【注目アプリレビュー】クリスタルを巡る壮大な冒険譚が蘇る『ファイナルファンタジーIV』

2013-01-15 17:20 投稿

日本製RPGの代名詞として、知らぬ者はいないと断言できる『ファイナルファンタジー』シリーズ。その4作目にあたる『ファイナルファンタジーIV』が、iPhone向けアプリとして登場しました。思い返すに、私、ぽんせ松本が、20ン年前にスーパーファミコンを購入したのは、ひとえにこのゲームを遊ぶため。美しい映像と斬新なゲームシステム、奥深いストーリーにすっかり心奪われ、当時は夢中でプレイしたものです。

そんな思い出の作品がアプリになったとあれば、これを見逃す手などありません! 個人的に楽しみつつも同好の士を増やすべく、本作の魅力やプレイポイントについて語らせていただきます。昔からのファンも、まだ遊んだことのない方も、ぜひご一読ください!

●遊びやすさを追求し続ける名作RPGの最新型

『ファイナルファンタジーIV』は、最初期作品であるスーパーファミコン版の発売以降、幾度もリメイクされており、そのつどゲームシステムやイベントなどに関する要素が変化。そのため対応する機種によって、遊びごたえがさまざまに異なります。今回のアプリ版は、2007年に発売されたニンテンドーDS版をベースとして、操作方法や難易度、イベントなどを、スマートフォンのプレイ環境に合わせて調整したもの。今回が初めてというプレイヤーはもちろん、筋金入りのファンの方であっても、必ずや新しい発見があるはずです。

●ゲームシステム

本作はマップ見下ろし型のオーソドックスなRPG。フィールドやダンジョンを探索してキャラクターを育て、ストーリーを追っていく流れはなじみやすく、誰でも気軽にプレイすることができるでしょう。

システムの基本となる操作方法ですが、画面タッチで項目の選択と決定、長押しするとコントローラーアイコンが表示されてキャラクターを動かせます。またほとんどのフィールドやダンジョン、建物内でマップを表示させることができ、さらにその状態のまま移動や探索が行えます。マップを確認するたびに探索の手を止める、などという必要がないのはうれしいですね。ちなみにフィールドやダンジョンは、移動することで少しずつマップが開放。ダンジョンの場合は1フロアぶん完成するたびに、アイテムがもらえます。本作はGame Centerに対応しており、全マップ完成で達成できる項目も存在していますから、やり込みプレイに挑戦する方にはいい目標になるはずです。

アイテム使用や装備変更など、細かな行動はメインメニューを開けばいつでも実行できます。音量やメッセージ速度など、コンフィグ関係の項目も充実しているので、自分のプレイ環境に合わせて自由に設定しましょう。なお本作はユニバーサルアプリとなっており、iPadの画面サイズにも対応しています。

▲マップを表示させたままキャラクターを動かすと、そのあいだだけマップが薄く表示されます。より詳しい状況が見たければマップを消しましょう。
▲メインメニューを開くとセシルのモノローグが表示され、冒険の目的に関する事柄を伝えてくれます。

 

●バトル

RPGのバトルシーンに“時間”の概念を加えたATB(アクティブタイムバトル)。時間経過で行動ゲージが溜まり、いっぱいになると行動可能、といういまとなっては常識とも言えるこのシステムを、20年以上前に初めて搭載したゲームこそ『ファイナルファンタジーIV』なのです。当然本作にもATBは採用されており、スピーディで緊迫感満点のバトルが楽しめることうけあいです。

このATBに関する設定は、攻撃対象や使用アイテム、魔法などを選んでいるときに時間経過が止まる”ウェイト”と、どんな状態でも時間が経過し続ける”アクティブ”から選ぶことができます。私はなまじプレイ経験があるため、最初はアクティブを選んでいましたが、HP回復にあせるあまりタッチ場所を連続でミス。序盤にして全滅寸前というピンチに立たされて以来、ウェイトを愛用しています……。皆さんはどうか無理のない設定を心がけてください。

なおバトルには、あらかじめ登録した行動を自動的に実行させられる”オートモード”が搭載されています。このモードはかなり使い勝手がよく、魔法やアイテムならば使いたい種類の指定が可能です。電車の吊り革に掴まっている、などの理由で思うように操作できないときでもバトルが進められますし、設定次第で経験値やお金稼ぎにも利用できるでしょう。

▲ステータス表示の右端にあるのがATBゲージ。これがいっぱいになり、黄色く表示されると行動できます。
▲オートコマンドに魔法をセットしておけばバトルが楽になります。ただしMPの使いすぎにはご用心。

 

●ストーリー&キャラクター

本作ではシリーズ作品の代名詞ともなっている”クリスタル”を中心とした、壮大な物語が描かれます。力を秘めた4つのクリスタルを巡ってくり広げる、シリアス色の強いストーリーは、初めての発表から20年以上経過してなお、色あせることはありません。

登場するキャラクターは、主人公にしてバロン王国に仕える暗黒騎士セシルを始め、冒険をともにする者たちだけで全12名。さらに敵や関係キャラクターまで含めると、その数は膨大です。彼らが織り成す重厚な人間ドラマは、かわいいCGキャラクターとのギャップとあいまって、プレイヤーの心を揺さぶってくることは確実。ぜひとも最後まで堪能してもらいたいものです。

ちなみに仲間キャラクター全員が一堂に会することはなく、彼らは物語の流れにより幾度となく出会いと別れをくり返します。これにより別れたキャラクターの固有アビリティ(能力)は使えなくなるわけですが、本作の元となったニンテンドーDS版では、デカントアイテムと呼ばれる特殊アイテムを手に入れることで、そういったアビリティを別のキャラクターに覚えさせることができます。もちろん本作にもこの「デカントアビリティシステム」は搭載されていますから、ぜひ世界中を探してアイテムを入手し、自分だけのキャラクターを育て上げてみましょう!

▲セシルたちが行く先々で遭遇する、目を覆いたくなる悲劇の数々。クリスタルがどう関わっているのでしょうか?
▲デカントアイテムはイベントや、特定の場所を探索するなど入手方法はさまざま。見逃さないようチェックしましょう。

 (ライター・ぽんせ松本)

ファイナルファンタジー IV

メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
1800円[税込]
対応機種
iPhone/iPod touch/iPad iOS 5.0以降

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