『キングダムコンクエスト2』×『最強ガーディアン・クルス』開発者対談
2013-07-23 23:22 投稿
7月に実施された『最強ガーディアン・クルス』(『ガークル』)と『キングダムコンクエスト2』(『KC2』)のコラボ。これを記念して、両作品の開発者による対談が実現! お互いの作品に対する思いや今後の展開について語っていただいた。
※写真左 セガ 『キングダムコンクエスト2』ディレクター 奥田 禎(おくだ ただし) | ※写真右 スクウェア・エニックス 『ガーディアン・クルス』プロデューサー 田付信一(たつけ しんいち) |
■コラボのきっかけ
――おふたりは、お会いするのは今日が初めてということですが?
田付:じつはそうなんです。椎野さん(『KC』シリーズのプロデューサー)とやりとりさせていただくことはあったのですが、奥田さんとお会いするのは初めてです。
奥田:僕はおもに実作業をしているので、他社さんとのやりとりをする機会はあまりないんです。
田付:初対面ですが、しっかりコラボはしているので、話は噛み合うと思います(笑)。
――(笑)。ではまず、お互いをよく知っていただくために、それぞれの経歴をお聞かせください。
田付:2010年にグリーさんで展開していた『ナイツオブクリスタル』というタイトルを制作していたのですが、伊藤博之(※)に新しいバトルシステムについて相談をした際に、なぜかバトルシステムではなく新しいゲームの企画が生まれて、その企画で誕生したのが『ガークル』だったんです。このときは『ナイツオブクリスタル』の開発に集中して、その約1年後にスマートフォンのゲームを作ろうという段階で、制作がスタートしました。
※『ファイナルファンタジー』シリーズのアクティブタイムバトルを考案した人物。
――『ナイツオブクリスタル』の制作に関わられる前は何をされていたんですか?
田付:家庭用ゲームを含むいろいろなタイトルのアシスタントをしてました。さらにその前は、大学を卒業してから銀行に勤めていたんです(笑)。
――なんと! 意外な経歴ですね(笑)。一方の奥田さんは、どのような経歴を経て今日にいたるのでしょう?
奥田:もともとは家庭用ゲームの『パンツァードラグーン オルタ』というタイトルで初めて開発に関わりまして、その後『龍が如く』シリーズのプランナーを担当してきました。『龍が如く5』開発途中にネットワークゲーム専門部署の発足の話が社内で挙がっていたんですが、当時『KC』を趣味でかなりハードにプレイしていまして、もともとこのタイプの戦争ゲームが非常に好きだったのもあり、『KC』の開発チームにああしてほしい、こうしてほしいと、いろいろな要望を出していたんです。そんな経緯があったからか、そのタイミングで椎野から「お前がやれよ」という話が社内で出まして、『KC2』立ち上げからディレクターを担当することになりました。
――おふたりともなかなか特殊な経歴ですね(笑)。そんな両者の手掛けるタイトルがコラボすることになった経緯を教えてください。
奥田:もともと『ガークル』は僕も知っていて、重厚な魔獣のカードイラストを使っているということで参考にさせていただいていたんです。そんなとき、他社タイトルとのコラボをしようという話が社内で挙がりまして、「それならば『ガーディアン・クルス』さんと」という話を弊社からご提案させていただきました。
田付:ウチとしても、もう「即、やりましょう」という感じでした。僕も『KC』1作目からプレイさせていただいていたのですが、当時から3G回線で対戦ができるというのは衝撃を受けましたし、現在でもああいったシステムを採用しているタイトルはあまり多くないと思うんです。すごくリスペクトしているタイトルなので、ぜひと。
奥田:すぐに了承していただけて、コラボが実現しました。
田付:いま振り返ると、両作品のコラボのポイントとして、どちらもいわゆる萌え系のイラストではないということと、さらに海外にも向けて作っているという共通点がありました。ですから、イラストを想像しただけで相性がよさそうだと思ったんです。ただ、最近は『ガークル』でもけっこうカワイイ系のイラストが増えてきましたけど(笑)。
一同(笑)
――どういった内容のコラボにするかは、どのようにして決っていったのですか?
奥田:まずお互いのタイトルにカードを登場させるという話が出ましたね。ただ、『ガークル』のカードには背景があるのですが、『KC2』には背景がないので、『KC2』のキャラクターは、もとのデザインをもとにイチから書き起こして『ガークル』に登場、という形にさせていただきました。『ガークル』用に書き起こしてもらったキャラクターでは、アイスクイーン(下の写真参照)がとくに運営でも好評なんです。
田付:けっきょく萌え系な感じになっているんですけどね(笑)。 私もこのイラストは気に入っています。
奥田:その一方で、『ガークル』から『KC2』に登場してもらったキャラクターは、イラストをそのまま使用させていただきましたが、まったく違和感がありませんでした。やはり相性がいいんだなと、再確認しましたね。
■お互いのゲームの今後
田付:コラボをきっかけに久しぶりに『KC2』を遊ばせていただきましたが、すごく楽しかったです。
奥田:僕ももともと『ガークル』はプレイさせていただいていたんですが、初めて遊んだときに綺麗な絵がグリグリ動く快適な遊び心地に感心させられましたね。あとは、ガチャがないことに驚きました。
田付:ありがとうございます(笑)。やはりガチャを入れないと言うのにはこだわりました。僕は、ガチャ自体はありだとは思うのですが、ガチャで強い何かを手に入れて終わり、という形にはしたくなかったんです。いちユーザーとして、強いカードを手に入れて、それをどう使わせるかがゲームだと思っています。ですから、『KC』のようにガチャパックのようなものがありつつも、それを駆使して遊ばせるゲームはおもしろいと思います。
奥田:「ガチャを入れるな」と言われたわけではなかったんですね?
