『デーモントライヴ Ver.2.0』大型アップデートの真意を訊く
2013-07-23 18:25 投稿
●Ver.2.0で何が変わった?
▲Ver.2.0の新メインビジュアル。強大さを増したデーモンとの戦いを予感させる。 |
スマホ専用ゲームでありながら、PCゲーム並のクオリティーを実現させたセガのリアルタイム対戦シミュレーションゲーム『デーモントライヴ』。本年2月の正式稼動から約半年が経過したが、本日(2013年7月23日)初めての大型アップデートが行われ、新たに『デーモントライヴ Ver.2.0』として生まれ変わった。Ver.2.0で、いったい何が変わったのか? ファミ通Appでは、本作の開発を担う新ディレクターの河井大輔氏と、リードプランナーの久井克也氏にインタビューを敢行。大型アップデートの意図とその変更内容について、存分に語っていただいた。
セガネットワークス 久井克也氏(左) ■本作では企画の初期からリードプランナーとして携わっている。 | セガネットワークス 河井大輔氏(右) ■セガネットワークスではこれまで、『サムライ&ドラゴンズ』のアジア展開や、新規企画の立ち上げを担当。『デーモントライヴ』では、『Ver.2.0』からディレクターを務めている。。 |
●大型アップデートを迎えて
──今回の大型アップデートに踏み切った理由をお聞かせください。
河井 まず前提として『デーモントライヴ』は、たまたまデバイスがスマートフォンになっていますけど、根幹はオンラインゲームとして作っています。そのため提供するサービスも、従来のPCなどのオンラインゲームと同じイメージなんですね。なのでアップデートは最初から決まっていたことで、わざわざ“踏み切った”というものではありません。毎月何かしらのアップデートをしつつ、3ヵ月ごとに新しい要素を加える。そして半年に1回は大型アップデートをしたい、と考えていました。オンラインゲームとして作っている以上、“ゲームを出して終わり”ではないので、できる限りよくしていく方向で動いています。仮にゲームが100点に到達したとしても、次は120点を目指すべきだと思うので。
久井 実際にゲームを出してみなければわからない部分もあって、ユーザーさんの反応を見ながら、想定していたとおりの反応のところはさらに拡張し、機能していないところは削除しなければならない。そういう流れを受けて、毎月のアプリアップデートとは別に根底から作り直ししなければならないことは、もとから考えていたことです。当然この先もアップデートを考えています。
河井 タイトルも『Ver.2.0』と、ちょっとだけ変わってるんですよ。これまでとは大きく変わった、というのが理由のひとつだけど、“まだ途中だよ”という意味合いもあります。今後2.1、2.2、3.0……と続けていく意志の表れでもある、と思ってください。
──残す部分、変える部分の取捨選択は大変でしたか?
河井 もともと“もっとユーザーどうしのコミュニケーション要素”という計画はあったので、そちらに注力しています。このプロジェクトは長いあいだほぼ同じメンバーで開発しているのですが、「ずっと中にいたらわからないんだろうな」という部分があることは、外から見て感じていました。個人的な感想ですが、現在非常に敷居の高いタイトルになっていると思うので、もっと遊びやすいタイトルにしたいと考えています。
久井 サービス開始から数ヵ月が経ち、運営業務も経験して、変えなきゃいけない部分、逆に変えちゃいけない部分というのは、少しずつ見えています。とくにユーザーどうしの繋がりやコミュニケーションという、ソーシャル関係ですね。一応クランはあるんだけど、その中でできる要素が少ないため、強化しなきゃいけない、という考えはありました。逆にバトルシステムとか、もともとのコンセプトとして外せない部分もあり、そちらはクオリティーとしてもだいたい完成されています。もちろん今後も改良していきますが、そういった変えられない部分は残しておこう、と考えていました。なので取捨選択が大変か、と言われてもそれほどではなくて、わりと明確だったかなと思っています。 |
