160万ダウンロードを突破した。『テラバトル』は、『ファイナルファンタジー』シリーズなど、数々の名作を世に送り出してきた坂口博信氏が率いる、ミストウォーカーの最新作。

ユーザーを虜にする壮大なストーリー。練り込まれたバトルシステム。藤坂公彦氏が手掛ける生き生きとしたキャラクター。植松伸夫氏が生み出す美しい音楽。ファンを飽きさせない“ダウンロードスターター”の施策……。こうしたさまざまな面で世界中の人々に支持されており、快進撃を続けている。

本記事では、160万ダウンロードを達成した感想や、台湾・香港でのサービスを控えた今後の展開などを『テラバトル』の主要スタッフである坂口博信氏と大野浩司氏、西村有紀氏にうかがった。記事最後には、本作初の攻略本の告知もあるので、お見逃しなく!

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ミストウォーカーコーポレーション
『テラバトル』プロデューサー:坂口博信氏(文中は坂口:写真左)

ミストウォーカーコーポレーション
『テラバトル』ディレクター兼プログラマー:大野浩司氏(文中は大野:写真右)

ミストウォーカーコーポレーション
プランナー:西村有紀氏(文中は西村:写真中央)

ユーザーとともに駆け抜けた配信からの4ヵ月

――日本では、『テラバトル』のリリースから約4ヵ月が経過しましたね。現在の率直なお気持ちはいかがですか?

坂口 気が付くと100日が過ぎていて、たとえば三原さん(三原一郎氏。アリカの代表取締役副社長)のようなコアなユーザーの方に、「100日目のログイ ンボーナスで何かください」とお願いされたりしましたね(笑)。大野に確認したら、「もうちゃんと入っていますよ」と言われて。

――私たちもいただきました(笑)。

坂口 ありがたいことに、配信当初からずっとプレイしてくれている方がけっこういらしゃって。配信日の10月9日、翌日の10月10日くらいから初めた方の継続率がかなり高いので、とてもうれしく思っています。

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――大野さんと西村さんは、振り返ってみていかがですか?

大野 とにかく長かったですね。

坂口 大野はそれしか言わない(苦笑)。

大野 まだ4ヵ月なんだって。

西村 私も1日がとにかく長く感じています。何年か分の仕事をしているような……。とにかく密度が濃いですね。

坂口 最近、ふたりで“どちらが仕事をがんばっているか自慢”というのを行っているらしいんですよ。大野が「今日はこんなことをやった」と言うと、西村が「あたしは開発用の素材作りもやったわよ」って。自慢しあってその日が1日終わるらしいです(笑)。

西村 運営の連絡だったり、メッセージを作ったり、成果物として見えない仕事で圧迫された日はとくに、「こんなにやったよ」と(笑)。

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――自慢という形で、お互いに鼓舞しあっていると(笑)。大野さんと西村さんは長い4ヵ月ということでしたが、坂口さんとしては想定通りでしたか?

坂口 『テラバトル』は、何かもが初めての体験だったので、“ミストウォーカー”という社名の通り、五里霧中という感覚で……。想定しようにも、どれだけ運営が大変になるのか見えていなかったというのが実情です。今後、対戦プレイまで入ってくると、“ディープミストウォーカー”な状態になるかもしれませんね(苦笑)。

――(笑)。初めて尽くしな中で、サーバーダウンなどの不具合がないのはすごいですよね。

坂口 そうですね。ちょっとはサーバーが落ちたフリをして、“侘びエナジー”を配布したほうがいいですかね?

西村 そこは記録を作りましょう!

坂口 (笑)。(大野さんを見ながら)サーバーが落ちないいちばんの理由はなんなの?

大野 それは……がんばっているからです。

――その質問に大野さんは答えにくいですよね(笑)。自分のことはほめづらいじゃないですか。

大野 システム的な面だと、トラブルが発生しにくいからだと思います。まだフレンド要素をあまり入れていないなど、わりとシンプルに作っているので。

――その点に関しては、大野さんの想定通りだったと?

大 野 想定通りといいますか、「うまくいってくれないと困るな」とは思っていました。『テラバトル』は少人数で運営しているので、トラブルを起こさないよ うに運営する必要がありますから。ただ、始まる前はこれほど急激にユーザーが増えるとは想像していなくて。なので、もっとゆっくり拡張したり、ダウンロー ドスターターのコンテンツを増やしていくのかなと考えていました。

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――配信後の伸びはすごかったですよね。現在、160万ダウンロードを達成されていますが、ユーザー数の伸びは落ち着いてきた感じですか?

坂口 そうですね。配信から1ヵ月半くらいから、徐々になだらかになってきました。ただ、この3人で「ダウンロード数に一喜一憂せず、長期間に渡って楽しんでもらえるサービスにしよう」と話し合っていたので、あまり意識はしていません。今後に関しては、大きな新規要素を実装するタイミングで、変化があるのかなとは思っています。

――ちなみに、運営後に軌道修正などを行ったことはありましたか?

