iPhone 5ユーザー注目の『Real Racing 3』の配信はまだか!? 待ちきれなくて開発者インタビュー
2012-11-22 19:30 投稿
●プロデューサーに直撃!
エレクトロニック・アーツから2012年内に配信が予定されているiPhoneアプリ『Real Racing 3』。iPhone 5の発表会でデモとして使用されたのは記憶に新しいが、11月も下旬に差し掛かるこの時期に、まだ新情報や確実な配信時期が編集部の耳にも届いてこない。そこで、エレクトロニック・アーツFiremonkeysスタジオで本作のプロデューサーを務めるRobert Murray(ロバート・マーレイ)氏に、気になるあれこれを聞いてみた。ただし、始めに言っておくと、まだ配信日は教えてもらえませんでした(笑)。
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エレクトロニック・アーツ Firemonkeysスタジオ エグゼクティブ・プロデューサー Robert Murray(ロバート・マーレイ) |
『Real Racing 3』プロデューサー。Firemintスタジオ創設者。2009年にiPhoneゲーム『Flight Control』を世界的にヒットさせる。 |
――配信時期は初めからiPhone 5発売後を予定されていたのでしょうか?
ロバート 私たちは『Real Racing 3』を今年リリースしようと以前から計画していました。加えて、アップルが新しいモデルをリリースするかもしれないと予測を立て、その対応を想定していました。その甲斐あって、早い段階でiPhone 5のような強力なデバイスに対して準備ができていたのです。
――グラフィックの質がさらにあがっているようですが、どうしてこれほど向上できたのですか?
ロバート 今回『Real Racing 3』のために、Mint3という新しいエンジンを開発しました。このエンジンはパワフルな最新デバイスの上に、素晴らしいビジュアルエフェクト表現を可能にします。例えば、車体やバックミラーに映り込んだダイナミックな反射が挙げられます。影やライティング表現が劇的に向上し、表現の細やかさは想像以上のものがあります。このゲームとエンジンに匹敵するiOSゲームはまだないと思いますよ。
――具体的に家庭用ゲーム機のどのレベルまで来ているのでしょうか? プレイステーション3? Xbox? プレイステーション・ポータブル?
ロバート 私は『Real Racing 3』がプレイステーション3やXbox 360などのコンシューマーゲームにもっとも近い存在だと思っています。『Real Racing 3』のPV動画をぜひご覧ください。この動画をご覧になった方のほとんどが、これはモバイルゲーム以上に、コンシューマーゲーム機に近い水準に見えると言いますね。
ロバート 『Real Racing 3』に登場する車はそれぞれがハンドリングに個性を持っています。きっとその違いを感じていただけるでしょう。物理シミュレーションとエンジン操作部分の改良を重ねましたので、これらの違いは『Real Racing 2』と比べても明確です。車を飾るペイントデザインも選択可能です。パフォーマンスを上げるために、車のさまざまなパーツをアップグレートすることができます。
――コース数、登場車種などボリューム面はいかがですか。今回はどんな車種が登場するのでしょうか。
ロバート レーシングカーの車種とレースコースのラインナップは、現時点ですべてをお伝えする事はできませんが、たとえばアウディやダッジ、マクラーレン、そして日産のようなメーカーからの車は期待していただいていいのではないかということと、ブランズ・ハッチ、インディアナポリス、ラグナ・セカの実在するサーキットでのプレイをお楽しみいただけると思います。そして本当はまだナイショなのですが、鈴鹿サーキットは実在サーキットのひとつとして収録される予定ですよ。
▲こちらの画像にはマツダの文字も。実在車種やコースの登場はうれしいですよね。
――あ、それはうれしいですね。ではつぎにオンライン要素を教えて下さい。GameCenterの機能を使った要素があると聞いていますが、どのような内容なのでしょうか。
ロバート 『Real Racing 3』はGame CenterとFacebookのフレンドと“タイムシフト・マルチプレイヤー”という機能で対戦することができます。これはソーシャルゲーム体験の新しい形です。このテクノロジーはiPhone 5の製品発表の中で、『Real Racing 3』のゲームデモを通して初めて明らかにされました。これはあなたの友だちがオンラインであろうとなかろうと、互いにゲームを競い合うことを可能にする画期的なものです。どういうものかと言うと、友人の出したタイムと競い合ってレースをすることができますが、いわゆる“ゴースト”とは違います。実際の競争相手として、接触することもありますし、自分のレースにちゃんと関わってくるのです。これが“タイムシフト(時間をずらした)・マルチプレイヤー(対戦機能)”ということです。
――それはぜひ体験してみたいですね! そのほか見どころがありましたら教えて下さい。
ロバート 『Real Racing 3』はシリーズの中で実在するサーキットを入れた最初のゲームです。ただ、これは我々にとって大きな挑戦でした。モバイルゲームでレーシングゲームを制作する場合、かなり広い道幅と緩やかなカーブの方が操作の難易度が下がり、快適にプレイしやすくなります。でも実際のサーキットはもっと難しいですよね。難易度の高いカーブや坂道、そして障害物とともに道幅は時にとても狭くなります。私たちは実在するサーキットを取り入れたため、物理的に個々の車のパフォーマンス特性も同じく正確に再現しなければなりませんでした。ほかにも問題として、現実のサーキットは長い直線的コースを持っていたり、時折、丘の頂上からコース全体が見渡せるようになっていたりします。ほとんどのカーレーシングゲームは、細かい表現を省くためにコーナー横に崖の表面を付けるなどして全体を曖昧にしますが、私たちはこれらのトリックを使いませんでした。Real Racing 3のゲーム中、丘の頂上からトラック全体を見渡すことができる場所があります。その映像は本当に衝撃的です。私はチームがここで成し遂げたものを本当に誇りに思っています。
――開発はエレクトロニック・アーツ(EA)と共同で行っているのでしょうか?
ロバート FiremonkeysはEA所有のスタジオになりますが、我々のゲームの多くは『Real Racing』に見られるようにFiremonkeys特有のものです。私たちはまた、『The Sims フリープレイ』や『Need for Speed Most Wanted』のようなEAの看板作品も制作しています。つまり、我々の独自ブランドとEAの看板作品双方の制作を担っていることになります。
――では、他社のレースゲームで注目しているもの、見習いたい要素はありますか?
ロバート 私たちはたくさんの素晴らしいレーシングゲーム、とくに、ジャンルの中でも際立っている『グラン・ツーリスモ』や『ニード・フォー・スピード』のシリーズからインスピレーションを得ています。でも結局のところ、『Real Racing』は非常にユニークで個性際立つ作品と言えると思います。『Real Racing』がユニークであるひとつのカギは、真のレーシング体験にあります。『Real Racing』のAIは、先行する車に追いつけるようにわざと減速したり、ごまかしたりはしません。より実際のレースに近い感覚を得られるように、競争性を維持したまま、自然なレースになるように開発されています。iPhoneとiPadのジャイロスコープが可能にした優れたステアリング制御を、私たちはゲームデザインで最大限に活用しています。もうまもなく配信できると思いますので、期待してお待ちください。
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