アラームをセットして遊ぶ不思議なRPG『dreeps』 その内容に迫る(後編)
2014-08-23 13:16 投稿
『dreeps』 その世界観とは?
アラームをセットするだけで遊べるRPG『dreeps』。超気になるけどゲームの全体像がよく見えない! ということから行われた開発者インタビューの後編をお届けします。まずは先に公開されている前編を見てから、こちらの記事を読もう。
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※アラームをセットして遊ぶ新ジャンルRPG『dreeps』開発者インタビュー(前編)
プレイヤーが目覚めると主人公も冒険へ
――実際のプレイは、アラームをセットするだけですか?
平岡 朝アラームが鳴って目覚めると、ゲームのキャラクターもいっしょに起き上がります。あとはアプリを開いてなくても、勝手に冒険を進める感じですね。学校や仕事の合間にちょっと見ると、敵と戦っていたりしています。
――アラームを再びセットし続けるまで冒険は止まらないんでしょうか?
平岡 いえ、キャラクターには体力がありまして、戦闘などでキャラクターが倒されてしまうと、その日の冒険は終了になります。僕ら人間と同じで、アラームをセットして寝ないと体力は回復しません。
渡辺 アラームだけはセットしてもらわないと、ゲームとしては成立しない形にしました(笑)。一応放置しているだけでも話は進むんですが、ちょっとこまめに様子を見てもらうと、イベントがたくさん見られたりする仕掛けがあります。
――戦闘というお話が出ましたが、起動したときにそれまでに発生したイベントは見られますか?
平岡 いえ、その都度リアルタイムに起動しないと見られないようになっています。まとめて確認できるのは、アプリを閉じていた間に入手した経験値とか、そういったログですね。
渡辺 なので、プレイヤーの方がいまはどんな感じなのかなって気になるような、映像、サウンドなどの仕掛けを盛り込んでいますね。
――なるほど、なんとなく見えてきました。なんだか、まったく新しいタイプのゲームですね。
平岡 最初はゲームと言っていいのかな、と思っていたぐらいですね。アラームアプリとゲームの境界線にあるアプリって感じです。
世界観とストーリーは“直接感じ取る”
――トレーラームービーを観て思いましたが、どんなストーリーなんですか?
平岡 ええと、作っている側としてはストーリーや世界観はあるのですが、ゲーム中で文章として語られることはないんですよ。たとえばキャラクターどうしが会話するんですが、フキダシの中は「……」となっています。なので、実際はどんなことを話しているか、わからないようにしているんです。プレイヤーの方には「なぜ主人公は戦っているのか?」、「これは何なのか?」といった情報を、ドット絵で描かれる世界に散りばめたつもりなので、そこから受け取って想像してもらえたらうれしいです。
――それはおもしろいですね! では、『dreeps』というタイトル名にはどんな意味が?
平岡 キーワードで言うと、「Dream(夢)」、「Sleep(睡眠)」、「sheep(羊)」、あとスペルはちょっと違いますがクローンヒツジの「Dolly(ドリー)」とか、そのへんですかねぇ~。エンディングも用意していますので、あとはプレイして答えを見つけていただければと思っています。
――楽しみですね! 話は変わりまして、ドット絵を採用された理由はなんでしょう?
平岡 僕ら世代ですと、ドット絵に親近感があるんですよ。独特の雰囲気というか、期待してしまう不思議な魅力がある。アニメーションさせるときも、ドット絵のほうが人間らしい動きが出せますね。あと開発のしやすさもありますね、いくらでも打ち直して画面を戻せますし。
藤田 最近のスマホゲームって、家庭用ハードのタイトルと比べても遜色ないくらいグラフィックがきれいじゃないですか。個人の好みになりますが、スマホの小さい画面でそのクオリティーを見せられても、「壮大だなあ」って思うだけで一歩引いちゃうんです。この小さい画面で可愛らしく狭い世界観を魅力的に表現するには、ドット絵がすごく適していると思うんです。
――藤田さんのサウンドなら、この世界観にもバッチリ合いますしね。
藤田 僕は電子音楽にチップチューンから入ったので、いつかドット絵のゲームでBGMを作曲してみたかったんです!
渡辺 制作当初からドット絵にすることは決まっていたので、チップチューンのようなジャンルでもっとアレンジができる人がいないかなあ、と探していたんです。なので、藤田さんはもうバッチリですね。
――『dreeps』は、どのようなサウンドを意識して作られましたか?
藤田 1980~90年代に活躍したゲーム機のサウンドを再現したソフトがありまして、僕はそれで音を作っています。僕自身の音楽のルーツはクラシックなので、フレーズ使いはそこから影響を受けているかもしれません。あとは僕が好きなゲーム、たとえば『星のカービィ 夢の泉の物語』などは音のアプローチとして参考にしている部分もあります。
――BGM制作において、スマホ用とか気にかけている部分はありますか?
藤田 スマホ用というよりは、作品の世界観に寄せていく感じですね。絵と合わせて、素敵な世界を作れるといいなあ、という意識で作曲しています。BGMの作曲はまだ始めたばかりなんですが、鳴ってほしい音を全て並べて行くと、BGMではジャマになったりするんです。なので、まず好きな様に作ってみてそのあとで邪魔な音を抜いていく、という感じで作っています。ホント手探りな状態で試行錯誤しながら作っています。
渡辺 つねに聞いていても耳障りにならないように、ということを意識してもらったりしていますね。
気になるリリースは秋!
――リリースはいつぐらいになりそうですか?
平岡 秋を目標に頑張っています。もういまが山場ですね。じつは3月ぐらいまでフリーランスの仕事も並行してやっていたので、本作にかかりっきりになったのは最近なんですよ。いまはもう毎日ドット絵を打つ日々です(笑)。
――課金形態はどのようなスタイルですか?
平岡 買い切りタイプで、広告や追加課金はなしにしようと思っています。価格はまだ決めていませんが、手頃なものにしようと思っていますよ。
――完成後はアップデートやAndroid版への展開は考えていますか?
平岡 時間があれば絵のクオリティーは上げたいなあ、と考えています。でも大きな機能を追加するとかは、おそらくないですね。iPhone版でも手一杯なので、Android版は現時点では考えられていません。
渡辺 アイデアはいろいろあって、もし次回作があるならこういう機能は入れたいね、という話はよくしています。でも、まずは自分たちでできるものから、というスタンスで開発を進めています。
――とても期待しています! では、最後に読者へメッセージをお願いします。
平岡 記事を読んでくださってありがとうございます。僕たちはバックアップとかなく、3人でコツコツ作っています。なので、大きな会社さんがリリースしている、フルコース料理みたいな大作は作れません。愛情を込めて、おやつのように楽しんでもらえる作品を、頑張って作っています。興味を持っていただけたら、リリースを楽しみに待ってもらえると嬉しいです。
――本日はありがとうございました!
「アラームをセットして遊ぶ」という、斬新なRPGの『dreeps』。基本的なプレイスタイルやコンセプトはインタビューで判明したが、もっとも気になる世界観やストーリーはまだまだナゾに包まれたまま。逸る気持ちを抑えて、秋になったらその不思議な魅力を持つ世界をじっくりと眺めていきたい。
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※アラームをセットして遊ぶ新ジャンルRPG『dreeps』開発者インタビュー(前編)
dreeps
- ジャンル
- APG
- 配信日
- 2014年秋配信予定
- 対応機種
- iOS
- コピーライト
- (C) 2014 YAKAN HIKŌ. All rights reserved.
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