河井 要素が大量にあるゲームなので、これ以上何かを足すのではなく、まずはいまあるものを整理する方向で考えていました。モードもいっぱいあるんですけど、逆にありすぎてどう遊んでいいのか、わかりにくいタイトルになっているので。そのあたりは整理や再編成を行って、このモードはこういう遊びかたをしてください、とユーザーに対してこちらから提案をするようなイメージで遊びやすくしていきたいと思っています。
▲新デーモンの追加、チャンピオンデーモンのLV上限開放など、すでにやり込んでいるユーザーにも興味深い変更が山盛り。 |
■討伐ミッションとクラン協力戦について
──いままでの“討伐”が“討伐ミッション”に変更されていますね。
久井 現在(バージョン1.5)での討伐は、冒険してる感が足りないな、というのは以前から思っていました。ユーザー的にも「討伐にどれだけ力を入れればいいのか」がわかりにくいのでは、と感じていましたね。継続プレイのモチベーションを上げる意味でもクリアー型のミッションにして、一個ずつクリアーしていけば冒険している感覚が生まれるかな、と思い改修に踏み切りました。
河井 いままではゲームモードの切り分けが、あまりできていなかったように思います。そのため“討伐ミッション”はひとりでじっくり遊んでもらいたいモード、“クラン協力戦”はみんなで協力して遊んでもらいたいモード、そして好きな方どうしでどんどん対戦していただくモードとして、従来の“対戦”を用意しました。加えて討伐ミッションに関しては、ストーリー部分をこれまで同様、グループSNEさんにご監修いただいています。いままではその魅力を出し切れていなかった印象があったので、冒険する感覚を強化し、世界観にひたって遊んでもらえる形で、ストーリーをもっと楽しんでもらえるつくりにしています。
▲劇的に派手さを増した出撃メニュー。これからどんな戦いが始まるのか、否が応にも期待感が高まる! |
──これまでの“物語”は討伐ミッションに含まれるのでしょうか?
久井 そうなりますね。だいたい5ミッションに1回くらいの割合で“物語”を入れているんですよ。ミッションを進めていくと、たまにそういうイベント付きミッションが入る構成にしています。ちなみにミッション自体も再構成しているので、既存ユーザーの方も、いちから“物語”をやっていただくことになります。これまで配信していた物語は演出面の強化を行っていますし、前回配信分以降の物語も大幅に追加しています。また討伐ミッションは、自由に遊び直しが可能です。
河井 こういうタイプのゲームでは、ひとり用モードは作業的に進めがちなんですが、今回はストーリーにも力を入れているので、自分のペースでゆっくりと、世界観を理解して遊べばもっと楽しめるようにしています。世界観は今後もいろいろな展開を企画しているので、そこも楽しみにしていただければ幸いです。
久井 先へ進めるためのモチベーションももちろんですが、今回はミッションごとに報酬が設定されています。これまではシミュレーション部分の“任務”で、時間をかけて各種素材を取りに行かなければならなかったのですが、ミッションをクリアーすることで素材や装備品を、ユーザーの任意で取りに行けるよう設定しています。武器の素材が欲しい、というときは同じミッションに再度挑戦して取りに行くとか、そういう遊びも可能です。
▲グループSNE監修のもと、エージェントたちがくり広げる新たな物語に期待しよう。 |
──討伐ミッションのメニューに“曜日限定”と“スペシャル”がありますが、これはどういったものでしょう?
