【注目アプリレビュー】昔ながらの王道RPGをiPhoneでも 『創世のエル 序章』を遊んでみた

2013-03-12 15:20 投稿

●これはまだ序章にすぎない……

WASHIMIから、2013年に配信予定の『創世のエル』。本作は、企画・シナリオに『女神転生外伝 新約LastBible1・2』の市川雅也氏、メインテーマ曲に『聖剣伝説2』、『聖剣伝説3』の菊田裕樹氏を起用しているとのことで、SFC(スーパーファミコン)時代を思い起こさせる王道RPG(ロールプレイングゲーム)をコンセプトとしている。加えて、『はーとふる彼氏』の玻都もあ氏が、総勢20名を超える登場人物のキャラクターデザインを担当している点も見逃せない。そんな本作の配信に先駆けて、物語の冒頭が楽しめる『創世のエル 序章』が無料でAppStoreで配信されているのでさっそく遊んでみた。

 

▲懐かしい気持ちにさせてくれるタイトル画面。ゲームをスタートすると、プレイヤーは主人公となって、いきなり世界の命運を託される。昔からよくある展開の「勇者よ、魔王を倒すのだ」って王様に頼まれて冒険が始まるパターン。

 

▲町の中も外もSFC時代のRPGを思い出させるドット絵でデザインされている。画面左下にある十字キーで、キャラクターを移動させる。

●主人公を取り巻く魅力的なキャラクターたちを紹介!!

本作の魅力のひとつが、総勢20名以上の個性豊かなキャラクターが登場すること。ここでは、序章で登場した筆者イチ押しのキャラクターを紹介していこう。

 

▲ロプーサの町で主人公といっしょに暮らしてきた、幼なじみの少女ミカコ。主人公を朝起こしたり、お弁当を作ったりと、明らかに主人公LOVE一直線な様子。彼女の好意にまったく気づいていないのは主人公だけ。 だがしかし、そんな平穏な日々の中、町で起こるある事件に巻き込まれてしまうことに……。

  

▲世界中から英雄と呼ばれる青年ヒイロは、ある事件をきっかけに、主人公と運命的な出会いをする。彼は、過去に幼なじみのアイリーンを幻魔王ドラモスにさらわれて以来、アイリーンを助けるために打倒ドラモスを目指す。主人公より主人公らしい勇敢な一面も見せる。

 

▲伝説の悪魔、スマイル。笑顔を振りまく独特ないでたちに、人を小馬鹿にした話しかたをする。謎の多い人物ではあるが、話す内容からして、ストーリーの確信に迫るキーパーソンに間違いないだろう。それにしても衣装のセンス……もう少しなんとかならなかったのだろうか? 悪魔のファッションセンスはわからない(笑)。

●“世界を救うこと”とは何なのか?

主人公が勇者となって魔王を倒す、王道パターンで始まるRPGにおいて、“魔王がいない世界=平和な世界”という考えかたが、思い浮かぶだろう。がしかし、本作においての魔王の存在は、どうやらそれだけではないようだ。冒険の舞台となるスーという星では、もともと“ラポーニャ”、“エメライ”、“ナヂャ”という3つの国が争いをしていた。そこに魔物が現れ、人間を襲い始めたことにより、3ヵ国が一致団結している状況にある。 人々は、すべての魔物を統べる王ドラモスを倒す英雄を求めている。だがその一方で、魔物のいなくなった世界でふたたび人間どうしの争いが起こってしまうのではないかと、不安に思う者もいる。果たして“世界を救うこと”とは何なのか? 勧善懲悪だと思い込んでいたストーリーから、一気にシリアスな展開へと、物語が動く。

