【悪魔速報:インタビュー編】配信間近の『デーモントライヴ』はどんなゲーム? 開発キーマンに迫る
2013-02-15 15:00 投稿
●謎多きゲームに迫る
先日完成発表会が行われ、世にお目見えしたセガネットワークスの最新作『デーモントライヴ』。発表会にはデーモン閣下と、いま多数メディアで活躍中の壇蜜が登場し、大きな話題を呼んだ。同時に事前登録もはじまったが、『デーモントライヴ』のゲーム内容は、ほとんどベールに閉ざされたままである。そこで、配信が間近に迫ったこのゲームの真相を探るため、本作でチーフプロデューサーを務める、菊池正義氏にインタビューを行ってきたぞ。
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↑チーフプロデューサー 菊池正義 氏。
セガネットワークス開発本部長。
『ジェットセットラジオ』シリーズ、『龍が如く』シリーズなどを手掛け、
『デーモントライヴ』ではチーフプロデューサーを務めている。
『デーモントライヴ』は”バトルパート+育成パート”で構成される、悪魔に変身して悪魔と戦う新感覚の”協力対戦型バトルRPG”。バトルパートでは、キャラクターを操作して敵と戦闘しつつ、“○○を殲滅”、“敵の本拠地を落とせ”などのさまざまなミッションをこなすアクション要素があり、充実したシングルプレイと最大3対3の奥深い対人戦を楽しむことができる。育成パートでは、デーモンやエージェント、アジトなどのさまざまな育成要素を備えており、ふたつのパートをくり返すのが本作の特徴となる。 |
●細部まで作り込まれた世界観
――いきなりですが、ひとことでどんなゲームか教えてください!
菊池正義氏(以下、菊池) そうですね……多くのプレイヤーと協力したり、リアルタイムで対戦できるゲームでしょうか。ひと言で表現するのは難しいですね(笑)。
――では、順序を追って(笑)。まずは、どんな世界観なのかを教えてください。
菊池 まず、『デーモントライヴ』にはふたつの世界が存在します。“夢幻界”というデーモンたちの世界。そしてもうひとつが、“現有界”という我々人間の住む世界です。時代設定は現代に近い未来。未来というよりかは、将来と表現したほうが正しいかもしれません。このふたつの世界の関係は、どちらかの世界が他方に侵攻をかけているとかではなく、夢幻界は、人間たちの想像や妄想をパワーにして作られた世界で、このふたつの世界は密接に絡みあっています。主人公たちも、人間界で語り継がれているおとぎ話の主人公たちが、夢幻界で具現化した者たちとなっています。たとえば、「白雪姫」からスノウホワイトであったり、「ジャックと豆の木」からジャックであったり。
――なるほど。かなり緻密に世界観が作られているんですね。ストーリー的にはどのような話になるのでしょうか?
菊池 主人公がおとぎ話の登場人物ということなので、彼らにはそれぞれのおとぎ話をベースとした、この世界ならではのストーリーを用意しています。ですので、彼らの名前を見てピンと来なくても、ストーリーを見て「あ、この主人公はこの物語に出てくる人なんだな」と感じられる部分が多々あると思います。赤ずきんちゃん(レッドフード)なら「狼が出てくるのかな?」とかですね。
――おとぎ話とはいえ、ノリと言いますか、雰囲気としてはダークヒーローが活躍するような印象が強いように思うのですが、どのような意図があって、この形になったのでしょう?
菊池 『デーモントライヴ』の構想をしていたころの話になるのですが、ユーザーターゲットの設定に、すごく悩まされまして。しかし、どうあれユーザーさんの立場になって考えれば、分かりやすいものが一番ですからね。まずは分かりやすく、それでいてほかのゲームとは切り口の違うものに、という視点で考えていった結果、悪魔というテーマとおとぎ話というテーマを掛け合わせて、このような形になりました。主人公たちがダークヒーローに近い印象を持っているのは、このふたつのテーマの融合によるものだと思います。
――彼ら主人公を作っていくうえで、特に意識したことはありますか?
菊池 まず意識したのは、なるべくいろいろな国籍の人、いろいろな人種の人を入れて、日本にも寄りすぎず海外にも寄りすぎないキャラクターたちを作ろうという点です。ですので、『デーモントライヴ』の中には、本当にいろいろな人が出てきます。性格の設定は、こういうキャラとこういうキャラが絡んでいったらおもしろくなりそうだなと想像しながら設定しています。それと、そのキャラクターのゲーム内での立ち位置を考えて、無鉄砲なヤツにしてみたり、あるいはプライドの高い人にしてみたりという調整をしてもいますね。
――かなり個性がありそうですね。ちなみに、菊池さんが一番好きなキャラクターは?