河井 通常のミッションは、延々と一本道で物語を進めていくものです。当然ですけど、ユーザーさんによって進み方が違うわけですね。それに対して、進行度合いに関係なくいろんなユーザーさんに遊んでいただけるのが“スペシャル”です。当然難しさの壁はあるんですけど、そのときそのときで遊ばせたいものを、誰にでも提供するためのスペースです。新しいデーモンを追加した、というときはここでお披露目イベントを行なう、という使いかたもできますね。“曜日限定”も基本的には同様で、ストーリーとは別に毎日やることを目的に合わせて設定していきます。
久井 それとこれまであった“狂暴体”と“狂襲体”システムですが、狂暴体はミッションの中に組み込まれています。ミッションを進めていくと、いわゆるボス戦が発生することがあるんですが、そこが狂暴体戦と同様にバトル形式になっています。また狂襲体は今後スペシャルの中に入れていきたい、と考えています。
< ▲バトル回数は何回か、どこで何が手に入るのか、ひと目でわかるチャプター画面。一度クリアーしたミッションなら自由に再戦が可能。 |
●“クラン協力戦”を実装
──つぎに“クラン協力戦”についてですが、大まかな流れを伺いたいと思います。
久井 所属するクランメンバーと共有するマップが用意されて、その中にデーモンがわらわらと出現、クランメンバーと協力してつぶしていく、という形です。ただし、基本的にアイコンでしかデーモンの情報がわからないんですね。アイコンのレアリティから強さはなんとなくわかるんですが、どんなデーモンがどこにいるかはわかりません。ただしコメント欄が用意されているので、バトルマップの情報を書いたり、「ここにこういうやつが配置されてる」とか、クランメンバーどうしで情報交換が可能です。基本的に単一属性のデーモンが出るようにしていますので、たとえば「ここは火属性デーモンが出るので水で行くと効果的」とか、そういう情報が役立ちます。
さらにマップ上の敵を全滅させると“WAVE”が切り替わり、つぎのデーモンが出てきます。そうやってどんどん強力になるデーモンを倒していくわけです。このWAVEが切り替わるタイミングで、クランメンバー全員に報酬ボーナスが入ります。これは単に宝石が手に入るとか、そういう即物的なものではなくて、育成合成時にボーナスが入ったり“鉱石ジェネレーター暴走”が発生する、みたいな特殊なものが開放されますので、やればやるほどプレイが有利になります。
河井 クラン協力戦は、クランのつながりをメンバー全員で盛り上げる要素として入れました。さらにクランに関しては、現在もポイントを稼いで毎週のクランランキングを競う要素があるんですが、上位のクランの方々は一週間でものすごく激しい遊びかたをしていただいています。ただ、もう少し緩やかに遊びたい、という方々にとって、ゆったりとしたスパンで遊べる要素が存在しなかったんですね。このクラン協力戦は、マップが一ヵ月単位で入れ替わるので、ひと月かけてじっくり遊んでいただけます。もちろんいちばん有利なのは、なるべく早いタイミングで全部の報酬ボーナスを開いてしまうことですけど、そうでなくてもゆっくり自分たちのペースで遊んでいけば、それなりにいい効果が実感できるはずです。一週間単位のクランランキングと、一ヵ月単位で遊ぶクラン協力戦という、ペースの違う遊びかたを提供したいな、ということで、こういうモードを用意しました。 |
▲マップ上のアイコンには、現在の状況が刻一刻と表示される。どこに出撃するか、よく考えて選びたい。 |
──マップは各クラン専用のものであって、ほかのクランが入ってくることはないと?
河井 そうですね。クランどうしの争いにはポイントの争いもあるし、直接的な対戦もありますが、クラン協力戦でもポイントが入りますので、これを進めているクランほどクランポイントをたくさん稼げます。クランランキングの報酬はかなりいいものを設定しているので、それを狙うこともできます。対戦が不得意なメンバーや、対戦せずみんなと楽しく遊べればいい、というクランの方たちも、ランキングの上位に食い込む可能性が出てきている、ということです。対戦をせずにこっちに集中してもランキングの上位を狙えます。
久井 対戦が不得意なクランにも、さらに不得意なユーザーさんもいると思うんですけど、その場合でもとりあえずバトルに出撃、偵察して「こういう敵がいたよ」という情報をクランに報告する。バトルでは貢献できないけど諜報活動で貢献する、という遊びかたもできるんです。出撃に必要なBPはホストのユーザーのみが減るので。
河井 対戦も協力も、遊べる機会をできるだけ増やしたい、と考えているので、誘われた側はBP消費なし、としました。なのでこちらのモードも、何人かで順番にホストを回していただくと効率よく遊べるように、意図的に組んであります。そういうことをタイミングを相談しながら遊んでもらえればいいな、と思っています。
久井 メンバーどうしで時間を合わせて遊ぶのは、ある程度システム側からタイミングを提供しないと難しいかな、ということで“ハッスルタイム”を用意しました。一日の特定の時間だけデモナイズし放題とか、BPの消費量を少なくする、という特典を入れています。その時間はバトルに行きやすかったり、デーモンを殲滅しやすくなるので「この時間に集まって遊ぼう」というタイミングを取りやすくはしています。
河井 『デーモントライヴ』はマルチプレイに比重を置いているんですけど、対戦はユーザーさんを選ぶというか、とても好きな方もいればそんなに好きじゃない方もいるので。ただマルチプレイは、このゲームにとって非常におもしろい要素なので、対戦を好まない方には協力プレイという遊びかたを、強く打ち出していきたいです。協力プレイはルールやコンセプトがわかりやすいので、それを続けていくうちに対戦もやってみようかな、というユーザーが増えてくれるのが理想的だと考えています。
▲最初は空欄だが、出撃するとマップが追加。そこに情報を書き込み、ほかのメンバーの討伐を援助しよう。 |
●そのほかの変更点について
──従来の対戦に変化はあるのでしょうか?