大野 ゲームバランスに関しては、降臨系のイベントでドロップ率や、難度の調整を行っています。

西村 バハムートのイベントを実装しながら、並行してリヴァイアサン、オーディンのイベントを開発していましたが、ゲームバランスの調整を行うことになり、最初からすべて作り直しました。

――最終的なクエストの到達率は、皆さんの想定通りでしたか?

坂口 数字で出していないので、想定通りだったかどうか、現時点ではお答えできないのですが、バハムートは力押しができるので、“バハムート超進化”までクリアーしている人は多いと思います。

西村 そうですね。ユーザーの方のコメントを見ると、リヴァイアサンやオーディンの“超進化”は、次回開催したときに挑戦しようとしている方が多そうでした。

大野 現時点で、3体とも3つめのJOBまで獲得している方は少ないと思います。

坂口 降臨系のイベントは今後も定期的に行う予定なので、獲得するユーザーが徐々に増えていけばいいかなと思っています。

――『テラバトル』は日本だけでなく、アメリカやヨーロッパでも配信されています。ユーザーの割合は、国内外でどのようになっているのでしょうか?

坂口 日本を100とすると、アメリカが50、ヨーロッパは国によって違いますが、大体25くらいでしょうか。ただ、ヨーロッパは国ごとの差が大きくて、イギリスだと苦戦していますが、フランスとドイツは好調です。とくにフランスの方に人気ですね。

――イギリスで苦戦している理由はどのように分析されていますか?

坂口 きちんと分析したわけではありませんが、イギリスはPCゲームやハイエンドなコンシューマーゲームが好きな方が多く、スマートフォンのアプリに否定的な方が多いので、苦戦しているんじゃないかと考えています。逆にフランスは、プロモーションを担当してくれている会社がフランスにあるおかげか、非常に好調なんです。ドイツでも好調と言いましたが、ドイツ語にも対応しているので、本音を言うともうちょっとユーザー数を増やしたいですね。

――『テラバトル』は英語のほかに、フランス語やドイツ語、スペイン語まで用意しているところも非常にユーザーライクだと思います。

坂口 開発に手一杯だったので、最初は英語だけでいいかなと思っていたんです。でも、プロモーションを担当してくれる会社の社長がオフィスに来て会議をしたとき、言語はちゃんと対応してほしいと言われまして。現状、UI(ユーザーインターフェース)などは言語対応していますが、シナリオとキャラクターのプロフィールは英語のままなので、徐々に対応していきたいと思っています。

――海外展開と言えば、台湾と香港でも配信しますね。

坂口 台湾と香港の配信は、4月を目標に進めています。もともとサービスを行いたかったのですが、翻訳の問題もあってこの時期になりました。台湾は繁体字と日本語、香港は繁体字と英語の言語でサービスを行います。追加する言語が繁体字だけなら、現状でもサービスを行える目処が立ったので。台北ゲームショウでもPRさせてもらいましたが、実際にどのような反響があるのか、楽しみにしています。

――アジアの方で、すでにプレイされている方も多数いますよね。

坂口 リリースしていないのに、台湾では好きなアプリのランキングで上位にランクインしたみたいなんです。そういったこともあって、配信することを決めました。90万ダウンロード達成のときに、楽曲のダウンロードを実施したじゃないですか。あのときも、アジアの方のダウンロード率が高かったんです。日本が1位、アメリカが2位と続いて、3位が台湾でした。

――さすが植松さん(植松伸夫氏。『ファイナルファンタジー』シリーズなど、数多くのゲーム音楽を手がける)の音楽ですね。100万ダウンロード達成のコンサートを楽しみにしている方も多いと思います。

坂口 詳細はまだお話できないのですが、コンサートは3月中旬以降で調整しています。まだ構想段階ですが、日本だけでなく、アメリカでもコンサートを開催してみたいですね。

ファンと交流するために実施されたさまざまな施策

――実現すると、ファンにとってうれしいニュースが続きますね! ファンと言えば、『テラバトル』はTwitterやニコ生の配信など、ファンとの交流にも力を入れています。これらの施策に対する感想を教えてください。

坂口 ニコ生の放送などが大事ということは、リリース前にいろいろと聞いていました。ただ、制作で手一杯な中、自分たちだけで番組を企画して放送するのは無理だったので、協力してくれているファミ通さんには、とても感謝しています。また、海外のカスタマーサポートも不安でしたが、アメリカのガンホーさんが手伝ってくれることになって。不安だったところをいろいろ助けていただいているのは、とてもありがたいですね。あと、番組に関して言うと、今後は酔っ払いすぎないようにします(苦笑)。

――ここまでくると、逆に酔っ払っていないと違和感がありますが(苦笑)。

西村 私はもう酔いません!

一同 (笑)。

――でも、出演者全員お酒飲んでる番組はほかにないですし、あの距離感の近さは、とてもいい気がします。

西村 Twitterでは坂口さん、“さかたん”って呼ばれていますもんね。

坂口 呼ばれてないですよ! それは西村が言ってるだけでしょ。どさくさに紛れて、何定着させようとしているんですか(笑)。

――(笑)。Twitterは、おもに西村さんがコメントしているんですか?

