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【注目アプリレビュー】疑心暗鬼・人間不信の恐怖がより凝縮『9時間9人9の扉 Smart Sound Novel』

2013-06-04 17:35 投稿

●名作『9時間9人9の扉』がiPhoneやiPadで復活!

数々の謎が散りばめられたシナリオで、クリアー後においてもユーザー間でさまざまな考察や批評などが飛び交い、コミュニティーを賑わせたサスペンスアドベンチャー『極限脱出 9時間9人9の扉』。2009年12月にニンテンドーDS用ソフトとして発売された同作が、脱出ゲーム部分を取り除き、ストーリー部分だけを純粋に楽しめるiOS向けアプリ『9時間9人9の扉 Smart Sound Novel』(以下、『999』)として復活を遂げた。ここでは、オリジナル版との比較も加えながら、本作のプレイインプレッションをお届けしよう。

 

●信じる? 信じない? 先が読めない展開

『999』の物語は、“ゼロ”と名乗る謎の人物によって見知らぬ客船に閉じ込められた9人の男女が、互いに協力しながら“ノナリーゲーム”という生き残りを賭けたゲームに挑み、脱出を目指していくというもの。主人公である“淳平”を除く8人のうち、“誰”と“どの扉”に入るのか。その選択次第で物語が分岐し、異なる結末を迎えるマルチシナリオ・マルチエンディングシステムが採用されている。

主人公は淳平(じゅんぺい)という、ごくふつうの21歳の大学生。最初は頼りなさげな言動をしているが、じつは頭が切れ、知識も豊富で行動力もあるデキる男である。彼に自分を投影できるかどうかはプレイヤーの自信次第だ。やはり、『999』の舞台のような異常事態に挑むには、ボンクラではムリなのだろう。自分の場合は謙虚に、イケメン俳優演じるサスペンス映画を観るような感覚で挑んでみることにした。

▲主人公の淳平(じゅんぺい)。意外にデキる男であり、だからというわけではないが、恋愛フラグも立つ。

 

ゼロによって誘拐されてきた、淳平を含む9人の男女は左手首に“バングル”という腕輪をつけられている。そのディスプレイにはひと桁の数字が表示されており、船内の“ナンバリングドア”を開けるのに使うほか、体内に仕掛けられた時限爆弾の起動スイッチにもなっている。淳平たちは、最終的に9時間以内に“9”と書かれたナンバリングドアを開けて脱出することを目指すため、このバングルの存在が重要になってくるのだ。

ナンバリングドアを開けるには、どうしても複数人のメンバーの協力が必要であるため、淳平たちはときに疑心暗鬼に駆られながらも協力し合いながら進んでいくことになる。しかし、そんな彼らをあざ笑うかのように殺人事件が発生してしまうのだった。

 

▲物語中、幾たびも出現するナンバリングドア。このいずれかを開けることで、展開は大きく変化していく。

 

そんな極限状態の中で、少しずつ明らかになっていくそれぞれの過去や真相。誰が善で、誰が悪なのか? 局面ごとに異なる顔を見せるメンバーたちへの印象は、物語が進むごとに二転三転していく。その変わりようには、淳平以上にプレイヤー自身が登場人物たちを信用できなくなるかもしれない……。

▲登場人物は、全員がひと癖もふた癖もある人物たち。展開次第では、平気で裏切ってくることも。はたして、信じるべきは誰なのか……?

 

●脱出ゲームなしでもボリュームは十分!

オリジナル版は、タイトルに“極限脱出”とあるように、脱出ゲームが重要な役割を果たす作品(といっても、2周目以降はある程度ショートカットできる仕様になっていた)だった。本作では、その大きな柱を大胆にもまるごと省略してしまっているのである。しかしその分、濃厚な物語を遮られることなく楽しむことができるともいえよう。

▲オリジナル版で脱出ゲームが登場した部分では、このような文章が挿入されてすでに“解いた”ことになって物語が続行する。

 

脱出ゲームがなくても、もともとシナリオの量自体がかなりのもので、初回プレイでも展開次第ではあるが4~5時間はたっぷりとかかる。さらに、真のエンディングを見つけたり、そのほかのシナリオやエンディングを全部見ようとすると、到底片手間では終わらないボリュームだ。

▲全体的にはシリアスな展開が大部分を占めるが、なかにはプレイヤーをクスリとさせてくれるようなひと幕も。

 

本作では基本的に、画面をタップすることで文章を送り、物語を読み進めていくことになる。また、一度通過した特定のポイントにいつでも飛ぶことができる“フローチャートジャンプ機能”が搭載されており、とくに2周目以降、未踏破のルートをプレイするときに非常に役に立つ。もちろん、文章を早送りできるスキップ機能なども用意されているので、プレイ環境はかなり快適。

▲フローチャート画面では物語の分岐も確認できるので、周回プレイ時には便利。

 

縦持ちだけでなく、横持ちに対応しているのもうれしいところ。持ちやすいのは縦持ちだが、少しでも大きく画面が見られる横持ちもオススメで、こういった細かいところの気配りはプレイヤーにとってはありがたい。

▲もちろん、縦でも横でもゲーム内容には変わりはない。気分しだいで持ちかたを変えてみるのもあり。

 

本作は、さまざまな意味でファンのあいだに議論を巻き起こしたオリジナル版の物語をそのまま再現した良作である。オリジナル版をプレイしたことがない人は、ぜひこの機会にプレイし、二転三転する展開に騙されて「なんだよー!」と悲鳴を上げてみてほしい。個人的には、フルボイスでなくていいから、要所にボイスを入れてほしかったなぁ……と思ったが、それは今後に期待したい。

※iPad版はコチラから

9時間9人9の扉 Smart Sound Novel

メーカー
スパイク・チュンソフト
配信日
配信中
価格
1000円[税込]
対応機種
iPhone版:iPhone4以降(iOS 5.1.1以降) iPad版:iPad第3世代以降(iOS 5.1.1以降)、iPad mini
備考
iPad版は『9時間9人9の扉 HD Smart Sound Novel』

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