河井 現状の対戦は、とりあえずデーモンを最高レベルまで上げていないと、そもそもスタートラインに立てないというか、そこからがスタートだよねという状況になっています。これが対戦の敷居を高くしていることは認識しているので、たとえばもう少しデーモンを育てやすくするとか、そうしたバランス調整は随時行っていきます。
──対戦中の回線オフ問題については?
久井 回線をオフにする原因のひとつに、わざとNPCを相手にしてポイントを稼ぐ、というのがあると思うんですが、今回NPC相手ではポイントを入りにくくしました。これで“NPCでなかった場合に切る”という行為は、かなり減ると思います。
河井 対戦でのクラス分けの仕組みも見直しています。現状だとシングル用モードでずっと遊んでいれば、なんとなく上のクラスに行けてしまうため、実力差のあるマッチングが行なわれてしまう、というケースがありました。対戦のやりたさと実力の状況とが、こちらがイメージした状況と合っていなかったため、そこの仕様は完全に見直しています。対戦に時間をかけている方ほど、対戦で上のクラスに行く形にしているので、より実力の近い方とマッチングするように調整しています。
──新エージェント“アラジン”はSNS連携で追加される、と伺ったのですが。
久井 アラジン以降の新エージェントをどうやって配信するかはまた別の話ですが、アラジンに関してはそういった形で、誰でも手に入るようにしています。それはSNS連携機能のお披露目も兼ねています。現状はTwitterとFacebookに投稿することで、アラジンが追加されることになっています。ほかにもSNS連携では、投稿すると宝石をもらえるなどという細かいボーナスをちょこちょことやっていこうと思っています。たとえばチュートリアルクリアー時とか、あるいは高レアリティデーモンを手に入れたときに、自慢するような形で投稿すると、宝石がもらえたりという形式ですね。
▲アラビアンナイトを思わせる姿をしたエージェント、アラジン。曲刀を使った接近戦タイプのようだが、その実力のほどは? |
──オプション関係のメニューも、かなり充実しているようですね。
河井 目立つ部分ではありませんが、個人的にはこっちのほうが遊びやすくなるな、と思った部分をオプション設定として追加しました。以前から画面のアイコン類とあわせて最適化したいとは思っていたんですが、現状の操作に慣れているユーザーさんもいるので、急に変えたりするのはちょっと難しいだろうな、と思ったので。結果的にオプションメニューを充実させ、オンオフで切り替える形にしたんですけど、せっかくなので今後はこういう部分でカスタマイズ可能にしよう、と思っています。
久井 あとバトルの招待設定も見直しています。いままでもバトル招待を受けるかどうかの切り替えができたのですが、オフにしておけば誰からも招待を受け取らなくなる。これでマッチングが成立する機会が全体的に減っていたんですね。それはそれで仕方ないことですが、クランメンバーやフレンドからのお誘いまでも切られていた。なので今回は、まったく知らない人からの招待に関してのみ、オンオフできるようにしています。いままでも「他人は嫌だけどクランメンバーとだったら行きたいよ」という人もいたと思うので、そういう部分をケアしてあります。また先ほど河井が少し話したように、対戦を受ける側はBPの消費をなくしたというのもあり、マッチングの機会は少し変わるかな、とは思っています。
▲細かいところにまで手が届く、待望のオプション画面。プレイしやすいようにカスタマイズしよう。 |
