DeNA小林氏「ブラウザの収益性とアプリの爆発性を兼ね備える市場にはまだチャンスがある」【CEDEC 2013】

2013-08-23 13:11 投稿

DeNA小林氏がモバイルゲーム業界をともに盛り上げるパートナーを広く募集!

2013年8月21日~23日、パシフィコ横浜にて開催されている、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2013”。その2日目にMobageを運営する、ディー・エヌ・エーの小林賢治氏(Chife Game Strategy Officer 取締役)が登場。“スマホ時代に、自社の強みを最大限レバレッジする方法”と題したセッションを行った。

登壇した小林氏は、「スマートフォン市場が伸びてきているのは、誰が見ても明らかだとは思います。メディアの方々も、これからはネイティブアプリの時代と言っておりますが、先日、各社が決算を発表した中で、DeNAは、いまも息の長いタイトルが収益を堅持している」と切り出した。小林氏によると『ガンダムカードコレクション』は、サービスから1年以上経ってから過去最高の利益に達しているなど、長期的で安定した収益のあるのが、ソーシャルゲームの特徴だと説明。このようなタイトルは、DeNAだけに限らず、他社のタイトルにも見受けられることから、「端的にいえば、我々はいい市場にいます」(小林)。「人気タイトルは安定した収益を得ておりますし、アプリの時代と言われても収益がガンガン減っているわけでもない。そして強いサードパーティーも安定している中で、何かアプリで大きなヒットが出せれば」(同)と、ブラウザゲームの収益性とアプリゲームの爆発性を兼ね備えている市場はほかにはなく、チャンスはまだまだ眠っているとした。

しかし、「その一方で、“惜しい”が多い市場でもある」と小林氏は言う。その理由として、いいゲームなのにアプリのタイトルが多すぎて、ユーザーに発見されずに埋もれてしまうという点。大規模なプロモーションでランキングで上げてアピールする方法もあるが、どうしても資本力がある企業でなければ難しい面があるため、おもしろいゲームなのにプロモーションができずに埋もれてしまう名作があるのは“惜しい”というのだ。

そしてもうひとつの“惜しい”は、「いいゲームなんだけど、マネタイズができない」(小林)。いいゲームなのに長期的に収益を得るための正しく運用できず、早くに消えてしまうタイトルもあるとのこと。いまのソーシャルゲームやアプリの市場では、企画、アート、エンジニアリング、マーケティング、運用をバランス良く、そして正しくできないと、そこまでの収益にはならずに、勝つことはできないのだ。

ではどうするか? 小林氏曰く「いっしょにやりましょう!」と力強いメッセージ。DeNAといっしょに、お互いの強みを持ち寄っていっしょにゲームを作り、成功の報酬をシェアする、という取り組みを行っていこうというわけだ。小林氏によれば、いっしょにやる組みかたはいろいろあり、例としてはアート、マーケティング、エンジニアの部門をDeNAが担当し、企画、運用をいっしょに組む企業が行うといった、いろいろなパターンが用意されている。企業によって強みだったり、補完してほしい部分がそれぞれある。才能のある会社も多くあるが、正しいゲームの運用に必要なものがすべてそろっているわけではなく、そこが「すごく惜しい」(小林)。だから、今回DeNAといっしょにやるという取り組みを小林氏は推奨しているのだ。

この取り組みに対してDeNAは本気で、「年度内に国内60本の新規タイトルをリリースする予定」と小林氏。内訳は、アプリが7割、ブラウザゲームが3割くらいで、これらの新規タイトルを今回の取り組みでほかの企業とも作っていきたいというわけだ。DeNAといっしょに作るこの取り組みだが、「企業の大小は関係ない」と小林氏。すでに沖縄を拠点とする約19名の規模のサマータイムスタジオといっしょにアプリを開発したり、家庭用ゲームの中でとくにRPGの開発経験に特化したメディア・ビジョンとも“RPG”を開発中、Webで実績を付けている面白法人カヤックともブラウザゲームを作っている。

 

今回のこの取り組みについて、「我々もただお金を出しているだけじゃなく、いっしょに作っています。とりあえず、スマホ業界である程度やっていけそうだけど、正しい運用などいまいちやりかたがよくわからないという場合、まずはDeNAに相談してください」と、モバイルゲーム業界をともに盛り上げるパートナーに向けてメッセージを送った。

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