菊池 誰だろう……。うーん、レッドフードもいいけど、最後までいろいろ練られたロビンフッドかな? ロビンフッドは、イメージイラストを起こすときにいくつも案が挙がって。どれもハードボイルドな感じのイラストではあったんですけどね。で、最終的にスキンヘッドでヒゲを生やした黒人にするか、いま採用されているキャラクターのイラストにするかという選択を迫られまして。どちらも魅力的だったのですが、いまの風貌に落ち着きました。
↑ロビンフッド。あくまで「アウトロー」として自らの正義を貫く彼は、ロンドンの片隅で相棒のマリアンとともに探偵業を営んでいる。シャーウッドの森で無数の獲物を射抜いた彼の弓は舞台を現代に移しても衰えを知らないが、防御面は脆く敵に肉薄されるのを嫌う。
●ゲーム内容にクローズアップ!
――現在5人の主人公が判明していますが、キャラクターによって進行の違いはありますか?
菊池 どの主人公を使うかで変わるのは、基本的にはバトルスタイルのみとなるので、好きな主人公を自由に使ってください。限定的に「今週はスノウホワイトを使ったほうが、ポイントがいっぱい入るよ」とか、あるいは「スノウホワイトの話に関連したバトルだけは、スノウホワイトを使わないとクリアできないよ」とか、そういう場面は要所で訪れますが、それ以外の場面では好きなキャラクターに傾倒していただいても問題ありません。もしくは、さきほどチラッと話しましたが、主人公はそれぞれバトルスタイル、戦いかたが異なっています。近接戦闘のキャラクターがいたり、魔法を使うキャラクターがいたり、弓矢を使うキャラクターがいたり。ですので、自分の好きなバトルスタイルを持った主人公を選んで戦ってみるというのも、いいかもしれませんね。また、『デーモントライヴ』は、友だちとチームを組んで戦えるシステムも搭載しているので、チーム戦では友だちと相談して、チームバランスを考慮したキャラクター選択をすることが、ひとつの戦略となります。
――本作には育成パートとバトルパートというふたつのパートが用意されているようですが、どちらに重きを置いて作られていますか?
菊池 まずベースとしてバトルありきの作品として作っています。バトルで敵デーモンを倒したり、協力プレイ、対戦プレイで相手を倒したり。ですので、デーモンを成長させたり、主人公たちの装備を強くしたりといった育成パートは、バトルパートを肉付けするための要素となっています。
――育成パートの中には、主人公たちの拠点である秘密結社を大きくするというものも含まれているそうですが、この秘密結社はどういうシステムになっているのでしょう?
菊池 秘密結社には、本部と支部というものがありまして、秘密結社は、この支部を増やしていくことで大きくなっていきます。現状は、最大で支部がふたつまで持てるようになっていますが、今後のアップデートで支部の最大数を増やしていくことも考えています。ちなみに、本部や支部の内部には、ゲーム内通貨を生み出す施設であったり、デーモンを成長させる施設などが建築できるようになっているので、プレイヤーはこれを利用して、バトルや育成のサポートをしていく形となります。
――フレンドをたくさん増やすことで生まれるメリットなどはありますか?
菊池 フレンドという要素とクランという要素、ふたつのコミュニケーション要素があります。クランは、複数の人たちが集まってつくるコミュニティです。バトルの中には、このクランメンバーのキャラクターを呼びだして戦えるというものもあるので、強いクランメンバーがたくさんいれば、それだけ有利にゲームが遊べると思います。もちろん、フレンドのキャラクターを呼んで遊ぶこともできますが、クランとフレンドの一番の違いは、コミュニティを作るか作らないかですね。クランを作ったり、クランに所属していたりすると、クラン全体で何かに挑むというシステムが利用できるので、クランに所属していたほうが、よりゲームを楽しんでいただけると思います。あとは、クランどうしで何かを競うということも考えています。
――なるほど。これだけ濃密なゲーム内容で、ワンプレイにかかる時間はどれくらいを想定していますか?
菊池 デーモンを倒していく討伐戦というバトルでは、制限時間を3分に設定しています。この時間内に、ターゲットとなるデーモンをすべて倒せば、そこでクリアーとなるので、最大でも3分となりますね。3分というと長く感じるかもしれませんが、慣れてくれば1分くらいでクリアーすることもできるので、バトルでそこまで長時間を拘束することはありません。一方、強力や対戦では戦略を組んでガッツリプレイすることもできるようになっていますので、みなさんのプレイスタイルに合わせて遊べますよ。
●『デーモントライヴ』はこうして生まれた
――本当に新感覚なゲームですね。ところで『デーモントライヴ』を作るうえで何か影響を受けたものはありますか?