──ひとりで遊ぶとき、NPCエージェントに指示が出せるようになっていましたね。
久井 そうですね。バトル中の簡易メッセージは以前から実装していましたが、それを使って味方のNPCエージェントに対して「攻めあがれ」、「戻ってこい」、「自分を守れ」などという指示を出せます。これはユーザーさんからも多くの要望をいただいていました。
河井 命令の増強も含めて、改良を加えてAIを賢くするため日々調整しています。
──そうしたユーザーからの要望の反映は、細かく行なわれていると。
河井 素材の一括売却も今回実装しました。また要望が多い“仲間とのコミュニケーション”を増強するため、クランメニューやクランプロフィール画面にも手を入れています。たとえばクランのひとこと掲示板は、以前もう一階層下にあったんですが、すぐに見えないので上の階層に持ってきています。あとは、いままでできそうでできなかった、クランマスターの権限委譲も入っています。クランは目に見えない、かなりの部分で変わっています。
久井 それと今回、いわゆる“野良のユーザー”をできるだけ減らしたい、というのもありまして、クランの自動加入機能を実装しています。一日に一回、野良のユーザーをどこかのクランに入れてしまうという、なかば強引な方式です。すでにあるクランにもガンガン人が入ってきますよ。もちろん自分でクランを選ぶことも可能で、クランに入っていても別のクランに加入申請が出せます。そうやって自分の好みのクランを探せるようにしています。
河井 いままではクランに入っていてもいなくても、そんなに影響はなかったんですけども、今回はいいクランに入るだけでバフがまったく違ってきますし、ランキングの報酬も変わります。
久井 クランメンバー画面も変えていて、ほかのメンバーがいま何をやっているかという情報が、細かく出るようにします。いままではオンオフの情報しかわからなかったのが、アジトで何かやってますよとか、討伐ミッションに出てますとか、そういうところまでわかるので、もう少し待てばこの人といっしょにクラン協力戦に行けるな、といった行動が取りやすいはずです。
──クラン画面もずいぶん明るくなっています。
久井 自分たちのクランがどれだけがんばっているかとか、強くなったとか、そういうことを他のユーザーに自慢できる要素を盛り込むため、勲章やランキング順位の履歴がわかるようにしています。これはクラン画面だけでなく、個人プロフィールも同じ仕様を実装しています。自分のメインエージェントやデッキが表示されるので、より他ユーザーにアピールできるようにしています。こうした派手さはソーシャルゲームのお作法的部分だと思うんですが、そういう部分を今後はきちんと強化していこうと考えています。
河井 ゲームのコンセプトが特殊というか、もともとコアなゲームとして作っていたので、端から見ていると当たり前に入っていそうな機能がなかったりして。そういう当たり前にわかりやすい要素はもっと入れていきたいな、と思っています。そうしたいわゆるソーシャルゲームの“お約束”的な要素には、ネガティブなイメージもあるんですが、逆に言うとユーザーさんにとっては遊びやすい要素もあるはずなんです。説明なしでスルッとプレイできるというか、そういう部分は今後どんどん盛り込んでわかりやすくしていきたいと考えています。
▲目にも鮮やかなクランプロフィール画面。さらに勲章でこの画面を飾り、自分のクランをアピールしよう! |
──ゲームのおもしさを残したままで、よりSNS寄りに変えていこうということですね?
