騎士団を育成しつつ難敵に立ち向かうシミュレーション『A Knights Dawn』
2011-12-20 12:12 投稿
●ファンタジー世界を舞台にした正統派のタワーディフェンス系ゲーム
タイトルからおおよそ想像できるとおり、『A Knights Dawn』は剣と魔法の世界を舞台にした作品。そして、RPGやアクションではなく、タワーディフェンス(TD)タイプのシミュレーションゲームだ。
プレイヤーは、指揮官として配下の騎士や剣士、魔法使いなどを指揮して、モンスターの一団の侵攻を撃退することになる。TD系のゲームにしては珍しく敵の侵攻が明確にWAVEで区切られていないことと、ステージ幕間でのユニット強化システムが充実していることが特徴と言えるだろう。メッセージは完全に英語(あるいはドイツ語との二択)なので、やや敷居が高めに感じるかもしれないが、実際にはプレイ開始直後にわかりやすいチュートリアルが入るため、英語力のない人でもプレイにさほど支障はない。
▲各ステージはサイドビュータイプのマップになっている。中には、パッと見に敵の侵攻目標点がわかりにくいステージもあるので、注意が必要。 |
▲「敵を倒すとお金が得られ、そのお金で新たなユニットを配置する」という、TDの基本に忠実なシステム。 |
●敵(モンスター)を倒すだけで経験値もお金もウハウハ……なワケがない!?
前述のように、本作はWAVE区切りがないことを除けばTDゲームとしては比較的オーソドックスな作りになっているのだが、ふたつばかり特筆すべき点があり、その部分を個人的に非常に高く評価したい作品でもあった。
ひとつは、遠隔攻撃ユニットの優遇。チュートリアルパートで気づかされるのだが、本作における最優の戦力(ユニット)は剣士でも魔術師でもない。射手──というかマスケット銃を持った狙撃手なのだ! 無論、ユニットはそれぞれの特徴や利点、欠点を持っているため、どれが“最強”とか“万能”と言うことは一概に断言はできない。某カリスマ吸血鬼が「スタンドに強弱の概念はない」と言っていたが、その法則はこの種のゲームにも当てはまるとは思う。
しかし、しかしだ! ファンタジーやRPGの王道イメージからはやや外れるが、考えてほしい。射程・攻撃範囲が広いうえに、ある程度連射も効き、さらに敵の攻撃を受けないユニットを使ってシミュレーションRPGをするところを。……うん、ふつうに「それ、なんてチート?」って引かれること請け合いだろう。考えれば、移動砲台とも言うべき代物だから、TD系ゲーム内における扱いとしては決して間違ってはいないのだが、いかんせん弓使いとか銃士いう存在はゲームを含めたファンタジー系創作物では比較的地味な立場にあることが多い。 じつは某狩猟ゲームではガンナー、その他RPGでも射手や弓使いなどの職種を好んでプレイする私としては、この点は非常に好みにマッチしていた。
▲たとえば、この位置に狙撃手が陣取れば、上下左右ほぼ360度方向の敵に攻撃可能で、ムダなくダメージを蓄積できる。マジ、パネェっす! |
▲唯一の泣きどころは、剣士などと異なり敵の移動自体を阻害できないこと。しかし、一撃一殺レベルにまで強化すれば、それもたいした弱みではなくなる。 |
ふたつ目は、ユニットカスタマイズの自由度の高さ。TD系ゲームにおいて、ステージ間でユニットをアップグレードできる作品は決して少なくないが、本作の場合、その内容がふつうのRPG並に多彩だ。ユニット自体の能力を2方面(たとえば狙撃手なら攻撃力と射程距離)に任意に伸ばせるほか、装備その他を購入することで能力の底上げをはかることもできる。優良な課金アイテムが用意されていると同時に、ゲーム内で稼ぐXP(経験値)だけで購入できるアイテムも多数揃っている。ステージをクリアーして得たXPを好きなようにユニット強化につぎ込むというのは、ある種RPG的な楽しみかただが、RPG好きなら問題ない。むしろ嬉々としてXP稼ぎに精を出すことだろう。
▲XP以外にリアルマネーで購入できる“VP”というポイントも存在し、VPでのみ購入できるアイテムも多い。ただし、VP自体はステージ内でまれに敵が落とすこともある。 |
ただ、ひとつだけ注意しなければいけない点がある。じつは、前述のとおり、本作におけるXPは事実上ゲーム内通貨的な運用をされているのだが、このXP、単にステージをクリアーしただけでは1ポイントも手に入らないのだ!! では、どうすれば入手できるのかと言えば……拾うのである。プレイヤー自身の手で。いや、「手で拾う」というのは言葉の綾だ。敵を倒した際、時折、XPの文字が入った金貨や銀貨を落とすことがあるが、それを素早くタップすることでXPをゲットできるのである。何という手作業! どうやら兵隊(ユニット)さんは、敵との戦闘に忙しくて、戦利品を拾うことまで頭が回らないらしい。しかも、このXP、某狩猟ゲームの小型モンスターなんかメじゃないほどに消えるのが早いのだ。体感にして2秒程度。おかげで、ユニット配置とは別の意味でもプレイ中には画面から目が離せず、気が抜けないのだ。とくに、倍速モードでプレイ中に複数の金貨が出現したときなど、はわわ、あわわとパニクりつつ、あわただしく連続タップするハメになる。これを、せわしなくて煩雑と見るか否かで評価が分かれるだろう。個人的にはは多少面倒に感じないではないが、プレイしているうちにすぐに慣れたし、その程度は瑣末な手間だと言いきって問題ないと思う。
▲ユニットを配置しようとメニューを開いたとき、開こうとしたときに限って、敵が金貨を落とす気がするのはマーフィーの法則だろうか。 |
▲ある程度ユニットを強化していかないと、先のステージでは最初の段階で敵をさばききれなくて即詰む。 |
▲ゆえに、ステージのくり返しプレイは必須。とは言え、最初のステージでも慣れれば500XP前後は楽々稼げるので、それほど問題はないはず。 |
■基本操作
プレイを開始すると、オープニングデモの後、戦闘準備画面であるタウンモードのメニューが表示される。ここで“”Play”と表示された机をタップすれば、戦場へと進むための“チャプター選択”画面へと入れる。最初は“The Escape”のステージしか選べないが、クリアーするごとに選べるステージが増えていくのはお約束だ。実際の戦場となるステージでは、リアルタイムストラテジーの例に倣って時間がリアルタイムに流れている。ステージに用意されたいくつかの拠点のうちのひとつを選び、タップすればユニット配置メニューが開くので、現在の所持金が許す範囲で適切なユニットを配置しよう。防衛拠点に敵の到達を許すとライフが1減る。ライフが0になるまでに、すべての敵の侵攻を凌ぎきれば、プレイヤーの勝利となる。
ステージが終了すると戦績報告画面ののち、再びタウンモードに戻ってくる。ここでは、青いテント(Upgrade)で前述のとおり各種ユニットの強化が行えるほか、旗(Achievement)からプレイヤーが各種トロフィーの達成状況の確認を、赤いテント(Profile)からはハイスコアなどの確認を行える。ユニットの強化に関しては、それぞれの職種ごとに伸ばせる能力値が異なる。装備品の購入は全体的な能力の底上げに繋がるものの、大量のXPが必要になる。どの職種のどの能力から強化していくか、いろいろ考えながら進めるのも本作の楽しみのひとつだろう。(キッシー嵐山)
【A Knights Dawn】
メーカー:VisionaryX GmbH
配信日:配信中
価格:無料
対応機種:Android 2.1以上
(C) 2011 VisionaryX GmbH
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