菊池 ゲームシステムの着想の原点となっているのは、『League of Legend』(※)などに代表されるMOBA(マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ)というジャンルのPCゲームですね。これらは、アクションやRPGやRTS(リアルタイムストラテジー)の要素がミックスされたマルチプレイヤーのゲームでして、これが今世界でとても流行ってます。で、実際に私たちも遊んでみておもしろかったですし。ただ、そのシステムそのままではスマートフォンにマッチしないとも考えまして。そこで「では、この面白さをスマートフォンに取り込むにはどうしたらいいか?」という考えのもと作り始めたものなのですが、最終的には面白さのツボを取り込みつつも、違う形へと昇華できたかと思います。
※『League of Legend』…今、世界でもっとも人気のあると言われるオンラインゲーム。登録アカウント数が7000万以上もあり、2012年には同時接続ユーザー数が300万人を越えるという記録を樹立している。
――かなりガッツリとしたゲームをモデルにしていますが、スマホに置き換えるという点でとくに苦労したことを教えてください
菊池 環境面からいくと、まず画面の大きさが違うというのが大きいですね。パソコンの画面とスマートフォンの画面はサイズがまったく違いますから。画面が小さくなると、表示できる情報も少なくなるので、そこの工夫がまずひとつですね。あとは通信環境が異なるという面もあり、これを克服するのも大変でしたね。ゲームのプレイ内容だと、『League of Legend』などでは、1回の対戦に30分から1時間ほどかかることもあるのですが、我々はスマートフォンらしく短時間でも遊べるゲームとすべきと考えていたので、この部分のゲームデザインや調整にもこだわりました。とにかく越えなければならないハードルはたくさんあったのですが、それらを乗り越えて、我々なりに新しいものを生みだせたと思います。
――完成したものを見て、菊池さん的には100%の出来になったと感じますか?
菊池 自信を持ってお届けできるものとなりました。みなさまに楽しんでいただけると思います。それに、今後アップデートを重ねて、さらに良いゲームにしていくつもりですよ。
●気になる配信後の展開は?
――配信を間近に控えていますが、配信してからこういう展開を考えているというビジョンがありましたら教えてください。
菊池 ひとりで遊べるようにも作っていますし、それで長く遊んでいられるようにも作っているのですが、私たちが一番遊んで欲しいところは、人と協力をしたり、人と対戦していただくところになるので、そこを楽しんでいただくための追加要素を考えています。個人個人で何かを競うようなイベントであったり、クランどうしで何かを競うイベントであったりとか。まずは、この辺の要素を考えています。
――それは楽しみですね。期間限定のイベントなども配信する予定はあるんでしょうか?
菊池 それはもちろん考えています。週単位のものであったり、月単位のものであったり。いろいろな形があるとは思いますが、それは必ず行いますので、ぜひ期待していてください。あとは、ユーザーのみなさんを巻き込んで何かしらやりたいと思っておりますので、そちらも期待していてください。
――ちなみに、別のゲームなどとコラボをするといったご予定は?
菊池 具体的な予定はありませんが、『デーモントライヴ』の世界を壊さないやりかたで取り組ませていただきたいなと思っております。実際にコラボのお話をさせていただいていたりもするので、その辺の話が固まったら、何か発表できるかもしれませんね。ユーザーさんに喜んでいただけることでしたら、我々は積極的にやっていこうと思っておりますので。あ、コラボとはちょっと違うかもしれませんが、弊社のアプリに『キングダムコンクエスト』というゲームがあるのですが、そちらに『デーモントライヴ』のジャックが出演しますので、そちらもチェックしていただければ幸いです。
――おっと! いきなり大型コラボですね(笑)。あと『デーモントライヴ』の事前登録をすると、デーモン閣下のデーモンが特典としてもらえる仕掛けがありますね。デーモン閣下と同じく『デーモントライヴ』の発表会に登場していた壇蜜さんのデーモンが配信されるということはあるのでしょうか?
菊池 それはまだお答えできません。デーモン閣下のデーモンは、事前登録のページで確認できますので、そちらを参照していただければと。ちなみに、そのデーモンのスキルは歌う感じのものになっています。歌って周囲のデーモンや味方のSP、いわゆるMPやマナのようなものですね、それを回復するというスキルになっています。序盤からこんなに強いのもらっちゃっていいの? と思えるくらい強力なので調整中ですが(笑)。ぜひとも事前登録をして手に入れてください。
↑サービス開始の前日までに事前登録をすると、”デーモン閣下”が”秘蜜結社デーモントライヴ”で演じた”イナイン総督”をモデルとした限定のレアデーモン”イナイン=エルゴ=スム”が、リリース時にもれなくプレゼントされる。いますぐ事前登録を!
――ゲーム内での展開も楽しみですが、例えば公式サイトで漫画を掲載しているような、ゲーム以外の展開も行っていますね。今後もゲーム以外での展開を続けていく予定はありますか?
菊池 企画当初から『デーモントライヴ』を広く展開していきたいなという思いがあり、現在はいろいろな可能性を探っているという段階ですね。まだちょっと具体的なお話はできないのですが、その辺りも注目しておいてください。
――今回はiOSのみでのリリースということですが、Androidへ展開する予定はありますか?
菊池 そうですね。Androidへも出したいと思っています。具体的な時期はまだお話しできないのですが、準備ができたときには、また改めてご案内させていただきます。
そして、配信前の『デーモントライヴ』をプレイできた!
その模様はコチラの記事をチェック!!
【悪魔速報:インプレ編】『デーモントライヴ』配信前プレイレポート! 気になる部分を徹底追及
デーモントライヴ
- メーカー
- セガネットワークス
- 配信日
- 2013年2月下旬配信開始予定
- 価格
- 未定
- 対応機種
- iOS
- コピーライト
- (C) SEGA / (C) SEGA Networks
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