田付:言われてないです(笑)。逆に上からは「ガチャを入れるべきでは?」という風に言われました(笑)。僕からもお聞きしたいのですが、『KC』は1作目があるので、『KC2』を制作する際は、ある意味1作目からの“縛り”があると思うんです。僕は、どうせなら別のタイトルを新たに立ち上げたほうが、もっと自由にいろいろなことができると考えてしまうのですが、そのあたりをどう考えられて『KC2』を制作されたんでしょう?
奥田:おっしゃる通り、当然『1』は閉じるのかとか、『2』と共存するのかといった話は挙がりました。ですが、『1』はスマホゲーム黎明期のころのタイトルだったので、更新の汎用性やコンテンツの容量などの問題点があったんです。それに加えて、街を3Dにしたりカメラがグリグリ動くようなアクションにしたいといった、会社全体としてハイクオリティーなゲームにしたいという思いもありましたので、『2』という形でチャレンジしました。
田付:3Dアクションのバトルは最初プレイしたときにテンションが上がりましたね。
奥田:3Dは社内でも賛否両論ありました。「2Dでもよくない?」という意見もありましたから。
田付:(力強く)いや、あそこは3Dですよ!
一同(笑)
田付:僕自身、近い将来スマホゲームでも「グラフィックは3Dが当たり前」という時代が来てもおかしくないと思っていて、『KC2』で勉強させてもらっていますし(笑)。
奥田:ありがとうございます(笑)。これは僕個人の考えですが、『KC2』は人との関わりがすごく密接なんです。密接すぎるのがいいところでもあり悪いところでもあると感じていて、もっと気軽にコミュニケーションを取って、ゆるい人間関係を作れるようにしないとなと思っているんです。そういった面がスクエニさんは上手だなと思います。『ガークル』でも放っておいたらシルバースライムがもらえたりしますよね。
田付:『ガークル』はそのまったく逆で、もう少しほかのプレイヤーとつながるような仕組みを入れたほうがいいかなと思っていて……(笑)。基本的には、ひとりで遊べて人との関わりを極力なくしているんですが、期間限定でももう少し何か合ってもいいかなと思っています。
――ちなみに、今回のコラボのユーザーさんの反響はいかがですか?
奥田:『KC2』のほうは、まずコラボキャラのイラストの評判が良好でした。とくにヴァンパイアロードというキャラクターがどちらの作品にも登場しまして、『KC2』はダンディーなオッサンなのですが『ガークル』のほうは綺麗な女性で、非常に人気が高かったです(下の写真参照)。また、町に点在している『ガークル』の魔獣は、スキルがハマったときにユーザーの魔獣を倒すので、やや強いところを見せつけてくれました(笑)。
田付:『KC』は有名なタイトルなので、「久しぶりに『KC』遊ぼうかな」というユーザーさんからの意見もありました。似ている雰囲気のタイトルですから、恐らく両方ダウンロードしたことのある方もいて、すんなり受け入れてくれている印象がありました。
――相乗効果でお互いのタイトルのユーザーさんどうしが改めて遊ぶ、という現象も起こるかもしれませんね。
奥田:そうだといいんですけどね
田付:ただ、それを知る方法がないのが残念ですけどね。
一同(笑)
――ちなみに、今後また2タイトルのコラボが実施される可能性はありますか?
田付:今回すごくいい感じにできたので、今後は定期的にコラボできたらいいなと思いました。
奥田:そうですね。ぜひやらせていただきたいですね。
田付:世界観的に違和感がなかったので、大きな更新のタイミングや新たなステージが追加されたときなどにいっしょにできればいいですね。
――楽しみにしています! それでは最後に、ご自身のタイトルのユーザーさんと、相手のタイトルのユーザーさんに向けてひと言ずつお願いたします。
田付:『最強ガークル』になって、じつはログインユーザーが2~3割くらい増えたんですよ。そういった意味ではすごく盛り上がってきたと思いますので、今後もどんどんアップデートをくり返していこうと思っています。今後はコロシアムに新要素を足したいと考えていますので、ぜひご期待ください。『KC』のユーザーさんには、うちの魔獣がお邪魔しました(笑)。もしイヤじゃなかったら、また何体かお邪魔しますので、よろしくお願いします。
奥田:『KC2』は、目下の課題として軽快なアプリ動作を実現するというのがありますし、新しいコンテンツを用意したいと考えています。先日オープンした闘技場も好評ですし、ぜひ引き続き楽しんでいただきつつ、今後もご期待いただきければと思います。『ガークル』のユーザーの方には、『ガークル』を楽しんでいただきつつ、『KC2』もプレイしていただけたら幸いです(笑)。今後も『KC2』の魔獣がお邪魔することになるかと思いますが、そのときはよろしくお願いします!
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最強ガーディアン・クルス
配信時期 : 配信中
対応機種 : iPhone、iPod touch、iPad
価格: 無料(アプリ内課金あり)
著作権: (c) 2012,2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
キングダムコンクエスト2(Kingdom Conquest II)
配信時期: 配信中
対象機種: iPhone / iPad / iPod touch & Android搭載スマートデバイス
価格: 無料(アプリ内課金あり)
著作権: (c)SEGA/(c)SEGA Networks
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