▲世界の人々は、幻魔王ドラモスを倒すことが世界平和につながると信じきっている。

▲一方で、魔物がいない世界を不安に思うミカコ。この話を聞いて、主人公は何を思い、どう行動していくのか……。

●“たたかう”か“にげる”か、すばやく判断しよう

ストーリーだけではなく、広大なマップを旅して敵との戦闘を行うのもRPGの醍醐味である。マップを歩いていて、敵とエンカウントすると“!”のマークが画面に出て、“たたかう”か“にげる”かの選択を迫られる。2秒ほど過ぎると自動的に戦闘に突入。1度戦闘に入ると、魔物から逃げることや道具を使ってHPを回復することができないので、戦いたくないと思っているときに判断が遅れてしまうと、一気にピンチになんてこともある。

 

▲残りHPが少ない状態で、気を抜いて移動していると逃げ遅れてしまいパーティ全滅の危機になりかねない。

▲戦闘は、ターンごとに行動を選択するコマンド選択タイプ。“たたかう”のコマンドに、赤や黄色のオーラがついていると“気合”状態になり、より高いダメージを与えることができる。

●“カード化予約”コマンドで魔物をカードに!

オーソドックスなコマンド選択式の戦闘かと思いきや、戦闘時のコマンドに“カード化予約”というものが。このコマンドを選択してから魔物を倒すことで、その魔物のカードを手に入れることができるのだ。手に入れた魔物カードは、主人公に装備させて、ステータスを上げたり、特殊な効果を発動できたりする。下記で、この少し変わった“カード化予約”のシステムを紹介する。

▲まずは、“カード化予約”のコマンドを選び、カードにする魔物を選択。“カード化予約”できる回数が減ってしまうが、回復は早いのでバンバン使っても大丈夫。

▲“カード化予約”した魔物を倒すと、その魔物のカードを手に入れることができる。魔物によって、カード化できる確率は異なり、1回で成功した魔物もいるし、10回以上かかった魔物もいた。

▲手に入れたカードは、最大3枚まで装備可能。また、魔物カードのコンプリートを目指すと、その数211種類! コレクション要素としても、やりがいがありそうだ。

●レベルを上げて、自分なりの英雄に育てよう!!

キャラクターには、HPやMPのほかに“体”、“力”、“魔”、“速”のステータスがあり、レベルが上がったときにプレイヤーが自由にステータスを振り分けられる。それにより、“体”と“力”ばかりを上げた屈強な戦士タイプや“魔”を重点的に上げた魔術師タイプなど、自分の思い描く理想の主人公に育てられるのだ。主人公を自分に投影させるプレイヤーにとっては(筆者もそうなのだが)、より主人公になりきってゲームの世界を楽しめることができるだろう。

▲筆者は、魔物を一撃で倒すため、重点的に“力”ばかりに割り振った主人公を育ててみた。

●大胆予想!?  本作はただの王道RPGではない!!

3時間ほどの冒険を終えて感じたことは、ただの王道RPGではないということ! 懐かしいドット絵デザインやBGM、王道RPGの世界観ばかりに目がいきがちになるのだが、物語を読み進めていくたびに、“勇者は絶対的な正義ではないのか?”、“魔王は絶対的な悪ではないのか?”と、改めて“善悪”について考えさせられた。序章では、壮大なストーリーが本格的に動き出した直後で終わってしまったため、もう少し先までプレイしたかったというのが正直なところ。ただ、プレイしていて気になった点もいくつかある。たとえば、敵とのエンカウント時において、“たたかう”や“にげる”のタッチパネルの感度が不安定であったり、魅力的な登場人物の中にまだ名前も決まっていないキャラクターや、セリフがひと言、ふた言しか用意されていないキャラクターもいたりしたことだ。しかし、今回配信されている序章はあくまで体験版の体。本編配信の際には、改修されてると思われる。本編を期待する筆者は、序章で綴られる物語を小難ししく考えすぎてしまったかもしれないが、SFC時代からのRPGファンにとっては、懐かしさを思い出させてくれる作品であることは間違いない。昔のアルバムをめくるような感覚で、まずは遊んでみてはいかがだろうか?

※公式サイトはこちら

創世のエル 序章

メーカー
WASHIMI
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.3 以降が必要

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