河井 ベースとなるバトル部分のエンジンは、開発メンバー一同自信を持っていますし、遊んでもらえれば必ずおもしろいと感じていただけるはずです。ただどうしてもバトル以外の部分で、難しそうな要素が多く敷居が高い印象を与えてしまっているので、どんどん改善していきたいと思っています。”デーモンを育ててデッキを作ってバトルする”、というのを楽しむシンプルなゲームのはずなんですけど、そこに行き着くまでの要素が多くて複雑なゲームに見えていたので、そこは整理中です。
そのため今回はチュートリアルも整備しています。いままでは沢山ある要素をていねいに順番に従って教えていたんですけど、本来いちばん遊んでほしいところに行き着くまでに、挫折してしまう人も多いんだろうな、と思っていました。なので今回、最初は知らなくていい部分は割り切って後ろに回し、“デーモンを使って3対3でバトルする”というゲームの柱の部分を最初に持ってきています。ここがおもしろいと思ってもらえれば、それ以外の要素は後で少しずつわかってもらえればいいですし、いつか対戦をするようになって、さらに強くなりたいとユーザーが思ったときに踏み込んで貰えばいいような要素かなと考えています。なので建設のところで久井くんが登場するのがちょっと遅くなります(笑)。
──やはりそうでしたか(笑)。どこかで見覚えがある方だな、と思っていました。
河井 いままでは始めると即出てきたんですが、今回は相当出てこないので。
久井 開発のときに「ウザいよね」と言われ「出すぎでしょお前」とも言われ(苦笑)。
河井 今回初めてメディアに出ます(笑)。
●不具合対応などについて
──せっかくの機会なので伺います。既知の不具合は、どのくらいのタイミングで解消されるよう進めているのでしょうか?
久井 不具合については解決できるものからどんどん解決しています。ユーザーさんが遊んでいただくうえで、ストレスになる部分を優先して直したいと考えています。
河井 「機能を追加しない」と決めてしまえば、いずれ不具合はなくなる可能性があるんですが、やはり新しいこともどんどん入れていきたいので、ある程度は残り続けると思っています。もちろん発生した不具合をそのままにしておくことはなく、順次修正していきます。ここは2段階で見てほしいんですけど、不具合にはサーバー内の作業だけで直せるものと、クライアントのアップデートをしなければ直せないものとがあります。「近日修正します」という表現の告知は、サーバー作業なので定期メンテナンスで直せるとか、そうでないものはアプリのアップデートをはさむので今月は無理だな、と考えてください。逆に言えば、最大2ヵ月見てもらえればたいていの不具合は直す方針でやっています。不具合は必ず直す前提で取り組んでいますので、長い目で見ていただけば幸いです。
──“錬金革命”キャンペーンも行なわれましたが、錬金システムの仕様を調整することはあるのでしょうか?
河井 すでにけっこう進めていただいている方がいらっしゃるので、大きく変えるという方針はないです。ただ、非常に要素の多いゲームなので、始めたばかりのユーザーが知らなきゃいけない、知らないと損をするレベルになっていると、やはり敷居が高くなるだけなので、ある程度の段階までは意識しなくても遊べるようにはしようと思っています。そのうえですでにやり込んでいるユーザーさんに向けては、どんどんやり込める要素として残そうかな、と。
久井 成功率アップとか、その辺の仕様は期間限定でキャンペーンとして打ち出していますが、現在の仕様のまま継続していきたいな、と考えているところです。初めてすぐの方がこのキャンペーンを見て歓迎する、というものでもないので。
●最後に
──今回のアップデートにおける率直な心境をお聞かせください。
久井 ここまで説明したように、今回の大型アップデートでは数々の要素を入れています。クラン協力戦や討伐ミッションなど、大きく変わった部分はもちろんですが、細かいケアもいっぱい入れています。オプションメニューもそうですし、たとえばデーモン合成でも、一度に大量合成を可能にして、もっと育てやすくできるようにしています。またユーザーインターフェース面も細かく変えているので、遊びやすくなっているはずです。新規要素はもちろんですが、全体的な遊びやすさも重視しているので、新しいユーザーさんにもぜひ遊んでほしいし、現在休眠されてるユーザーさんにも遊び直してほしいと思っています。自分で言うのもなんですが、だいぶいいものができているんじゃないか、と思っています。
河井 正直怒涛の展開なんですけど、やれる範囲のことはやりました。もちろん今後もやりたい、と思う部分も自分の中で出てきているので、今後の課題としてどんどん実現させていきたいと思っています。まずは2.0、さらにそのつぎと、ユーザーの皆さんがおもしろくなったと思えるように、それだけのポテンシャルはあるタイトルだと思っていますので、そこは楽しみにしていただきたいなと思います。
デーモントライヴ Ver.2.0
- メーカー
- セガネットワークス
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS 5.0 以上
- コピーライト
- (C) SEGA Networks
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