西 村 当初からTwitterで何かを発信していこうとを決めていて、キャラクターのイメージなどを固めていました。実際に始めてからは、ユーザーさんの コメントで知りたがっている情報の傾向を調べて、“テラ小屋”という形でお知らせするようにしています。また、いまはどんな内容であっても、最初にいただ いた10件くらいのコメントまでは、お返事するようにしていますね。

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――坂口さんも目に止まったイラストなどをツイートすることがありますよね。

坂口 上手な方がとても多くて。デフォルメしたキャラクターの6人パーティーを描いてくれたアメリカの方には、アメリカのガンホーさんを通して、正式にイラストを描いてほしいとお願いしました。作品がたまったら公開したり、アートブックに掲載したいですね。また、彼のように公式でピックアップしたり、コンテストを開催するのもおもしろいんじゃないかなって思います。

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――ますます盛り上がりそうですね! おかげさまで、ファミ通の攻略wikiも盛り上がっていますが、配信と同時に攻略情報を公開するのは始めての試みだったと思います。実際に行ってみていかがでしたか?

坂口 攻略情報を出すこと自体は、『パズドラ』(『パズル&ドラゴンズ』)にハマっていたとき、データが赤裸々に公開されていて楽しかったので、最初からオープンでもいいんじゃないかと思っていました。wikiの部分は運営してみるまでは正直わかりませんでしたが、インターネットが普及し、ソーシャルゲームが流行っているいまは、ユーザーが主役の時代です。Twitterもそうですが、何か発信する場を設けたかったので、wikiをやってみてよかったと思います。

――今後もユーザーの交流、意見を発信する場として、我々も責任を持って運営していきます。ここからは、今後の追加要素に関してお聞きしたいと思います。それぞれ進捗状況はいかがでしょうか?

坂口 ちょうどさっき、西村が会議で今後の予定の話をしていましたが、31章以降の新章は、波多野くん(波多野大氏。セブンスエンタテイメント株式会社代表、兼ゲームデザイナー。『テラバトル』ではシナリオ、キャラクターを)がシナリオを作っています。西村と波多野くんが中心となり、鋭意作中ですが、そう遠くないうちに皆様にお届けできると思います。

西村 お待たせして申し訳ありませんが、ちゃんとしたもの作りたいので、もう少しお待ちいいただければと思います。

――対戦プレイはいかがでしょうか?

坂口 対戦要素に関しては、まだちょっといろいろ考えないといけないことがありまして。ランキングのように、ユーザーの目標となるものを実装するのかなど、仕組みを作っているところです。協力プレイはおかげさまで順調に遊んでもらっていると感じていますし、今後も手を加えていきます。

――第2回(2015年1月9日放送)の『テラ生』では、レベルキャップに関する話題も登場しましたが……。

坂口 レベル限界突破のことですよね。じつは、企画が決まっていないのにその話をうっかりしてしまい、あとで叱られちゃいました(苦笑)。

西村 開放することは決まっているんですけど、やり方が決まっていないので……。

坂口 どうなるにせよ、基本的にはレベルのキャップを外して、上限を75に上げたいなと。ただ、メタルダンジョン的なものが必要になってくると思うので、それに関してアイデアを出し合えばいいんじゃないと話をしていて。

大野 楽しみにしてくれているファンの方には申し訳ありませんが、ダウンロードスターターで公約していたものを順次実装していくのではなく、現在の状況を見ながら『テラバトル』をよりいい方向にもっていくために必要なものから取り掛かっています。

――これからも『テラバトル』から目が離せませんね!

坂口 注目していただけるようにがんばります。『テラバトル』は、課金要素をできるだけ減らして作っているので、ほかのソーシャルゲームとは違った形に仕上がったと思います。まだ遊ばれていない方は、ぜひダウンロードしてプレイしてみてください。

大野 コンシューマゲームが好きな方の中は、スマートフォンのゲームを食わず嫌いして遊ばれていない方も大勢いると思います。『テラバトル』は、コンシューマゲームが好きな方でも楽しめるゲームにしていますので、ぜひ触ってもらいたいですね。

西村 私もふたりとかぶりますが、『テラバトル』はバトルやシナリオの楽しさを追求したゲームです。まだ遊んでない方は、ぜひこの世界観をのぞいてみてください。

攻略本発売決定のお知らせ!

DL数の推移に応じてキャラクター、楽曲、新モードなど、さまざまな新要素が追加実装されていく『テラバトル』。80万DL突破の公約は“攻略本の発売”だったが、ついに、いよいよ制作完了! 2月27日に発売されることが決定しました!!

テラバトル攻略本

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■DATA
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テラバトル

ジャンル
RPG
メーカー
ミストウォーカーコーポレーション
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS6以降のiPhone4S以降、iPod Touch 5th以降、iPad2以降、Android OS 2.3.1以降

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